CCTVレンズについての概要、用途、原理などをご説明します。また、CCTVレンズのメーカー5社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。CCTVレンズ関連企業の2022年4月注目ランキングは1位:株式会社ケンコー・トキナー、2位:株式会社杉藤、3位:株式会社オプトアートとなっています。
CCTVレンズとは、CCTV(CLOSED-CIRCUIT TELEVISION)有線テレビ向けのカメラのレンズで、その映像は特定の受像機(TVモニタ)にだけ送信されます。
CCTVレンズは、主にセキュリティ用途でCマウント・CSマウントカメラで多く使われています。
あらゆる被写体に対して、バランスの撮れた収差補正を行うため、広範囲の画像を読み込むのに適しています。
CCTVレンズは主に監視カメラ、防犯カメラなどセキュリティ用途に使われることが多いですが、近年はセキュリティ用途のみならず、FAやマシンビジョン等の用途などでも使われるようになりました。
ほかの用途としては、画像認識、バーコードスキャン、ハイスピード画像処理、医療用、
マシンビジョン・ロボットビジョン用などです。
カメラの高画素化に対応したメガピクセル対応や、赤外線等の特殊波長域のコーディング対応も可能となっています。
CCTVレンズは、従来監視用を主なる目的としています。
そのため、あらゆる被写体距離に対しましてバランスの取れた収差補正を行っています。
その結果、倍率固定型テレセントリックレンズやマクロレンズに比べて場合、個々の物理的特性が劣る場合も有ります。
また、又汎用レンズであるため、外観重視となるため、外形寸法も大きめとなります。
広角レンズは、広い範囲が撮影することができますが、その代わりに対象物は小さなります。
一方で望遠レンズは、対象物は大きく撮影できますが、その代わりに範囲は狭くなります。
レンズにはイメージサイズ(映像面)があります。
撮影素子(CCD等)とイメージサイズが合わないと、画面の周辺が暗くなり、またケラれ(隅が映らない)たりします。
故に、撮像素子とイメージサイズが同じか、大きい物を使う必要があります。
倍率とは一般的に光学倍率を指しており、カメラサイズと視野の比率を言います。
カメラサイズとは、ピクセルサイズに有効画素数を乗じたもので、対象物を何倍して撮像するかという事になります。
倍率は、W.D.(ワークディスタンス、レンズから被写体までの距離)と焦点距離(レンズからカメラ素子までの距離)とで計算できます。
被写体までの距離が同じ場合、焦点距離が短いほど広視野となり、広角レンズと呼ばれます。また、同じ大きさの被写体を映した場合、焦点距離が長いほど、ワークディスタンスも長くなり、望遠レンズと呼ばれます。
このように、カメラとレンズの選定では、倍率選択を最初に行い、そのあとに設置条件に合わせたレンズやカメラを選択していくことになりますので、用途に合わせた適度な倍率設定が選定の第一条件になります。
カメラとレンズの選定では、倍率決定後、設置条件によりレンズとカメラを選定していきます。
カメラの選定では、基本的に画素数とCCDサイズから選択していきますが、レンズの場合は、ワークディスタンスや必要視野、焦点距離を考慮して選択していきます。
工業用設備でのカメラ使用では、焦点距離が固定のレンズが多くなっています。そのため、使用できるワークディスタンスには範囲があり、使用範囲内で必要視野になるようにレンズを選定します。
一般的に焦点距離が長いほどワークディスタンスも長くなります。CCTVレンズは高倍率用途には不向きなので、高倍率で撮像する場合は、マクロレンズなどを検討します。
また、レンズとカメラの間にスペーサを入れて、焦点距離を延ばすこともできるため、メーカーの技術資料にはスペーサを使用した場合の視野とワークディスタンスも記載されています。
カメラとレンズの設置では、焦点を合わせるためにワークディスタンスで調整するのが一般的なので、撮像方向に調整ができる手動ステージなどに取付をすると調整時の利便性が上がります。
参考文献
http://www.universekk.com/product/cctv-rends.html
https://uniel-denshi.co.jp/REPORT/CCTV-ABC/CCTV-ABC.html
http://fit-movingeye.jp/products/optics/consumer_optics/ccml_series/ccml01.html
https://vst.co.jp/support/lens-choice/
http://kk-mikami.co.jp/jp/catalog/cctv_lens/ctv-gijutu.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年4月の注目ランキングベスト5
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社ケンコー・トキナー | 26.9% |
2 | 株式会社杉藤 | 23.1% |
3 | 株式会社オプトアート | 19.2% |
4 | 株式会社ヴイ・エス・テクノロジー | 19.2% |
5 | 株式会社モリテックス | 11.5% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年4月のCCTVレンズページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
株式会社杉藤のTS-93005は、ズーム比:8倍、光学倍率:0.8-6.4倍、作動距離(WD):83mmのマイクロズームレンズです。
光学倍率のF値は、F/11.9@0.8x, F/4.2@2.25x, F/3.8@6.4xの光学仕様になっています。また、レンズ系内に絞りを設置しているため、撮影環境に応じて光量調整や被写界深度の調整が可能です。
マウントはCマウント、適合CCDサイズは、1/1.8"、1/2"、1/3”、1/4”に対応しています。
TS-93005はマイクロスコープとして精密機器の組み立てや医療・検査などの用途に最適なマイクロズームレンズです。
株式会社ケンコー・トキナーのTVR1426HD-IRは、8メガピクセル近赤外対応のバリフォーカルレンズです。
焦点距離は14mm-50mmに対してF値はF/2.6-16となり、最短焦点距離で明るい光学系を実現しています。
撮影画角は14.5度-50.5度の広範囲をカバーしており、仕様用途に応じて望遠画角から広角まで対応可能です。
TVR1426HD-IRは、可視光から近赤外対応レンズのため、24時間連続撮影する交通監視やナンバー認識など、暗所での撮影が必要な用途に最適です。
株式会社オプトアートのHA3520-Aは、最大2/3"のイメージセンサー(φ11mm)に対応したCCTVレンズです。
焦点距離35mmに対してF値がF/2.0と明るい光学系を実現し、フィルター径:M25.5×P0.5、マウントはCマウントを装備しています。
また、フォーカス機能、可変絞りを搭載しているため、撮影時のフォーカス調整と光量調整が可能です。
最短撮影距離30cm以上の近接撮影用マクロレンズとして最適なレンズです。
株式会社VS TECHNOLOGYのVS-H1218-IRC/11は、4K解像度対応の近赤外補正(IR)CCTVレンズです。
IRレンズによる波長毎収差補正により、広波長域帯の撮影時に生じるフォーカスのずれが最小限に抑えられます。
このため、可視光波長域から近赤外線波長域までを同時に撮影することが可能になります。
その他、焦点距離:12mm、F値:F/1.8、作動距離(WD):300mmの光学仕様を満たしています。
主な使用用途として、初期品自動選別機や交通監視、ナンバープレート認識、電子部品製造などの幅広い用途で利用されています。