送風機

送風機とは

送風機 (英: Blower, Blowing fan, Fan) とは、空気を送り出す機器の総称です。

厳密には、日本工業規格 (JIS) により、「羽根車の回転運動によって気体にエネルギーを与える機械で、単位質量当たりのエネルギーが25 kNm/kg (kJ/kg) 未満のもの」と定義されています。

同規格では「送風機」と「ファン」は同義とされ、羽根車、ロータ、ピストンにより気体を圧送する「ブロア」または「ブロワ」とは区別されています。しかし、産業現場においては上記のように明確に区別されることは少なく、吐出圧力が比較的弱いものを「ファン」、比較的強いものを「ブロア」や「ブロワ」と呼び、「送風機」をこれらの総称として用いることが多くなっています。

送風機の種類

「ファン」の名が付く機器は、気体が羽根車を通り抜ける方向によって大別されます。気体が羽根車を径方向に通り抜ける遠心ファンには、ターボファン (後向き羽根送風機) やシロッコファン (多翼送風機) 、ラジアルファンなどがあります。このほか、気体が羽根車を軸方向に対して傾斜して通り抜けるラインファン (斜流送風機) や、気体が羽根車を軸方向に通り抜ける軸流ファンなどがあります。

「ブロア」は、JISにおいて、気体を圧送する圧縮機 (コンプレッサ) のうち、有効吐出し圧力が200 kPa以下のものと定められています。気体にエネルギーを与える仕組みの違いで更に細かく分類され、羽根車の回転運動を利用するターボブロア、ケーシング内部のロータの回転運動を利用するロータリブロア (回転ブロア) 、二つの二葉ロータの回転運動を利用するルーツブロア (二葉ブロア) などがあります。また、ブローガンやブロアバキュームガンは、気体を局所的に圧送するために使用されています。

送風機内に設置されている気流を起こすための重要な部品・部位である羽根車によって様々な種類が存在します。

1. シロッコファン

多翼ファンとも呼ばれていて、通常短くて幅の広い羽が30枚程度から60枚程度設置してあり、効率は比較的低いですが (60%ほど) 小型設計が可能で低騒音なので建築物・船舶内の換気用、ボイラーの通風用の送風機として主に使用されています。

2. ラジアルファン

ラジアルファンは通常6から12枚ほどの平行羽根を搭載した遠心送風機の一種で、鋼鉄製の羽根は耐性が強く、容易に取り換えることができるので微粒子 (ダスト・微粉炭・セメント・鋸屑) などの固体を含む気体を輸送する現場・業種において使用されています。

3. ターボファン

渦巻型の水流ポンプと同様の羽根車構造を持つので、効率がよく幅広い現場において使用されています。

また耐性(耐熱・耐食・耐摩耗)に優れ、焼却設備の燃焼促進と排ガスの誘引、粉体・微粒子を含む気体の輸送、食品・薬品・繊維・金属類の製造工程における空気調和、集塵などの現場・業種に採用されています。

4. プレートファン

プレートファンは数ある送風機の中でも小型・低騒音のもので連続運転にも対応できる耐性の高い送風機です。

用途としても幅広く、集塵機・粉砕機・乾燥機・焼却炉などから一般的な送排風が必要な現場などで使用することができます。

送風機の用途

送風機単体では、施設内の吸気および排気などの空調管理、製造・生産現場や各種処理場における送風や酸素供給、粉塵清掃作業などに使用されます。また、電気製品の冷却装置や航空機のエンジンなど、様々な製品の内部に組み込まれています。

前述の通り、送風機にはその羽根車の種類や素材によって、対応する現場や使用環境が大きく異なってくるので現場に適した風量・風圧、吸い込み気体の温度、設置場所など特に考慮し、適切な送風機の種類を選択することが作業の効率化や送風機の耐用年数を向上させる上で非常に重要です。

乾燥機

乾燥機とは

乾燥機 (英: Dryer, Drying machine, Drying oven) とは、対象物から水分や湿気を取り除くために使用する機器です。

電気やガスなどを熱源として対象物を乾燥させます。家庭用のものから工業・産業用のものまで被乾燥物の対象は幅広く、乾燥機の種類や方式なども様々です。特に工業・産業用の乾燥機は食品・化学・製薬・バイオマス発電・汚泥処理など非常に幅広い業種において重要な装置です。

