省エネ計算ツール

省エネ計算ツールとは

省エネ計算ツールとは、住宅をはじめとする様々な建物の省エネ性能を計算するソフトウェアシステムです。

主に、住宅・住戸の外皮性能(外皮平均熱貫流率UA値、冷房期の平均日射熱取得率ηAc値など)の計算と設備・電気機器などの一次エネルギー消費量の計算から構成されることが一般的です。その他に、一次エネルギー消費量等級や、断熱等性能等級の判定を行うことができる場合や、冷暖房費などの算出が可能な場合もあります。省エネ計算ツールを用いることで複雑な省エネ計算を効率的に行うことが可能です。様々な建物の省エネ設計提案や、各種行政書類の届出業務の補助などに役立ちます。有料・無料ともに様々なソフト・ツールがあります。

省エネ計算ツールの使用用途

1. 計算対象

省エネ計算ツールは、製品にもよりますが、戸建住宅 (木造・鉄骨) 、共同住宅 (RC造など) 、非住宅建築物に対して計算が可能です。製品によっては数万m2規模の大規模複合ビルの計算も可能です。

また、設備機器などについては、製品型番を入力するだけで導入前後の省エネ効果が表示されるようになっている製品もあります。建物の外皮性能においては、窓からの熱の出入りが最も大きいですが、窓に特に重点を置いた製品では、窓の製品名を入力するだけで簡単に外皮性能の変化を比較することが可能です。このように、一部の製品では重点を置きたい部材への機能が特に充実しているもあります。

2. 目的・利用シーン

省エネ計算ツールは、公的な届出や補助金の申請に使用されることが多いです。新築や増改築、設備改修時には省エネ計画が法的な基準 (建築物省エネ法) を満たしている必要があります。省エネ計算ツールを用いることで、公的な書類の作成に必要な複雑な計算をより簡単に行うことができます。

また、建築主の企業より顧客へ、省エネ基準にあった設計の提案や、既存の設計や建物がどのように基準から外れているかなどを説明する際にもこのようなツールを用いた計算の活用が可能です。

触覚デバイス

触覚デバイスとは

触覚デバイスとは、力、振動 (動き) 、熱、静電気などを用いて、物体に触れているかのような触覚、触感を生み出すことのできる電子デバイスです。

仕組みには偏心モーター、リニアアクチュエータ、ソレノイドなどの電磁石や、圧電セラミック振動素子 (ピエゾセラミック) などの圧電素子を用いたもの、超音波ハプティクスなどが用いられます。スマートフォンなどのデジタルデバイスや、仮想空間内におけるリアルな触感体験を生み出すことに主に用いられる技術です。このような仮想的な触覚をリアルなものとして生み出すテクノロジーはハプティクス (英: haptics) と呼ばれており、触覚デバイスも「ハプティクスデバイス」と呼ばれる場合があります。

触覚デバイスの使用用途

触覚デバイスは、スマートフォンやゲーム機などの一般家庭で用いられるデバイスから、産業用まで、様々な分野で広く活用されています。VR (仮想現実) との融合など、新しい活用法が模索し続けられている製品でもあります。

1. デジタルデバイス・スイッチ

触覚デバイスが利用されている最も代表的な製品分野の例は、スマートフォンやタブレットなどに搭載されているタッチパネルです。タッチした際に触覚デバイスによって適切な振動を与えることで、物理的なボタンをタッチしたかのような感触を与えることが可能です。また、タッチパネル用のスタイラスペンへ触覚デバイスを搭載して、紙へ筆記しているかのようなリアルな感覚を与えている製品もあります。触覚デバイスを搭載したゲーム機では、よりリアルな没入体験を提供することが可能です。VR (仮想現実) においても、よりリアルな体験をユーザーに提供するために触覚デバイスとの融合が進められています。

それ以外では、車載エアコンやオーディオなどのタッチパネルスイッチなどにも使用されています。触覚デバイスを搭載することにより、画面・スイッチを見ることなく手探りで使用することが可能です。

