トルクセンサーのメーカー20社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
トルク(軸をねじる力)を計測するための装置となります。トルクゲージなどと呼ばれることもありますが、メーカーによって、ゲージとメーターを使い分けているところもあります。 用途によって使い分けている例としては、トルクゲージは測定物に対して動作させて測定するもの、トルクセンサーは測定物をトルクセンサーにセットをして測定するものとしています。 機械式と電気式があり、測定の原理が異なります。
用途は多岐にわたりますが、主に試験研究や品質管理のために使用されます。 試験研究の目的では、例えば、試験材料や部品のねじれに対する強度の測定を行ったり、どの程度のねじれが発生しているのかの測定を行ったりします。 品質管理の目的では、製造中の容器のキャップがどの程度の強さで締まっているかの抜き打ち検査などに使用されたり、製造ラインで使用される電動ドライバーなどの工具が正常な範囲で作動しているかの始業前のチェックなどで使用されたりします。
機械式のトルクセンサーは、入力軸に加わった力を、バネを介して表示部のメーターの針を駆動させます。バネの回転角度がバネに加わる力に比例する性質を利用している。 測定のためにバネが変形する必要があるため、測定においては被測定物がある程度回転しなければ計測値は表示されないという特徴があります。 電気式のトルクセンサーは入力軸に加わった力を、測定器内の測定軸に伝えることによって測定軸を歪ませ、その歪を測定することでトルクを測る仕組みとなっています。測定軸の歪は、測定軸の表面に貼られたひずみゲージが変形することにより、ひずみゲージの抵抗値が変わることを利用して測定を行います。機械式と違い歪みによる変形量は微量なため 機械式のトルクセンサーは測定のための変形量が大きいため、必要以上の入力に対してストッパーを設けるなどをして破壊を防ぐことはできますが、電気式のセンサーは変形量が微量なため、必要以上のトルクが加わりやすく、破損や測定値が狂ってしまうこともあるので扱いには注意が必要です。
非接触のトルクセンサーは、回転している状態の軸トルクを検出できるセンサーです。光学式、磁歪式の二つの方式が主流となっています。光学式、磁歪式共に回転する軸にセンサーを設け、トルクによる軸のねじれを検出し、表示計でトルク値を表示します。
光学式は、光学センサーが用いられ 回転スピードに対して、トルク負荷による軸のねじれにより遅れる信号を検出します。光学センサーを用いるため軸の回転に対し抵抗になることが有りません。また、センサー自体をコンパクトにできる利点が有ります。
磁歪式(回転トランス式)は回転軸に取付けられたコイルが発する交流信号をトルク値に置き換えます。多く利用されている方法ですが、検出部が複雑でスペースが必要で安定したデータ取得が難しい構造です。新しい方法として、回転軸に貼り付けたひずみゲージと検出回路に非接触で給電を行い、データを取得する製品も販売されました。
回転トルク検出は通常、モーターにより回転する軸にトルクセンサを設けトルク検出を行いますが、トルクセンサーが内蔵されたモーターも市販されています。これはモーターのユニット自体にトルクセンサーが組み込まれており、別途用意する必要が有りません。装置の構成がコンパクトになり、組込時にトルクセンサ―とモーターの間に必要となる調整が不要です。構造はモーターのパッケージの中にトルクセンサーを内蔵している製品や モーターの電流や電圧で負荷を検出する製品など仕様により複数の方式が有ります。
工業用の多軸ロボットでは、トルク センサは主にモーターの軸のユニットに組込まれていて、ロボットの各アームが駆動するときに、これらのセンサーがモータやギア ボックスにかかるトルク値の検出しています。ロボットアーム部分は、検出したトルク値で動作状態を把握し、動作時の移動量や速度を制御します。
協働ロボットでは、これらのトルク値で人や障害物と接触した事を検出することも行います。
参考文献
https://www.tohnichi.co.jp/products/categories/30
https://www.forcegauge.net/catalog/products/top/torquegauge/torque_gauge
