基板・ボード

基板・ボードとは

基板とは、複数の電子部品を配線で繋いで回路を作る際の土台となる部品です。

ジャンパー線や部品を差し込むだけで接続でき、簡易的に自作の回路を作成することができるユニバーサル基板というものもありますが、ここでは電気製品に幅広く活用されているプリント基板 (PCB:printed circuit board) について説明します。

プリント基板は、絶縁体の表面にの配線パターンや電子部品を接続するためのパッドを形成したもので、電子部品をはんだで接続することによって電子回路として完成します。プリント基板は、ICと同じようにCADを用いて設計し、製造装置によって文字通りプリントするイメージで量産することができます。

スマートフォンなどの小型の電子機器からサーバ、産業機器、自動車に至るまで様々な機器に使用されており、現代社会にとって必要不可欠な部品です。

基板・ボード

多種多様な製品に対応するため、プリント基板には様々な材料のものがあります。

1. FR-1,2 (紙フェノール基板)

片面基板として、白物家電やリモコンなどに使用されています。

2. FR-3 (紙エポキシ基板)

紙フェノール基板と同様に片面基板として用いられ、高電圧回路や耐湿性が要求される回路などに使用されます。

3. FR-4,5 (ガラスエポキシ基板)

多層基板のほとんどがこの材料を使用して作られています。電気的特性も機械的特性も優れており、あらゆる電子機器に使用されています。FR-5は高い耐熱性があり車載用として使われています。

4. CEM-3 (ガラスコンポジット基板) 

ガラスエポキシ基板よりも機械的特性や安定性は劣りますが、安価に製造できるため、片面基板では対応できない製品に対して両面基板として使用されています。家電製品やAV機器などに使用されています。

5. ガラスポリイミド基板

柔軟性と耐熱性に優れており、フレキシブル基板として利用されます。

基板・ボード

まず、プリント基板には材質により大きく2つの分類があり、硬いリジッド基板と柔らかいフレキシブル基板があります。単に基板と言う場合はリジット基板を指すことが一般的です。フレキシブル基板は薄く、折り曲げることができるので薄い製品やロボットなどの可動部分など広く利用されています。それ以外にも下記のように層の数や構造による分類もあります。

1. 片面基板

基板の片面に配線や電子部品が実装されている基板です。複雑な回路を実装することはできませんが、安価で製造することができます。

2. 両面基板

基板の両面に配線や電子部品が実装されている基板です。片面板と比較してより複雑な回路を実装することができます。

3. 多層基板

基板の両面だけではなく、内部にも配線を形成する基板です。プリプレグという接着シートを用いて基板を積層し、1枚の基板にしています。

4. ビルドアップ基板

1層毎にビアの加工や配線形成などを繰り返して作製します。コア基板という2層〜4層の基板の表面と裏面のそれぞれに1層〜3層の配線層を形成した4層〜10層からなる多層基板です。

5. 厚銅基板

大電流を扱う機器に使用される基板です。大電流に対応するため配線パターンに使用する銅の厚みを厚くして製造されます。産業機械、工作機械、電車、自動車などに使用されます。

加工・工作機器

加工・工作機器とは

加工・工作機器とは、切削工具などを用いて、材料を加工する機器のことを言います。本記事においては、材料に対して行う、削る、磨くなどの行為を加工と呼び、加工を行う装置のことを工作機器と呼称します。

工作機器は、加工方法や切削工具などの違いにより、様々な種類が存在します。身近な物では木材や鉄板に穴を空ける「電動ドリル」、高速でネジを締めたり緩めたりする「電動ドライバー」などがあります。大型の工作機器ですと、製造業などで使われる、電動ドリルを大型化したような「ボール盤」、穴空けや平面削りを行う「マシニングセンター」、材料の表面を磨く「研削盤」などがあります。