2. 医療

触覚デバイスは、遠隔での医療行為に役立つことが期待されているデバイスです。医療において、触診を必要とする場面は多々あり、力覚と触覚を伝送することで遠隔からの触診が可能となると考えられます。また、低侵襲の手術ロボットにこうした触覚デバイスを搭載することで、術者が本来直接触れることができない部分の感覚を間接的に知覚しながら手術を行うことが可能です。その他、外科医の訓練用プログラムへの応用も考えられています。

3. 産業

産業用途では、産業用ロボットなどの装置・機器類を操作する際に、作業者に作業の感触を伝達する用途があります。これによって、より精度の高い作業が可能となり、ミスが少なくなる効果を期待することが可能です。また、作業者トレーニングに活用して、より実際の業務に近い技能訓練を行うことにも応用されています。

金属石鹸

監修:日本化学産業株式会社

金属石鹸とは

金属石鹼とは、金属と脂肪酸が反応して生成される化合物です。

カルシウム、アルミニウム、亜鉛、コバルトなどの金属と、ステアリン酸やオクチル酸などの脂肪酸が反応することで作られる有機金属化合物です。一般的な石鹸と異なり、洗浄能力はありません。

加硫促進剤や反応の触媒として使用されることが多く、特にゴムやプラスチックの加工過程で化学反応を効率的に進行させる助けとなります。製品の品質や生産性を向上させることが可能です。

金属石鹼の使用用途

金属石鹸は以下のような用途で使用されます。

1. ゴム

金属石鹸はゴムの硬化工程で重要な役割を果たします。カルシウムや亜鉛を含む金属石鹸を加硫促進剤として使用することで、ゴムの物性を向上させることが可能です。これにより、ゴムの強度や耐久性、熱安定性を改善し、タイヤやホースなどの製品の品質を高めることができます。

2. プラスチック

プラスチック業界では、金属石鹸を安定剤や硬化剤として使用する場合が多くあります。

安定剤としては、亜鉛やカルシウムの金属石鹸をポリ塩化ビニルなどのプラスチック材料の熱安定性を向上させるために使用します。また、金属石鹸は紫外線による劣化を防ぐ効果もあるため、長期的な使用に耐えるプラスチック製品の製造に適しています。

硬化剤としては、ポリウレタンや不飽和ポリエステルなどの各種樹脂を硬化させる目的で使用します。

3. 塗料

金属石鹸は塗料の安定剤や分散剤として使用することが可能です。塗料やコーティングにおいて顔料の分散性を向上させ、塗料の均一性を高める役割を果たします。また、金属石鹸は耐候性や耐久性を向上させ、塗料が紫外線や熱によって劣化するのを防ぎます。

4. 化粧品

金属石鹸は化粧品やスキンケア製品にも使用されることがあります。カルシウムやアルミニウムを含む金属石鹸は乳化剤として働き、油分と水分をうまく混ぜ合わせるために使用されます。これにより、クリームやローションに滑らかな使用感を付与し、製品の品質を向上させることが可能です。

金属石鹸の原理

金属石鹸は金属塩と脂肪酸の結合によって形成されます。カルシウムや亜鉛などの金属イオンと脂肪酸が結びつき、カルシウムステアリン酸化合物などとして生成します。これは、金属イオンと脂肪酸のカルボキシル基 (-COOH) とが結合する反応です。

金属石鹸は高い融点と化学的安定性を有する点が特徴です。また、疎水性を持ち、他の物質と結びついて機能します。金属石鹸の化学構造は金属イオンが脂肪酸分子のカルボキシル基と結びついた構造を有し、様々な工業的用途において役立つ特性が現れます。

金属石鹸の種類

金属石鹸には以下のような種類が存在します。

1. カルシウム石鹸

カルシウム石鹸は、カルシウムイオンと脂肪酸の反応によって生成される金属石鹸です。

カルシウム石鹸は高温に耐える特性を有し、機械装置に対して広く利用されます。潤滑剤として活躍し、高温環境下で使用可能なグリースなどに混ぜることも多いです。機械装置における摺動部品の摩擦を減少させ、摩耗を防ぎます。また、各種プラスチック製品を硬化させる際の助触媒としても利用されています。

2. 亜鉛石鹸

亜鉛石鹸は、亜鉛イオンと脂肪酸が反応して生成される金属石鹸です。主にプラスチック業界やゴム業界で利用されています。

亜鉛石鹸はポリ塩化ビニルなどのプラスチックに対して安定化作用を有し、紫外線や熱による劣化からプラスチック製品の耐久性を高めます。また、各種プラスチック製品を硬化させる際の助触媒としても利用されています。

