協調ロボットについての概要、用途、原理などをご説明します。また、協調ロボットのメーカー20社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。協調ロボット関連企業の2022年4月注目ランキングは1位:株式会社不二越、2位:株式会社安川電機、3位:ファナック株式会社となっています。
協調ロボットは、ロボットと人が同じ領域で作業を行うことができるロボットです。2013年の規制緩和により、協調ロボットが各所で導入されるようになりました。安全柵なしに人と共に働けるので、人の負担を軽減し、エラーを減らす効果があり、人手不足に貢献しています。
製造業においては協調ロボットの活躍により生産性や稼働率が上がり、効率よく製造できるため食品、自動車、電子部品など幅広い業界で安全性に留意しながら利用されています。
比較的小型で細かい作業を行うことができ、作業スペースの狭い場所でも利用できるので、幅広い業界で導入されています。
食品業界ではスライスやカット、ピッキングなどで、自動車業界では、成型プレス、レーザー切断、組み立てなどを担当しています。電子部品業界では、0.1㎜の精度が要求される取り付け、組み立てなど製造に関わるほぼすべての工程で利用されています。
その他機械部品の搬送や、小型部品の組み立て、ねじ締め、工作機械へのセッティング、梱包、射出成型、接着、溶接、品質検査など、細かい作業や力の必要な作業まで様々な分野で利用されています。
従来の産業ロボットよりも協調ロボットは柔軟な作業に対応しています。機種や用途によりますが、5軸、6軸といった関節を持ち、高速で高精度な作業ができます。また、画像センサ、画像処理システムにより、対象物を認識しています。ロボットの動作指示をアームに付いているボタンで操作できるようになっているモデルもあります。
技術の進歩により作業のプログラミングが容易になり、立ち上げまでにかかる時間が短縮されています。
人と協調して働くために、協調ロボットにより人がケガをしないよう安全対策が取られています。多くの協調ロボットは形状に丸みをつけて、ぶつかっても人がケガをしないように配慮しています。また、接触センサを搭載しており、人が触れると動作が停止するようになっているものがほとんどです。
他には、例えばロボットアームに、ロボットの状態を表示するLEDライト機能を付けて、稼働状態を確認できるように工夫されているものもあります。
安全性は十分考慮されていますが、リスクアセスメントは必要です。
協調ロボットの価格は数百万円から数千万円程度まで様々な種類のものがあります。
例えば、不二越株式会社からはCZ10と呼ばれるスリム型の協調ロボットが100万円から販売されています。
また、デンソーウェーブ株式会社では、人協働ロボットであるCOBOTTAと呼ばれる協調ロボットが約222万円で販売されています。
省人化や生産性の向上のため、これからますます産業用ロボットの需要は増加していくことから、協調ロボットの価格も安価になっていくことが予想されます。
先進国を中心としたロボット産業の成長に伴って協調ロボットの需要についても今後ますます伸びていくことが予想されます。
国際ロボット連盟が発表しているレポートによりますと、2018年では、ロボットの設置台数42万2000台の内の1万4000台が協調ロボットです。
全体の設置台数に占める割合では約3%ですが、伸び率では23%増となっています。
また、自動車産業は世界的に堅調であることから、今後自動車業界を中心に協調ロボットの需要が伸びていくのではないかと思われます。
協調ロボットは、人と協調して安全に作業を行えることが求められています。
そのための制御方法としてティーチングと呼ばれる方法があります。
一般的にティーチングとは、ロボットに動作を覚えさせる技術のことを指します。
ティーチングにはいくつか種類があります。
ダイレクトティーチングと呼ばれる方式では、人が直接ロボットを手で動かし、ロボットに動作を覚えさせます。
ロボットアームには力覚センサーやトルクセンサー、またはトルク検知が可能なサーボモーターが内蔵されています。
これによって、外部から加えられた力や速度、回転の角度を自動で演算し、ロボットプログラミングとして記憶します。
生産ラインなどで記憶された動作を行い、繰り返しフィードバックすることで、加工・溶接・組み立てなどを行います。
参考文献
https://www.fa.omron.co.jp/product/special/robotics/collaborative/collaborative_outline/
http://www.idec-fs.com/robot-safety/cooperativerobot.html
https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/topics/2020/04_robot/factory/index.html?qwe=assista_1&utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=06_ASSISTA_1&utm_content=kyodo_b