乾燥機の種類

乾燥機には、食器や衣類の乾燥を目的とする一般家庭向け製品の他に、食品・医薬品・工業製品などの業界で使用される産業用乾燥機があります。

一口に産業用乾燥機と言っても、試験研究に用いられる小型の卓上乾燥機から、製造・生産現場向けの大型乾燥プラントまで、大きさや構造形式も様々です。また、種類によって乾燥方式が大きく異なりますので、乾燥の原理を理解した上で、目的に応じて使い分ける必要があります。

乾燥機は、稼働時の庫内温度で大きく分類されます。例えば、庫内温度を概ね5~200℃の範囲で均一に保つ定温乾燥機、50~700℃ほどに保つ高温 (熱風) 乾燥機、5~45℃ほどに保つ低温 (冷風) 乾燥機などがあります。温度が高いほど水分は蒸発しやすくなりますが、熱による対象物の変性も起こりやすくなるため、効率的な乾燥温度の見極めが必要になります。

乾燥機の種類によって、空気の循環パターンも様々です。気体の自然対流を利用して空気を循環させる自然対流方式、送風ファンで庫内の空気を循環させる強制送風方式などがあり、対象物に応じて適切な方式を選択します。また、庫内の気圧を下げて真空状態を作り、常圧状態より低温で乾燥させる真空乾燥機も一般的です。

このほか、遠赤外線またはマイクロ波により、対象物そのものを加熱して乾燥させる遠赤外線乾燥機やマイクロ波乾燥機、対象物を凍結させてから真空乾燥させる真空凍結乾燥機など、乾燥機の種類は多岐にわたります。

1. バンド式乾燥機

バンド式またはコンベア式乾燥機は金網やパーフォートプレートなどのコンベアの上に乾燥対象物を積載し、そのコンベアが移動している間に乾燥室ないから吹き出す熱風によって乾燥させるタイプの乾燥機で、非常に一般的な乾燥機です。対象となるものは食品、形が変わらない建築資材 (ベニア板・ボードなど) 、自動車部品、電気・機械部品など幅広いものに使用することができます。

2. トンネル乾燥機

トンネル乾燥機は台車に感想の対象となる資材を積載し、トンネル室の入口部から台車を差し込み乾燥室内を移動させて乾燥させるタイプの乾燥機です。特徴としては、長時間乾燥の材料に適していて大量処理が可能で、自動化システムを搭載している乾燥機では省エネ化が可能です。対象となるものは食品(特に形状損傷をきらうもの)、建築資材、IC基板・自動車部品などがあります。

3. 箱型乾燥機

箱型乾燥機は乾燥室内に発生させる気流によって対象物と乾燥させるタイプの乾燥機です。乾燥材料を積載した容器・トレイを乾燥室内の棚に設置し気流によって乾燥させます。気流方式は水平気流 (一方向または交互方向) または通気気流などの方式があり、対象物によってより効率的な気流方式を選択することが可能です。対象となるものは食品・薬品・農産物・顔料・化粧品など非常に幅広い工業製品に使用でき、粉状・塊状・泥状・板状の材料に使用することができます。

4. ロータリー式乾燥機

ロータリー式の乾燥機は回転円筒内に設置されている攪拌装置によって乾燥対象物を乾燥させるタイプのもので、攪拌することで材料の破砕・分散が繰り返され、熱風との接触を向上させることでより効率的に乾燥を行うことが可能です。
特徴としては乾燥にかかる時間が非常に短く、使用ガスの量が少なくて済むのでコスト・環境面においてもメリットがあります。水分を多く含むものや泥状のもの、粘性の高い材料の乾燥に適しています。

乾燥機の用途

乾燥機の用途は、対象物の乾燥だけに留まりません。例えば、高温 (熱風) 乾燥機は焼成、硬化、熱処理、殺菌などに、定温乾燥機は塗料などの粘度を保持するための保温機として使用される場合があります。温度を精密にコントロールすることができるため、耐熱性または耐低温性などの環境耐性試験に使用されるケースもあります。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/99/2/99_2_93/_pdf/-char/ja

無機・鉱物素材

無機・鉱物素材とは

無機とは動植物を構成している物質以外の物質であり、鉱物とは基本的に天然の無機物です。

鉱物は天然の無機物ですが、国際鉱物学連合 (IMA) による定義としては次の4つを満たすものとされます。

  1.  自然の地質学的プロセスによって形成された天然に存在する物質。
  2.  自然に発生する固体物質。
  3.  明確に定義された結晶構造を持っている。
  4.  明確に定義された化学組成を持っている。