加工方法の種類

加工方法の種類は大きく分けて切削加工、研削加工の2つに分けられます。

1. 切削加工

刃具を用いて材料を削る加工方法のことを言います。削る方法には、刃具側を回転させる方法と、材料側を回転させる方法があります。刃具側を回転させる方法は平面を削ったり、穴を空けたりすることを目的としたことが多く、材料を回転させる方法は、円筒形の物を作るのに適しています。

2. 研削加工

砥石によって、材料の表面を削る、または磨くことを目的とした加工方法のことを指します。角部を落としたり、表面をつるつるピカピカに仕上げる時などに用います。

工作機器の種類

工作機器の中で代表的なものには、以下の種類のものがあります。本記事では材料を固定する台のことをテーブルと呼称します。

1. ボール盤

電動ドリルとテーブルを組み合わせた工作機器で、材料をテーブルに固定し、ドリルを回転させて材料に当てて、穴を空けることを目的に使用されます。タッパーという工具を使ってネジを切ることも可能です。

2. フライス盤

材料をテーブルに固定し、ドリル、エンドミル、フライスなどの刃具を回転させて材料を削る工作機器です。刃具を付け替えることで、幅広い加工を行うことができます。

3. マシニングセンター

フライス盤に自動刃具交換装置 (ATC装置) を搭載し、プログラム制御によって刃具やテーブルを動かすことで、自動運転を可能にした工作機器です。

4. 旋盤

材料を固定したテーブルを回転して、固定したバイトと呼ばれる刃具を当てて材料を削る工作機器です。円筒形の物を作るのに適しています。

5. NC旋盤

旋盤にATC装置を搭載し、プログラムによって刃具を動かすことで、自動運転を可能にした工作機器です。

6. グラインダー

砥石を回転させ、材料の表面を削ることができます。材料の角を取ったり、厚みを薄くするのに用います。手持ちして砥石を材料に当てに行く小型のタイプと、装置に設置された砥石に材料を当てに行くタイプがあります。

7. 研削盤

材料をテーブルに固定し、回転した砥石を材料に当てて、往復を繰り返すことで、材料を削る、または磨くことができます。精度が高く、主に表面仕上げに用います。

電源

電源とは

電源とは、電気エネルギーを供給する部品または装置です。

具体的な例として、コンセントやパソコンのバッテリー、乾電池などがあります。電気製品の動作を担っている電子回路やモーター、プロセッサなどの電子部品は電源から定められた電気エネルギー (電圧や電流) の供給を受けないと動作できません。

このような電気エネルギーを消費する部品を負荷デバイスと呼びます。それに対して電源から供給される電気エネルギーを負荷デバイスが要求する適切な電圧や電流に変換して供給するデバイスのことを電源デバイスと呼びます。

電源IC

電源ICとは電源と負荷デバイスの間での電力のやり取りを制御する電源デバイスです。

負荷デバイスは決められた電気エネルギーの供給を受けないと動作することができません。例えば負荷デバイスの要求電圧が5[V]であるとして、電源が12[V]や1.5[V]の時、これらの電圧を5[V]に変換して供給する必要があります。電源ICはこのように電気エネルギーを変換する役割を担っています。PCを例に組み込まれている電源ICの例は下記の通りです。

1. AC/DCコンバータ

電気機器をコンセントにつなぐほとんどの場合、ACアダプター付きのコードを接続します。通常、コンセントからは交流電圧が出力されますが、ほとんどの電子機器は直流電圧で動作するのでAC (交流) からDC (直流) に変換する必要があります。

2. 充電制御IC

リチウムイオンバッテリーに対する充電を制御します。

3. DC/DCコンバータ

各部品 (CPU、ディスプレイ、ストレージなど) にそれぞれ対応した電圧を供給しなくてはいけないので各部品の前に挿入して電圧を変換します。電圧を上げることを昇圧、電圧を下げることを降圧と呼びます。

