樹脂ケース

樹脂ケースとは

樹脂ケース

樹脂ケースとは、樹脂 (プラスチック) で作られたケースです。

材質はポリプロピレンポリスチレン、PET、アクリルなど様々で、容器のサイズや厚みも幅広く展開されています。材質や厚み、サイズによってケースの耐久性や重量が変わるので、用途に応じて適切なケースを選定します。

樹脂ケースは、プラスチック製なので他のケースに対して基本的に軽く、価格も安めです。そのため、家庭での衣装ボックスから工場の製品保管用のケース、実験室のサンプルボックスなど様々な用途に用いられます。

樹脂ケースの使用用途

1. 一般家庭

一般家庭向けには軽くて透明な樹脂ケースが衣装ボックスなどで使用されます。

2. 製造現場

製造現場では、製品の保管ケースや通い箱として厚くて丈夫な樹脂ケースが用いられます。

3. その他

用途に応じて、様々な樹脂ケースが販売されています。例えば、通信機器やブレーカを覆う防水、防塵の樹脂ボックスや薬品等が付着する可能性がある実験室用の耐薬品樹脂ケース、半導体やシリコン基板運搬用のケースなどが挙げられます。

樹脂ケースの特徴

プラスチックは基本的に帯電しやすいため、樹脂ケースは静電気が溜まりやすいです。静電気が溜まりやすく、電子機器や半導体など静電気に弱い製品の保管には向いていません。これらの製品を保管、運搬する場合は導電性のケースを用いることが望ましいです。

静電気によって大気中のホコリやちりがケースに付着する可能性があるため、これらの小さなゴミの混入を防ぐ場合はロック式の蓋がついたケースを使用すると良いです。

樹脂ケースの種類

1. ABS樹脂

ABS樹脂は、3つのモノマーで構成された共重合体であり、優れた特性を持っています。この樹脂は非常に耐衝撃性に富んでおり、ケース内のコンテンツを外部の衝撃から保護するのに非常に適しています。また、耐摩耗性が高いため、ケースが頻繁に使用される環境でも劣化しにくいのが特徴です。

ABS樹脂は耐候性がやや劣りますが、塗装やコーティングにより改善することも可能です。一般的に家庭用品から電子機器のケース、自動車部品まで幅広い製品に利用されています。

2. PC樹脂

PC樹脂は透明性に優れ、ガラスに匹敵する高い透明性と耐候性を持っています。この特性により、光学機器や照明製品、スマートフォンの保護ケース、タブレットのスクリーンプロテクターなどに広く用いられます。

PC樹脂は耐熱性が高く、耐薬品性もあるため、工業製品や自動車部品の耐久性が求められる部分にも利用される製品です。ただし、高品質のPC樹脂は比較的高価であるため、コストが重要な要素となる場合は他の樹脂との比較が行われることもあります。

3. PP樹脂

PP樹脂は軽量で、耐薬品性、耐熱性、電気絶縁性に優れています。これらの特性から、化学品の容器、電子部品の収納ケース、自動車内装パーツなどに幅広く利用されています。PP樹脂は比較的低コストで入手可能であり、加工性にも優れているため、大量生産に適した製品です。

リサイクル性が高く、環境にやさしい素材としても注目されています。ただし、高温環境での使用には適さない場合があるため、適切な用途を選ぶ必要があります。

4. PE樹脂

PE樹脂は柔軟性と耐久性に優れており、非常に軽量であるため、屋外用品やスポーツ用具、軍事用ケースなどに広く使用されます。耐寒性にも優れており、低温環境でも適切に機能した樹脂です。

PE樹脂は化学的に安定しており、薬品に対しても耐性があります。さらに、防水性が高いため、海外での輸送や悪天候下での使用にも適しています。ただし、一部のPE樹脂は紫外線に対して劣化しやすいため、長期間の屋外露出には注意が必要です。

樹脂ケースのその他情報

樹脂ケースの材質

樹脂ケースは、プラスチックで作られているため軽く、持ち運びやすさに優れています。容器のサイズや厚みも様々であり、幅広い用途に用いられます。樹脂ケースの材質はポリプロピレン、ポリスチレン、PET、アクリルなど様々です。

材質によって耐久性や耐荷重、耐候性が異なるため用途に応じて適切なものを選定する必要があります。樹脂ケースは有機溶媒への耐性が高くありません。薬品と接触する可能性がある場合、フッ素系樹脂など耐薬品性の高いケースが必要です。

