収納用品・コンテナ

収納用品・コンテナとは

収納用品とは、コンテナ、タンク、トレイのような容器類のほか、ラック、キャビネットのような棚・架類など、運搬・保管に用いる道具や設備全般を指します。

コンテナ・タンクの種類

コンテナは、家庭やオフィスなどで使用される小型のものから、工場や農林漁業の作業現場で使用される小~大型のもの、貨物輸送に使用される超大型のものまで様々です。貨物輸送用コンテナは国際規格で寸法や強度が定められていますが、それ以外のコンテナのサイズ・素材・形状は多種多様です。

ポリプロピレンなどのプラスチック製コンテナ、金属製のアルミコンテナ、アルマイトコンテナ、スチールコンテナのほか、プラスチックに導電材を配合した導電性コンテナなど、様々な素材が使われています。形状にも多くのバリエーションがあり、側面が網目構造になっているメッシュコンテナや、積み重ね可能で保管場所をとらないネスティングコンテナ、蓋つきのバックルコンテナ、瓶などを収納するためのボトルコンテナなどがあります。

コンテナというと多くの場合箱型の容器を指しますが、フレキシブルコンテナバッグ(フレコンバッグ)のように袋状のものも存在します。

液体や粉体、気体の運搬・保管には、コンテナのほか、タンクやドラム、ボトル、ボンベなどが使用されます。タンクにはエアタンク空気タンク)、オイルタンク、ケミカルタンクなどがあり、内容物によって適切なものを選択する必要があります。

収納棚・収納架・収納庫の種類

コンテナの収納に用いるコンテナラックネスティングラックをはじめ、パイプラック、バーラックパネルラックサイクルラックなど、収納物の形状や性質に応じた数多くの収納棚・収納架・収納庫があります。

医薬品や農薬、工業用薬品、特定のアルコールや塗料・溶剤などは専用保管庫での保管が義務付けられているため、各種法令に則って対応する必要があります。

密封器具・装置

密封器具・装置とは

密封器具・装置 (英: Sealing device) とは、材料間の不完全な表面を封止することで液体や気体、粉体などの物体が外部に漏れることや、内部に流入することを防ぐための資材や部品の総称です。

一般に、シール、シール材 (剤) 、シーリング材 (剤) などと呼ばれます。密封器具・装置は、機械工学分野で使用されるものと、土木・建築分野で使用されるものに大きく分けられます。

密封器具・装置の種類 (機械工学分野) 

機械工学分野で使用される代表的な密封器具・装置は、パッキンおよびガスケットです。

運動面に使われるパッキンを動的シール、静止面に使われるガスケットを固定シールとも呼びます。パッキンは、シール面が直接接触する接触型と、接触せずに隙間を挟んで対向する非接触型のものに分けられます。

接触型のものにはオイルシールやメカニカルシール、リップパッキン (Uパッキン、Vパッキン等) 、スクイーズパッキン (Oリング、Dリング、Xリング等) などが、非接触型のものには磁性流体シールやラビリンスシールなどがあります。

ガスケットは、金属製のメタルガスケットと、紙ガスケット、シリコンガスケット、ゴムガスケットなどの非金属製ガスケットに大別されます。それぞれ弾性や耐薬品性、耐熱性などが異なりますので、シールの対象となる流体の種類や圧力、温度に応じて適切なものを選択する必要があります。

このほか、外部からの粉塵の侵入を防ぐために使用されるダストシールなど、特定の用途に特化したガスケット・パッキンも存在します。

密封器具・装置の種類 (土木・建築分野) 

土木・建築分野における密封器具・装置は、建物や外壁などの気密性や防水性、耐久性を高めるために使用されます。主に、ブチルテープ気密防水テープなどのテープ状のものと、コーキング材 (剤) やシーリング材 (剤) と呼ばれるペースト状のものがあります。

コーキング材にはアクリルやウレタン、シリコンなど様々な素材があり、専用のコーキングガンを用いて充填されます。

熱源

熱源とは

熱源 (英: Heat source) とは、熱を発生または吸収し、他に供給するみなもとのことです。ヒーター類だけでなく、冷暖房や給湯に使う熱を供給する設備・機器のことを指す場合もあります。

熱源の種類

熱源が熱を発生する際には、電気、ガス、燃料などが使用されます。中でも一般的なのは電気を使って熱を発生させる方法です。金属などに電流を流した時の発熱 (ジュール熱) を利用した抵抗加熱や、交流電流を流した加熱コイルから発生する磁界を利用した誘導加熱、電磁波による分子の振動で発生した摩擦熱を利用するマイクロ波加熱や赤外線加熱などの方法があり、加熱対象や用途に応じて使い分けられています。