ゴムの加硫促進剤としても利用され、加硫過程を効率化してゴムの強度や耐久性を向上させます。

3. コバルト石鹸

コバルト石鹸は、コバルトイオンと脂肪酸が反応して生成される金属石鹸です。
インキの乾燥促進や各種プラスチック製品を硬化させる際の助触媒として、使用されます。また、合成ゴムなどの石油化学製品の反応触媒としても、使用されます。

4.ニッケル石鹸

ニッケル石鹸は、ニッケルイオンと脂肪酸が反応して生成される金属石鹸です。
主に合成ゴムなどの石油化学製品の反応触媒としても、使用されます。また、各種プラスチック製品を硬化させる際の硬化速度調整剤としても、使用されます。

本記事は金属石鹸を製造・販売する日本化学産業株式会社様に監修を頂きました。

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Powder Filling Machine

What Is a Powder Filling Machine?

A powder filling machine is designed to accurately and efficiently fill containers with a variety of powdered materials in specified volumes.

These machines are widely used across industries such as food, pharmaceuticals, and chemicals to automate filling operations that are challenging to perform manually. By reducing labor costs and ensuring consistent quality, powder filling machines improve efficiency. Powders filled range from small particle powders like sugar and salt to larger particle powders such as coffee, and even lightweight, hygroscopic powders. Different types of powder filling machines are employed based on the powder’s characteristics. For instance, screw-type machines, which use a rotating screw to weigh a fixed amount, and volumetric machines, which use a measuring cup, are commonly used.

Applications of Powder Filling Machines

Powders are used in various industries, and because the size, properties, and handling requirements of powders vary, selecting the appropriate powder filling machine is essential. Below are some examples of applications:

1. Food Industry

In the food industry, powder filling machines are essential for packaging powdered food products such as flour, sugar, coffee powder, and spices. The automation of the filling process ensures consistent portions while minimizing the risk of foreign material contamination. This helps maintain high product quality and ensures customer satisfaction.

2. Pharmaceutical Industry

In the pharmaceutical industry, precision is critical when filling medicinal powders and nutritional supplements. Accurate weighing to the milligram is essential for maintaining the safety and efficacy of the product. Additionally, filling machines used in this sector are designed to meet clean room specifications to ensure safety and hygiene during the filling process.

3. Chemical Industry

Powder filling machines are also used in the chemical industry to fill products like detergents, pigments, and pesticides. In these cases, uniform quantities of powder must be filled into containers. Some chemical powders may be difficult to handle, requiring specialized equipment. For example, explosion-proof filling machines are sometimes used, with explosion-proof motors or air motors driving screw feeders to ensure safety in hazardous environments.

インラインヒーター

インラインヒーターとは

インラインヒーターとは、配管ラインの途中に設置してラインに流れる液体・ガスを加熱するヒーターです。

様々なラインで使用されており、加熱熱源にも多様な形態があります。供給配管または循環濾過配管の途中に液を流しながら加熱できるため、処理槽内の投げ込みヒーターが不要になります。

流体中に直接熱源を挿し込む形態の製品や、ヒーターを直接流体に触れさせなくても加熱できる製品など様々なものがあります。工業用以外では、魚の観賞用水槽のヒーターをインラインヒーターと呼ぶこともあります。

インラインヒーターの使用用途

インラインヒーターは、温水を使用する産業シーンや製造業における薬液循環・過熱薬液洗浄や加熱純水リンス、油の加熱をはじめとする、様々な分野で使用されます。特に、半導体製造ウエットプロセスにおける各種薬液の加熱で重要な役割を担うことが多いです。

また、気体加熱用のインラインヒーターは、空気、窒素ガス、水素ガス、オゾン、二酸化炭素、その他混合ガスや蒸気など、様々なガスに対応して加熱できます。プラント施設の追加熱源など産業シーンで使用可能です。

インラインヒーターの原理

インラインヒーターは、基本的には流体を通す配管と加熱体で構成されています。加熱体にはシーズヒーターや、ハロゲンヒーター、板フランジヒーターなどが主に用いられ、流れる液体に直接蒸気を送り込んで加熱する製品や、マイクロチャンネル熱交換器を利用した仕組みの製品もあります。

