ラバーヒータについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ラバーヒータのメーカー10社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ラバーヒータ関連企業の2023年11月注目ランキングは1位:株式会社シンワバネス、2位:進興電気工業株式会社、3位:株式会社八光電機となっています。
早稲田大学大学院でMBE法による窒化物半導体成長に関する研究に従事。2016年に大学院を修了後、非鉄金属系メーカーへ入社。金属製錬工場における設備保全・エンジニアリングの業務に従事。2022年に化学系メーカーへ転職。同様の業務に従事。
前田 理也のプロフィール
ラバーヒータ (英: Rubber Heater) とは、シリコンなどのゴム材料を基材としたシート状のヒーターです。
一般的なニクロム線のヒーターと同様に、電流を流すことで面全体が加熱されます。2mm以下に設定可能な薄さに加えてゴム材料の特徴である柔軟性を有しているため、狭幅部や曲面の加熱に適しています。また、シートの形状も自由に設計できるので、被加熱物の形状に合わせた形状が選択可能です。
設定温度は60℃から300℃程度まで設定可能であり、円筒容器やパイプの加熱や紙・プラスチックなどのヒートシールに使用されます。
ラバーヒーターは柔軟性と高い熱伝導性から、さまざまな使用用途で利用されます。
自動車においては、バッテリーの温度管理や自動車内のシートヒーターなどに使用されます。デフロスター (除霜) システムなどでも利用される場合があります。また、寒冷地や冬季の低温環境では、エンジンオイルの温度を適切に制御するために使用する場合もあります。
医療現場では、医療機器の保温や温熱療法に使用されます。血液温度制御装置や熱療法パッドなどがその一例です。また、早産児や病弱児の保温環境を提供するインキュベータにも使用されます。
製造業では、さまざまなプロセスで加熱のために使用されます。溶接の前処理やラミネート加熱などが代表例です。また、発火の恐れが小さい点や、ニクロム線ヒーターと比較して省スペースな点から、航空宇宙分野でも採用の実績があります。
ラバーヒータは、2枚の薄肉シリコンゴムシートの間に一定間隔で折り返した抵抗線を挟み込んだ構造です。ラバーヒータの端部では抵抗線の両端部がリード線と接続されており、リード線に電圧を印加すること加熱することができます。
抵抗線にはニッケル合金であるニクロム線や、炭素などが使用されます。電流が流れると抵抗を生じ、その結果として熱が発生します。
リード線の材質は銅が最も一般的です。銅は高い電気伝導性を持ち、信号や電力の効率的な伝達が可能です。また、柔軟性にも優れており、加工や取り扱いが容易となっています。
ラバーヒータの発熱能力は、出力ワット数を面積で割ったワット密度という値で表されます。ワット密度は抵抗線の発熱量や配置密度に依存し、およそ0.1~2W/cm2の発熱能力の製品が展開されています。
ラバーヒータには、抵抗線の材料からニッケルラバーヒータやカーボンラバーヒータなどの種類があります。
ニッケルラバーヒーターは、ニッケル合金の抵抗材料が埋め込まれたラバーシートです。ニッケルは高い電気伝導性を持ち、高温での使用に適しています。ニッケルラバーヒーターは、高温プロセスや特定の産業で使用されることがあります。
カーボンラバーヒーターは、炭素抵抗材料が埋め込まれたラバーシートです。炭素は高い電気伝導性を持ち、均一な熱分布を提供します。比較的低コストであり、一般的に機械加熱や暖房などの一般的な加熱用途に使用されます。
ラバーヒーターを選ぶ際には、設置条件や発熱能力を考慮します。
どのような対象物やプロセスを加熱する必要があるのかを明確に把握します。加熱する対象物の形状やサイズを考慮し、厚さや大きさを選定します。また、使用環境によっては耐久性と耐環境性を持つラバーヒーターを選ぶ必要があります。
各メーカーからラバーヒータの発熱能力と空気中での温度変化のグラフが提供されています。そのため、使用する際には目標加熱温度と到達時間、被加熱物の熱伝導係数などから電熱計算を行います。計算結果からラバーヒータの発熱能力を決定します。
ただし、ラバーヒータの到達温度は周囲温度や被加熱物との密着状態によって変化するので、厳密な温度設定をしたい場合には別途サーミスタやコントローラーなどを用意して制御システムを構築する必要があります。
参考文献
https://www.om-heater.jp/whatssrh/index.html
https://www.threehigh.co.jp/blog/2017/09/silicon-rubber-heater-calculation.php
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ワッティー株式会社 坂口電熱株式会社 株式会社ヤガミ*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年11月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | 株式会社シンワバネス |
17.6%
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2 | 進興電気工業株式会社 |
14.7%
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3 | 株式会社八光電機 |
14.7%
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4 | 株式会社加島 |
11.8%
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5 | 株式会社スリーハイ |
8.8%
|
6 | 株式会社IBS |
8.8%
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7 | オーエムヒーター株式会社 |
8.8%
|
8 | ミズホクラフト株式会社 |
5.9%
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9 | 日本ヒーター株式会社 |
5.9%
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10 | KDD株式会社 |
2.9%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年11月のラバーヒータページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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発熱体をシリコンラバーシートで挟み込んだラバーヒーターです。
連続使用温度は200℃(Hタイプは250℃)です。柔軟性と耐薬品性に優れており、熱応答性も良好で形状も自由な形に製作することが可能です。
理化学機器、医療用など多くの産業分野で使用されており、用途はタンクやパイプの保温、歯科用機器、ポンプの凍結防止、食品の自動販売機、病院の検査台、航空機の機器保温、暖房機、ホットプレート、など多岐にわたります。
金属ヒーターでは実現できないフレキシブルさを持たせている厚さ1.5mmのシリコン製ラバーヒーターです。
曲面や円筒面など様々な形状の部材に合わせて使用することが可能となっています。かんたんな図面やイラストなど準備すれば、その形状に合わせてヒーター形状の設計を無料で行い、また金型の費用も不要で1枚から製作することができます。
形状を自由に設計できることから、配管の加熱や、ドラム缶の加熱など各産業分野で使用されています。
さまざまな形状で製作が可能なシリコンラバーヒーターです。ガラスクロスにカレンダー加工したシリコンシートの間にパターンを挟み込み、柔軟性に優れた構造となっています。
工場にて、使用温度150℃以内であればヒーターに両面テープの取り付け、200℃以内ではRTV テープの取り付け、及び焼き付け加工をすることもできます。
用途としては、パイプの保温、CTスキャナーの磁場安定用、繊維機械の繊維乾燥、など多くの分野で使用されています。
ガラス繊維入りシリコンゴムを使用し、柔軟・軽量で、他の有機ゴムに比べて耐熱性と耐寒性に優れたシリコンラバーヒーターです。各種形状での製作が可能です。
連続使用温度は-30℃~200℃(HTタイプは260℃まで可)となっており、曲面や円筒などにフィットさせることができるので熱伝導の効率が良くなります。
最小曲げ半径はR=25mmですが、これ以下で曲げる必要がある場合は内部の発熱線のパターンを考慮するなど、詳細な打ち合わせを行う事で検討が可能となります。
どのような形にもフィットさせることができる標準的なシリコンラバーヒーターです。
丸型、三角、台形、穴あきなどの複雑な形状も、1枚から製作が可能となっています。ヒーターの厚みは1.5mmであるため熱応答性に優れており、またシートを積層することによって厚みを調整することもできます。
連続使用温度は200℃まで使用可能で、最小寸法は25mm×50mm、最大寸法は800mm×3000mm まで製作が可能となっています。