見積管理システム

見積管理システムとは

見積管理システムとは、見積書の作成・発行、承認フローを一括で管理し、業務の効率化に貢献するシステムです。

見積もり管理業務では、見積書について、情報や業務フローなどの管理が必要です。ローカルで業務を行った場合、情報の一元化・共有が難しく、情報が断片化・属人化しやすいという特徴がありますが、見積管理システムを利用することで、業務の一本化が可能です。見積書発行時の金額計算や承認フローまでを一本化・効率化することができます。さまざまな機能を持ったシステムが有り、用途・業種等に合ったシステムを選定することが大切です。

見積管理システムの使用用途

見積管理システムは、見積管理業務における下記のような効率化を目的として利用されます。

  • 一元管理の実現
  • 見積もり作成の効率化・ペーパーレス化
  • 業務改善につながる見積もり分析

まず、従来各担当者が個人で管理していた情報を一元化し、リアルタイムで共有することが可能です。これにより、見積規格などの統一を図り、また、業務遂行上さまざまな形で活用できるようになります。承認フローもシステム内で完結するため印刷・押印などのプロセスも効率化が可能です。

また、見積管理システムは、システムから直接見積もり依頼を行うことができるようになっており、関係部署との連携が容易になり、業務効率の改善に有効です。例えば、個々に行っていた、仕入れ値の確認、他営業の見積もりと照らし合わせた相場の確認、在庫管理部門に売り止め指示を出すなどの一連の業務が一括で進行します。また、PDFやブラウザ閲覧などによる見積もりのペーパーレス化も実現します。

また、見積管理システムを利用することで過去の見積もりの成約率や、成約からの利益率なども記録が可能です。過去の見積のデータから、成約に結びつかなかった理由や、利益率が低かった場合の原因を確認できます。

見積管理システムの原理

見積管理システムの主な機能は

  • 作成・発行
  • 承認フロー
  • 保管
  • 商品マスタ・顧客マスタなどのマスタデータの一元管理
  • 帳票管理
  • データ連携・システム連携

です。

作成・発行では、過去の見積書などのテンプレートを読み込んだり、受注内容を取り込んで見積書を自動作成したりすることが可能です。また、AI (人工知能) によって入力ミスなどを指摘するアシスト機能が搭載されている場合もあります。

見積書の確認と承認はシステム内にてオンラインで可能です。従来決裁者の押印を必要としていた承認プロセスも効率化とスピードアップを図ることができます。

見積書の保管はシステム内で自動的に行われます。また、合わせて商品マスタや取引先マスタなどのマスタデータもシステム内で管理されます。

システム連携機能は、外部システムとデータを自動でやり取りする機能です。データを再入力する手間が省くことができる省力化の観点だけでなく、ヒューマンエラーの防止の上でも有効です。CRM (顧客管理システム) やSFA (営業支援ツール) などと連携して使用されます。

見積管理システムの種類

1. 機能面

見積管理システムは、機能面で大きく分けて

  • 見積管理専用型
  • ERP、販売管理システム一体型
  • 業種 (業界) 特化型

の3種類に分類されます。

見積管理専用型は、見積書の作成、発行、管理に特化したシステムです。シンプルな機能のみなので操作性に優れて要ることが特徴です、

ERPや販売管理システムに一体型となっている見積管理システムは、ERP (基幹システム) のモジュールの1つとして見積管理機能が搭載されているシステムです。見積書の作成後、会計処理までを自動化で行ったり、他システムと連携して経理業務などを行うことが可能です。受注から納品までの広範な販売業務に対応したい場合などに適しています。

業種特化型は、特定の業種に必要とされる項目や機能を備えた見積管理システムです。建設業・組立製造・プロセス製造・IT・卸売り・マーケティング・医療業界などの業種に対応した製品があります。機能の例としては、積算見積書 (製造や建築業界などにおける人材や材料、工事費用を考慮した見積) の作成に対応した製品や、参考として相場単価や適性金額を表示する製品などがあります。

2. オンプレミス型・クラウド型

見積もり管理システムには、オンプレミス型とクラウド型の種類があります。

オンプレミス型とは、サーバーやネットワーク機器、ソフトウェアなどのシステムの稼働やインフラの構築を自社で保有して運用する形態です。導入費用は高いものの、セキュリティの安全性が高い点で優れています。

クラウド型は、初期費用が抑えられ、システム構築に手間がかからないという特徴があります。スマートフォンやタブレットの端末などを使用すれば出先でも見積もり作成が可能であるという柔軟性の高さがメリットです。