電気集塵機についての概要、用途、原理などをご説明します。また、電気集塵機のメーカー19社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。電気集塵機関連企業の2023年11月注目ランキングは1位:集塵装置株式会社、2位:パナソニック株式会社、3位:千代田エンジニアリング株式会社となっています。
電気集塵機と関連するカテゴリ
早稲田大学大学院でMBE法による窒化物半導体成長に関する研究に従事。2016年に大学院を修了後、非鉄金属系メーカーへ入社。金属製錬工場における設備保全・エンジニアリングの業務に従事。2022年に化学系メーカーへ転職。同様の業務に従事。
前田 理也のプロフィール
電気集塵機とは、高電圧を印可することで粉塵や微粒子を取り除く装置です。
一般的に工業環境や建設現場などで、粉塵や微粒子が発生する場所で利用されます。電気集塵機は高い集塵効率を有する装置です。微粒子や粉塵を高い集塵効率で捕捉することができます。
粉塵のほとんどを取り除くことで、作業環境の浄化と大気汚染の防止に寄与します。また、電気集塵機は小さな粒子を捕集することができる点が特徴です。サブミクロンサイズの粒子を捕集することができるため、産業に広く使用される集塵機です。
電気集塵機は産業において幅広く使用される装置です。以下は電気集塵機の使用用途一例です。
火力発電所は、主に排気ガスの清浄化を目的に使用されます。火力発電所のボイラーでは、石油や石炭などの化石燃料を燃料とする場合が多いです。これらのボイラー排ガスには大量のばい煙が含まれています。
これらのばい煙をそのまま大気に放出した場合、健康被害などが発生します。電気集塵機を使用してばい煙を捕集することで、排ガス空気を清浄化することが可能です。
鉱山では、鉱石の破砕や粉砕などの作業によって大量の粉塵が発生します。電気集塵機は鉱山現場や鉱石処理施設で粉塵を除去し、作業環境を浄化することが可能です。
また、処理プロセスでは鉱石を溶解炉に投入します。溶解炉の排ガスには鉱石由来の粉塵が大量に発生しているため、そのまま排出することができません。電気集塵機を使用することで、ばい煙濃度を排出基準値以下として煙突から排出します。
冶金プラントや製鉄所では、溶鉱炉や高温プロセスによって粉塵が発生します。電気集塵機はこれらのプラントでの粉塵管理に欠かせない装置です。
電気集塵機は、微粒子を電気的な力によって集塵極に引き寄せて除去するという方法を採用しています。電気集塵機には放電極と集塵極があり、その間に高電圧をかけることでコロナ放電が生じます。
コロナ放電によって浮遊微粒子にマイナス電荷を印可します。このマイナスの電荷を持った微粒子・ダストはプラスに帯電している集塵極に引き寄せられる仕組みです。集塵極に収集された微粒子は、槌打装置やブラシ掻き落とし装置によって叩いて落とすことが多いです。
また、水やミストなどスプレーフラッシングによる洗浄で洗い流す場合もあります。電気集塵機の利点は最大99.9%まで集塵効率があり、サブミクロンサイズの粒子 (0.01マイクロメートル) も除去できる能力です。
電気集塵機は集塵極、放電極、本体、電源装置などの要素で構成されます。
集塵極は粉塵や微粒子を捕集するためのプレート状の部品です。通常は塩ビ製または金属製であり、複数の平面や棒状のプレートが配置されます。
これらのプレートには表面に溝や突起があり、集塵効率を向上させるための工夫が施されていることが多いです。粉塵が集塵板に衝突すると、慣性や重力の作用によって粒子が集塵板に付着して集塵されます。
放電極は一般的に高電圧を印加された導電体で構成された部品です。放電極の配置によって集塵板との間に高電場を形成し、電場によって粒子に帯電が生じます。これにより、帯電した粒子は電場の影響で集塵板へ引き寄せられます。
本体は、集塵板と放電極を収納する機構を持つ電気集塵機の主要な部分です。堅牢な構造であり、集塵板と放電極を正確に配置するための枠組みを提供します。FRPやステンレスなどで製作されることが多いです。
電源装置は電気集塵機に高電圧を供給するための装置です。これにより、放電極に高電圧を印加することが可能です。一般的には直流の高電圧を印可するために用います。
トランスや整流器、コンデンサなどの電子部品から構成されます。電源装置は集塵機の本体に組み込まれており、必要な電圧を生成して放電極に帯電を与えことが役割です。
参考文献
http://www.suntechno-ep.com/info/
https://www.shi.co.jp/products/environment/electricity/
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2023年2月7日
喫煙スペースへの設置を目的とした、3層構造の電気集塵機です。
紙フィルタでは詰まってしまうような環境での使用を想定していて、メッシュ状のプレフィルタで埃を取ったのち、煙などの微粒子を電気集塵機で捕集します。
また後段に活性炭フィルタを取り付けることで、たばこ集も効果的に除去できるのが特徴です。
プラズマクラスター機能やほこりセンサなども搭載されています。
8人程度の喫煙スペースへの使用を想定していて、小型でキャスター付きなので移動も簡単です。
空調機にセットするタイプのオイルミスト用電気集塵機です。
工場内の空気を循環させ、オイルミストを集塵することで、換気を抑えて空調効率を向上し、省エネに貢献できるのが特徴です。
また、小さいモジュールを積み重ねて使用するため、使用環境に応じて最適なサイズを選択できます。
前面からのメンテナンスが可能(特許出願中)で、メンテナンス効率も向上しています。
ファンの有無など、工場のレイアウトに合わせて最適な構成にできるのも特徴です。
独自技術を使って作られた、オリジナル性の強い湿式の電気集塵機です。
針状の放電極を、平行平板式の電極に取り付けたユニークな形状で、放電針の先端からコロナ放電と電子風を起こすことで、効率を上げる工夫がされています。
また、電極の上部から水を噴霧することで、サイズの大きい粉じんや吸湿性のある粉じんを効率的に捕集できます。
水溶性の悪臭物質やHCI・SOx等の有害物質など、幅広い範囲の排ガスの集塵に適しています。
電気集塵機と溜水式集塵機を合わせた、ハイブリッド型の湿式電気集塵機です。
スクラバー形式で水を攪拌し、空気と混合することで大きな粉じんを取り除きます。
また電気集塵部の放電を集中し、集塵効率を高める工夫もされています。
火災リスクも低減できるため、自動車関連工場や製鉄所などのオイルヒュームや鉄粉を集塵するのに最適です。
自動火災消化機能や電極部の自動洗浄機能なども標準装備なので、大量の粉じんを処理したい用途に適しています。