ただし例外もあり、結晶質でないオパールや固体ではない水銀は鉱物とされます。

無機・鉱物素材の種類

産業用製品としての無機・鉱物素材と呼ばれるものは、素材そのものを直接使用するというよりは、鉱物素材を生かしパーライトのように人工的に製造したり、人口大理石や強化プラスチックのように樹脂と混ぜ合わせたりしたものを素材としています。

使用用途は日用品から工業、建設業など多岐にわたります。例えば、パーライトは園芸用品として保水性をもつ石として土の役目を果たしながら、汚れてしまうため扱いづらい土の代替品として利用されます。

自動車や携帯電話など軽量化且つ高強度化のために使われる強化プラスチックは、ポリアミド (ナイロン) などエンジニアリングプラスチックと呼ばれるプラスチックなどに、短冊状のガラス繊維を一定量混ぜ込んだ粒状の樹脂ペレットにした材料を使い成形しています。

鉱石 (Ore) と鉱物 (Mineral) の違い

鉱石は鉱物や岩石のなかで、資源とされるもののことです。金、銀、、鉛、鉄などの金属類、チタン、マンガン、コバルト、ニッケルなどのレアメタルや石炭、石油などの燃料、他には石膏や天然ガスなども鉱石とされているようです。

また、資源と考えられる宝石は鉱石であり鉱物と考えられますが、真珠や人工ダイヤモンドなどは鉱物ではありません。なぜなら、真珠は有機物であり、人工ダイヤモンドは人工だから鉱物の定義に反しているからです。但し自然由来ではない鉱物は人工鉱物と呼ばれたりします。

塗料

塗料とは

塗料とは、塗装で用いられる材料のことで、見た目を整えたり防水、断熱、耐衝撃性などの機能を付加したものを指します。

一定の粘性を持った液体塗料であればハケやローラーで塗る事ができます。そして塗布する範囲が広域であれば例えばスプレーによる吹きつけ塗装が効率的で塗料がノズルをスムーズに通過できるように粘性は低くする必要があります。

塗料の種類

塗料の構成要素としては主に4種類あります。

1. 樹脂

塗料の主成分となります。アクリル、ウレタン、アルキド、塩化ビニール、ポリエステル、エポキシ、シリコーン、フッ素などになります。

2. 溶剤

溶剤とはその字が示す通り、混ぜ合わせる樹脂などを溶かす液体溶媒です。溶剤は有機溶剤の代わりに一部或いは全て水に置き換えたものを水性 (水系) 塗料と呼ばれます。

3. 添加剤

添加剤は生産性向上や製品品質を改善したり追加機能を持たせたりする目的で使われます。分散剤、レベリング剤、沈殿防止剤、防腐剤、防錆剤、防カビ剤、乳化剤、艶消し剤、消泡剤などがあります。

4. 顔料 (ピグメント)

顔料の主な目的は着色です。具体的には白色であれば「酸化チタン」、黒色であれば「カーボンブラック」などの素材が利用されます。

形状による種類

1. 水系 (水性) 塗料

代表的な塗料の種類 (形状) に水系塗料があります。環境面や健康面を配慮して従来の有機溶剤系の塗料から水系塗料にとって代わりつつあり、近年注目を浴びている塗料です。

有機溶剤を含んでいないので揮発性有機化合物 (VOC) を発生を大幅に削減することができ、安全に作業を進めることができます。しかし、水系であることから降雨や結露の影響を受けやすく、また対象となる塗面から油分を除去する下処理が必要など、使用上の注意点もあります。

2. 粉系塗料

粉系塗料は有機溶剤を一切使用しないため、水系塗料同様環境面や使用者の健康面において安全を考慮した塗料です。液体系塗料と比べると塗装機の自動化が容易に行えるので塗膜の品質が安定するという利点があります。

また、温度や湿度など天候の影響を受けにくく、対象物の耐性(耐衝撃・耐薬品・耐食性など)を向上させることができます。

含有樹脂による種類

1. エポキシ樹脂塗料

エポキシ樹脂塗料は高度の耐食性や耐薬品製が要求される大型の鉄鋼構造物・船舶・コンクリート構造物などに使用される常温硬化型のものと、粉系塗料としての加熱硬化型のものがあり、加熱硬化型の塗料はパイプ内面、電気・電子部品の塗装に使用されます。

