玉砂利

玉砂利とは

玉砂利

玉砂利とは、庭や外構に敷き、装飾として使用される小さな丸い石粒のことです。

庭石、タイル、レンガと組み合わせて、庭の創作に使用することも多いです。玉砂利の上を歩く音は、不審者が敷地内に侵入しにくくする防犯効果もあります。

石1個のサイズは、7厘 (2〜3mm) 、3分 (7〜9mm) 、 (5分12〜17mm) といった日本伝統の寸法で分けられ、7厘以下サイズは「砂利」と区別されます。

近年は、白や黒の玉砂利だけではなく洋風な庭にも合うカラフルな化粧砂利も増えており、様々なテイストの庭に活用されています。

玉砂利の使用用途

玉砂利は、玄関先のアプローチや庭園の演出などさまざまな用途で使用されます。

具体的な使用例は下記のとおりです。

  • 日本庭園や神社の敷砂利
  • 日本家屋の土間
  • 樹脂舗装の材料
  • 公園・遊歩道、マンションの外構
  • 植栽や墓石まわりの敷き砂利
  • 飲食店や商業施設の内装材
  • 雑草対策
  • 観賞魚用水槽の底砂

玉砂利の特徴

長所

1. 庭をオシャレにできる
敷くだけでおしゃれな庭を演出できます。色やサイズが豊富に揃っているため、和風、洋風、アジアンテイストなど、様々なタイプの庭をつくることができます。また、植木などを移植せずにレイアウトの変更ができるのも利点です。

2. 防犯対策できる
踏むと、石と石が擦れ合い「ザクッザクッ」と大きな音が鳴るため、空き巣やのぞきの侵入防止に効果を発揮します。

3. 雑草を予防できる
玉砂利を敷くことで日光を遮断し雑草が生えにくくなり、庭を綺麗な状態で維持することができます。

短所

1. 掃除や除雪がしずらい
玉砂利を敷いた場合、落ちたゴミは一つずつ拾い掃除する必要があります。また除雪の際は、雪に玉砂利が混ざってしまうため、玉砂利を敷きなおす必要があります。

2. ベビーカーや自転車には不向き
自宅の敷地に玉砂利を設置した場合、ベビーカーや自転車などは車輪が沈んでしまい、操作がしにくくなります。また女性のヒールは玉砂利に突き刺さるため、ヒールを痛める原因になります。

玉砂利の種類

玉砂利にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる色や形状、サイズを持っています。代表的な玉砂利の種類は、以下の通りです。

1. 白玉砂利

白の石灰岩の原石を砕き加工した石です。様々な空間に広く使われており、人気があります。他の玉石と比較して低価格なのが魅力です。

2. 那智黒石

那智黒石は三重県熊野市神川町で産出される粘板岩の一種で、碁石の黒石や試金石、文鎮、装飾用の置き石などに使用されます。那智黒石は上品な光沢で高級感があるため、お墓周りに使用される化粧砂利として人気があります。

3. 大磯

大磯は緑色やグレーの色合いが特徴です。その落ち着いた色調から、昔から日本庭園や神社の敷砂利として使用されてきました。アクアリウムや水槽の底砂としても人気があります。

4. 南部

赤茶色の配合が多い丸味が特徴的な砂利です。和風・洋風の敷き砂利として人気のある天然砂利で、洗い出しなどにも使用されます。

玉砂利の選び方

玉砂利は、サイズや色など様々な製品があります。設置する場所や目的に合わせて適切なものを選ぶことが大切です。

1. サイズ

玉砂利は、大きさで選ぶことも良い方法です。一般的な庭づくりに使用するのであれば、20〜40mm程度の中サイズ、人の歩くアプローチや庭一面に敷き詰めたいときは20mm未満の小さめの砂利がおすすめです。

玉砂利は、設置する石のサイズにより見た目の印象が大きく異なります。大きいサイズは存在感が強く、サイズが小さくなるほど印象が柔らかく感じます。

場所や用途に応じ適切なサイズのものを使用することで、素敵な空間の演出をすることができます。

2. 色

玉砂利を選ぶときは、建物や周りの風景と調和した色を選ぶこともポイントです。建物のスタイルや外壁の色、庭木とのバランスを考慮し、好みの色を選ぶことで、グッとおしゃれな印象の庭に変化します。