最も広く利用されている抵抗加熱において、熱源の基本とされるのがシーズヒーターです。電熱線を金属製のさやで覆ったもので、家庭用、工業用を問わず多くの製品に活用されています。曲げ加工や表面加工が容易なため、形状や用途の異なる様々な熱源にシーズヒーターが組み込まれています。

例えば、フランジヒータ鋳込みヒーター、サーキュレーションヒーター、マイクロヒータなどです。このほか、薄型のフィルムヒータプレートヒータラバーヒータや、これらをチューブに巻き付けたチューブヒータなども抵抗加熱を利用した熱源の一例です。

赤外線加熱の原理を用いた熱源には、ランプヒータラインヒータがあります。近赤外線~遠赤外線領域の電磁波で対象物を非接触に加熱することができるため、半導体や機械材料、樹脂素材の製造や、食品、印刷物の乾燥などに使用されています。

熱源設備の種類

熱源設備は、ビル・工場などの冷暖房や給湯設備において、熱交換に必要な熱を生成する役割を果たします。ボイラは、燃料を燃焼させることで水蒸気や温水を供給する熱源設備で、化石燃料を使用する一般的な温水ボイラのほか、木屑などの産業廃棄物を燃料とするバイオマスボイラがあります。また、電気を用いて、低温の物質から取り出した熱を高温の物質に移動させるヒートポンプも広く利用されています。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieiej/34/12/34_848/_pdf/-char/en

治具

治具とは

治具とは、一般的に物を加工・製造する過程において作業効率を上げるための補助具のことを指します。

語源は海外発祥のJIGであり、治具は当て字と言われています。ものづくりにおいて効率的に作業するための補助的な器具の意味でもあります。 日本語としての治具は言葉を定義する範囲が広く曖昧です。

治具には加工するワーク (材料) を固定したり、機械で加工する時に使用される切削ツールのドリルやエンドミルなどを所定の位置にガイドする目的で使用されます。英語圏では固定する器具を表す言葉として、JIGの代わりにFIXTUREという別の単語が使われます。

治具はより精密かつ効率的に物の製造や測定をする場合に、加工するワーク (材料) や加工した部品に適合させるために使う補助的な器具は比較的何でも「ジグ」と呼ばれます。

治具の種類

治具の種類は主に大きく次の3つが挙げられます。

  1. 部品の生産を効率よく行うためのもの
    塗装マクキング治具、固定治具などです。
  2. 製品の組み立て時に使われるもの
    カシメ治具、超音波溶着治具などです。
  3. 検査に使われる検査治具や測定治具
    測定基準となる基準 (データム) からの寸法測定で定盤を適用できない時に専用の治具を作製することがあります。

治具の例

生産効率化のためによく用いられる2つの事例としては、以下の2つがあります。

  1. 製品組み立てにおいて、例えば両面テープ付き小型スイッチを半成品に接着にて固定する場合に、平面上の決まった上下左右の位置で接着されるようにガイドする場合
  2. 接合に半液状の接着剤を適用する場合に、しばらく接着面にある程度圧力をかけるため洗濯バサミのようにスプリング機構によって固定する場合

記憶装置

記憶装置とは

記憶装置とは、コンピュータの一構成要素で一般的な情報や指示情報を保存する装置です。

例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、CDの類、メモリなどがあります。記憶装置は大きく主記憶装置と補助記憶装置の2つに大きく分類されます。主記憶装置としては、CPUと直接データのやり取りが行われるものでメモリがそれにあたります。補助記憶装置としては、CPUとは間接的にデータの交換がなされる装置であり例えばハードディスク (HDD) がそれに相当します。

記憶装置の種類

主記憶装置のメモリは、不揮発性メモリと揮発性メモリの2種類があります。

読み込み専用のROM (ロム) が前者に該当し読み書き用のRAM (ラム) は後者に該当します。RAMは電源オフで記録が消えてしまいますが、ROMは消えません。

さらに、RAMにはDRAM (英: Dynamic RAM) とSRAM (英: Static RAM) の2種類があります。ROMの代表的なものはフラッシュメモリで「NAND型フラッシュメモリ」と「NOR型フラッシュメモリ」があります。またその主なメディアUSBメモリ、SDメモリカード、SSDの3種類があります。