4. リニアレギュレータ

電圧のノイズによって性能が劣化する部品 (スピーカーなど) の前に挿入してより安定した電圧を供給します。

電源装置

製品としてユーザーが使う電源デバイスの他に、製品の研究開発段階では様々な条件で実験を行うので可変で安定した電源装置が必要とされます。また、工場や企業の設備で停電が起きた際に予備電源として設置されているものもあります。電源装置は具体的に以下のようなものがあります。

1. 直流安定化電源

交流電圧の入力から、定電圧や定電流、またはその両方を出力する装置です。出力が一定の固定型、出力を自由に変えることができる可変型などの分類もあります。

2. 交流安定化電源

電圧や波形を一定に保つACスタビライザや、周波数を一定に保つ周波数コンバータの機能を持つものがあります。災害などによる停電の際に設備やPCを守るための無停電電源装置 (UPS) として使用されているものもあります。

光源

光源とは

光源 (英: Light source) とは、光を発するものの総称です。太陽や火炎、稲妻なども含まれますが、一般には人間が意図して作り出した人工的な光源のことを言う場合が多く、電気や化学のエネルギー変換によって作られた光を放出する物体を指します。

発光原理による人工光源の分類

人工光源には、ろうそくやガス灯などの燃焼光源も含まれますが、現在一般に使用されているのは電気エネルギーを利用した光源です。これを発光原理で分類すると、フィラメントを発光体とする白熱ランプやハロゲンランプ、気体放電を使用した放電ランプ、物質に強いエネルギーを加えたときに起きる発光現象「エレクトロルミネッセンス」を利用した発光ダイオード (LED) ランプなどに大別されます。

さらに、放電ランプは放電気体の圧力の大きさで細かく分類され、蛍光ランプなどの低圧放電のものと、無電極ランプ (エバーライト) に代表されるメタルハライドランプや、ナトリウムランプ、キセノンランプなどの高圧放電のものに分けられます。

また、気体放電やエレクトロルミネッセンスの原理を利用した光源のうち、とくに方向性や位相が揃った光をレーザー光、とくにパルス共振するものをパルスレーザーと呼びます。これらを発生させるレーザー光源レーザーモジュールは、ラインレーザー回転レーザーイージーレーザーポイントレーザーなどのツールとして、主に建設現場や工場の生産ラインで活用されています。

光の波長域による人工光源の分類

人工光源は、発生する光の波長域によっても分類されます。可視光の波長域 (おおよそ380 nm〜780 nm) より長い波長の光を発するものは赤外光源、短い波長の光を発するものは紫外光源 (UV光源) とされ、これらの光源装置を赤外線照射装置UV照射器などと呼びます。波長域による分類と、上述の発光原理による分類と合わせると、人工光源をさらに細かく分類することができます。

グリーンレーザーファイバーレーザーのように、特定の波長・波長域の光を発振するレーザー光源も存在します。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ecb1963/11/1/11_1_41/_pdf

ジェネレータ・発生器

ジェネレータ・発生器とは

ジェネレータ・発生器 (英: Generator) とは、現象や物体を生じさせる装置の総称です。種類によって発生させるものは様々ですが、単にジェネレータや発生器という場合、一般には電力を供給する機器を意味します。

産業分野におけるジェネレータ・発生器の種類は多岐にわたります。ここでは、主に部品、製品、設備の検査および評価に用いられるものと、その他の用途のものに分けて例示します。

ジェネレータ・発生器の種類

様々な電気信号を出力する信号発生器は、電子測定で被測定回路を動作させるための信号源となる機器です。

振幅、周波数、位相、立上りおよび立下り時間、パルス幅などが異なる多様な電気的波を生成することができます。ミックスド信号発生器とロジック信号発生器に大別され、ミックスド信号発生器は汎用性と費用対効果が高い任意波形/ファンクションジェネレータと、高性能であらゆる波形の出力が可能な任意波形ジェネレータ(任意波形発生器)に分類されます。