2. ポリウレタン樹脂塗料

ポリウレタン樹脂塗料は主剤の樹脂 (ポリオール) と硬化剤のポリイソシアネート組み合わせた塗料で、主剤・硬化剤の組み合わせを変えることで特徴が変化し、塗装対象物に適した塗料を作ることが可能です。 主に耐候性が求められる上塗りの塗料として建築物や大型の構造物に使用されます。

3. アクリル樹脂塗料

アクリル樹脂塗料は設計の自由度が非常に高く、硬度・極性などを自由自在に変化させることができます。 耐候性・耐水性・耐油性・耐アルカリ性などに非常に優れており、床やコンクリート面の塗装として主に用いられます。

塗装の工程

塗料は一定の塗装品質を保つためにも何回かに分けて塗布され、例えば3層であれば下塗り用、中塗り用、上塗り用それぞれ適した塗料が用いられます。

コイル

コイルとは

コイルとは、産業用製品では一般的に導電コイルの事を指します。

導電コイルは電気を流し磁束を発生させて磁石の役目を持たせ、またその逆でコイルの中で磁界を変化させてコイルに電流を発生させる事ができます。ソレノイドと呼ばれることもあります。

ソレノイドは電磁力で電磁開閉するバルブであるソレノイドバルブを指すこともあります。ソレノイドとはコイルの電磁力により部品に力を加え、直線的な運動させる事で仕事をさせるような機構をもつ装置のことです。そのような装置の事をソレノイドアクチュエータと呼びます。

また、コイルとはインダクタのことでもあります。この場合は電気の基本回路LCRのL [H]に相当する意味であります。Lとはインダクタンス、Hとはその単位ヘンリーであり直流電流を通しやすく交流電流を通しにくいというコイルに流れる電流の性質を表しています。

コイルの種類

コイルが使用される製品事例としては次の様なものがあります。

  • 変圧器
    交流の電圧を変換するときに使う機器です。
  • アンテナ
    AMラジオのアンテナに使われるボビンに巻いたループ状のものになります。
  • 電磁石またはソレノイド
    電磁石の力でバルブの開閉などができます。例としては動力として圧縮空気の力を利用する空圧シリンダーの空気の流れを切り替えるための電磁弁の開閉の動力に使われます。
  • 発電機
    自転車のライトなどです。

コイルの構造

金属ワイヤーを使った巻き線式としては被膜付きのマグネットワイヤーをグルグルと巻く方式で、ソレノイド状もしくはスパイラル (渦巻) 状があります。

印刷式としては、スクリーン印刷による場合で薄い導体で積層でき、高周波用インダクタ向きです。蒸着、スパッタリング式としては印刷式よりもさらに薄い薄膜で積層できるため、小型基板に搭載できるようなチップタイプで超小型化が可能です。

業務効率化システム・ソフトウェア

業務効率化システム・ソフトウェアとは

業務効率化システム・ソフトウェアとは、私たちが必ずやらなければならない細やかな反復タスクをシステムに代替させることで、業務の効率化を実現するシステム・ソフトウェアです。

昨今働き方改革に関する法改正に伴い、通常業務おける効率化や生産性の向上を図る取り組みが様々な業界・業種において注目されています。 働き方改革の風潮を受け、導入需要も高まっています。

業務効率化システム・ソフトウェアの種類

様々なルーチンワークを効率化できるシステム・ソフトウェアには以下のような種類があります。

1. 電子帳票

電子帳票とは、契約書・請求書・納品書といったビジネスで作成される書類を電子データとして保存しているものです。保存と管理が煩雑な紙媒体と異なりデータベース上での検索も容易で、保存スペースの節約・調査確認コストの削減につながります。

2. OCR

OCRとは、紙面の文字をスキャンした後、コンピュータが利用できるデジタル文字コードに変換する技術です。電子帳票は初めから対象がデジタルである必要がありますが、現実には過去の履歴の多くが紙資料でしょう。そうした資料をデジタル化する技術です。

3. ERPパッケージ

ERPとは、「会計」「人事」「生産」「物流」「販売」といった企業の中心的な活動なのに個別に管理されていた部門システムを、連携して統合運用しようという考え方です。ERPとは、Enterprise Resources Plannningの頭文字をとったもので、資材所要量計画と呼ばれています。従来はカスタマイズ性がたかかったERPシステムを汎用化したものをERPパッケージと呼びます。