熱源の種類に関わらず、液体用のインラインヒーターでは、流体がない状態での空焚きを行うと危険なため、過昇温防止センサーが取り付けられています。

インラインヒーターの構造は大別して、ヒーターが直接流体に接する製品と、流体部の外からヒーターで加熱する製品の2種類があります。接液しない製品では、流体へのコンタミネーションが低く抑えられます。

流路部分に石英ガラスが使用されているものもあります。石英ガラスは金属イオン溶出が極めて少なく、耐熱性や耐薬液性に優れた素材です。

インラインヒーターの種類

インラインヒーターは、まずは気体用と液体用に大別されます。更に、ヒーターと流体が直接接するものとそうでないものとに大きく分けることができます。

液体用では、水のみ使用可能なもの、洗浄液や油も使用可能なものなど、製品によって使用可能な流体が異なるため注意が必要です。気体用では、気体種類・流量・温度・圧力等によって種類が分けられています。

接液するインラインヒーターについては、通常のインラインヒーターと呼ばれる製品の他に、ケーシングと呼ばれる筒の部分が大きく、大型の板フランジヒーターやネジ込みヒーターを使用したシェル型ヒーターなどがあります。シェル型ヒーターの中にも大きさなどの種類があり、多様な製品から選択することが可能です。

安全性に配慮した製品では、過昇温センサー、過熱検知センサー、漏液検知導線、空焼防止機構としてのサーモスタットなどが付属しています。耐食金属 (ステンレス、カーペンター、ハステロイ、ニッケル合金、チタン) や、テフロンなどの合成樹脂を使用した製品は、腐食に強く、多様な流体への対応が可能です。

熱交換器洗浄サービス

監修:姫路エコテック株式会社

熱交換器洗浄サービスとは

熱交換器洗浄サービスとは、熱交換器の内部を清掃する専門的なサービスです。

熱交換器は流体間の熱エネルギーを交換する装置で、空調や冷却システムなどで広く使用されます。時間が経過すると熱交換器内にカルシウムやマグネシウムなどの鉱物による汚れや藻類などが蓄積し、効率が低下します。したがって、定期的な洗浄が必要不可欠です。

また、スケールや汚れを長期間放置すると、熱交換器にダメージを与え、早期の故障や劣化を引き起こす可能性があります。洗浄を定期的に行うことで、機器の寿命を延ばすことができます。

熱交換器洗浄サービスの使用用途

熱交換器は大型の施設やプラントなど様々な場所に設置されていますが、設置場所や状況により熱交換器洗浄サービス内容が異なります。下記はその利用例です。

1. 化学・石油精製

化学工業や石油精製業では大量の熱エネルギーを取り扱う設備が多く、熱交換器が重要な設備の一つです。反応塔や蒸留塔の冷却及び加熱過程で使用される熱交換器は、スラッジや汚れ、スケールが付着しやすい環境です。これらの汚れは熱交換効率を低下させ、プロセスの遅延やエネルギーの無駄を引き起こします。洗浄サービスを利用することで、プロセスの効率を保ち、コスト削減が可能です。

2. 商業施設・オフィス

空調内部では、熱交換器が冷却水と空気の間で熱を交換する役割を担っています。ただし、長期間運転すると、スケールや汚れが熱交換器に付着し、冷却能力が低下する場合があります。特に商業ビルやオフィスビルの空調では、効率的な運転を維持するために熱交換器洗浄サービスを活用することが多いです。

3. 発電所

発電所では、ボイラーや冷却塔などの設備に熱交換器が使用されます。熱交換器が汚れて効率が低下すると、発電効率が悪化し、運転コストが増大します。特に火力発電所では高温の蒸気を使用することが多く、スケールが形成されやすいため、これを放置すると設備が故障するリスクも増します。定期的な洗浄によってエネルギー効率を保ち、発電所の運転コストを削減することが可能です。

熱交換器洗浄サービスの原理

熱交換器洗浄サービスでは、熱交換器内部に蓄積した汚れやスケールを取り除くことを目的としています。化学的または物理的な力を使って汚れを剥がし、熱交換器の表面を清潔にします。