その他のROMには書き込まれている内容が変更できない「マスクROM」、一度だけ書き込みができる「PROM」、紫外線照射によって記憶内容を消去可能で再書き込みが可能である「EPROM」、 高い電圧を印加することで記憶内容を消去可能で再書込みが可能な「EEPROM」などがあります。

記憶装置の技術、仕組み

記憶装置のアクセス方法はランダムアクセスとシーケンシャルアクセスの2種類があります。前者はデジタル式のもので任意の位置にアクセス可能ですが、後者は磁気テープのようにアクセスする場所へは順を追っていく方法です。

記憶装置の媒体を分類すると、半導体、磁気、光学、紙があります。例えば磁気方式ではHDD、フロッピーディスクや磁気テープが代表的であり、光学式ではCD、DVD、BDの読み取り専用のROMタイプ、一度限り書き込みができるRタイプと何度でも書き換えができるRWタイプがあります。

浄化設備・装置

浄化設備・装置とは

浄化設備・装置 (英: Purification facility/equipment, Sanitation facility/equipment) とは、対象物から汚れを取り除いて清浄、清潔にする設備・装置の総称です。

浄化の対象となる物によって多くのバリエーションがありますが、ここでは最も一般的な水および空気の浄化設備・装置について例示します。

水の浄化設備・装置の種類

水を浄化する設備・装置には、水利用のための用水処理に用いられるものと、利用後の排水処理に用いられるものがあります。水処理の技術は、ろ過に代表される物理法、イオン交換や浸透圧の原理を利用する物理化学法、中和や酸化還元の原理を利用する化学法、微生物や植物を利用する生物法の4つに分類されます。

循環ろ過装置海水ろ過装置中和装置逆浸透膜浄水器 (RO装置) のように単一の処理技術を用いた装置もありますが、水処理プラント排水処理装置などでは、通常、複数の技術を組み合わせて処理が行われます。浄化する水の性質によって適用される技術が異なることから、各技術のコストも勘案した上で、最も効率的な処理工程を採用するのが一般的です。

空気の浄化設備・装置の種類

空気を浄化する技術には、ULPA・HEPAのようなフィルタや、電気集塵機ヒューム集塵機湿式集塵機などを用いる物理的方法、セルフィールのように触媒を利用する化学的方法、紫外線やオゾンなどを利用する生物的方法があります。

排ガス処理装置は複数の技術を組み合わせて構成されることが多く、浄化対象となる空気の性質と目的に応じて適切な手法を選定する必要があります。

半導体や食品の製造現場、医療現場などにおいて、極めて高い空気清浄度を保つために使用されるのがクリーンルームです。インダストリアルクリーンルームとバイオロジカルクリーンルームがあり、それぞれ国際規格に則って、空気中のほこりや細菌数、温度、湿度、室圧が制御されます。

入室者の衣服に付着した異物を除去するため、多くの場合入り口にエアシャワーエアカーテンが設置されています。

光学部品

光学部品とは

光学部品 (英: Optical component) とは、光の性質を利用した光学機器・装置を構成する部品の総称です。光学素子とも呼ばれます。

光学部品の種類

基本的な光学部品には、レンズ、ミラー、フィルター、プリズムがあります。

1. レンズ

レンズは、光を集束あるいは発散させる光学部品です。機能の異なる様々な形状があり、球面レンズ、非球面レンズ、屈折率分布レンズや、ロッドレンズのような特殊形状レンズなどに分類されます。薄いシート状のフレネルレンズや、平面上にレンズが並んだレンチキュラーレンズフライアイレンズなども幅広い分野で利用されています。

2. ミラー

ミラーは光を反射させる光学部品で、平面ミラー、球面ミラー、自由曲面ミラーに分けることができます。形状だけでなく、金属膜や誘導体膜などのコーティングタイプによっても反射率などの性能が大きく異なります。

3. フィルター

フィルターは、光を反射または吸収することによって、特定の光だけを透過する光学部品です。光量を調整するNDフィルター、特定の波長を吸収する色ガラスフィルター、特定の偏光のみを透過する偏光フィルターなどがあります。

4. プリズム

プリズムは、光を反射させたり、波長ごとに分散させたりする光学部品です。45°直角プリズムやウェッジプリズムコーナーキューブ、リトロリフレクターなどがあります。プリズムはレンズやミラーの機能も持ち合わせているため、これらの代用として使用される場合もあります。