3. 予算

玉砂利は種類や色、敷く場所の広さによって費用が大きく異なります。1m×1mの面積で3cmの厚みに玉砂利を敷く場合、一般的な玉砂利の重さは約60〜80kgです。

玉砂利は15〜20kgの袋で販売されていることが多く、庭の面積を計ることでおおよその予算を把握できます。玉砂利を過剰に購入すると無駄が生じ、不足すると薄く仕上り土が見えてしまいます。

あらかじめ使う量や場所を決めてから、購入することが大切です。

人工木

人工木とは

人工木

人工木材とは、天然木材に似せて作られた工業製品のことです。

樹脂木、再生木、模擬木とも呼ばれます。天然木材よりも扱いやすく耐久性に優れ、メンテナンスも簡単なため、多くの木工製品に使用されています。人工木材は、廃材を利用したリサイクル木材やペットボトルのキャップなどで作られるリサイクルプラスチックが使われることも多く、ゴミの量を減らし、環境負荷の軽減につながります。

人工木の使用用途

エクステリア・建築外構・外装への建築化粧材として、ウッドデッキ・フェンス・ルーバーなどに幅広く使用されています。特にウッドデッキは、近年、公共工事への採用実績が増えています。

景観に調和した施工、高い耐久性、安全性に優れているため、公園などの防護柵や階段などにも使用されています。その他、人工木を使用したギターやスピーカーなども使用用途の1つです。

天然木と比べると質感や断熱性は劣りますが、人工木はさまざまな色や見た目のバリエーションがあるため、天然木に劣らない存在感を演出することが可能です。また、新たな森林伐採の必要がなく、工場で大量生産ができるため、天然木の代替品として注目されています。

人工木の特徴

長所

1. 高い耐久性
天然木よりも耐久性が高く、腐食やシロアリによる被害を受けにくいことから、ウッドデッキなどに幅広く使用されています。また、色の変化がないので見た目の品質も長期的に保つことができます。

2. 維持管理が楽
天然木のように定期的な防腐処理・防虫処理・防水処理の必要がなく、薬剤の使用による危険性もありません。日々のメンテナンスは、泥や埃といった汚れを取り除く簡単な清掃で済みます。ただし、油断しているとカビが生える場合があるので、常に湿っている場所を定期的に清掃することが必要です。

3. 施工性・加工性に優れている
市販されている木材用の金具が使用可能で、天然木同様に切断や穴あけなどの加工ができます。

4. お子様やペットがいる家庭でも安心
人工木は、製造過程で有害物質が使用されていないため、小さい子供やペットも安心です。また、天然木のようなワレやササクレがないため、怪我の心配が少ないです。

5. 好きなカラーを選べる 
人工木はカラーバリエーションが豊富なため、天然木にはない色合いで施工することが可能です。

短所 

1. 熱がこもりやすい
人工木に使用されている樹脂は、熱がこもりやすいため、夏場の日差しが強い時期は表面が熱くなりやすいです。直射日光が当たりやすい場所で使用する場合は、屋根やフードなどの対策が必要です。

2. 天然木より質感が劣る
人工木は、木粉に樹脂やプラスチックなどの素材を混ぜて作られているため、天然木と比べ香りや質感が劣ります。

3. 価格が高い
天然木と人工木の価格を比較した場合、天然木は樹木により価格に差がありますが、一般的に人工木の方が高い傾向にあります。しかし、高い耐久性やメンテナンスがほとんど必要ないことを考えると、ランニングコストがかからないというメリットがあります。

人工木の種類

人工木はメーカーや使用する原材料や配合、仕上げにより様々な種類があります。

1. 原材料による分類

木粉と樹脂を混ぜ合わせて成形したもの、木粉と樹脂 (ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂など) を混ぜ合わせたもの、それら以外の素材を使用したものなどに分類されます。