具体的には、汚れを溶解させたり、物理的に剝がしたりすることが多いです。化学洗浄では化学反応を利用して汚れを溶解させ、超音波洗浄では音波の振動を使って汚れを剥がします。高圧水流や逆流洗浄では、物理的な力で汚れを押し流します。

汚れの種類に応じて洗浄方法を選定することで、熱交換器の洗浄を効果的に実施し、汚れやスケールを除去します。洗浄後、熱交換器は元の性能を回復し、効率的に運転できるようになります。

熱交換器洗浄サービスの種類

熱交換器洗浄サービスには以下のような種類が存在します。

1. 化学洗浄

熱交換器内部に付着した汚れを化学薬品を用いて溶解させる方法です。酸性溶液を使用することでカルシウムやマグネシウムなどのスケールを効果的に除去可能であり、アルカリ性の薬剤を使用することで油分や有機物を分解可能です。汚れの種類に応じて薬品を選ぶことで高い洗浄効果を発揮します。

2. 高圧水流洗浄

水圧を利用して汚れを直接取り除く方法です。圧力をかけた水流で熱交換器内の汚れを強く洗い流し、固着したスケールを吹き飛ばします。強力な水流を使うため、人手による洗浄よりも効率的に清掃できます。

3. 機械的洗浄

ブラシやスクレーパーなどの道具を使用して汚れを物理的に削り取る方法です。手動で実施する場合と、自動で行う場合があります。固く付着した汚れやスケールを直接取り除くことが可能です。特に汚れが硬化している場合や、化学洗浄では取りきれない頑固な汚れに対して有効です。

4. 超音波洗浄

超音波振動を利用して汚れを除去する方法です。音波によって微細な気泡を発生させ、汚れに衝突させることで剥がして除去します。微細な汚れやスラッジに特に効果的です。また、熱交換器の内部が複雑な形状をしている場合にも有効で、細部にわたって清掃できます。

本記事は熱交換器洗浄サービスを提供する姫路エコテック株式会社様に監修を頂きました。

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沈下修正工事

沈下修正工事とは

沈下修正工事

沈下修正工事とは、建物・構造物において地盤沈下などにより沈み込んだ箇所を修正する工事です。

地下水を過剰に採取した際や、地震が発生した際などに、建物周辺の地盤が沈下する現象が発生する場合があります。地盤沈下によって建物の基礎部分が不均一に沈下すると、建物構造に不具合が生じ、安全性が低下する可能性があります。また、基礎ではなく土間床にのみ沈下が起きている場合もあります。これらの沈下を修正する工事が沈下修正工事です。

沈下した建物は価値が下がることもあります。沈下修正工事を実施することで建物の価値を維持し、場合によっては向上させることも可能です。これにより、利用者の安全が守られるほか、将来的に売却やリースを行う際の価格を向上させることができます。

沈下修正工事の使用用途

沈下修正工事は様々な建物や構造物を対象に実施することがあります。以下はその一例です。

1. 一般住宅

地盤沈下や不均等な沈下により、住宅の基礎部分や土間床が沈んで傾斜が生じることがあります。その影響で床が傾いたり、ドアや窓が閉まりにくくなったりなど、居住性にも悪影響が出ます。

沈下修正工事を実施することで、建物基礎や土間の傾きを均等に修正したり、場合によっては地盤を補強したりします。住宅の安全性を回復し、生活環境を改善することが可能です。

2. 商業施設

商業施設などでは、建物の利用に伴う荷重によって床の沈下が発生することがあります。地盤沈下などによって床下が空洞化し、床が地盤に支えられていない状態で荷重がかかると、土間床が沈下していきます。床が傾くことで店舗や事務所の配置が不安定になり、利用者の安全や機器の設置にも影響を与えることがあります。

沈下修正工事では建物の床を均等に修正し、使用する上での不便を解消することが可能です。

3. 歴史的建造物

歴史的建造物は長い年月の間に地盤が沈下することがありますが、修復作業は慎重に行う必要があります。沈下修正工事では、建物の損傷を最小限に抑えながら、基礎の沈下部分を修正するなどして、元の形を復元します。歴史的価値を損なわずに修復するため、専門的な技術と配慮が求められる分野です。

