振動センサーのメーカー9社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
機械の振動状態の把握、監視には振動センサーが必須です。このセンサーは各種振動の大きさを電圧、電流などの電気量に変換します。
振動センサーには接触式と非接触式の2つのタイプがあります。測定対象の物理量(加速度や速度、変位)や対象の状況に応じて2つの振動センサーを使い分けなければなりません。
振動の測定精度を上げるために、以下の4点に注意して振動センサーを選定します。
振動センサーは、生産設備や研究開発で使用されています。生産設備では、設備機器の故障や損傷を早期に検知するために振動センサーが用いられます。センサーを利用することで故障や損傷による膨大な修理コストの発生や生産効率低下を未然に防ぎます。近年ではIoT技術を活用した機械の診断や予知保全に小型の振動センサーが活躍しています。
研究開発では振動センサーを用いて振動や衝撃を計測し、製品試験や耐久試験を行います。近年では自動車業界を筆頭に乗員の快適性評価にも、振動センサーが使用されています。その他、産業においては電気機器、自動車やロボットと多岐にわたる業界で振動センサーは使われます。
前述したとおり振動センサーには、接触式と非接触式の2タイプがあります。加速度の計測には接触式、速度や変位の計測には非接触式の振動センサーを用います。ここでは各種振動(加速度、速度、変位)計測に適した1つ1つの振動センサーの原理を紹介します。
機械振動の定義は、機械系の運動または変位を表す量の大きさが、ある平均値または基準値よりも大きい状態と小さい状態を交互に繰り返す時間的変化とJISで規定されています。振動は、振幅・周波数・位相の3つの要素からなっています。振動を測定する場合、変位・速度・加速度の3つパラメータがあり、測定するセンサの種類の一つとして加速度計を用います。振動センサの種類としては、加速度センサ(圧電型)、速度センサ(動電型)、非接触変位センサ(渦電流型)があります。この中で、圧電型加速度センサは広い周波数範囲をカバーできる特徴があり、多く用いられています。
振動の変位、速度、加速度の関係について説明します。一定時間毎に繰り返すような運動を調和振動と呼び、単一周波数で構成されます。その場合の変位、速度、加速度は以下の通りになります。変位を微分することで速度、速度を微分することで加速度が導くことができます。
変位d=Dsin(ωt+Φ)
速度v=Vcos(ωt+Φ)
加速度a=-Asin(ωt+Φ)
ただし、D:片振幅、ω:各速度 ω=2πf、f:周波数f=1/T、T:周期(秒)、Φ:初期位相です。
一例として振動監視などに用いられる圧電型振動センサの使い方について説明します。圧電型振動センサは圧電効果を利用して、振動を検知するセンサです。外力を加えるとその力に比例した電荷を発生し出力します。電荷出力タイプの圧電型振動センサは小型化に有利であり、汎用的に使われます。
センサの固定方法は、非測定物に密着するようにスタッドボルトなどでしっかり固定することが推奨されます。取り付け方法がしっかり固定していないと、フィルタとなってしまい正確な計測ができなくなることがありますので注意が必要です。スタッドボルト以外の固定方法としては、接着剤を用いる方法やマグネットを用いる方法などがあります。
振動を解析する場合、周波数解析が広く用いられます。測定された波形が、どのような周波数がそれぞれどれくらいの強度で含まれているかを調べる方法です。
参考文献
https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/newreport/vib/vibsensor_1.htm
https://www.jemima.or.jp/tech/4-01-04.html
https://www.keyence.co.jp/ss/products/recorder/lab/acceleration/applications.jsp
https://www.cct-inc.co.jp/media/iot/news/primer/iot_04/
https://www.shinkawa.co.jp/times/2011_06column_three_parameter
https://www.shinkawa.co.jp/times/2011_05column_vibration_sensor2
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
AFV100シリーズは、オートフォーカス機能を装備したレーザードップラー振動センサーです。
レーザードップラー振動センサーは干渉光学系を採用しているため、従来型の振動センサーの10倍以上の高感度・高精度を実現します。
AFV100シリーズのオートフォーカス機能は、全範囲フォーカス(WIDEモード)と遠隔操作可能な高速フォーカス(NARROWモード)を装備しているため、高速回転機械や放射線環境下などのあらゆる用途に対応できます。
XS770Aは、センサー機能と無線通信機能を一体化したAndroid 端末のスマートフォンで操作可能なIIoT(= Industrial IoT)向け無線振動センサーです。
電池で駆動可能なコンパクト設計かつ、マグネットにより装着可能な利便性に優れた特徴により、使用環境を選ばず、さまざまな場所のデータを遠隔で収集することができます。
また、防爆認証を取得しているため、地震発生時などに危険度が高まる石油化学プラントや塗装工場など第二類危険箇所に設置することも可能です。
AS-11は、好感度電圧素子を使用した振動センサーです。
従来型の振動センサーが回折光や磁気を解析する検出方式に対し、AS-11の振動検出方式はセンサーヘッドで振動を直接検出するため、使用環境を選ぶことなく、幅広い用途で使用可能です。
センサーヘッドには、プレス本体から発生する微小な振動による検出誤差を防ぐための防振対策を施した専用ブラケットを用意しているため検出対象物の振動のみを測定することができます。
D7Sは、地震発生時の二次災害(火災など)を防止するために開発された世界最小位クラスの振動センサーです。
地震による建物被害予測を数値化したSI値演算アルゴリズムと3軸加速度センサーを採用するこにより、震度階級を高精度で測定することが可能です。
D7Sはコンパクト化、高効率化による低消費電力動作を実現しているため、電池を電力源とした長時間駆動にも対応しています。
また、I2Cインターフェースによる通信により、感知したデータを外部から取得することもできます。
SES70は、地震動の合成速度、計測震度相当値、建物被害予測を数値化したSI値を演算・出力する高機能な演算処理が可能な振動センサーです。
小型サーボ型加速度センサと演算部を一体化させることで、コンパクト化とコスト削減を実現し、ユーザーの使用環境に応じたアプリケーションへの出力(アナログ出力、接点出力、通信)を標準搭載しています。
また、地震動の加速度波形の特徴を解析することで、地盤の液状化をシミュレーションする機能も備えています。