2. 配合比率による分類

樹脂にはポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂などの種類があります。木粉と樹脂の配合の違いにより、強度と質感が大きく変わります。木粉の比率が高ければ天然木に近い仕上がりになり、樹脂の配合が高ければしっかりとした強度で仕上がります。

3. 仕上げによる分類

表面や溝をギザギザに加工したリブ加工は、強度が増し滑りにくくなり、 表面を凸凹に加工したエンボス加工は、見た目が木目に近くなります。また、表面を研磨するサンディング加工は、木目に近い質感になります。仕上げの方法により、見た目や性質に違いがあります。

スレート材

スレート材とは

スレート材

スレート材とは、屋根材や外壁材として使用される薄い板状に加工した建築材です。

住宅環境により寿命が異なりますが、10年前後で再塗装が必要となります。また、割れが発生した際は部分補修などの修理が必要になる場合があります。

粘板岩を加工したものが天然スレート、セメントに繊維素材を混ぜて加工したものが化粧スレートです。色が豊富な化粧スレートは、外壁塗装の色に合わせやすいことも特徴です。下板の上に防水シートを設置し、スレートを全面に貼りつめ、釘で固定して使用します。

スレート材の使用用途

スレート材は主に屋根材や外壁材として使用されています。

粘板岩を素材とした天然スレートとセメントに繊維素材を混ぜて加工した化粧スレートがあります。

化粧スレートは色が豊富で重量が軽いため耐震性が高く安価です。また、他の屋根材よりも軽量で施工しやすく、複雑な形状の屋根に適しているため広く普及しています。

清掃車

清掃車とは

清掃車

清掃車とは、一般にはゴミ取集車のことです。

ただし、路面清掃車、トンネル清掃車、路面清掃車、空港専用路面清掃車などを示すこともあります。清掃車は、1897年にイギリスで使用された自走式ゴミ収集車が世界初とされ、日本で現在の清掃車と同様の車両が使われ始めたのは、1960年代後半からと言われています。

正式名称は「塵芥車」で、別名は塵芥収集車、パッカー車、清掃車、集塵車などです。最新式の清掃車は、計量装置を装填し、ゴミの重量をおおむね正確に計量することが可能な車両もあります。

清掃車の使用用途

家庭ごみの収集には、小回りの利く2トン車が多く用いられていますが、事業所等では4トントラック車体を用いる大容量のものもあります。実積載量は、ごみの質による差はあるものの、2トン車の場合1トンから1.4トン程度です。

清掃車の用途は、ごみ収集の他にも、古紙回収業者がオフィスや町内会などから段ボールや新聞古紙などを回収したり、造園業者が剪定後に小枝の運搬用とするなど、積荷を限定して使用することもあります。清潔で快適な生活環境を保つため、日本のみならず世界中で活躍しています。

清掃車の構造

清掃車の構造は、主に排出板・操作パネル・汚水タンク・プレスプレート又は回転盤などで構成されます。また、事故や火災などが起きた場合に備え、後方カメラや緊急停止装置、消火器などの安全装置がついています。

清掃車の種類

清掃車は用途により使用するタイプが異なります。圧縮はプレス式・回転板式・ロータリー式の3つの形式があり、排出は押し出し式・ダンプ式の3つの形式があります。

1. ゴミの圧縮形式による分類

プレス式
投入口のゴミをプレスプレートで押しつぶし、次に押し込み板にてゴミを奥へと押し込みます。家庭ゴミはもちろん、家具や家電製品などの粗大ゴミまで収集することができます。

回転板式
投入口に置かれたゴミを回転板でかき込み、次に押し込み板でゴミを奥へ押し込みます。
プレス式に比べると圧縮力が弱いため、粗大ゴミの収集には向きませんが、家庭などからでる小さなゴミであれば収集可能で、小枝、木くず、繊維くずなどの収集に最適です。

ロータリー式
螺旋状のスクリューを備えた円柱型のドラムが回転し、ゴミを荷箱へと送ります。ドラムが回転し続けているため、連続でゴミを投入することが可能で、他のタイプより汚水が飛び散らないことや、シンプルな造りになっているため掃除がしやすいメリットがあります。
ただ、圧縮するパワーが弱く、積めるゴミの量も少ないため、使用されることが少ないです。