https://www.unipulse.tokyo/productitems/torque-meter/
各種トルクセンサーの値をグラフにプロットし、表にしました。ベータ版機能のため一部製品のみの表示となっております。
横にスクロールすると表の全体をご覧頂けます。
製品名 | 型式 9049 | 型式 9069 | TQ-NR | TQ-AR | UTMⅢ | UTMⅢ (R) | TQ-1000/2000シリーズ | TH-1000/2000シリーズ | TPS-A増幅器内蔵トルクセンサ(変換器) | LTMSS 非回転微小トルクセンサ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最大測定値 [Nm] | 25 | 200 | 0.5 | 10000 | 500 | 500 | 5000 | 20 | 5000 | 20 |
最大使用温度 [℃] | 150 | 150 | 70 | 75 | 50 | 50 | 70 | 60 | 70 | 60 |
会社名 | 日本キスラー株式会社 | 日本キスラー株式会社 | ティアック株式会社 | ティアック株式会社 | ユニパルス株式会社 | ユニパルス株式会社 | 株式会社小野測器 | 株式会社小野測器 | 株式会社共和電業 | 東洋測器株式会社 |
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されているトルクセンサーのカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
TQ-1000Gシリーズ(フルスケールの高精度±0.02%)、TQ-1000/2000 シリーズ(フルスケールの高精度±0.05%)は、従来製品の約20倍の剛性を実現することで、エンジンや駆動系に搭載される高速変動トルクを高精度で測定するために開発されたフランジ型高剛性トルクセンサーです。
また、軸受けの無い薄型フランジ型の構造により、エンジンなどの開店時期に直接装着可能になるように省スペース化が図られています。
さらに、回転部からの信号伝達がトルクセンサーと非接触な構造であるため、設置・メンテナンスが容易という特徴があります。
CS1060は反作用トルクの測定用に設計されたトルクセンサーです。
センシング素子は、薄層ひずみを電圧測定して抵抗値を測定するホイートストン ブリッジ回路を採用しているため、温度安静性に優れた効果を発揮します。
また、オプションにより、高レベル出力に対応した増幅器を組み込むことが可能です。
荷重方向は編時計回り、時計回り(トルクセンサーの精度(% of FS)±0.25)、フルスケールレンジは5-7,000(Nm)、4-5,600(lbf)、使用温度範囲は-20~80℃です。
TQ201/TQM201は、モーターの起動トルクを測定するためのリアクショントルクセンサーです。
TQ201/TQM201は、プラスの抜け止め接続のための耐久性マウントを採用している他、構成材質にステンレスを採用したオールステンレス鋼ケースにより、-54~105℃の工業環境下において高い耐久性を実現しています。
低トルクレンジでのノイズ増を抑えるために、シールドケーブルを採用し、精密かつ高精度での低ノイズ測定が可能なトルクセンサーです。
TFシリーズは、非接触設計によるメンテナンスフリーなフランジ型トルクセンサーです。
トルクセンサーの非接触設計は、①軸方向または半径方向のミスアライメント精度に影響されない測定が可能、②アンテナをセンサーの周りにループさせる必要がないため、信号干渉の影響を受けにくい、という2つの特徴があります。
たま、TFシリーズは、高精度のねじり剛性によりフランジへの直接取り付けを可能にしたことで、コンパクト化および低コスト化を実現しています。
T12HPは使用環境下での温度変化により生じるノイズをほぼゼロに抑えることを可能にしたフレックスレンジトルクセンサーです。
従来デュアルレンジトルクセンサーにおける低レンジ側での信号増幅による測定誤差の課題(ノイズ増、ヒステリシス、寄生負荷など)を、独自のひずみゲージ技術により克服したことで、さらなる高速回転を実現することに成功しています(最高22,000回転に拡張)。
これにより、搬送波方式によりデータ損失が少ない高品質な計測が可能です。