ロジック信号発生器には、パルス・パターン発生器とデータ・タイミング発生器があり、いずれも通信機器などのデジタルテストに使用されます。

電気を発生させる装置には、屋外作業時などに電力を供給するエンジン発電機のほかに、試験機器として用いられる電流発生器電圧発生器があります。電流発生器・電圧発生器は、高い精度で電流・電圧を制御することができ、半導体デバイス、電子部品、大規模な電気設備などの検査や特性評価に使用されます。

このほか、主に試験機器として用いられるジェネレータ・発生器には、オーディオジェネレータ (低周波発振器) 、ノイズジェネレータ、トラフィックジェネレータなどがあります。

ジェネレータ・発生器の種類

試験機器以外の用途に用いられるジェネレータ・発生器にも数多くの種類があります。

例えば、食品や工業製品の製造ラインで使用される蒸気発生器 (水蒸気発生器、ガス発生器) や水素発生措置、病院・工場などの衛生管理や排水浄化処理に用いられるファインバブル、ナノバブル、オゾン、イオンの発生装置などです。

メーター・計測機器

メーター・計測機器とは

メーター・計測機器とは、力、速度、温度、量などを測定・表示する機器のことです。

日本語では計測機器、英語ではメーター (Meter) になり、呼び方が日本語か英語かになるだけで特に違いはありません。例えば、速度を計測する機器は日本語では速度計、英語ではスピードメーターになります。また、流体の流れ、流量を計測する機器は日本語では流量計、英語ではフローメーターになります。(以降は日本語読みの計測機器で統一します。)

計測機器の種類

計測機器の種類の中で、代表的なものをいくつか紹介します。

1. 圧力計

流体の圧力や、タンクに封じ込められた圧力を計測する機器です。圧力は、仕事の力に関わる重要な項目であるため、あらゆる装置に圧力計が設けられています。

2. 速度計

物の移動する速度を計測する機器です。自動車や電車など、多くの乗り物に搭載されています。他にはプロ野球などでピッチャーの投げた球の球速を測るためにも用いられています。

3. 温度計

物や水、空気などの温度を計測する機器です。家庭用の体温計も温度計の一種です。他にも温度管理が必要な設備、例えば洗浄機などにも設けられています。

4. 流量計

流体の流れる量を計測する機器です。例えばエアーの力で汚れを吹き飛ばすエアブロー工程などでは、エアーが規定量吐出していることを確認するために設けられています。

アナログ計測機器とデジタル計測機器

計測機器には大まかにアナログ計測機器とデジタル計測機器 (以後: アナログ計、デジタル計) があります。違いやそれぞれのメリット・デメリットなどは下記の通りです。

アナログ計とデジタル計の大きな違いは、電源を必要とするかしないかの違いです。アナログ計は電源が必要ありませんが、デジタル計は電源が必要です。また、計測値の表示の仕方にも違いがあり、アナログ計は針で数値を指し示し、デジタル計は計測した数値を数字で表示します。

アナログ計のメリット・デメリット

アナログ計のメリットは電源を必要としないため、設置が容易な点です。また、日常点検では数値を針で指示しているため、規格値範囲を色分けして針が範囲内に入っていることを確認すれば完了するため、瞬時に良否判断ができます。

アナログ計のデメリットは、正確な数値を読み取る際、針が指し示している値を読むのに時間がかかることや、目盛りの間に針がいた場合は、人によっては計測値がばらつく恐れがあることです。また、異常値を示していても計測機器を目視するまでは異常を検知することができません。

デジタル計のメリット・デメリット

デジタル計のメリットは、信号を発する機器がほとんどのため、異常を検知した際は設備に異常信号を発し、アラームを鳴らすことで即座に異常を確認できる点です。また、計測値を数字で表示するため、正確な値を瞬時に読み取ることができます。

デジタル計のデメリットは、計測した数値を目視した際、正常か異常化を判断するのに、基準値が近くに表示されてないと判断できないという点です。また、電源を必要とするため配線が必要なことや、異常信号をアラームに変換するのにプログラムが必要な場合もあります。