沈下修正工事の原理

沈下修正工事は、まず沈下している建物や床を元の位置に持ち上げるところから始まります。建物が沈下して傾いたり、基礎や土間床が不均等に沈んだりしている場合に必要です。樹脂や薬液を注入したり、ジャッキアップなどの技術を使用したりすることで、建物や土間床を適切な高さに戻し、その後の処置を行います。

沈下の原因が地盤の軟弱さにある場合、地盤改良や地盤の強化が必要です。地盤を改良および強化することで、建物の支持層に至るまで強化されます。これにより、再沈下リスクが減少し、安定性を保ちます。

沈下修正工事では最終的に構造物を均等に修正することを目指します。不均等に沈下していると構造的な問題を引き起こすため、修正工事では建物全体または必要な部分を均等に調整することが重要です。建物を再度安定した状態に戻し、使用に適した状態を保つ必要があります。

沈下修正工事の種類

沈下修正工事には以下のような種類が存在します。

1. 鋼管杭圧入工法 (アンダーピニング工法)

地盤の支持層に杭を打ち込むことによって、建物の荷重を深い安定層で支える工法です。地盤が非常に軟弱である場合に使用され、鋼管杭などを用いて建物基礎が沈下しないように支えます。大型の建物や小規模・中規模の構造物で多く利用されます。

2. 注入工法

建物そのもの (基礎) が沈下している場合、基礎下にグラウト材を注入することで沈下を直す工法などがあります。コンピューターで盛り上がる量を制御しながら注入を行うため、ミリ単位で傾きを調整することができます。建物に局部的な力が作用せず、10階を超える大きな建物にも適した工法です。

土間床のみが沈下している場合は、特殊なウレタン樹脂を床下に注入する工法があります。材料の重量が軽く、地盤への負担を抑えられるため、再沈下への影響が少ないという特徴があります。工場や倉庫などの中規模から大規模の建物に適用されます。

土間補修サービス

3. 耐圧版工法 (ジャッキアップ工法)

建物や構造物が沈下してしまった場合に、基礎下の地盤を掘削し、耐圧版(鉄板)を敷く工法です。耐圧版を反力としてジャッキアップを行うことで沈下を修正します。戸建て住宅や小規模の構造物に使用されます。

マシニング加工

マシニング加工とは

マシニング加工とは、NC工作機械であるマシニングセンタを用いた機械加工です。

マシニングセンタは、「工作物の取り付け替えなしに、多種類の加工を行うNC工作機械」と日本工業規格 (JIS) にて定義されています。NC (Numerical Control) 数値制御により工具位置や工作内容を加工対象物 (ワーク) に対して適用した作業が、マシニング加工です。

マシニング加工には、所望の工作作業のために、マシンを制御するプログラミングの作成を実施する必要があります。通常ワークは固定され、工具をプログラミングに基づき自動交換しながら回転切削することで、所望の加工を実施します。

マシニング加工の使用用途

マシニング加工は、種々の機械成形に欠かせない金型をはじめとする金属やプラスチック、ガラスや木材の加工で幅広く使用されています。さまざまなツールを自動で交換できるため、エンドミルやドリル、タップやフライス、中ぐり等の各種ツールを用いた複雑な加工を、単一の工程で行うことができます。

加工自由度については、従来は縦、横、高さの3軸適用でした。現在はこれに回転の2軸が加わり、5軸の自由度での加工が可能なマシニングセンタも多いです。5軸の場合はワークの配置を途中で持ち直す必要がないため、加工精度の高い部品を製作することが可能です。

マシニング加工の原理

マシニンング加工は、ワークを固定して回転する工具が入力プログラムに対応して自動的に切削加工する原理であるため、マシニングセンタの種類によって向き不向きがあります。

横形マシニングセンタでの加工は、ワークを横から加工していくので搬送系に優れており、ワークの連続加工に適しているため、量産向けの加工です。

立形マシニングセンタでの加工は主軸が垂直方向についており、加工物を上から加工します。コンパクトな構成になっており、最も普及している加工です。加工時の切削カスが残存しやすく工具刃先にダメージを与えてしまうので、切削カスを除去しやすいように工具の回転速度を変え、切削油を増減するといった対策が必要です。このような細かい作業から、量産よりは多品種少量生産に向いている加工といえます。