2. 排出形式による分類

押し出し式
注射器と同じ仕組みで、排出板を荷箱後方から前方へスライドさせゴミを押し出すタイプです。排出能力が高いため、荷箱にゴミを残すことなく排出できます。

ダンプ式
ダンプトラックと同じ仕組みで、荷箱をダンプアップさせ、ゴミを自然落下させ排出するタイプです。ただし、荷箱に小さなゴミが残ってしまう場合があるのがデメリットです。

清掃車のその他情報

清掃車の運転に必要な免許

清掃車の運転に特別な免許は必要なく、清掃車の重量に合わせた免許を取得しておけば運転することができます。普通免許を2017年3月11日までに取得している場合は、車種が2トン車で、総重量5トン未満、積載量3トン未満の車を運転できるため、普通免許だけでも運転することができます。

しかし、2017年3月12日以降に免許を取得している場合は、免許制度の改正により、普通免許では2トン車は運転できないため、3トン車まで運転できる準中型免許が必要です。また、清掃車の重量が重くなるにつれ、車両総重量が5トン以上11トン未満なら中型免許、11トン以上は大型免許が必要になります。

清掃車はほとんどがミッション車となっているため、オートマ限定免許では運転をすることができません。清掃車の仕事を考えている場合は、マニュアル免許を取得することをお勧めします。

マジックミラー

マジックミラーとは

マジックミラー

マジックミラーは、明るい部屋と暗い部屋の間に設置すると、明るい側からは鏡に見え、暗い側からは半透明な窓に見えます。また、マジックミラーは、入射した光の一部を反射し、一部を透過させます。

透過率と反射率が等しいものはハーフミラーと呼びます。
ガラスを使用したものがほとんどですが、偏光ガラスを使用したものもあります。

警察の取調室において匿名性保護のために使用されたり、ミラーグラスとして光線から目の保護をしたり、建築物の外面に使用して断熱効果に用いたり、光学部品の分光器として使用されています。手品やお化け屋敷に使用される例もあります。

マジックミラーの使用用途

下記の様に、色々な用途で使用されています。

1. 匿名性保護

警察の取調室では目撃者が被疑者の人物を確認するためにマジックミラーを用いることがあります。この方法は、目撃者のプライバシーを保護するために実施しています。これにより被疑者に恨まれることなく被害者や目撃者の確認をしています。

2. サングラス

ミラーグラスと呼ばれています。光の透過量が少なくなるため、強い光から目を守るために利用されます。

3. ミラーTVディスプレイ

テレビを見る時だけ映像が出て、テレビを消すとミラー(鏡)になります。建築物 赤外線を遮断することで、断熱効果もあるため、高層ビルなどでは、ビル装飾と省エネルギーなどの観点から利用されています。

4. 光学部品

光ディスク製造時やプロジェクターの分光器として使用されています。
この他に、手品やお化け屋敷にも使用されています。

定盤研磨

定盤研磨とは

定盤研磨とは、測定工具である定盤の平面精度を上げるために研磨する加工技術です。

定盤は、機械装置の「加工」「組立」「実験」「検査測定」を行うための基準平面として使用されています。平面度の精度は、JIS規格により、3等級に分けられています。特に絶対平面を必要とする「組立」「検査測定」においては、高精度の研磨加工を求められます。

材質は、鋳鉄製、石製、セラミック製などが多く用いられています

定盤の用途、材質の種類により、研磨方法が異なります。

定盤研磨の使用用途

1. 箱型定盤

最も一般的な鋳鉄製の定盤です。検査測定から組立まで幅広く使用されています。他の定盤に比べ、比較的気軽に使用できます。

2. 精密定盤

検査を行う際の基準面として使われています。そのため、高い平面精度を求められます。表面は、きさげ加工により仕上げられます。

3. たたき定盤

板金作業での切断や曲げ作業、また溶接作業にも利用されています。平面精度は、精密定盤ほど高くありません。へール加工やフライス加工により仕上げられます。

定盤研磨の種類

定盤研磨には、主に「機械加工」「きさげ加工」の2種類の加工方法があります。

1. 機械加工

工作機械により仕上げます。主に「フライス加工」「へール加工」の切削加工により仕上げます。

  • フライス加工による仕上げ:フライスという工具を回転運動させることで加工していきます。
  • へール加工による仕上げ:平らに研いだバイトという工具を直線運動させることで加工していきます。

