培養容器についての概要、用途、原理などをご説明します。また、培養容器のメーカー11社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。培養容器関連企業の2022年4月注目ランキングは1位:株式会社日本触媒、2位:コーニング、3位:株式会社サンプラテックとなっています。
培養容器とは、細胞などを培養するシャーレやディッシュといった容器のことで生命科学分野や創薬分野の研究開発などで使用される機器の一種です。
シャーレやディッシュの材質は、ガラス、樹脂、ステンレスなど様々で用途に合ったものを選ぶことができ、培養面は均一で凹凸がないため、明瞭な視界を得ることができ、培養物の観察に適した作りになっています。
従来は、ガラス製の培養容器が主流でしたが、現在では、透明性と加工性の高さから樹脂素材を用いた培養容器も多く、樹脂が持つ表面の疎水性の悪さを親水加工処理することで補っています。
また、培養面に表面に親水処理や、滅菌などの加工処理を行ったり、培養物が触れるブブをフィルム構造にすることで天板ごと外すことができるようにしたりするなど、用途に合わせて様々な工夫がされています。
ここで、培養容器の使用用途について説明します。
培養容器は、生命科学分野や製薬分野などのバイオプロセスにおいて、研究などの開発段階から製造リリースに至るまで、細胞などを培養することを目的として使用されています。
培養容器には、シャーレやディッシュ、フラスコなどの種類があり、培養する大将や用途に合わせて適した形状の容器を使用します。
研究開発や、治療の現場において、細胞を増殖させることや、ワクチン開発や・細胞治療などで培養容器が用いられています。
続いて、培養容器の原理について説明します。
培養容器は、使用用途上、次のような条件を満たしていることが必須となっています。
これらの条件を満たすために、培養容器に使用する材質を選んだり、さらに培養面を均一で平滑な面にすることに加えて、親水加工処理や滅菌処理などを施すことがなされています。
培養容器の中には、セルカルチャーインサートを用いたものもあります。セルカルチャーインサートは、培養容器を上下に区切って細胞培養を可能とする器具であり、仕切り面に様々な材質からなる多孔のメンブレンフィルタをもつ構造となっています。これにより、培地と気相の両面から異なる条件を同時に細胞に曝露させることが可能となります。
接着細胞は、メンブレンフィルタの上面、あるいは底面のいずれでも培養することが可能で、浮遊細胞の培養も組み込むこともできます。複数の細胞を用いた共培養など、より複雑な培養にも対応できます。また、インサートの外側のみに培地を入れることで、容易に気相液相界面培養が可能となります。このような培養法は、呼吸器系や皮膚、角膜など外気に接触している器官の細胞の培養などに活用されています。例えば、皮膚の細胞は、表面を空気に晒して長期間培養すると、角化が亢進されて、ヒトの正常表皮と類似する三次元構造を形成することが知られています。皮膚のバリア機能を有するものもあり、化粧品成分の有効性や、化学物質の安全性、経皮吸収性などの評価に活用されています。単層細胞の実験では脂溶性成分や粉体をそのまま曝露して評価することは困難ですが、インサートを用いたモデルではそのような物質でも評価可能であり、よりin vivoに近い条件で評価できることが、利点とされています。
フラスコ型の培養容器は、スクリューキャップを閉めることで簡単に閉鎖系の培養が可能となります。フラスコ内を培地で満たして密栓することで、細胞の種類によっては一日程度の輸送にも耐えることが可能です。また効率的に大量培養を行うために、フラスコを複数枚重ねて層状にした多層タイプの製品も利用されています。多層タイプのフラスコは重量があり、培養の際には片手でこの容器を支えながら、各層に対して培地の注入と排出を繰り返すことになります。操作手順が複雑で、容器の大きさや重量の問題もあって扱いにくさが課題となっていました。しかし最近では、多層タイプのフラスコを用いた培養を機械化し、培養から観察までの一連の操作を、コンピュータを用いて自動制御するシステムも開発されています。
参考文献
https://www.sumibe.co.jp/product/s-bio/cell-culture/large-scale-flask/index.html
https://www.thermofisher.com/jp/ja/home/life-science/cell-culture/cell-culture-plastics.html
https://www.sibata.co.jp/category/cate3/cate3-49/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/membrane/30/3/30_171/_pdf/-char/ja
https://www.corning.com/jp/jp/products/life-sciences/applications/bioprocess-applications.html
http://www.jari.or.jp/Portals/0/resource/JRJ_q/JRJ20150601_q.pdf
https://www.sigmaaldrich.com/japan/lifescience/cell-culture/learning/563796-More-Like-Life-Microporous-Membrane-Based-Culture-Systems.html
https://cellbank.nibiohn.go.jp/legacy/information/hsrrb/default.htm
https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2020/200226_4884.html
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ビーエム機器株式会社 サンセイ医療器材株式会社 栄研化学株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年4月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社日本触媒 | 12.9% |
2 | コーニング | 12.9% |
3 | 株式会社サンプラテック | 12.9% |
4 | AGCテクノグラス株式会社 | 9.7% |
5 | 住友ベークライト株式会社 | 9.7% |
6 | 深江化成株式会社 | 9.7% |
7 | フナコシ株式会社 | 8.1% |
8 | 富士フイルム和光純薬株式会社 | 6.5% |
9 | 東京硝子器械株式会社 | 6.5% |
10 | サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社 | 4.8% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年4月の培養容器ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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ピールオフ培養容器はポリスチレン接着系細胞用の培養容器です。
その特徴は、面積が大きいため、細胞を大量に培養できる点、平滑性が優れた培養面を有するため、検鏡時に観察が容易である点です。
また、天板部分がフィルムのため、容器内の細胞が容易に回収できる点、容器の形状を利用して、培地吸引が行える点も特徴です。
創薬やバイオ研究にて初期の接着細胞をスケールアップ培養する際、ピールオフ培養容器がオススメできます。
細胞培養用フラスコは細胞培養に適した表面を提供するフラスコです。
そのため、細胞培養に関連した研究または開発を始める方に、まずは使用して頂きたいフラスコです。
このフラスコの特徴は、培養スケールに応じて、多様な表面積を提供する点、培養したい細胞に応じて、親水性度合いの異なる表面のフラスコを提供する点です。
さらに、フラスコやキャップの形状も様々なものを備えていることから、自分に合ったフラスコを選ぶことができます。