このほか、代表的な光学部品には、ビームスプリッター、偏光子、光変調器回折格子などがあります。

光学部品の用途

光学部品は、様々な分野の光学機器に使用されています。ディスプレイやプロジェクター、カメラなどの映像機器、望遠鏡や顕微鏡など観察機器、ミリ波レーダー分光器などの計測機器、CDやDVDなどの記憶装置、電球やLEDなどの照明機器、光ファイバーなどがその一例です。LEDレンズCCTVレンズなどのように、用途別の呼称が用いられる光学部品も多数存在します。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpnjvissci/36/1/36_1/_pdf/-char/en
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpnjvissci/36/2/36_16/_pdf

高分子材料

高分子材料とは

高分子材料とは、高分子化合物という分子量が10,000を超える化合物で構成される材料のことです。高分子となる分子量の明確な基準はありません。

高分子材料は、低分子材料であるモノマーから高分子をつくる反応 (重合) を経てつくられ、モノマーが多数 (ポリ) 集まった化合物という意味でポリマーとも呼ばれます。

高分子材料の種類

高分子材料の種類には、天然高分子、既存の人工素材、合成高分子があります。高分子材料は合成高分子を指すことが一般的です。

合成高分子は、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、PET繊維、ナイロン繊維、エンジニアリングプラスチック (エンプラ) 、ポリウレタン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、汎用/特殊合成ゴムなどの種類があります。

高分子材料の特徴

高分子材料 (合成高分子) の特徴は、加工性、軽量性、強度が挙げられます。

1. 加工性

金属やガラスに比べ、100~200℃の比較的低温で溶融できること、また溶剤に溶解したり、原料、半原料の段階で流動性があるので、成形時に加工し易いという特徴があります。

2. 軽量性

一般的に比重は1~1.5程度で、ポリエチレンやポリプロピレンの比重は、0.90~0.97で1を切る材料もあります。鉄鋼の比重が7.8、アルミが2.7と比較すると、高分子材料が軽量であることがわかります。高分子材料の強度をもたせるために充てん材を加えると比重が2を超えることもありますが、発泡製品にすると0.1になるなど、用途に応じて配合や製法を変えることで、重量を変化させることが可能です。

3. 強度

強度の指標はいくつかありますが、ここでは引張り強さを例に上げて説明します。プラスチック、ゴムといったものが代表されるように高分子材料そのものは、金属やガラスと比べると強度の大きい材料ではありません。

しかし、ガラス繊維や炭素繊維などの充てん材を加えることで、プラスチックの強度を数倍まで上げることが可能です。比重が小さいプラスチック材料が鉄鋼などの金属材料に匹敵する強度を得ることができ、特にFRPと呼ばれる炭素繊維強化プラスチックはマグネシウム合金やジュラルミンを凌駕する強度を持っています。

入力・表示装置

入力・表示装置とは

入力装置 (英: Input device) とは、コンピュータなどの機器にデータや情報を入力したり、指示を与えたりするための装置のことをいいます。表示装置 (英: Display) とは、機器が持つ情報を視覚的に示す一種の出力装置 (英: Output device) です。

入力装置の種類

最も広く利用されている入力装置には、キーボード、タッチパネル、マウスなどがあります。また、イメージスキャナや光学式文字読取装置 (OCR) 、光学式マーク読取装置 (OMR) などの各種スキャナのほか、バーコードや磁気カード、ICカードなどの読み取り装置や、それらに付属するPINパッドも入力装置の一例です。近年一般的に利用されるようになったスマートフォンなどの音声入力装置や生体認証装置もこれにあたります。

表示装置の種類

表示装置の代表例はディスプレイです。現在では、体積や重量が大きいキャラクタディスプレイ (CRTディスプレイ) に代わり、薄型のフラットパネルディスプレイが主流となっています。

代表的なフラットパネルディスプレイには、プラズマディスプレイと液晶ディスプレイ (PDP、LCD) があり、テレビやパソコンをはじめとした様々な機器に利用されています。画質はやや劣るものの、視野角が広く強度が高いプラズマディスプレイに対し、明るくきめ細かな映像を映し出す液晶ディスプレイは、斜めから見た時に映像が不鮮明になりやすいという欠点があることから、それぞれ用途に応じて使い分けられています。

このほか、有機ELディスプレイや、マイクロLEDディスプレイ、ミニLEDディスプレイ、ホログラムディスプレイなど、新しい技術を利用したディスプレイが続々と誕生しています。タッチパネルディスプレイのように、入力装置としてのタッチパネルと、表示装置としての液晶ディスプレイの両方の機能を備えたものもあります。

機器の動作状況などをアナログ形式で表示するパイロットランプインジケータも表示装置の一例です。

安全装置

安全装置とは

安全装置とは、故障や過負荷などによる機器の破損や、事故や災害を防ぐために、設備や車両に設置される装置のことです。また使う側、操作する側の人間がミスをしても機器の破損を防いだり、事故や災害に発展しないように緊急停止したりするものもあります。