コネクタ

コネクタとは

コネクタとは、電力や電気信号を接続する電子部品です。

コネクタは、スマートフォンやパソコンなどの身近なものから、人工衛星に至るまで世の中のあらゆる電子機器に使用されています。それぞれの製品に合わせた仕様があるため、多種多様な品種が存在します。

ACサーボ、NC (数値制御) 装置、インバータなどのFA機器類や、内臓のICは技術の進歩によって高性能化されており、これらの部品やモジュール間をつなぐ役割の高性能化も必然的に求められています。 そこで重要な役割を果たすのがコネクタです。

コネクタは配線の接続時に工具を使わずに、直接手で差し込むだけで接続が可能なため大幅な時間や労力の削減に役立ちます。 最近では機器の扱う情報量の増加によって、コネクタのピン数が数百もある多極コネクタが作られています。 ピン感覚は約1mm程度になっていて、ピンの配置も直線状に限らず千鳥状など様々のタイプがあります。

コネクタの仕組み

一般的にコネクタは2ピースの構造となっていて、差し込む側をプラグ、受け入れる側をレセプタクルと呼びます。これらのペアを抜き差しするだけで配線の接続・切断を容易に行うことができます。

プラグやレセプタクルは、電気を通す「コンタクト」という部品と、コンタクトを保護したりコンタクト同士の絶縁の役割を持つプラスチックで作られた「インシュレータ」という部品と、インシュレータを保護する「シェル」と呼ばれる外殻部品によって構成されています。

コネクタのメイン部分となるコンタクトは、導電性の高いなどの合金で作られます。通常、プラグ側はバネ特性を持たないピンコンタクト、レセプタクル側はバネ特性をもつソケットコンタクトで構成されています。コンタクトのバネ特性によって圧着接続され、電力や電気信号を接続することができます。

コネクタの種類

コネクタには、接続先で分類分けした4つの種類があります。

  1. 基板同士を電線を使ってつないだ場合: Board to Wire (B to W)
  2. 基板同士を電線を使わずにコネクタ同士でつないだ場合: Board to Board (B to B)
  3. 機器同士をコネクタでつないだ場合: INPUT / OUTPUT (I / O)
  4. その他の場合: ICソケットや短絡コネクタなど

コネクタの種類は、コネクタそのものを定めた規格、通信規格がコネクタも規格化しているもの、通信規格に対応させたコネクタ製品化したもの、コネクタ規格を利用した通信規格など多種多様な規格・製品があります。以下に一部の有名な規格を紹介します。

1. コネクタの規格

  • DIN41612規格
    DIN規格はドイツ工業会の規格です。コネクタではDIN41612規格が有名で、一般的にDINコネクタと呼ばれる基板同士を接続するコネクタです。
  • MIL-C-83503規格
    MIL規格は米軍の規格です。コネクタではMIL-C-83503規格が有名で、一般的にMILコネクタと呼ばれるフラットケーブルコネクタです。
  • IEC61076-4-101規格
    IEC規格は世界規格です。この規格は2mmピッチHMコネクタの規格です。
  • USB規格
    この規格はUniversal・Serial・Busという通信を定めた規格ですが、コネクタ自体も同時に規格化しています。PCと周辺機器との接続などに使用されます。

2. 通信規格

  • VME Bus規格
    Versa Module Eurocard Bus規格はラックシステムの通信規格で、DIN41612コネクタを採用した規格です。
  • Compact PCI規格
    Compact PCI規格は3Uまたは6UのEurocardベースの産業用コンピュータの標準規格です。IEC61076-4-101規格のHMコネクタを採用しています。
  • RS-232C 規格
    Recommended Standard 232 version CはEIAによって標準化された規格です。この規格はCOMポートにモデムやプリンタなどの周辺機器を接続するために広く用いられており、端子にはDサブコネクタの25極、9極がよく使われています。