参考文献
https://www.monotaro.com/
https://www.settsu.co.jp/catalogs/midsrcb/16

テレセントリックレンズ

テレセントリックレンズとはテレセントリックレンズ

テレセントリックレンズとは、主光線と光軸が平行になるレンズのことです。

このレンズを用いて撮影することで、画角がなく視差による誤差のない画像を取り込むことができます。凹凸や奥行きのある対象物でも一定の倍率で読み込むことが可能で、精密処理に適しています。また、立体感のない画像を作ることができるので画像の中心と端での歪みを生じさせず、微小な傷の検査やガラス面のような光を反射しやすい物体のごみ検出に利用されます。

テレセントリックレンズの使用用途

テレセントリックレンズは様々な用途で使用されます。例えば立体物の検査です。

ピンなどの立体的な部品を通常のレンズで撮影すると、中心と端とで様子の違う形の画像になります。これは視差によって対象が歪められているからです。しかし、テレセントリックレンズを用いることで歪みがなく正確な画像を読み取ることができます。

また、ごみや傷の検査でも使用されます。視差による見逃しを防ぐことができることはもちろん、ごみや傷を見つけやすいからです。テレセントリックレンズを用いることで光の反射率をコントラストの差として読み取ることが可能で、微細なごみや傷を発見できます。

テレセントリックレンズの原理

テレセントリックレンズは主光線と光軸が平行であることが特徴的ですが、レンズの使い方によって主に三種類に分けられます。

物体側テレセントリックレンズ

物体側にレンズが置かれ、物体側のみ主光線が平行な構造をしています。対象物が前後しても大きさが変化せずに正確に測定することができます。比較的小型に設定することも可能なタイプになります。

像側テレセントリックレンズ

像側にレンズが置かれ、像側のみ主光線が平行な構造をしています。対象物が前後すると像の大きさや寸法は変化してしまいます。しかし、像面で明るさが均一になることがメリットです。

両側テレセントリックレンズ

レンズが二つ使われ、物体側でも像側でも主光線が平行な構造をしています。対象物が前後しても大きさが変化せずに正確に測定することが可能で、物体側テレセントリックレンズよりも精度が高いです。しかし、大型になってしまう点とコストが高くなってしまう点がデメリットです。

テレセントリックレンズのその他情報

テレセントリックレンズのデメリット

テレセントリックレンズのデメリットは、レンズが大口径化する可能性が高いという点です。CCD/CMOS素子面に対して垂直に入射する光線のみを結像させますので、その系に適したレンズ径は素子寸法に依存します。

また、撮像対象が小さい場合は応じてレンズ径も小さくて済みますが、対象のサイズに相関してレンズ径は大きくならざるを得ません。そのため、スペース的な制約が大きい箇所にテレセントリックレンズを用いることは困難です。

また、両眼視差などを利用してカメラの剛体変換を行う系(たとえばVRやAR)には適していません。理由は奥行き情報が失われるからです。平行光のみを抽出しますので、奥にある物体も手前にある物体も同じ倍率で画像として取り込んでしまいます。

これによって、3次元剛体変換には適していません。メリットも使い方によればデメリットとなりえますので、注意が必要です。

テレセントリックレンズのキャリブレーション

ここで一点注意したいのは、テレセントリックレンズが理想的なレンズ、というわけではありません。

誤差がないと表現したのは、あくまで通常のレンズと比較して画角に起因する誤差が低減できるから理想に近い条件である、という意味です。たとえば、ディストーションに着目した場合、レンズにも依るので一概には言えませんが、±0.5%の光学ディストーションが生じるのが一般的です。

もちろん、通常レンズと比較してディストーションレベルが小さいことに変わりはありません。通常レンズだと±20%以上もざらに存在します。ディストーション一点に着目した場合の性能差は一目瞭然です。

繰り返しになりますが、テレセントリックレンズを用いるとディストーションがゼロになるわけではないことを念頭に置いてください。もちろん、±0.5%の誤差が性能に影響を与えないならディストーション補正は必要なく、その系にとっては理想的なレンズであることにほかなりません。

しかし、これが性能に影響を与える場合は、通常レンズと同様にソフトウェアもしくはハードウェアでのディストーション補正が必要となります。

MPU

MPUとは

MPU (英:Micro Processing Unit) とは、プログラムに従って数値演算処理や論理演算処理を行う半導体デバイスです。

マイクロプロセッサとも呼ばれ、コンピュータの中心的な役割を担います。コンピュータが生まれた頃の半導体技術では1チップ上に集積できるトランジスタ数は数千個でしたが、最近では10億個のトランジスタを集積できるようになっており、MPUの中に取り込まれる機能も増えることで機器の小型軽量化や低消費電力化に大きく貢献しています。