どちらも切削加工であるため、平面精度は、そこまで高くありません。箱型定盤やたたき定盤などに利用されています。

機械加工について詳しくみる

2. きさげ加工

工作機械によって仕上げた加工面をさらに高精度にするための加工です。きさげと呼ばれるスクレーパーという工具を使用します。手作業で行うことで工作機械では難しい、1ミクロン以下の高精度が得られます。

やり方としては、まず、加工面に塗料を塗り、薄く延ばします。次に、基準となる定盤をすり合わせます。そこで塗料が取れた部分は、角が出ているため、削り取ります。これを求める精度まで繰り返します。

酢酸イソブチル

酢酸イソブチルとは

酢酸イソブチルの構造

図1. 酢酸イソブチルの構造

酢酸イソブチル (英: Isobutyl acetate) とは、カルボン酸エステルに分類され、化学式C6H12O2で表される有機化合物の1種です。

IUPAC命名法による名称は酢酸 2-メチルプロピルであり、その他の別名に、酢酸2-メチルプロピルエステル、ブチルエタノエートという名称があります。CAS登録番号は110-19-0です。

カルボン酸エステル特有の果実臭を特徴としており、バナナの香りの主成分であるとされています。

酢酸イソブチルの使用用途

酢酸イソブチルとフェニル酢酸イソブチルの構造

図2. 酢酸イソブチルとフェニル酢酸イソブチルの構造

酢酸イソブチルは、主に化学工業において、脱水剤、塗料 (アクリルポリウレタンなど) ・インキ用溶剤、接着剤、反応溶媒、抽出溶剤、化学繊維製造凝固剤、メッキ、蛍光体原料などの幅広い用途を持つ物質です。酢酸イソブチルは、エステル類特有の果実臭を持つため、香水や食品添加物としても用いられます。

なお、関連物質であるα位がフェニル基で置き換わったフェニル酢酸イソブチルは、バラの香りの香料として、食品衛生法で食品添加物に指定されている物質です。それ以外の酢酸イソブチルの用途としては、農薬 (殺菌剤) 、農薬原料、医薬、飼料添加物などの用途が挙げられます。

酢酸イソブチルの性質

酢酸イソブチルは分子量116.16、融点-98.8℃、沸点116.5℃であり、常温での外観は無色澄明の液体です。臭いは特異臭と形容される果実臭です。自然界ではラズベリーやバナナ、梨の香気成分に含まれています。

密度は0.873g/mLです。エタノール及びアセトン等の有機溶媒に極めて溶けやすく、水には溶けにくい性質があります。水への溶解度は0.67g/100mL (20℃) です。引火点は18℃であり、引火性の高い物質といえます。

酢酸イソブチルの種類

酢酸イソブチルは、主に研究開発用試薬製品や、工業用化学薬品として販売されている物質です。

1. 研究開発用試薬製品

研究開発用試薬製品としては、酢酸イソブチルは25mL、500mLなどの容量で販売されています。実験室で取り扱いやすい容量での提供が一般的です。通常、室温で取り扱い可能な試薬製品として販売されています。

2. 工業用化学薬品

工業用化学薬品としては、酢酸イソブチルは15kg石油缶や180kgドラムなど、産業用の大型容量で販売されている物質です。主に工業用溶剤として用いられることが多いです。

酢酸イソブチルのその他情報

1. 酢酸イソブチルの合成

酢酸イソブチルの合成

図3. 酢酸イソブチルの合成

酢酸イソブチルは、酢酸とイソブチルアルコールが縮合したカルボン酸エステルに相当します。合成方法としては、他のエステルと同様に、濃硫酸などの酸触媒や脱水剤の存在下、酢酸とイソブチルアルコールを混合、加熱する方法 (フィッシャーエステル合成反応) や、酢酸ハライドや無水酢酸を用いる方法などが挙げられます。

