ジャンクションボックスとは
ジャンクションボックスとは、電線の中継・分岐部分を保護するために用いられる電気工事部材です。
電気工事の際、電線の中継接続部分は雨や外部衝撃などから保護する必要があります。また、分岐を格納することで配線しやすくなり、配線の美観を保つ上でも効果的です。小規模な住宅配線から、大規模な商業用途、工業用途まで、様々なシーンで多様な製品が活用されています。
ジャンクションボックスの使用用途
ジャンクションボックスは、屋内配線において接続部分を保護したり、屋外における様々な気象条件(高温・風雨) などから配線接続箇所を保護したりするために使用されます。また、ジャンクションボックスを用いて配線システムを整理することで、メンテナンス時のアクセスが容易になります。
主な利用シーンには下記のようなものがあります。
- 一般住宅
- 商業施設、小売店舗
- 工場、プラント (一般電気配線やセンサー配線など)
- 医療機関
- 屋外電気設備・太陽光発電システムなど
- 電話配線 (MDF 、IDF、端子函、光クロージャ)
ジャンクションボックスの原理
ジャンクションボックスは、外部要素や物理的衝撃、摩耗など、あらゆる損傷要因から電気接続を保護します。ボックス内で電線やケーブルの中継接続と分岐を行い、作業完了後にふたを閉める仕組みです。点検時に蓋を開けて確認できるよう設計されています。
素材には金属やプラスチックなど堅牢な素材が用いられます。具体的には、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、アルミニウム、グラスファイバーを配合したポリエステル、ステンレスなどです。
一般的に金属のほうがより頑丈であることから、屋外用のジャンクションボックスにはステンレスや耐水性材料が使用されます。金属製のジャンクションボックスは、強い衝撃や極端な温度にさらされるリスクがある場合や、配線に特別な保護が必要な場合にも使用されます。
また、ジャンクションボックスは電気配線を整理することで、配線の絡まりや電気火災などのトラブルを防ぐことが可能です。
ジャンクションボックスの種類
ジャンクションボックスには下記のような種類があります。
1. アウトレットボックス
アウトレットボックスは、主に天井裏や壁の中に埋め込んで設置され、ボックス内で電線やケーブルを相互に接続します。JIS規格 (JISC8340、JISC8435) で規格が定められている製品です。
16〜28mmの小径の電線管を接続する際に適しており、太径の幹線などは収納できません。照明器具設置、電話配線の取り出し、コンセント・スイッチの設置などに使用されます。
2. コンクリートボックス
コンクリートボックスもアウトレットボックスと同じく、配線の中継・分岐を目的として使用されるジャンクションボックスです。しかし、コンクリートボックスは、ボックスをコンクリートに直接打ち込んで使用されます。
素材は樹脂製や金属製、形状は四角形や八角形などがあり、底板を取り外すことが可能です。自動火災報知設備の感知器や照明器具、放送用スピーカーなどをとりつける際に、電気を安全に使えるように設置されます。
3. プルボックス・ナイスハット
プルボックスは、配線の本数が多い場合や、長い場合、複雑な配線経路などの場合に使用されます。サイズ展開が豊富です。ナイスハットは主に木造建築物に設置されるタイプのジャンクションボックスです。
4. 防水型・防塵型
浴室、厨房、プールサイドなど、水しぶきや高湿度が予想される場所。また工場、倉庫、建設現場など、粉塵が舞う環境では、電気機器の内部に粉塵が侵入し、ショートや故障の原因となるため、防塵対策が必要な場所では防水型・防塵型のジャンクションボックスを使用することがあります。