低周波発振器についての概要、用途、原理などをご説明します。また、低周波発振器のメーカー7社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。低周波発振器関連企業の2023年11月注目ランキングは1位:株式会社ナリカ、2位:リバーエレテック株式会社、3位:株式会社テクシオ・テクノロジーとなっています。
低周波発振器 (英: Low frequency oscillator) とは、比較的低い周波数の信号を発生させる装置のことです。
低周波という言葉自体の定義は使われる分野によって異なりますが、販売されている機器としての低周波発振器の仕様はおおよそ数Hz~数百kHzの範囲です。発振回路を用いることにより特定の周波数の交流信号を生成することが可能で、一般には周波数信号を用いた試験における基準信号を生成する役割があります。
発振器で作ることのできるおおよそ20Hz~20kHzの信号は可聴域なので、増幅することで音として人間が聞き取ることができます。
低周波発振器の使用用途として最も多いのが、オーディオ機器の周波数特性を解析する時です。周波数信号を用いた通信用の電子機器では高周波 (RF) が用いられる場合がほとんどであり、身近な低周波は音波になるため、音響機器が低周波数信号を用いる回路として主流と言えます。
例えば、オーディオアンプをDUT (Device under test: 被試験機器) として、入力信号を低周波発振器によって生成します。出力信号をFFTアナライザなどで解析することによって、対象のアンプの特性を解析することが可能です。
低周波発振器の原理は、発振回路に基づく安定した周波数信号の生成技術にあります。通常よく知られているLC共振回路ベースのハートレー型やコルピッツ型の発振回路では波長の制約で低周波の波形の実現が困難なため、RC型 (ないしはCR型) の発振回路が用いられているのが特徴です。
RC型発振器にはウィーンブリッジ回路やブリッジドT型回路、状態変数型回路などがあり、いずれもアンプの帰還量を調節することで発振を得ることが可能です。中でもウィーンブリッジ回路はよく知られており、回路にアンプが1つだけという簡便さもあり、広く利用されています。
一方で、状態変数型ではより低歪かつ、2相出力が得られます。周波数の制御には可変抵抗器やバリキャップと呼ばれる可変容量コンデンサが用いられることがあります。また、キャパシタと固定抵抗を用いたステップ可変も周波数決定の手法の一例です。
RC発振回路だけでは、振幅の一定した正弦波を得ることはできません。そのため、振幅を制御する装置が通常は必要です。電球やサーミスタなどの印加電圧により抵抗値が変化する素子を用いて帰還量を調整する方法や、出力の電圧を検知して帰還量を調節する電子回路を組む方法などがあります。
低周波発振器は、比較的身近な電子回路ということもあり、得られた機器で例えば家庭などで用いるブザーなども作成可能です。そのため、自作用の電子回路キットや電子回路を学習する学生向けの教材としても、幅広く扱われています。
また、WindowsPC上で低周波の音源を生成可能なフリーソフト (WaveGeneなど) も広く出回っています。
一般にRC型発振器の周波数精度は、水晶 (クォーツ) やセラミックを用いた発振器と比較してそれほど良くはありません。その理由は抵抗や容量の値にばらつきを有することと、そのRC値が温度によって変化してしまうためです。
ただし、RC型発振器は水晶 (クオーツ) などに比べ比較的安価で簡便に構成できるため、広く用いられており、精度を改善させるための工夫が施されています。その代表的な改善手法が、キャリブレーションと呼ばれる合わせこみです。そのキャリブレーションには、デジタル回路を活用する手法が広く用いられており、特に製品の出荷前には周波数の値はキャリブレーションにて調整されています。
デジタル回路を活用するキャリブレーションは、内部に有するクロックと比較して補正をかける手法が用いられており、例えばメモリアドレスのある値をキャリブレーション用途に使うのが一般的です。これはデジタル回路の動作的にOSCCALと呼ばれるレジスタの値を変化させながら、所望の発振周波数になるようなレジスタ値を、自動的に選択できます。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年11月の注目ランキングベスト7
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社ナリカ |
40.5%
|
2 | リバーエレテック株式会社 |
13.5%
|
3 | 株式会社テクシオ・テクノロジー |
13.5%
|
4 | 三田電波株式会社 |
10.8%
|
5 | Silicon Laboratories Inc. |
8.1%
|
6 | 京セラ株式会社 |
8.1%
|
7 | 株式会社オンソク |
5.4%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年11月の低周波発振器ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
株式会社ナリカの「ハンディー低周波発振器CR-T」は携帯性に優れた小型の低周波発振器です。
大きさは76×135×27mm、重さは約285gと小型で軽量にも関わらず、スピーカー内蔵のため、本機のみで音の実験にも活用できます。
単体でも十分使えますが、イヤホン、増幅器、高感度マルチ増幅器と併用することで、より多くの実験が可能になります。
出力が高く白色LEDの点灯が可能のため、音を可視化し、周波数を点滅表示させることもできます。
株式会社オンソクの「OG-422Aスピーカー試験用発振器」は手動タイプのスピーカー検査用低周波発振器です。
周波数可変は手動での操作のみで、周波数の対応範囲は10Hz~20kHzまで、煩わしい周波数レンジ切り替えがなく、一回転で動作検査が可能です。
周波数ダイヤルはエンドレス回転で、回転角200度対数目盛で10Hz~20kHzの範囲がコントロール可能です。
用途は主にスピーカー検査、各種オーディオ機器の確認です。
株式会社オンソクの「OG-440スピーカー試験用発振器」は手動と自動スイープ機能付きスピーカー検査用低周波発振器です。
オートスタート機能が加わりスピーカーを接続すると設定したスタート周波数値からスイープを開始し、スピーカーを外すと自動的にスタート周波数に戻ります。
マニュアル動作時の周波数ダイヤルは回転角度200度で10Hz~20kHzをカバーします。
煩わしい周波数レンジ切り替えがなく、一回転で動作検査が可能です。
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