工業的には、イソブチルアルコールを酢酸で直接エステル化することにより製造されます。

2. 酢酸イソブチルの有害性

酢酸イソブチルは物理化学的危険性や人体への有害性が指摘されている物質です。GHS分類では、下記のように分類されています。

取り扱いの際は適切な局所排気装置や全体換気を設置し、保護メガネや保護衣などの適切な個人用保護具を着用することが必要です。

  • 引火性液体: 区分2
  • 健康に対する有害性 急性毒性 (吸入: 蒸気) : 区分4
  • 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 : 区分2B
  • 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) : 区分3 (気道刺激性、麻酔作用)

3. 酢酸イソブチルの法規制情報

酢酸イソブチルは、前述の有害性のため、法令によって規制を受ける物質です。労働安全衛生法では、危険物・引火性の物、名称等を表示すべき危険有害物、名称等を通知すべき危険有害物、リスクアセスメントを実施すべき危険有害物、第2種有機溶剤等、作業環境評価基準に指定されています。

消防法においては、第4類引火性液体、第一石油類非水溶性液体に分類されている物質です。法令を遵守して正しく取り扱うことが必要といえます。

参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0102-0646JGHEJP.pdf

酢酸イソアミル

酢酸イソアミルとは

酢酸イソアミルの構造

図1. 酢酸イソアミルの構造

酢酸イソアミル (英: Isoamyl acetate) とは、カルボン酸エステルに分類され、化学式C7H14O2で表される有機化合物の1種です。

IUPAC命名法による名称は酢酸3-メチルブチルであり、その他の別名に酢酸イソペンチルという名称があります。CAS登録番号は123-92-2です。カルボン酸エステル特有の果実臭を特徴として、特にバナナエッセンスなどの香料に用いられています。

酢酸イソアミルの使用用途

酢酸イソアミルの主な使用用途は、 香味料、香料、有機溶媒、溶剤です。

1. 香料

酢酸イソアミルは、バナナの香りの主成分であり、非常にフルーティーな香りの液体です。香料としては、バナナのフレーバー他、食品用の香料として使用されています。

また、日本酒の吟醸香の香気成分の1つでもあり、吟醸酒系の酒類が放つフルーティーな香りは酢酸イソアミル由来の香りです。

2. 溶剤・抽出剤

香料以外の用途では、酢酸イソアミルは、ニトロセルロース、エチルセルロース、樹脂の溶剤としてや塗料溶剤、印刷溶剤、シンナー、鉄・ニッケル等の抽出剤などにも使用されています。

酢酸イソアミルの性質

酢酸イソアミルの分子量は130.18、融点は-78.5℃、沸点は142℃であり、常温での外観は無色透明の液体です。揮発性の物質であり、臭いはバナナやメロンに似た果実臭と形容されます。

エタノール等のアルコールや、エーテル、酢酸エチルなどの有機溶媒には溶けますが、水には溶けにくい性質を示します。水への溶解度は、2.00×10-3mg/L (25℃) 、密度は0.86g/mLです。また、引火性が有り、引火点は23℃です。

酢酸イソアミルの種類

酢酸イソアミルは、主に研究開発用試薬製品や工業用化学薬品として販売されています。

1. 研究開発用試薬製品

酢酸イソアミル-d3の構造

図2. 酢酸イソアミル-d3の構造

研究開発用試薬製品としては、500mgや500mLなどの容量の種類が有ります。実験室で取り扱いやすい容量での提供です。通常、室温で取り扱い可能な試薬製品として提供されています。

また、研究開発用試薬製品としては、通常の酢酸イソアミルの他に、重溶媒酢酸イソアミル-d3  (CH3)2CHCH2CH2OCOCD3) も販売されています。こちらはNMR分析用溶媒などに使用されます。