コネクタの形状

基本的にはコンタクトと呼ばれる直接接書する部分と、ハウジングというコンタクトを囲うケース部品から成り立っています。

コネクタの形状はJIS (日本工業規格) の規定で定められています。しかし、製品数が多く、独自で企画した仕様を採用している企業もあります。各コネクタのメーカーは、コネクタの性能や信頼性を高めるための工夫を凝らしています。特にピンの接触抵抗については工夫が必要とされています。

例えば、銅合金のピンに金メッキを施すと20~35mΩ以下に接触抵抗を抑えることができます。使用する機器が高性能化すればするほど、コネクタも電気抵抗が限りなく0に近づくことが求められます。産業の基盤を支える重要な役割を果たしています。

カメラ

カメラとは

カメラとは、レンズや感光材料を用いて写真を撮影・保存する電気機器です。スマートフォンなどの製品に組み込まれているものはカメラモジュールと呼ばれることもあります。

カメラの仕組み

カメラは主に「レンズ」「感光材料」「シャッター」の3つの要素によって構成されます。

1. レンズ

ガラスやプラスチックで作られた、光を屈折させる部品です。レンズの一部や全体を前後に移動させることでピントの調節を行います。現在、一般的なカメラにはオートフォーカス機能が付いていて、自動でピントを合わせることができます。コンパクトデジタルカメラではコントラストが高い位置にレンズを合わせる「コントラスト検出方式」が使用されています。

一方、一眼レフデジタルカメラでは、入ってきた光を2つに分けて結像した画像の比較を行うことでピントを調節する「位相差検出方式」が使用されています。最新技術としては人の顔を検出してピントを合わせる画像認識のオートフォーカスもあります。

2. 感光材料

フィルムカメラでは、フィルムの表面の化学塗料が光に当たることによって変化 (感光) し、化学的なプロセスを経て現像されます。それに対して現在一般的に使用されているデジタルカメラではフィルムの代わりに撮像素子 (イメージセンサ) が用いられています。フォトダイオードにより受けた光を電流や電圧に変換し、画素と呼ばれる単位ごとにデジタルデータとして保存しています。その中でもCMOSセンサやCCDセンサなど回路の構造による分類があります。

3. シャッター

シャッターは感光材料に光を当てる時間とタイミングを調節する部品です。コンパクトカメラに用いられているレンズシャッターはレンズの中に置かれ、バネによって素早く開閉します。一方、一眼レフカメラには感光材料の直前に配置されるフォーカルプレーンシャッターが用いられています。また、シャッタースピードはシャッターが開いている (露光) 時間を示します。

カメラの種類

カメラはデジタルとフィルムの大きく2つに分けられます。
そのほかにも以下のような種類があります。

1. 一眼レフカメラ

ミラーなどで反射させることによってファインダーから撮影する画像を直接確認することができます。1つのレンズで撮影と確認ができることを一眼と呼び、レフレックス (反射) という言葉から一眼レフという名称になっています。今までの主流の上位機種として使用されてきました。レンズを交換が可能です。

2. ミラーレス一眼

ファインダーの中に小さな液晶があり、リアルタイムのデジタルデータを表示しているデジタルカメラです。一眼レフと比較してコンパクトというメリットがあります。タイムラグや価格なども改善され、現在では一眼レフに代わって主流になりつつあります。レンズ交換が可能です。

3. コンパクトカメラ

レンズとカメラが一体になっている小型なカメラです。

4. インスタントカメラ

撮影後すぐに現像できるフィルムカメラです。

ロボット

ロボットとは

ロボットとは、人の代わりとなって作業を行う機械全般のことを指します。

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が発行している「NEDOロボット白書2014」によれば、ロボットは「センサー、知能・制御系、駆動系の3つの要素技術を有する、知能化した機械システム」と定義されています。センサーひとつをとっても、視覚センサや力覚センサ、赤外線センサなど枚挙にいとまがなくこれら組み合わせは無限で、ロボットと呼ばれる製品は世の中に多種多様に存在しています。

