サイクロンセパレータについての概要、用途、原理などをご説明します。また、サイクロンセパレータのメーカー24社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。サイクロンセパレータ関連企業の2023年1月注目ランキングは1位:株式会社フクハラ、2位:株式会社ニクニ、3位:株式会社ノリタケカンパニーリミテドとなっています。
早稲田大学大学院でMBE法による窒化物半導体成長に関する研究に従事。2016年に大学院を修了後、非鉄金属系メーカーへ入社。金属製錬工場における設備保全・エンジニアリングの業務に従事。2022年に化学系メーカーへ転職。同様の業務に従事。
前田 理也のプロフィール
サイクロンセパレータとは、流体中に混ざり合った粒子を分離する装置です。
流体中に存在する微粒子の密度と流体自体の密度との差を利用し、それぞれに生じる遠心力の差から流体中の微粒子を分離します。固形物や砂などが混ざった液を移送するポンプは、シール部分に固体が入らない細工をしなければならず高価です。
検知装置などが必要となる場合もあります。それらの課題は、サイクロンセパレータを利用することで解決できます。
サイクロンセパレータは、産業においてさまざまな箇所で使用されます。以下はサイクロンセパレータ使用の一例です。
正確な粒子分離の前処理として、産業界で広く使用されています。
サイクロンセパレータは、一般的には円錐形状です。微粒子ごみが混ざり合った液をポンプ吐出口からサイクロンセパレータへ流し込み、螺旋流を発生させます。
流体中の微粒子密度と流体自体の密度に差があるため、螺旋流による遠心力にも違いが生じます。この違いを利用したのがサイクロンセパレータです。油水分・固形物はハウジング内壁に叩きつけられ、そのまま内壁に沿って落下します。
清浄になった液はサイクロンセパレータの上方から吐出します。固形物は下方へ落下し、ポンプの吸込側へ送られ循環されます。
このように、サイクロンセパレータは微粒が混ざり合った液に利用されるのが一般的です。ただし、微粒子ごみを多く含まない液の場合でも、微粒子が混入しないように安全対策として使用される場合があります。
サイクロンセパレータは、液体または気体の流体中異物を分離する装置であり、それ自体は動力を持ちません。そのため、すでに循環する系内に設置可能であり、低コストな点がサイクロンセパレータの長所です。また、本体は構造物のためメンテナンスフリーであることも長所として挙げられます。
ただし、流体の流れに乗ってしまうため微細粒子は分離できません。圧力損失が大きく、流体スピード維持のために大きなエネルギーが必要な点は短所と言えます。
分離する固体の密度や必要とされる分離率に応じて、サイクロンセパレータを設計します。分離機の中では、比較的大流量の場合にサイクロンセパレータを用います。
また、サイクロンセパレータの能力は吐出装置であるポンプ能力やブロア能力の影響を大きく受けます。メンテナンスの手間が少ないダスト集塵設備として幅広く採用されますが、重要なのはブロア圧力です。
風量風速が半減してしまうと集塵能力は大幅に低下してしまうため、サイクロンセパレータの設計はブロアやポンプの圧力が律速です。
粉体製品の製造工程では、製品の分級や回収でサイクロンセパレータを複数段で使用することがあります。更に後段にバグフィルタを組み合わせる場合もあります。
また、焼却炉でもどちらか単独の設備では規制値を守れない場合は、組み合わせて設計されることもあります。これはサイクロンセパレータの欠点の一つである、微細粒子が集塵できないことを補うための処置です。
ただし、バグフィルタの欠点として定期的なろ布洗浄または取替が必要な点が挙げられます。そこでサイクロンセパレータと組み合わせることにより、バグフィルタへの負担を軽減してろ布の交換間隔を延長できます。交換作業費を削減し、交換ろ布の廃棄費用などのランニングコストを抑えることが可能です。
また、ろ布交換の際はバグフィルタへのガス流通を停止しなければなりません。したがって、ろ布交換間隔が延長することで連続運転期間を延長できるため生産性の向上も見込まれます。
参考文献
https://www.nikuni.co.jp/equip/coolant/vdf.html
https://www.rccm.co.jp/development/fluid/lapple_dpmdiscrete_phase_model.html
https://www.monotaro.com/s/pages/readingseries/pumpjissen_0214/
