フォトカプラについての概要、用途、原理などをご説明します。また、フォトカプラのメーカー13社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。フォトカプラ関連企業の2022年7月注目ランキングは1位:東芝デバイス&ストレージ株式会社、2位:ルネサスエレクトロニクス株式会社、3位:パナソニック株式会社となっています。
フォトカプラとは、発光素子と受光素子で構成された、光信号を通して入力側回路と出力側回路を結合する電子素子です。
Photo Coupler“光でカップリングする”ということに由来しています。
有する性質から、フォトアイソレータやオプティカル絶縁と呼ばれることもあります。
物理的な接触を伴わずに光を介して動作できる技術であり、今や日常生活に欠かすことのできない貴重なものとなっています。
入出力の双方側の絶縁性を高めることができるが大きな特徴であり、ノイズの影響を受けづらいことや比較的低価格という点からも広く用いられています。
フォトカプラの主な用途としては、スイッチング動作です。
例を挙げると、医療用電子機器やノイズを嫌う音響機器や通信機器です。
スイッチを入れることによって回路には電流が流れますが、絶縁性や長寿命という特性を有することから、高い信頼性のもと使用することができます。
また、高出力であるモーターの駆動システムにおいてノイズによる誤動作や周辺機器への影響を防ぐ目的で用いられることもあります。
このように、機器自体の品質維持にとどまらず、外部環境への影響を抑えられることも利点となっています。
フォトカプラの原理は、入力された電気信号を発光素子が光に変換し、受光素子がその光を再度電気信号へ変換しなおすことによって出力側の回路に伝達しなおすというものです。
発光素子にはLED(発光ダイオード)という半導体が用いられており、この発光素子と受光素子は両者が向かい合う形で外の光が遮断されたパッケージ内に取り付けられています。
なお、受光素子にはフォトトランジスタが一般的に採用されています。
フォトトランジスタは何もしなければほとんど電流移動は起きませんが、微弱な信号でもキャッチする感度の高い性質があります。
そこに光を入射することで半導体同士の接続面で光起電力が生じ、電流が流れる仕組みです。
入力側および出力側の回路間を、光を介して結合しますが、この回路には電気的な繋がりはなく、絶縁状態です。
そのため回路内の接続を分離し、信号だけを伝えることが可能であり、入出力において電圧レベルが大きく異なる場合でも、安心して回路間を接続することができるようになっています。
フォトカプラは光を利用した通信デバイスです。発光素子と受光素子でできており、光によって発光側から受光側に情報を伝達します。このデバイスの特徴は入力側と出力側が電気的に完全に絶縁されていることで、信号のみの伝達やレベル差の大きな回路同士を安全に取り持つことができます。フォトカプラには電圧をかけないときにスイッチOFFの状態になり、電圧がかかるとONとなるものと、その逆の、電圧がかかっていないときにスイッチONの状態で、電圧がかかるとOFFとなるものがあります。電圧がかかっていないときを「ノーマリー」、その時に「オン」なのか「オフ」なのかということで、「ノーマリーオン」、「ノーマリーオフ」と呼びます。回路がどちらを要求しているかを調べてから使用しましょう。
フォトカプラに使われる発光素子はLEDです。また、受光素子は一般的にフォトトランジスタが使用されます。フォトトランジスタはフォトダイオードに比べて応答性で若干劣りますが、増幅作用でごく弱い信号も扱える利点があります。
フォトカプラの光路は樹脂でモールドされていて外部の影響を受けませんが、フォトインタプラタと呼ばれるものは光路が露出しており、そこに遮光物を置き、遮光物の有無を検知するセンサーの役割を持たせています。
フォトカプラの重要なパラメータに電流伝達率(CRT)があります。CRTはトランジスタの直流電流増幅率(hFE)に相当するもので、入力順電流(IF)に対する出力電流(IC)の比率です(%:100xIC/IF)。CRTはフォトカプラでは絶縁耐圧と同様に重要な特性で、設計では十分に気を付けるべきパラメータです。CRTは次のような特徴があります。
以上により、回路設計時にはこれらのことを考慮して設計する必要があります。さもないと、出力不足による作動不良を起こす場合も考えられます。フォトカプラのCRTは経年劣化することは先に記しましたが、これにより、フォトカプラの寿命と判断されます。
フォトカプラのCRTは、主に次のような要因で決まります。
この中でLEDの発光効率の影響がフォトカプラの寿命に大きく影響します。
この辺りの経年劣化はカタログ値では判断できないため、余裕を持って設計するとともに、フォトカプラの寿命も念頭に置いた設計、機器の使用が必要です。
電子機器全般に言えることですが、常にノイズの影響を考慮に入れなけれななりません。
フォトカプラにも複数のノイズが生じえますが、代表例として2つのノイズについてご紹介します。
まず、発光-受光間電位差変動によるノイズです。光を伝達手段しているので物理的には繋がっていないはずですが、発光-受光間には目には見えない静電容量(寄生容量)が存在しています。
これにより、Vinを印加したタイミングで強烈なノイズの影響を受ける事が少なくありません。寄生容量を小さくするためには、電源-GND間にパスコンを取り付けるなどの手段と取れば良いのですが、ローパスフィルタを入れることと等価ですので、波形は訛り、動作そのものが遅くなります。