2. 工業用化学薬品

工業用化学薬品としては、15kg石油缶、180kgドラム、1,000Lコンテナなどの荷姿で提供されている物質です。溶剤、抽出剤などの用途が想定されています。

酢酸イソアミルのその他情報

1. 酢酸イソアミルの合成

酢酸イソアミルの合成

図3. 酢酸イソアミルの合成

酢酸イソアミルは、酢酸とイソアミルアルコールが縮合したカルボン酸エステルに相当します。合成方法としては、他のエステルと同様に、濃硫酸などの酸触媒や脱水剤の存在下、酢酸とイソアミルアルコールを混合、加熱する方法 (フィッシャーエステル合成反応) や、酢酸ハライドや無水酢酸を用いる方法などが挙げられます。

2. 酢酸イソアミルの有害性情報

酢酸イソアミルは、物理化学的危険性や人体への有害性が指摘されている物質です。GHS分類では、下記のように分類されています。

  • 引火性液体 区分3
  • 皮膚腐食性・刺激性: 区分3
  • 眼に対する重篤な損傷・眼刺激性: 区分2B
  • 特定標的臓器・全身毒性 (単回ばく露) : 区分3 (気道刺激性、麻酔作用)

取り扱いの際は適切な局所排気装置や全体換気を設置し、保護メガネや保護衣などの適切な個人用保護具を着用することが必要です。

3. 酢酸イソアミルの法規制情報

酢酸イソアミルは、前述の有害性のため、法令によって規制を受ける物質です。労働安全衛生法では 名称等を通知すべき有害物、名称等を表示すべき有害物、 第2種有機溶剤等、危険物・引火性の物に指定されています。

消防法では第4類引火性液体、第二石油類非水溶性液体に指定されています。法令を遵守して正しく取り扱うことが必要です。

参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/0734.html

過マンガン酸ナトリウム

過マンガン酸ナトリウムとは

過マンガン酸ナトリウムとは、ナトリウムの過マンガン酸塩です。

化学式はNaMnO4で表されます。過マンガン酸塩としては、過マンガン酸カリウムの方が有名ですが、基本的な化学的性質は過マンガン酸カリウムと同様であり、強い酸化力を持ちます。マンガン酸ナトリウムの方が、過マンガン酸カリウムよりも水への溶解度が大きいことが特徴です。

過マンガン酸ナトリウムは、酸化マンガン次亜塩素酸ナトリウムを使用して生成します。加熱によって酸素を発生して分解します。

過マンガン酸ナトリウムの使用用途

過マンガン酸の塩は、強い酸化剤として使用されます。一般的には、過マンガン酸ナトリウム40%水溶液として流通しています。過マンガン酸ナトリウムの主な用途は、分析用試薬、マンガン・鉄などの除去剤、臭気・有機物の除去剤、下水・工場排水の処理、繊維・樹脂・油脂などの漂白剤、無機酸および有機酸の精製、医薬品の原料および製造、タンカーの洗浄です。

また、電子回路のエッチング剤 (金属表面処理剤) 、電子顕微鏡検査法の定着剤としての使用例もあります。

過マンガン酸ナトリウムの性質

過マンガン酸ナトリウムは、分子量141.93g/mol、CAS番号10101-50-5で表わされる暗赤紫色の液体です。沸点100℃、引火点および分解温度、可燃性に関するデータはありません。密度は1.391gPcm3です。

通常の大気条件 (室温) で化学的に安定ですが、金属粉体、強酸化剤、強酸、有機物、強還元剤などの混触危険物質との接触を避けます。

過マンガン酸ナトリウムのその他情報

1. 安全性

GHSにおいて、酸化性液体 (区分2) 、急性毒性、経口 (区分4) 、皮膚腐食性/刺激性 (細区分1B) 、眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 (区分1) 、水生環境有害性 短期 (急性、区分1)、水生環境有害性 長期 (慢性、区分1) に分類されます。

特に、火災を助長するおそれのある酸化性物質であり、飲み込むと人体に有害です。また重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷を引き起こし、最悪失明の危険性があります。