4. RFIDシステム

RFIDシステムとはRadio Frequency IDentification Systemの略で、媒体に電波や電磁波を用いたIDシステムです。運送するものや移動している人がつけている「RFタグ」と拠点に設置された「リーダライタ」との間で通信を行い、必要なやりとりを行う一種の無線通信システムです。製品の仕分けなどに応用されており、無人工場の基幹技術にもなっています。

5. コンフィグレータ

製品の構成や仕様などに応じて見積を算出するシステムです。特に製造業や住宅業などは、顧客の細かい仕様要求にこたえなければいけない場合も多く、従来は見積に時間がかかっておりました。しかし、このコンフィグレータを活用することで営業担当者がその場で概算や納期についても回答できるレベルまで進化してきています。

6. コミュニケーションツール

在宅・リモートワークが促進される中で会社内や企業間におけるコミュニケーションツールは業務の効率化を図る上で非常に重要なものになりつつあります。 代表的なものとして、社内専用のSNS、ビジネスチャット、ウェブ会議用のツール・システムが挙げられます

7. RPA

RPAとはロボティクス・プロセス・オートメーションの略で、普段パソコンなどを用いて行なっている業務や作業(データ収集・バックオフィス作業など)を自動化して行うことのできるシステムです。 機械学習や人工知能のようなものではなく、判断を伴わない単純な作業を素早く処理できるため、膨大なデータ量を取り扱うような業務において大幅に作業時間を短縮することが可能です。

8. ペーパーレス化システム

署名や捺印などこれまで紙面上しか行えなかった業務をクラウド上で行うことできるツールです。 文書保管に関する法改正が行われたために最近注目を集めているシステムです。 ペーパーレス化の対象となっている書類は年末調整の書類・予算申請・契約書・請求書などどの業種でも重要な書類がほとんどで、導入により迅速な処理が可能となります。

注油器関連器具・装置

注油器関連器具・装置とは

注油機器関連器具・装置とは、油のタンクや、チェーンやギア、スライド部品などの、潤滑油やグリスが必要な部位に対して給油を行う装置・器具のことです。

油圧機器では作動油が必要ですし、金属同士で擦れ合うところでは潤滑油が必要ですから、これらに対して給油をしやすくするために開発・設計されたものになります。

注油機器関連器具・装置の種類

 1. 作動油における注油機器関連器具・装置

  • 給油ポンプ
    ポンプで油を汲み上げ、ノズルから給油口へと吐出する装置です。ガソリンスタンドの給油が身近な例です。
  • 手動ポンプ
    補充用のタンクへ吸い込み口を、使用するタンクへ吐出口を差し込んで、手でジャバラ部分を数回握ると、油を汲み上げます。灯油をストーブの灯油缶に移すときに使うものが身近な例です。
  • ジョッキ
    給油ノズルが取りついた手持ちの油タンクで、給油ノズルを給油口に差し込み、ジョッキ本体を傾けて油を供給します。
  • 漏斗(ファンネル)
    円錐状の筒で、給油口に差し込んで使います。ジョッキ等で給油する際、狙いを外して給油口の外へ油が漏れないようにする器具です。

2. 潤滑油における注油機器関連器具・装置

  • グリスガン
    グリスを塗布する時に使用する器具です。ジャバラ状のグリスカートリッジをセットし、トリガーを引くことで給油ノズルからグリスが吐出します。
  • グリスニップル
    グリスを設備の内部や、ボールネジ、LMガイドなどのボール部分に給油する際に使用する器具で、的確にグリスを塗布したい場所には大抵ついています。グリスガンのノズルをグリスニップルに差し込んで給油します。
  • 強制潤滑装置
    タイマーで潤滑頻度が制御され、定期的に潤滑油やグリスを設備に塗布します。

注油機器関連器具・装置の重要性

潤滑油やグリスの給油は、設備を故障させないための非常に大切な作業です。多くの設備は潤滑が切れた状態で動かすと金属同士で摩擦が発生し、発熱、摩耗、剥離などに発展します。それを防ぐために給油をしますが、場合によっては生産を優先して給油の時間を減らしてしまうこともあります。

こうした背景からメンテナンスの時間を減らすために、自動で給油してくれる強制潤滑装置や、塗布したい部分に的確にグリスがまわるグリスニップルなどがあります。これらを活用することで、設備停止時間は大幅に減り、利益向上に繋がります。