門形マシニングセンタでの加工は、その構造からワークの配置テーブルが大きいため、大型製品の加工に向いています。

マシニング加工のその他情報

1. マシニング加工では難しい加工事例

アンダーカットと呼ばれる一方向から見えない奥まったくぼみのある形状は、刃物工具が届かないため、マシニング加工では難しい加工の事例です。また厚みの大きな加工も、切削工具が摩耗しやすいので不向きです。ピン角と呼ばれる加工も、マシニング加工では難しい加工です。回転する工具で90度の直角加工をすることが困難であるためです。耳形状のRを付けた加工を追加することで対応が可能です。

2. フライス盤とマシニングセンサの違い

通常、フライス盤でできる加工は、マシニングセンタでカバーされています。マシニングセンタ固有の特徴としては、NC制御をプログラミングで実施できることと、ATCと呼ばれる異なる工具を自動変換してくれる機能を備えていることがあげられます。これらの特徴により、複雑な加工を人手を介さずに短時間で連続動作出来ることが、マシニング加工の利点といえます。

3. マシニング加工のプログラミング

マシニング加工のプログラミングは、マシンのPC画面上で、手打ちで必要な加工寸法等を入力していく方法が一般的です。寸法の他に用いたい工具や加工手順等をインプットしますが、ここで注意すべきは、加工寸法です。切削加工においては、削りすぎた場合ワークをもとに戻せないため非常に注意が必要です。仕様上の狭公差箇所のみならず、加工や計測が困難な箇所や初めて使う工具等の場合は、過去の経験則が活かせない場合も多く、慎重に加工する必要があります。

マシンのPC画面上での手打ちの他に、CADやCAMといった専用のソフトウエアを活用可能なマシニングセンタ機器も多く存在します。このタイプの最大のメリットは、より複雑な制御が可能になる点です。例えば、5軸の複雑な加工工具の制御の場合手打ちでプログラミングするのは困難ですが、CADやCAMを使用することで、同時加工含めた複雑な加工形状を実現できます。ただしそのためには、CADやCAMの専用のスキルを身につける必要あり、各メーカーがこれをサポートしています。

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3D Printing Service

What Is 3D Printing Service?

A 3D printing service provides manufacturing of designed 3D objects on a contractual basis.

Customers typically supply a 3D model, which is then used to produce the object with a 3D printer. These services allow for creating models of various sizes and scales customized to meet specific requirements without the cost and risk of installing 3D printing equipment.

3D printing services are especially useful for producing objects with complex geometries, such as internal structures and hidden details that traditional manufacturing cannot easily achieve. These services are also suitable for small production batches, offering efficient on-demand manufacturing when traditional methods are too time-consuming or expensive.

Uses of 3D Printing Services

3D printing services are utilized in various industries. Below are some common applications:

1. Construction Industry

3D printing services are used to manufacture building components by layering materials such as concrete and cement. This can reduce construction time and costs.

They are also ideal for producing complex designs and scale models for architectural projects.

2. Manufacturing Industry

These services are widely used in the automotive and medical device industries for custom parts production, such as aircraft engine components, automotive prototypes, and specialized medical devices. They enable cost-effective manufacturing of small-batch products.

With 3D printing, precision and quality are ensured, and design changes can be implemented quickly.

3. Art

In the art and design sectors, 3D printing services allow for the creation of intricate sculptures and three-dimensional works. This technology supports designs that are difficult to achieve with traditional methods, offering flexibility in artistic expression.

4. Toys

3D printing services are ideal for producing custom toys, such as personalized figures. This enables users to bring their creative ideas to life and create unique toys for themselves or their children.

Principle of 3D Printing Services

To use a 3D printing service, a digital 3D model is required. The model is created using CAD or similar software and converted into a compatible file format, such as STL.

After preparing the digital model, slicing software divides it into thin horizontal layers to guide the 3D printer’s operations.

The object is then produced by solidifying materials like plastic or metal, using methods such as UV curing for resin or laser sintering for metal powder. Between layers, cooling processes stabilize the structure.

Once all layers are completed, the object may undergo additional finishing, such as coloring or painting.

