ロータリーエバポレータのメーカー12社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
ロータリーエバポレータとは、試料中の溶媒を蒸発させて、試料を濃縮することができる蒸留装置です。水浴、試料を入れるフラスコ、冷却水循環装置、除去された溶媒をためるフラスコ、減圧ポンプなどから構成されています。
減圧ポンプで系内を減圧し、水浴で温度調節しながら、試料が入ったフラスコを回転させて使用します。フラスコを回転させ、フラスコの壁面に溶媒の膜をつくって表面積を増やすことで、効率的に溶媒を蒸発させることができる仕組みになっています。有機合成などの化学系の研究開発分野では必須の装置です。
ロータリーエバポレータを使用すると、溶媒を蒸発させることで溶液中の目的成分を濃縮することができます。また、粉末試料を乾燥することもできます。
基本的には目的成分を濃縮する、試料から溶媒を除去する目的で使用します。低沸点溶媒では加熱の必要なく溶媒を除去することもできるので、試料が熱に弱い場合などには適した方法です。有機合成などの分野では、原料を溶液中で化学反応させて目的物を合成することが多いため、頻繁に使用されている装置の1つです。
ロータリーエバポレータは水浴、試料を入れるフラスコ、冷却水循環装置、除去された溶媒をためるフラスコ、減圧ポンプなどから構成されています。減圧ポンプで装置内を減圧することで、溶媒の沸点を減少させ、低温で蒸発できる仕組みになっています。また、試料が入ったフラスコは回転できる機構になっています。フラスコを回転させてフラスコの内壁に溶媒の膜をつくることで、溶媒の表面積を増加させて効率的に蒸発させることができます。蒸発した溶媒は冷却水循環装置で冷やされて液体に戻り、別のフラスコにたまる仕組みになっています。
減圧にはアスピレータや真空ポンプなどが使われます。装置内を減圧すればするほど溶媒の沸点が減少するので、より低温で蒸発するようになります。一方で、低沸点溶媒については蒸発速度が速くなりすぎるので注意が必要です。また、フラスコ内に沈殿や撹拌子がある場合は非常に突沸しやすくなるので、沈殿や撹拌子を取り除いてからの使用する必要があります。装置接続部とフラスコの間にトラップ球を接続し、突沸しても装置本体の中に試料が入らないようにすることも可能です。
参考文献
https://files.yamato-net.co.jp/support/catalog/p0366_r-220se.pdf
https://ssl.eyela.co.jp/products/pdf/N1300V.pdf
各種ロータリーエバポレータの値をグラフにプロットし、表にしました。ベータ版機能のため一部製品のみの表示となっております。
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製品名 | ロータリーエバポレータ | ロータリーエバポレータRE301 | ロータリーエバポレータRE601 | N-1300E・V・S型シリーズ | ロータリーエバポレータN-4010 | ロータリーエバポレーター R-100型 | 一覧 | ロータリーエバポレータ |
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蒸発フラスコ最大容量[L] | 2 | 2 | 2 | 1 | 20 | 4 | 20 | 3 |
最高回転数[rpm] | 315 | 250 | 250 | 310 | 140 | 280 | 150 | 250 |
会社名 | ヤマト科学株式会社 | ヤマト科学株式会社 | ヤマト科学株式会社 | 東京理化器械株式会社 | 東京理化器械株式会社 | 柴田科学株式会社 | 日本ビュッヒ株式会社 | 東京硝子器械株式会社 |
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
大口径のフラスコが使用できるため、フラスコ内の残留物を取り出す際やフラスコ洗浄に便利な設計となっています。
接液部はホウケイ酸ガラスとPTFE製なので、高純度の品質が保てます。試料側を減圧したまま凝縮液の回収ができます。
温水シャワーポンプを使用すると、低回転時でも優れた蒸発効果がみられます。還流器に設定された原料投入用のバルブにより、連続運転が可能です。
芯ブレが少なくメカニカルシール部の消耗が抑えられているため、稼働コストやメンテナンスコストの低減に寄与しています。過昇温防止や空焚き防止等の安全対策も施されています。
コンビクリップ付ベーパーダクトが装備されており、フラスコの着脱が簡単です。
温度表示が見やすいデジタル式の、大容量ハイパワーウォーターバスが備えられていて、大型フラスコが使用できます。また回転速度が高速化されたことで、高い蒸留効率に寄与しています。
耐久性に優れた真空シールが用いられていて、コンパクトで錆びにくい安定した作りをしています。
ガラスセットにはプラスチックコーティングガラスが使用されており、万が一落としても安全です。
N-1300E型は、ガラスセットが本体の左右どちらにも取付けられる構造となっています。スタンドベースやバスは円形で、バスを正面に向けて作業することができます。
フラスコを正転、または逆転させる設定ができ、自動反転の設定をすると、固形物の乾燥にも使用可能です。
ジャッキは無段階に調節でき、その固定や解除が簡単です。アダプターが一体化したコンパクトな冷却器が装備され、その根元には逆流防止構造をが施されています。これにより、シール部での液溜りが防止されています。
ドラフトでの使用に適しており、冷却器内の凝縮液が試料フラスコに還流しにくい作りとなっています。
高さ調節がジャッキハンドルの操作で簡単にできるため、蒸留フラスコが簡単に着脱できます。冷却管内部の折り返しによって逆流が防止され、真空シールの耐久性に寄与しています。
ウォーターバス、及び水/オイル兼用バスが用意されていて、いずれもお手入れが簡単な設計になっています。また、ガラスセットとバスは左右どちらにでも組み換えが可能です。ガラスセットには断熱材が標準で付属されています。これによって、冷却管表面の結露の発生が抑えられます。
別売りの真空コントローラを連動すると、作業の制御をすることもできます。