分離・抽出装置

分離・抽出装置とは

分離・抽出装置とは、自然界に存在する混合物から目的に有用なもの取り出す分離・抽出操作を行う設備です。

分離とは、液体の中に混ざっている固体や気体の中に混ざっている液滴などを取り除き対象の純度を上げる操作です。抽出操作は、対象の沸点の差や溶媒への溶けやすさ、対象の密度差などに注目して成分の純度を上げる操作です。

研究室レベルのスケールから、大規模プラントレベルのスケールまで分離・抽出の目的に応じて必要な設備の規模感も変動します。

分離・抽出装置の種類

分離・抽出装置には様々な種類があります。分離・抽出したい対象の物性や操作にかけることができる時間・加えることができる熱などに応じて設備を使い分けます。

1. ソックスレー抽出装置

ソックスレー抽出装置は、抽出したい成分をもつ固体試料に対して、蒸留した溶媒を複数回浸透させることで、固体試料に含まれる有用な成分を濃縮していく設備です。

2. 遠心分離機

混合液を高速回転させると、遠心力がかかり重たい成分と軽い成分が分離します。この遠心操作を行うのが遠心分離機です。大型の産業用途のものからラボレベルの卓上遠心機もあります。サイクロンセパレータは、この遠心力を機械の回転ではなく気流で生み出す遠心分離機の一種です。

3. 遠心濃縮機

遠心濃縮器は、上記の遠心分離の操作を数度行い、目的以外の成分を分離することで不純物を取り除く設備です。

4. HPLC

HPLCは高速液体クロマトグラフィーの略語です。混合物に含まれる成分は、それぞれ特定の物質に対する吸着性が異なります。この差を利用して、混合物をカラムに流して分離していく手法がHPLCです。

5. 固液分離機

一般に濾過とよばれるプロセスで利用されるのが固液分離機です。ろ紙のと同様の原理で液体に混ざった固体をフィルターで濾す方法もありますし、真空にして低圧にすることで水を蒸発させて固液を分離する機材もあります。

6. オイルセパレータ

エンジンなどで、潤滑油中にガスが混入するとオイルの放熱特性が阻害されます。これを防ぐために、回転式の遠心分離機をつかってガスを飛ばす設備がオイルセパレータです。

7. ロータリーエバポレータ

ロータリーエバポレータは目的成分の濃縮のために用いられる蒸留装置です。ロータリーとはサンプルを入れた蒸留フラスコを回転させる動きをさします。回転するとフラスコ内の溶媒が薄い液膜を形成するので蒸発速度が早くなります。これによりほかの手法と比較して早い速度で蒸留が可能になります。

8. ミストセパレータ

空気の中には細かい液滴が含まれています。こういった液滴が機械に付着すると劣化の原因となります。ミストセパレータは、濾過の原理でオイルなどの液滴を吸着させて、高純度の空気をつくりだす設備です。

バイオ

バイオとは

バイオとは、多様な生物 (細菌・ウイルスなどを含む) や細胞などを研究する生物学で得られた知見を応用し、新しい技術や製品を開発する取り組みです。

バイオテクノロジーの分野

このバイオ関連の技術は様々な分野で応用されています。

1. 製薬

従来、人の身体を治療するのは化学反応で作られた化合物でした。しかしこの化合物は異物なので体内で積極的に分解・排出されるので成分が有効な期間は短いです。一方、バイオテクノロジーの産物である「抗体医薬」は体内にも存在するたんぱく質を利用するので、有効性が長期間持続すると言われています。

2. 農業

農業の分野では、長らく化学合成された農薬を活用していました。しかし、これらの農薬は害虫だけではなく人間にも悪影響を及ぼします。ある微生物が作る化合物が害虫にのみ効果をもつことが分かりました。微生物由来の成分なので自然に分解されるので人体にも優しく、バイオ農薬と呼ばれています。

3. 建築

建築分野では特殊な微生物を中に封じ込めた「自己修復コンクリート」というものが開発されています。このコンクリートは、あらかじめ混ぜ込まれたバクテリアが炭酸カルシウムの結晶を作りコンクリートの亀裂を補修する機能を備えています。

