冷却装置とは
冷却装置 (英: Chiller, Cooling device) とは、水、油、製品、装置、原材料などから熱を取り除き、適温に保つ目的で使用される機器の総称です。
冷却装置の種類
産業用冷却装置は、生産・製造工程で必要な冷却に使用されるもの、機器内部の冷却に使用されるもの、施設・設備の空調管理に使用されるものの3種類に大きく分けられます。
農業・漁業の現場や工場などの生産・製造工程で必要となる冷却はプロセス冷却と呼ばれ、装置冷却と物品冷却に大別されます。装置冷却は、金属加工機や印刷機、半導体製造装置、医療機器などの装置の発熱を抑え、誤作動や精度の低下を防いで生産効率や安全性を高める目的で行われます。
例えば、水をはじめとした熱媒体を冷却するチラーユニットやクーラント装置、機械の作動油を冷却するオイルコンなどが幅広い業界で使用されています。
一方、物品冷却は、射出成型物や金属加工品、メッキ溶剤、食品などの熱を冷却し、加工や保管に適した温度にすることで、品質および生産効率を高める目的で行われます。
漁船の生簀内の海水を冷却し、漁獲した魚の鮮度を保つ海水冷却装置がその一例です。いずれの冷却装置も種類によって冷却の仕組みが大きく異なるため、使用環境や用途に応じた選定が重要です。
機器内部の冷却に使用される装置で代表的なのは、電子冷却装置です。小型で軽量、静音性に優れ、パソコン内部のCPU冷却やCCDカメラの冷却に用いられます。
大規模な施設・設備の空調管理に使用される冷却装置としては、チラーユニットのほか、気化熱を利用した冷却塔 (クーリングタワー) があります。
冷却装置の省エネルギー性能
冷却装置の主な省エネ評価基準には、100%負荷時の運転効率を示す「エネルギー消費効率 (COP) 」と100%、75%、50%、25%負荷時の運転効率に出現率を加味して加重平均した「期間成績係数 (IPLV) 」があります。COPとIPLVをそれぞれ考慮した上で、より省エネ性の高い装置を選定することが推奨されます。