https://www.fukuhara-net.co.jp/product_af_cyclone.html
https://www.rccm.co.jp/development/fluid/lapple_dpmdiscrete_phase_model.html
https://www.kochi-tech.ac.jp/english/admission/img/5fff9db770d7adc90c75d3c3f6a0952a_2.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakoronbunshu1953/17/9/17_9_357/_pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年1月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社フクハラ |
13.0%
|
2 | 株式会社ニクニ |
12.3%
|
3 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド |
10.4%
|
4 | 株式会社セパレーションテクノロジー |
5.8%
|
5 | 株式会社カワタ |
5.8%
|
6 | カネテック株式会社 |
5.8%
|
7 | 日本スリーエム株式会社 |
4.5%
|
8 | 株式会社シーシーエス |
4.5%
|
9 | 株式会社テイエルブイ |
4.5%
|
10 | キソー株式会社 |
3.9%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年1月のサイクロンセパレータページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
スーパーサイクロンセパレータは、目詰まりが起きないシンプルな構造になっており、圧力降下が0.5kPa以下に抑えられたサイクロンセパレータです。
圧縮空気や窒素ガスから電源不要・高効率で水分や油分を分離できます。冷凍式エアードライヤーの前段・後段やエアーフィルターの前段などに設置して、熱交換器やフィルターにかかる負荷の軽減することが可能です。
レベルゲージが付いており、ドレンの排出状況が容易に確認できます。
サイクロンセパレーター SPC型は、スリムで軽量タイプのサイクロンセパレータです。水溶性クーラントから異物を分離したり、クリーンタンクにおいてSS濃度を安定化させたりする目的で利用されています。
特許技術を用いた独自の発泡抑制機構を備えているため、従来のサイクロンセパレータで課題となっていた液の泡立ち防止が可能です。サイクロン部にはステンレス・鋼材以上の耐摩耗性を持つナイロン樹脂、リジェクト部にはセラミックスを採用しており、高い耐久性を誇ります。
サイクロンセパレータVDFは、工場排水や工作機械のクーラント液・超音波洗浄液などにおける固液分離処理に利用されているサイクロンセパレータです。
クーラント液の清澄化は加工精度を保ち不良率を下げるのに有効で、液交換およびタンク清掃の回数を減らすことにもつながるため、代表的な使用用途として挙げられます。
高い効率でスラッジを取り除くことができ、捕集効率は25µmで99%、10µmで90%以上です。アンダーフローの方式を工夫することによって液の泡立ちが起こりにくく、ポンプの動作不良や泡の飛散が生じません。
SL型 大流量サイクロンセパレーターは、クーラント液中のスラッジ除去に特化して設計されており、インラインで使うことも可能な液体ろ過用サイクロンセパレータです。
ポンプによる加圧で発生させた渦を用いて比重分離する機構を採用しているため、比重さえ液よりも大きければ材質に関係なくスラッジを分離できます。エレメントを使用しないため、廃棄物の発生を最小限に抑えつつ、交換にかかる手間を削減することが可能です。
CSシリーズは、研削液中のスラッジや砥粒を回収できる、サイクロン部とタンクが一体になったコンパクトなサイクロンセパレータです。
サイクロン部の前段に磁性スラッジの回収に適したマグクリーンを設置したタイプは、回収操作を2段階に分けたことで効率よく不純物を除去できます。また、バグフィルターに集めた不純物を脱水できる特殊な機構が採用されており、スラッジの廃棄が容易です。
タンクはクリーンタンクとダーティタンクの2層式構造になっており、従来機と比べてクリーンタンクへの不純物混入が抑えられています。