How to Select a 3D Printing Service

Several factors should be considered when choosing a 3D printing service. Examples include:

1. Materials

Confirm the materials the service provider offers, such as plastic, metal, or ceramic. Ensure the available materials meet your product’s requirements.

2. Options

Check for additional options like color customization and size adjustments. Verify with the service provider if your specific needs can be accommodated.

3. Delivery Date, Cost, and Quality

Ensure the service provider can meet your required delivery date. Pricing is generally based on material and design complexity but may vary by provider. Select a service that offers high-quality outputs at a reasonable price.

土間補修サービス

土間補修サービスとは

土間補修サービス

土間補修サービスとは、コンクリート土間に生じる沈下、亀裂やひび割れ、色ムラ、欠損などを補修するサービスです。

コンクリート土間床やモルタルは頑丈な素材であるものの、長期に渡って使用すると劣化によって不具合が生じることがあります。土間補修サービスは、そのような場合に利用されているサービスで、倉庫、工場、店舗や、一般住宅の外構など、様々な分野で利用されています。

目に見える不具合だけでなく、コンクリート土間床下の空洞充填に対応する場合もあります。

土間補修サービスの使用用途

コンクリート土間床は経年劣化、重量物によるダメージ、水の浸透、化学薬品や油による侵食などを原因として、ひび割れが発生したり、床が傾いたり段差が生じたりすることがあります。

そのまま放置しておくと、カートやフォークリフトなどの走行に支障が生じて業務効率が下がったり、つまづきやすくなったりなど人的被害につながります。土間補修サービスはこのような不具合の補修に対応するサービスです。

主な施工施設には以下のようなものがあります。

  • 工場一般 (金属加工工場、食品工場、機械製造工場、住設機器製造工場、精密機械工場)
  • 倉庫一般 (物流倉庫、資材倉庫)
  • スーパーマーケットなどの商業店舗
  • 事務所
  • マンション、一般住宅
  • 学校などの教育機関
  • 病院

土間補修サービスの原理

1. 土間補修サービスで補修される不具合

土間補修サービスで対応できる不具合には主に以下のようなものがあります。

    • ひび割れ
    • 表面の剥がれ
    • 表面のくすみ、汚れ、シミ
  • 沈下、床下の空洞

2. 土間の補修方法

一般的なひび割れや亀裂の補修にあたっては、表面の清掃と下地処理を行った後、ひび割れを埋める加工をします。ひび割れが小さい場合は、コンクリート用のシーラントやパテを用いて割れを埋める補修を行いますが、大きなひび割れには周りに溝を掘った後、エポキシ樹脂やポリウレタン樹脂を注入して固定します。

補修が完了したら、土間全体を平らに仕上げます。モルタルやコンクリートを使って表面を再構築し、耐久性や見た目を向上させます。また、防水性や耐油性を高めるために、コーティング剤を塗布することもあります。

また、床の沈下や床下の空洞に対しては、小さな注入孔を開けて床下に樹脂を充填する工法が行われます。このとき用いられる樹脂は、広がりながら膨張する特殊な発泡ウレタン樹脂です。樹脂の膨張力で床を押し上げて、傾いた床を水平にします。

発泡ウレタン樹脂を用いた工法は床を解体・撤去する必要がなく、短時間での施工が可能です。また、材料硬化が早いため、施工後すぐに通常通り使用できます。

土間補修サービスの種類

土間補修サービスは、主に表面の補修と床下空洞・沈下に対応する補修の2種類に大別されます。

1. 表面補修

表面補修において一般的なひび割れに対する施工では、自動低圧注入工法、高圧注入工法、内部充填工法などの工法があります。

また、古くなったコンクリートに対して、改質・表面保護工を行うサービスは、美観・長寿化対策に有効です。カルシウム、ケイ酸ナトリウムなどの反応促進型保護工や、シラン・シロキサン系の撥水・防水層の形成を行う施工などがあります。

2. 空洞対策、沈下補修

床下空洞対策、沈下補修にあたっては、発泡ウレタン樹脂の膨張力を使い、沈下・傾いた構造物を水平にする工法が用いられることが主流です。発泡ウレタン樹脂を充填する床下施工と合わせて、セメント系充填・盛土が施工される場合もあります。