遠心濃縮機についての概要、用途、原理などをご説明します。また、遠心濃縮機のメーカー6社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。遠心濃縮機関連企業の2022年12月注目ランキングは1位:久保田商事株式会社、2位:タイテック株式会社、3位:株式会社トミー精工となっています。
遠心濃縮機とは、一般に、遠心機と真空乾燥機を組み合わせた減圧濃縮・乾燥装置のことです。
遠心力で突沸を抑えつつ、減圧により沸点を下げ、加熱により気化熱を補うことにより溶媒を蒸発させて目的サンプルを濃縮させることができます。
微量サンプルの分析用途に用いられるほか、下水汚泥の沈着性が悪化してきていることを踏まえ、汚泥処理システムに大きな影響を及ぼす濃縮プロセスにも導入されている装置です。ほとんど無人で連続運転することができることから今後のさらなる普及も期待されています。
溶媒の突沸や泡立ち等を遠心力によって防ぐことができるため、サンプルのロスを抑えることができることから微量分析のためのサンプルの濃縮に適しています。
たとえばDNAやRNA、ペプチドなどを濃縮したり、その他の濃縮や乾燥を必要とするアプリケーションを作成したりする際に使用されています。
その一方で、遠心濃縮機は操作性に優れており、自動運転が容易であること、維持管理が簡単であることから下水の汚泥処理にも多く採用されるようになってきています。
遠心濃縮機は、“物質の3態”を利用して、サンプルを濃縮します。具体的には、固体⇔液体⇔気体の過程を、減圧による低温乾燥を行うことで濃縮しています。
まず、サンプルにかかる圧力を下げることでサンプル(溶媒)の沸点を下げます。それとともに加熱を行うことで、溶媒の揮発を加速することができ、かつ減圧時に起こる溶媒の凍結を防ぐことができるという仕組みです。
大まかな全体のシステムとしては、遠心濃縮機、冷却トラップ、真空ポンプで構成されています。真空ポンプにより遠心濃縮機内を減圧させ、サンプルを濃縮します。そこで冷却トラップにより気化した溶媒を凝縮し回収します。
また、汚泥濃縮用の遠心濃縮機は、余剰汚泥を遠心力によって濃縮します。汚泥供給管を中心として外胴、内胴がそれぞれ一定の回転差を保ちながら回転しています。汚泥は汚泥供給管から外胴内に連続的に供給され、遠心力によって汚泥内の固形物は外胴内壁に沈殿・堆積します。その後、内胴に設けられているスクリュウの作用により濃縮汚泥として外へ排出される仕組みです。
下水汚泥のうち、最初沈殿池の汚泥は沈降しやすく、重力沈降による汚泥の濃縮が容易ですが、最終沈殿池の汚泥(特に、余剰汚泥)は沈降しづらいため、重力沈降によって汚泥を濃縮させることは容易ではありません。そこで用いられるのが、機械による汚泥濃縮法(機械濃縮法)です。機械濃縮法には、常圧浮上濃縮装置やベルト式ろ過濃縮機などの方式があり、遠心濃縮機も機械濃縮法の方式の一つになります。
汚泥はまずポンプにて遠心濃縮機へと運ばれ、供給されます。遠心濃縮機の構造は、大きく外ボウル、内ボウルに分けられます。遠心濃縮機に汚泥が導入される手前で、凝集剤などが添加されます。添加した凝集剤を混合することで、凝集剤が混合された汚泥はボウル端へ放出されます。外ボウルは高速回転しており、汚泥は800〜1200 Gの遠心力を受けて、水と固形物の比重差による沈降分離が始まります。供給汚泥は遠心力を受けることによって、重力沈降よりも沈降分離速度が早くなります。沈降分離した濃縮汚泥は、内ボウルに取り付けられたスクリューコンベアにより濃縮汚泥の排出口へ、分離液は流れによって分離液の排出口へ運ばれます。
このように、供給汚泥濃度が0.6〜0.8%の汚泥が、濃縮されて4〜6%の濃縮汚泥となって排出されることになります。
遠心分離機の構造は、大きく外ボウル、内ボウルに分けられます。
供給された汚泥はボウルへと供給され、遠心力を受けて外ボウルに張り付き、沈降分離されて、上澄みは分離液として、沈降したものは濃縮汚泥として排出されます。遠心分離機の外ボウルと内ボウルは、同じ回転数で回っているわけではなく、3〜8回転ほどの回転差が設けられており、スクリューコンベアが取り付けられている内ボウルのほうが少しだけ遅く回っています。この回転差のことを「差速」と呼びます。その回転差が、濃縮された汚泥をスクリューコンベアによって排出口へ運搬する力となります。
参考文献
https://www.thermofisher.com/jp/ja/home/technical-resources/products-faqs/vacuum-concentrators-faq.html
http://www.lsrc.u-toyama.ac.jp/sic/div/01seika/lab1/concn.html
http://www.kakoki.co.jp/products/e-014/index.html
https://www.enshinbunriki.com/principle/
https://www.jiwet.or.jp/wp/wp-content/uploads/2014/07/e1fcd8a02ec7f5591a15231c83928df4.pdf
http://www.siset.or.jp/contents/?CN=200&RF=K&ID=228
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企業
株式会社トミー精工 久保田商事株式会社 エッペンドルフ・ハイマック・テクノロジーズ株式会社 株式会社佐久間製作所Micro Vac MV-100は、国内ではじめてバキュームポンプを内蔵した卓上小型遠心濃縮機てす。バキュームポンプを外付けする必要がないので、余分な配管・配線が不要です。
主に、DNA/RNAのエタノール沈澱における試料乾燥や、水とエタノール混合溶媒系の濃縮に用いられます。
55℃に加熱することができ、用途に合わせてON・OFFを切り替えられます。
本体の大きさは、W200×D205×H228mmとコンパクトで省スペースです。
RVC2-33CDplus“IR”は、赤外線を照射することで、サンプルを80℃まで加熱することができます。そのため、DMSO・t-ブタノール・ジオキサン・N-メチルピオリドなどの高沸点化合物を溶媒としたサンプルにも対応しています。
なお、赤外線はサンプルに直接照射するため、電気的にチャンバを加熱するよりも効率よくサンプルを加熱します。
サンプル温度直接測定システムによって、濃縮中のサンプル温度を測定することができます。
超小型遠心式濃縮機 スピンドライヤーミニ VC-15SPは、本体サイズがW171×D236×H175mmと約B5サイズでコンパクトです。
真空ポンプを内蔵しており、真空ポンプ保護フィルターはオプションで、活性炭やモレキュラシーブ13Xを吸着剤としたディスポーザブルケミカルフィルターに変更することができます。
少容量容器向けの別売ローターが豊富で、必要に応じて特注することもできます。
蓋はガラス、チャンバーはテフロンコートされたSUS304を用いており、耐薬品性に優れます。