慢性マンガン中毒は、まず中枢神経系でおこり、初期症状として、倦怠、眠気、脚の衰弱がおこります。また進行すると、顔面の鈍い仮面様の感覚、抑制のない笑いなどの精神障害、痙性歩行が見られ、非常に危険な物質です。

2. 応急処置

飲み込んだ場合は、直ちに口をすすぎ、無理に吐かせず気分が悪いときは医師に連絡します。皮膚に付着した場合は、直ちに汚染された衣類を全て脱ぎ、皮膚を大量の水で洗い流します。

眼に入った場合は、水で数分間注意深く洗い、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外し、継続して洗浄が必要です。汚染された衣類を再使用する場合には、洗濯を行います。

応急措置担当者は自分が暴露しないよう注意し、適切な保護具を着用し、医師の診断を受ける際は、安全データシートを担当医に見せます。

3. 取扱方法

作業時は、熱、高温、火花、裸火および他の着火源から遠ざけ使用します。作業者は、密着性の高い安全ゴーグル、ニトリルゴム手袋、保護衣、気化ガス/エアロゾル発生時は呼吸用保護具の着用が必要です。取扱い後は手や顔をよく洗い、汚染された衣服は直ちに取り替えます。

内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理します。

4. 火災時の対応

過マンガン酸ナトリウムは、使用してはならない消火剤はありません。周囲の環境およびその他危険物などに応じて、適切な消火剤を使用します。

火災時は、特有の危険有害性物質として酸化ナトリウム、マンガン/マンガン酸化物を発生させる可能性があります。また、酸素を放出して火災を拡げる作用があるため、注意が必要です。

消火時は、自給式呼吸器がある場合のみ危険区域に留まってもよいですが、ない場合は安全なゾーンまで離れるか適切な保護衣を着用し、皮膚に触れないようにします。

5. 適用法令

過マンガン酸ナトリウムは、消防法において危険物には該当しません。また毒物及び劇物取締法、有機溶剤中毒予防規則においても非該当です。特定化学物質障害予防規則では、第二類物質に指定されています。

参考文献

https://www.sigmaaldrich.com/JP/ja/sds/aldrich/519073

過マンガン酸

過マンガン酸とは

過マンガン酸とは、カリウムの過マンガン酸塩で、黒紫色の結晶です。

化学式はHMnO4で表されます。名称に「過」が含まれていますが、分子内にペルオキシド結合-O-O-は存在せず、過酸ではありません。

過マンガン酸バリウムと硫酸とを水溶液中で反応させることで得られます。遊離酸は得られず、水溶液中にのみ存在します。高濃度だと分解する傾向にあります。また、熱および光によって分解し、酸化マンガン(Ⅳ)水和物を生じます。

過マンガン酸の塩は、各種法規によって規制されています。

例えば、過マンガン酸カリウムは、化学物質審査規制法(化審法)で一般化学物質、化学物質排出把握管理促進法(化管法)で第1種指定化学物質、大気汚染防止法で有害大気汚染物質(優先取組物質)、水質汚濁防止法で排水基準(生活環境項目)および事故時措置(指定物質)、下水道法で排水基準、環境基本法で水質要監視項目(公共用水域)および水質要監視項目(地下水)、水道法で水質基準項目および水質管理目標設定項目に分類されており、そのほか労働安全衛生法、消防法でも規制されています。 

過マンガン酸の使用用途

過マンガン酸(の塩)は基本的に、強い酸化剤として使用されます。例えば、代表的な過マンガン酸塩である過マンガン酸カリウムは、分析用試薬、繊維・樹脂・油脂などの漂白剤、医薬品の原料および製造、下水・工場排水の処理剤、金属表面処理、無機酸および有機酸の精製、臭気・有機物の除去剤、タンカーの洗浄に使用されます。

いずれもこの物質がもつ強力な酸化作用を利用したものです。また、過マンガン酸亜鉛、過マンガン酸銀(I)なども同様に、酸化剤としての用途があります。 

参考文献
http://www.chemicoco.env.go.jp/detail.html?word=%E9%81%8E%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%B3%E9%85%B8&chem_id=269&n_id=21
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