ファイバーレーザーについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ファイバーレーザーのメーカー19社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ファイバーレーザー関連企業の2022年4月注目ランキングは1位:株式会社フジクラ、2位:日本電産マシンツール株式会社、3位:澁谷工業株式会社となっています。
ファイバーレーザーと関連するカテゴリ
ファイバーレーザーとは、レーザー媒体が希土類元素をドープされた光ファイバーであるレーザーです。発振波長は1030~1070nmの基本波長になります。
発振形式には連続発振(英語:CW, Continuous Waves)とパルス発振があります。連続発振は高出力のため溶接や切断加工に、パルス発振は低出力でマーキングや微細加工に使用されます。
ファイバーレーザーは溶接、切断、マーキング、溶着などに使用されています。
特にCO2レーザーだと反射が強く加工しにくいアルミ、銅、真鍮などの加工が可能です。
ファイバーレーザーはビーム品質が高く、レンズによって集光しやすい特徴があります。小さなスポット径にできるため微細加工もできます。
またパルス発振のファイバーレーザーは、上記のような特徴も加えてマーキングにも適しています。金属、プラスチック、樹脂など様々な素材に対応しているので、部品への印字やバーコード印字に使用されることもあります。マーキングの方法も、深掘りや、黒色マーキング、白色マーキング、表面層剥離など様々です。
レーザーは共振器、レーザー媒体、励起源、共振ミラーで構成されていますが、レーザー媒体の違いによって大きく分類されます。媒体にガスを使用する気体レーザー、結晶を使用する固体レーザー、となります。
ファイバーレーザーはこのレーザー媒体に光ファイバーを使用しています。コアは希土類元素がドープされたダブルクラッドファイバーと呼ばれるものです。ファイバー内の内側を第一クラッド、外側を第二クラッドと呼び、LDで励起された光がこの2つの境界で反射します。励起光が反射を繰り返すとコアに吸収され、そこで誘導放出が行われます。ファイバーの両端には共振ミラーが配置されており、十分に増幅された光が発振されます。
ファイバーレーザーは発振方式によって、発振器の構造が異なっています。
ファイバーレーザーとCO2レーザーの比較について以下詳細記載します。
最初にファイバーレーザーでは CO2レーザーのような放電準備と冷却用の電気コストが不要になります。一般の試算では、例えばCO2レーザーは スタンバイ時においても20KW以上の電力を消費します。ファイバーレーザーでは、5KW未満の消費電力と約25%未満の電力消費に抑えることが出来ます。
CO2レーザーで必要とされるレーザーガスは、ファイバーレーザーには不要です。また、CO2レーザーの光学系は複雑であり、長年使用する際のメンテナンス費用はかさみます。
ファイバーレーザーでは、ファイバーに光を集光させる原理から、高い変換効率によりレーザー加工時間の短縮が可能です。CO2レーザーと比較して約5倍のスピードで切断できます。一方で、ファイバーレーザー加工機はまだまだ高価であり、初期投資費用は2倍程度は必要です。
また厚い金属の切断は難しく、集光が良すぎる為、厚手の金属の切断面は仕上がりを綺麗にすることが困難で、製品として使うのが難しい場合もあります。
近年は金属の溶接に、従来用いられてきたCO2レーザーからファイバーレーザーが着目されてきています。その理由はCO2レーザと比較して、レーザーの発光効率が高いため、安価なランニングコストが期待されたことや、ファイバーに光を閉じ込めて集光させ、発光出力を大きくできるために、異種金属や厚い金属等を比較的短時間で、溶接可能なためです。
ファイバーレーザーでは長年スパッタと呼ばれる溶接時の金属屑の飛散に悩まされてきましたが、それも近年のレーザー加工技術の向上で集光ビーム近傍にも出力の比較的弱いレーザ-照射を行う技術が開発され対策されつつあります。
ファイバーレーザーの光源本体においては、一般的に数十万円の価格帯で取引されています。ただし、レーザー加工装置になると、仕様にも大きく依存しますが数百万円以上の価格になり、溶接装置においてはそれなりの価格になります。
参考文献
https://www.fiberlabs.co.jp/tech-explan/about-fiber-laser/
https://uw-j.co.jp/fiber-laser-features/#:~:text=%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%81%A8%E3%81%AF%E5%85%89%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC,%E3%81%84%E3%82%8B%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%92%E7%94%A8%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
https://www.keyence.co.jp/ss/products/marker/lasermarker/basics/fiber-laser.jsp
https://www.keyence.co.jp/ss/products/marker/lasermarker/processing/surface.jsp
https://sigmanest.jp/fiberlaser-types/
https://minsaku.com/articles/post409/
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ファイバーレーザーのカタログ一覧はこちら企業
株式会社光響 ビデオジェット社 株式会社アマダウエルドテック スペクトラ・フィジックス株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年4月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社フジクラ | 19.6% |
2 | 日本電産マシンツール株式会社 | 8.6% |
3 | 澁谷工業株式会社 | 8.3% |
4 | 株式会社光響 | 7.2% |
5 | 株式会社深川製作所 | 6.9% |
6 | 日酸TANAKA株式会社 | 6.6% |
7 | IPGフォトニクスジャパン株式会社 | 6.1% |
8 | TRUMPF株式会社 | 5.2% |
9 | 三菱重工業株式会社 | 4.7% |
10 | 株式会社エイム | 4.1% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年4月のファイバーレーザーページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されているファイバーレーザーが含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
厚み1.6mmまでの金属材料の切断が可能な、ファイバーレーザー切断機です。
28m/minの高速切断が可能で、光学系をミラーなどからファイバーに代替することでメンテナンス頻度を下げたのが特徴です。
CO2カッターやプラズマ加工機と比べると、粉じん量が圧倒的に減少し、暖機運転が不要になるなどランニングコストが下がるメリットもあります。
切断面の精度も上がり、より精密な加工を行いたい時に適しています。
小型で使いやすい構造の、中心波長1060nmの近赤外ナノ秒パルスファイバーレーザーです。
平均出力は50Wで、パルス幅は3~2000ns、繰返し周波数は連続波~4MHzまでと幅広いパルス出力を選択できます。
空冷式でコンパクトな筺体なので使用場所を選ばず、装置への組み込みにも使いやすいのが特徴です。
用途によって40個のオプションから仕様を選べるので、最適な製品を選択できます。
種々のマーキングやパルス微細加工、溶接などの用途で最適です。
高出力が可能な、中心波長1070nmの近赤外ファイバーレーザーです。
最大出力8000W、連続波と10kHzまでの変調信号を出力可能で、高出力を必要とする金属加工や溶接、表面処理などに使用できます。
独自のファイバー構造で誘導ラマン散乱を抑えて効率いいレーザ出力を実現し、反射光を抑えることで、直上からのレーザ照射が可能なのが特徴です。
主要部品を内製しており、耐震性・耐衝撃性なども考慮した構造になっています。
ハンディタイプのファイバーレーザー溶接機です。
1500Wまでの高出力で、ステンレス6t、アルミ3tまでの加工が可能なのが特徴です。
連続波だけでなくパルス出力も可能で、10Hz~200Hzまでのパルス周波数をツマミで簡単に調整できます。
溶接機のヘッド形状を簡単に付け替え可能で、ロボットに装着してインラインで使用することも可能です。
厚いステンレスやアルミ板の溶接、切断、スポット溶接などで利用できます。