次に受光側電源の立ち上がりによるノイズです。受光に使われているトランジスタ自身も、コレクタ-ベース間に寄生容量を持っています。そのため、コレクタに急峻な立ち上がり電圧が印加されると、寄生容量に電流が流れます。
これにより、コレクタ電流も流れますので、ノイズが付与されることとなります。
特に高耐圧フォトカプラを使う場合は電源の立ち上がりを緩やかにする等の工夫が必要になります。
スイッチのON/OFFが切り替わり回路ではチャタリングが問題となる場合が多く、フォトカプラも例外ではありません。チャタリングが生じると、その信号を受け取った側(例えばマイコン)で、高速に信号が切り替わることになり、誤動作につながる可能性があります。
チャタリング対策として代表的なのが以下3つの案です。
参考文献
https://contents.zaikostore.com/semiconductor/4225/
http://gurochoro.blogspot.com/2017/08/debounce-in-a-microcomputer.html
https://www.renesas.com/us/ja/products/interface-connectivity/optoelectronics/noise-phenomena-photocouplers-optocouplers
https://ednjapan.com/edn/articles/1603/22/news028.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年7月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 東芝デバイス&ストレージ株式会社 | 14.2% |
2 | ルネサスエレクトロニクス株式会社 | 13% |
3 | パナソニック株式会社 | 12.1% |
4 | オン・セミコンダクター | 12.1% |
5 | シャープ株式会社 | 9.7% |
6 | Vishay Intertechnology, Inc. | 8.1% |
7 | コーデンシ株式会社 | 6.5% |
8 | OptoSupply Limited | 4.9% |
9 | ステディセミコンダクタ株式会社 | 4.5% |
10 | Cosmo Electronics Corporation | 4.5% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年7月のフォトカプラページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
フォトカプラ ゲートドライバーカプラーシリーズは、過電流保護機能を内蔵したタイプや、出力電流が6アンペアあるものなど、幅広いバリエーションをそろえています。
過電流が原因でIGBTが故障するのを防ぐために、検出機能やミラークランプ機能を内蔵しています。
主な用途として、IGBTやMOSFETのゲート駆動に適しており、他にも、ノイズの大きな産業用途において、インバーターやサーボなどにも使用することができます。
フォトカプラのPS8101シリーズは、1Mbpsで高CMRアナログ出力の5ピン高速フォトカプラです。
AlGaAs発光ダイオードを入力側に使用し、PINフォトダイオードと増幅用高速トランジスタを出力側に同一チップの上に構成した受光素子を使用しています。
瞬時同相除去電圧が高く、電源電圧が高いことや、素早い応答速度などが特徴です。
ノイズ耐性が高く、小型かつ薄型なので、密度の高い実装が求められる高速インターフェイス回路などの用途に適しています。
フォトカプラ50Mbpsタイプは、受光ICチップを搭載した高速のフォトカプラです。
耐電圧は3750ボルトACで、トーテムポール出力タイプです。
特徴に、50Mbps以上の転送レートによる高速通信や瞬時の同相除去電圧などがあります。
車載用途には対応していませんが、ノイズに対する耐性が強く、高速通信を実現しているので、機器の高速通信インターフェイスや、計測機器、FAネットワークなどの用途に用いられています。
フォトカプラPC357NJ0000Fシリーズは、汎用フォトカプラで、安全規格UL1577 の認定品です。
フォトトランジスタと光結合する赤外発光ダイオードを内蔵しています。
RoHS指令に対応しており、CTRに応じて様々なランク品設定を行えることや、4ピンのミニフラットパッケージで、フロー方式のはんだ付けに対応していることなどが特徴です。
主な用途として、高密度の実装が要求されるハイブリッド基板やプログラマブルコントローラなどがあります。
フォトカプラ6N135Mシリーズは、高速のフォトディテクタ・トランジスタと光結合したAlGaAsLEDによって構成された高速トランジスタ・オプトカプラです。
フォトダイオードのバイアスと区別して接続させて、入力トランジスタのベースコレクタの容量を低減させることで、従来品と比べて、大幅な速度の向上を実現させています。
毎秒1Mビットの高速通信を実現していることや、ノイズに対する強度を高めるためにベース端子を持たないことなどが特徴です。
主な用途として、無停電電源装置や発電と配電や産業用のモーターなどのアプリケーションなどに使用することが出来ます。
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