安全装置の分類

安全装置は、設計思想の違いから大きく分けて2種類に分類されます。

1. フェイルセーフ

フェイルセーフは、設備が故障したり、地震などの天災などが起こった時に、事故や災害に発展されないように設計された安全装置です。

例えば、踏切の遮断機は停電したときに、遮断桿が降りてくるようになっています。遮断桿が降りていれば、いつ電車が来ても、車は踏切を通過できないので電車事故は起こりません。

また、石油ストーブは、地震が起きた時に揺れを検知して、自動で停止するようになっており、地震によってストーブが倒れてしまっても火災が発生しないようになっています。他にも、高圧エアーを使う設備では必要以上に圧力が上がった時に、圧力を大気に逃がすことで設備の破損を防ぐという安全装置もあります。

2. フールプルーフ

フールプルーフは、操作する人がヒューマンエラーが起こってしまっても、事故や災害に発展しないように設計された安全装置のことです。

例えば、洗濯機などは回転している途中の洗濯槽に、手を巻き込まれないように、停止ボタンを押しても、洗濯槽が回っている間はフタが開かないようにロックされる仕組みになっています。

他にも製造業の工場などでは、設備内での挟まれや巻き込み事故が起こらないよう、設備の運転中に体の一部が設備内に入ると、センサーが反応して即座に非常停止がかかるようになっています。

安全装置の使用用途

設置する現場や機械によって様々な使用用途があります。

1. 配電盤のブレーカー

家庭用から事業用まで多岐にわたり、装置内に一定以上の電流が流れてしまった場合に電気回路を遮断することでショートや過熱による火災を防ぐために設置されています。

2. クレーンのモーメントリミッター

定められたクレーンにかかる荷重限界値を越えた過重がかかる場合に不安定な方向への動きを制御することで甚大な事故を未然に防ぐことができます。

3. 安全弁

油圧式のクレーンなど油圧装置で作動する機械に設置し、一定以上の圧力をバイパスを介すことで油圧システムへの過大な圧力を軽減し、システムの破損を防ぐことができます。

4. プレス機の安全装置

金属加工などに使われるプレス機は非常に大きな圧力がかかるので、プレス機内部に人体の一部や入ってしまうの防ぐ、また万が一入ってしまった場合に機械を緊急停止させるための安全装置が不可欠です。

5. エレベーターの検知装置

自動で扉が閉まるエレベーターやリフトの扉に何かものが挟まったり、触れてしまった場合に挟み込みを防ぐために自動的に扉を開き事故を防ぐことができます。 

6. インターロック装置

重い荷物などを持ち上げる際に使用するジャッキに搭載されているもので、作業開始時のジャッキセットのし忘れを防止するジャッキインターロック装置、および作業中に誤操作などを防止するブームインターロック装置があります。 

安全装置の種類

安全装置の機器の種類の代表例をフェイルセーフとフールプルーフに分けて紹介します。

1. フェイルセーフ

  • 安全弁
    エアーや油圧の圧力が設定値を超えた時に圧力を逃がし、設備の破損を防ぐ弁です。
  • ブレーカ
    電気機器に異常が起きた時に電流を遮断する装置です。電気を使いすぎた時に電気を遮断する「アンペアブレーカ」や、電気機器が漏電したときに電気を遮断する「漏電ブレーカ」があります。
  • シャーピン
    一部分が細く、折れやすくなっている軸のことで、コンベア軸などに使われており、機械に異常な過負荷がかかった時に、シャーピンが折れて動力をとの連結を遮断することで、機械側にダメージが及ばないように設計されたものです。

2. フールプルーフ

  • エリアセンサー
    一定の範囲を検知する光電センサーで、非常停止回路と連動しており、危険部位に人が体の一部を入れた時に、センサーを遮ると、即座に非常停止がかかるようになっています。
  • デッドマンスイッチ
    ロボットを操作する時に使う「ペンダント」に搭載されたボタンです。不意に軸移動ボタンを押してしまっても、ロボットが動作しないように、デッドマンスイッチを半押し状態にしたときのみ、軸移動が可能となります。
  • ロックアウト
    設備内に入る、または体の一部を入れる時に、第三者に設備を起動させないようにする安全装置です。電源や非常停止ボタンを「切」にして錠前をかけることで、「切」状態に固定し、第三者には「入」にできないようにする仕組みです。