赤外線照射装置についての概要、用途、原理などをご説明します。また、赤外線照射装置のメーカー5社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。赤外線照射装置関連企業の2024年2月注目ランキングは1位:ウシオ電機株式会社、2位:日本ピー・アイ株式会社、3位:株式会社アイ・アール・システムとなっています。
早稲田大学大学院でMBE法による窒化物半導体成長に関する研究に従事。2016年に大学院を修了後、非鉄金属系メーカーへ入社。金属製錬工場における設備保全・エンジニアリングの業務に従事。2022年に化学系メーカーへ転職。同様の業務に従事。
赤外線照射装置とは、物体や人体に対して赤外線を照射するための装置です。
赤外線は目には見えない光の1種であり、可視光よりも波長が長く、熱エネルギーとして検知されます。赤外線照射装置は非接触で使用されるため、対象物や被験者に直接触れる必要がありません。
これにより、物体や人体の測定や検査を非侵襲的に行うことが可能です。また、短時間で測定や検査を行うことができます。赤外線は光速で伝播するため、リアルタイムでデータを取得することが可能です。
赤外線照射装置は、さまざまな用途で使用されます。以下は赤外線照射装置の使用用途一例です。
赤外線照射装置の技術は医療にも応用されています。近赤外線は体の深部まで届くといわれており、高出力でスポット状に照射できる機器は、既に医療機関で活用されています。治療の際は、近赤外線の照射された患部のみを温めることが可能です。
効果としては、痛みのある部位の血行を改善し、症状が緩和すると言われます。特に星状神経節への照射は血流改善効果を期待して広く利用されます。注射を伴う治療と比較し、患者への負担が少なく済むことが大きな特徴です。
赤外線照射装置は防犯カメラや白黒カメラの照明に使用されます。赤外線対応の防犯カメラや白黒カメラと併用することで、暗闇や霞の影響を受けない撮影が可能です。
ただし、赤外線が届かなければ撮影はできないため、赤外線照射距離には注意が必要です。製品仕様書記載の照射距離は最大値として記載されることも多いため、余裕をもった照射距離の製品を選択する必要があります。
環境モニタリングにも使用されることが多いです。大気中のガス成分や汚染物質の検出に赤外線分光法が利用されます。また、地球観測や気象予測においても赤外線センサーが使用される場合があります。
赤外線照射装置の原理は、熱放射の利用、反射の利用、分光の利用に分けられます。
物体は温度に応じて放射する赤外線を測定するのが熱放射の利用です。温度が高いほど、より多くの赤外線エネルギーが放射される仕組みです。赤外線照射装置は、物体から放射される赤外線を検出して温度を測定することが可能です。
赤外線を物体に照射し、その反射パターンを観測することで物体の性質や状態を評価するのが反射の利用です。物体の表面の反射率や吸収率は、その物体の化学組成や表面の状態に関連しています。
赤外線の波長によって、物質の吸収スペクトルを測定する方法が分光の利用です。物質は特定の波長の赤外線を吸収し、他の波長の赤外線を透過または反射します。赤外線分光装置はこれらの吸収スペクトルを分析して、物質の識別や濃度の測定を行います。
赤外線照射装置を選ぶ際にはさまざまな要素が存在します。以下は赤外線照射装置の選定要素一例です。これらを考慮したうえで、最終的には予算に見合った製品を選定します。
赤外線照射装置を使用する具体的な目的を明確にする必要があります。医療分野の場合は、体温測定や血流の評価など医療目的はさまざまです。人体に無害な製品を選定することも重要です。工業分野では温度監視や材料品質の評価など、生産プロセスに関連する目的に適した装置を選びます。
測定する物体や領域の大きさや距離に応じて、適切な測定範囲や距離範囲を持つ装置を選定することが必要です。範囲外の物体を測定する場合、正確な結果が得られない可能性があります。
また、必要な測定精度に応じて、装置の測定精度や解像度を確認します。特に医療や科学研究などで高い精度が求められる場合は、精密な測定が可能な装置を選ぶことが重要です。
装置の機能や操作性も重要な要素です。使いやすいインターフェースや必要な機能が備わっているかを確認します。
また、電源についても重要な要素です。可搬式の場合は、バッテリー容量や電池の仕様を確認します。固定設定式の場合は、電源電圧や必要な電力容量を確認して選定します。
赤外線の波長帯域によって、物質の吸収や反射特性が異なります。応用によっては、特定の波長帯域の装置が必要となる場合があります。
近赤外線の波長帯域は0.75μmから1.4μm程度です。光学的に透明な物質に吸収されますが、一部の半導体材料や生体組織は透過します。応用用途としては、医療での組織酸素飽和度の測定や光通信などです。
中赤外線の波長帯域は1.4μmから5μm程度です。多くの物質に吸収されますが、一部の窓ガラスや透明なプラスチックなどは透過します。材料分析や火災検知などに応用可能です。
遠赤外線の波長帯域は5μmから1,000μm程度です。熱放射や物質の特性を評価するために使用されます。熱画像の撮影や赤外線サーモグラフィに応用されます。
参考文献
https://www.avio.co.jp/products/infrared/what-thermo.html
https://www.jeh-center.org/infrared_genri.html
https://www.alpha-one-el.com/products_03.html
https://www.ykmusen.co.jp/cctv/infrared/infrared_top.html
https://ochi-cln.com/
https://sei.co.jp/technology/tr/bn176/pdf/sei10619.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
2024年2月の注目ランキングベスト5
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | ウシオ電機株式会社 |
28.6%
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2 | 日本ピー・アイ株式会社 |
19.0%
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3 | 株式会社アイ・アール・システム |
19.0%
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4 | 株式会社二葉科学 |
19.0%
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5 | 株式会社マックステック |
14.3%
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