https://www.robot-befriend.com/blog/direct-teaching/
https://www.automation-news.jp/2020/01/45819/
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協調ロボットのカタログ一覧はこちら企業
CKD株式会社 ビデオジェット社 イグス株式会社 インテックス株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年4月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社不二越 | 10.4% |
2 | 株式会社安川電機 | 9.9% |
3 | ファナック株式会社 | 8.7% |
4 | ユニバーサルロボット | 7.3% |
5 | 株式会社デンソーウェーブ | 6.8% |
6 | オムロン株式会社 | 6.4% |
7 | IDECファクトリーソリューションズ株式会社 | 5.4% |
8 | 三菱電機株式会社 | 5.2% |
9 | 緑屋テクノ株式会社 | 4.5% |
10 | CKD株式会社 | 4.5% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年4月の協調ロボットページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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スリムアーム協働ロボットCZ10は、人にやさしい機能と設計により、ロボットを導入する際のハードルを下げ、様々なシーンで活用できます。
人との接触を検知して停止する安全機能や、指などの挟み込みを防止したデザインにより、安全柵も必要ありません。
ロボットのアーム部を直接手で動かして覚えさせるダイレクトティーチング搭載で簡単に教示できます。
組み立て作業や選別作業の補助など、人と一緒に働くことに適した協調ロボットです。
COBOTTAは、コンパクトで簡単に持ち運びができきるため、使いたいとき、使いたい場所で、すぐに作業が開始できる協調ロボットです。
鋭利な部分のない、丸みのあるフォルムのユニークなアーム構造に、指の挟み込みを防止した可動範囲という安全性の高い設計が特長です。
アーム部を直接動かして動作を覚えさせるダイレクトティーチング機能で、誰でも簡単に使用でき、さらに内蔵コントローラーを開放して制御用APIを公開しているため、オリジナルのアプリケーションも開発できます。
ダイアディックシステムズの協働ロボットDSR02-400(通称MoMoCo)は、可搬重量2kg、動作半径400mm、上下可動範囲100mmの 4軸スカラータイプの協働ロボットです。
サーボアンプ、コントローラ、電磁弁を本体に内蔵し、接続が必要なのはACアダプター、スイッチBOX、エアー配管だけで、持ち運びが可能です。
また見た目は、ロボットらしくない丸みを持った形状をしており、作業者に違和感を与えません。ロボットカバーは樹脂製で温かみを持たせ、ピンク色を使うなど女性らしさを意識しています。
難しいプログラミング言語や文法を覚える必要はなく、ロボットの動作順序通りにアイコンをドラッグ&ドロップで作業工程表に並べるだけで、プログラミングが完成します。
また、想定される動作に関しては プログラム自動生成機能を用意しています。
FANUC Robot CRX-10iAは、親しみやすくスムーズでシンプルなデザインの軽量協調ロボットで、可搬質量と動作領域によって2タイプから選ぶことができます。
ダイレクトティーチングと新しいユーザーインタフェースによって、直感的に操作でき、簡単に教示できます。
人に触れるとロボットが停止する安全性の高い設計や、軽くコンパクトな本体は設置時にクレーン等が必要ないことも特長です。
主な用途は、工作機器からのロード・アンロード作業や、3Dビジュアルトラッキングです。
協調ロボットTMシリーズは、ビルトインビジョンを搭載し安全かつ簡単に移動できるロボットで、立ち上げと段取り替え時のプログラミングも簡単にできるため、短時間で使用できることが特長です。
画像照明付きビルトインビジョンは、パターンマッチング、バーコード、カラー識別などの機能をもち、検査や計測、仕分けが出来ることから、様々な業界において生産ライン自動化が可能です。
作業する人への安全性も高く、ロボットの移動や配置も簡単にできるため、現場作業の生産効率向上に適しています。
LBR iiwaは、安全柵の必要のない、高感度かつ軽量の協調ロボットシリーズです。
各軸にあるトルクセンサーにより、人との接触を感知するとすぐに速度や力を落とし、さらに、位置やコンプライアンスを制御することで、せん断や凹みを生じること無く精密部品も取り扱うことができます。
対象物の輪郭や位置などを素早く認識・識別して、パワー調整できることから、小さく繊細な部品を見つけて取り付けることにも適しています。
3つのオペレーションモードにより、シミュレーションを使ったプログラミングが可能です。