4. エネルギー

石油資源の枯渇が叫ばれる中、人類は新たなエネルギー源を求めています。微生物の力で、捨てる予定の間伐材などを発行させて可燃性のガスを生成して、発電に利用する取り組みが進んでいます。

バイオ研究で利用する主な設備の種類

1. 培養装置 (CO2インキュベータ

バイオの研究では、酵母や大腸菌などの微生物、ヒトや動物の細胞を増殖させて利用しています。細胞を培養させるためには、その細胞が元々いた環境に近い温度やpHで育てる必要があります。例えばヒトの細胞なら体内に近い37 ℃、pH 7.0 (中性程度) が望ましいです。多くの培養装置がCO2の濃度を使って培養液のpHを調整する仕組みになっているため、CO2インキュベータと呼ばれています。

2. 培養容器

上記の培養装置に直接細胞が入った液体をれると、コンタミネーションという雑菌繁殖につながるため、細胞が入った液体を入れる培養容器が必要です。ガラスシャーレシャーレや培養液が入ったフラスコを回転させて酸素を供給する振盪機など様々な種類があります。

3. マイクロマニピュレータ

細胞を培養するのは細かい作業が必要なので、少量の液体を精度よく吸い出すことができるマイクロマニピュレータを使って作業を行います。サイズも1μL~5,000μLと様々です。

4. ピペットチップ

細胞を培養するには清潔さを保って作業することが必要なので、マイクロマニピュレータの先についている吸い出し口を都度使い捨てて作業を進めます。その使い捨て吸い出し口をピペットチップと呼びます。

5. PCR

バイオ研究では、細胞のもつ遺伝子を分析したり細胞に組み込むための遺伝子を増やしたりする必要があります。その遺伝子の増幅を、自然に存在する遺伝子の複製機能を応用して実現したのがPCR法です。

6. 超音波ホモジナイザ

細胞の中身を分析するためには一度細胞を粉砕する必要があります。その際に、細胞を砕くために使う設備が超音波ホモジナイザです。細胞を砕くとしても細胞の内容物を壊すわけにはいかないので、水を加熱することなく粉砕できるこの手法が一般的です。

7. ELISAキット

細胞がどのようなタンパク質を分泌しているかを分析する技術がELISA法です。この手法に必要な抗体がついたプレートや蛍光物質つきの抗体がまとまっているのがELISAキットです。

冷却装置

冷却装置とは

冷却装置 (英: Chiller, Cooling device) とは、水、油、製品、装置、原材料などから熱を取り除き、適温に保つ目的で使用される機器の総称です。

冷却装置の種類

産業用冷却装置は、生産・製造工程で必要な冷却に使用されるもの、機器内部の冷却に使用されるもの、施設・設備の空調管理に使用されるものの3種類に大きく分けられます。

農業・漁業の現場や工場などの生産・製造工程で必要となる冷却はプロセス冷却と呼ばれ、装置冷却と物品冷却に大別されます。装置冷却は、金属加工機や印刷機、半導体製造装置、医療機器などの装置の発熱を抑え、誤作動や精度の低下を防いで生産効率や安全性を高める目的で行われます。

例えば、水をはじめとした熱媒体を冷却するチラーユニットクーラント装置、機械の作動油を冷却するオイルコンなどが幅広い業界で使用されています。

一方、物品冷却は、射出成型物や金属加工品、メッキ溶剤、食品などの熱を冷却し、加工や保管に適した温度にすることで、品質および生産効率を高める目的で行われます。

漁船の生簀内の海水を冷却し、漁獲した魚の鮮度を保つ海水冷却装置がその一例です。いずれの冷却装置も種類によって冷却の仕組みが大きく異なるため、使用環境や用途に応じた選定が重要です。

機器内部の冷却に使用される装置で代表的なのは、電子冷却装置です。小型で軽量、静音性に優れ、パソコン内部のCPU冷却やCCDカメラの冷却に用いられます。

大規模な施設・設備の空調管理に使用される冷却装置としては、チラーユニットのほか、気化熱を利用した冷却塔 (クーリングタワー) があります。

冷却装置の省エネルギー性能

冷却装置の主な省エネ評価基準には、100%負荷時の運転効率を示す「エネルギー消費効率 (COP) 」と100%、75%、50%、25%負荷時の運転効率に出現率を加味して加重平均した「期間成績係数 (IPLV) 」があります。COPとIPLVをそれぞれ考慮した上で、より省エネ性の高い装置を選定することが推奨されます。