ロボットの種類

先述した通り、ロボットと呼ばれる製品は多種多様であるため、ここでは代表的なロボットについてご紹介いたします。

1. モバイルロボット

工場内などで無人で物を搬送するロボットのことを指します。AGV (Automatic Guided Vehicle) と呼ぶこともあります。車輪がついており、荷物を積載した状態で工場内での運搬業務を担います。カメラで障害物を自動認識し避けながら自走するものや、ライントレースするものなどがあります。

モバイルロボットについて詳しくみる

2. ピックアンドプレースロボット

物をピックアップし、それを決まった位置に置き直すロボットのことを指します。スカラロボットや直交ロボット、パレタイザーロボットによって実現されることが多く、ビジョンシステムなどと組み合わせることでランダムピッキングを実施することも可能です。

ピックアンドプレースについて詳しくみる

3. 協調ロボット

人と協調しながら作業を行うロボットのことを指します。ビジョンシステムや力検知システムなどを搭載しており、人への影響を検知すると動作を停止させたり減速したりと、人に危害を加えることなく働くことができます。

協調ロボットについて詳しくみる

ロボットを工場に導入するメリット

例えばロボットを工場に導入すると、これまでは作業員が実施していた「物の取り置き」のような単純作業を自動化することができます。

従来は、これら単純作業をNC機器などを用いて自動化することが一般的でした。しかし「設備規模が大きくなる」「汎用性がない」というような理由から、垂直多関節ロボットや協調ロボットをはじめとする各種ロボットによって実現することに注目が集まっています。

これらロボットは複雑な動作が可能であるため、省スペースでありながら様々な作業を作業員に代わって実行することが可能になるのです。

スイッチ

スイッチとは

スイッチとは、切り替えを行う部品や装置のことを指します。また、切り替える行為そのものをスイッチと呼ぶことがあります。

スイッチの仕組み

電気回路におけるスイッチの仕組みは、ボタンを押す、レバーを倒すなどの操作で、接点の位置が変わり、電気回路中の接点が繋がる、または離れることで、回路が切り替わる、遮断するという仕組みになっています。

家庭用の照明スイッチの例

2階建て住宅などでは1階と2階を繋ぐ階段の横に照明のスイッチが設置されています。1階と2階、両方にスイッチが取り付けられていますが、どちらでスイッチを切り替えても照明をオンーオフすることができます。この仕組みについて簡単に説明します。前提条件として1階と2階のスイッチは、両方とも接点がA回路またはB回路に繋がるものとします。

  • 1階と2階の両方ともA回路に繋がっていれば、電流はA回路を一周することができ、照明はオンします。
  • 1階と2階のどちらかがA回路、どちらかがB回路に繋がっていれば、回路は途中で遮断されてしまい、照明はオフします。
  • 1階と2階の両方ともB回路に繋がっていれば、電流はB回路を一周することができ、照明はオンします。

このようにスイッチはどの回路に電流を流すか、または電流を遮断するかを切り替えることによって設備の運転モードを切り替えたり、照明をオンーオフすることができるのです。

スイッチの種類

スイッチにはいろいろな種類がありますが、切り替え方式の違いによる種類を一部紹介します。

1. 押しボタンスイッチ

押し込んだ時のみ回路が繋がり、指を離すとバネで戻り、回路が遮断されます。

2. シーソースイッチ

突き出たほうを押し込み、回路を切り替えます。家庭の照明などで多く採用されています。ロッカースイッチと呼ばれることもあります。

3. トグルスイッチ

レバーを倒すことで、おもにオン―オフの切り替え操作します。電車や飛行機の運転席に多く設置されています。

4. ロータリースイッチ

ツマミを回転することで回路を切り替えます。複数のモードを切り替えたり、速度調整などのスイッチとして使用されています。