MPUの使用用途

MPUは全てのコンピュータに搭載されています。コンピュータはこのMPUを中心に、メモリ、SSD、HDDなどの記憶装置、キーボード、マウス、モニター、スピーカーなどの入出力装置から構成されます。

現在ではインターネット接続のためのインターフェースを標準で備え、更にグラフィックス処理用のGPU (英: Graphics Processing Unit) や、AI処理用のベクトルプロセッサを搭載することもあり、3DCGや各種の認識等にも用いられます。

MPUに似たデバイスとしてMCU (英: Micro Controll Unit) があります。MPUがコンピュータを中心とする汎用的な製品に搭載されるのに対し、MCUはAV機器を代表とする家電製品、産業用機器、自動車などに搭載され、機器の制御を行うという限定的な用途に用いられます。

近年ではスマートフォンに代表されるように限定的な用途の装置上でユーザプログラムを実行する製品も増え、MPUとMCUの境界は曖昧になってきています。

MPUの原理

MPUの中には中央処理装置CPU (英: Central Processing Unit) があり、メモリから読みだした命令とデータを処理します。また、メモリ管理ユニットを内蔵して、プログラムから見える論理アドレスとハードウェアから見える物理アドレスの変換を行い、更にキャッシュメモリを内蔵することでメモリアクセスを高速化し、プログラム処理時間を短縮しています。

MPU全体は内蔵されたクロックジェネレータで生成されるクロックで動きます。数GHzのクロックで動作するMPUもあり、この場合は1秒間に数十億回の計算が可能です。

MPUでの処理結果は、出力装置であるモニター、スピーカー、プリンタ等にも送られ、それぞれのデバイスの動作を制御します。

MPUの種類

MPUはアーキテクチャによりCISCとRISCの2種類に大別されます。アーキテクチャは設計思想を表し、具体的には命令セットを指します。

命令セットとはMPUが直接読み込む命令のセットで、0と1で表現されます。通常のプログラミングでは高級言語と呼ばれるプログラミング言語を使用しますが、OSのコンパイラによって0/1で表現される命令セットに変換され、MPUで実行されます。

1. CISC

CISC (英: Complex Instruction Set) は1つの命令が一連の複雑な処理を実行する方式で、できるだけ少ない命令回数で処理を済ませることで、マイコンのパフォーマンスアップを狙う演算方式と言えます。

中にはシンプルな処理を実行する命令もあり、その場合は命令のビット長を短くするため可変長命令セットとも呼ばれ、プログラムサイズのコンパクト化に繋がります。このため、あらかじめ決められたプログラムだけを内蔵ROMに書き込んで処理を実行する制御用途向けで多用されます。

2. RISC

RISC (英: Reduced Instruction Set) は1つの命令が簡単な処理しか行わないため、1つ1つの命令実行速度が高速になります。クロックの動作周波数を上げて命令実行を多数回行うことでマイコンのパフォーマンスアップにつなげる方式です。RISCでは命令のビット長は固定されており、固定長命令セットとも呼ばれ、コンピュータなどの汎用的な用途向けです。

なお、上記2つのタイプより見かける事は少ないですが、128ビット以上の命令長で,複数の命令を同時に高速実行するVLIW (英: Very Long Instruction Word) というタイプのMPUもあります。

MPUのその他情報

MPUの進化

MPUは半導体技術と一緒に進化してきました。世界で最初のMPUは日本人が作った4ビットのIntel4040です。10umのプロセスルールで製造されており、2,200個のトランジスタが集積され750KHzで動作しました。

最新のMPUは数nmのプロセスルールで製造され、数十億個のトランジスタが集積され数GHzで動作します。半導体技術は原子のサイズの壁に近づいていますが、これまで平面上に形成されていたトランジスタを縦方向にも形成する技術開発により進化を継続しようとしています。

一方、半導体で作られているMPUを光デバイスで実現しようとする動きや、更には量子プロセッサの実現に向けても研究開発が進められており、今後もMPUの進化が続くと考えられます。

参考文献
https://www.tel.co.jp/museum/exhibition/principle/microprocessor.html
https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/innovation/mpuworks.html
https://ednjapan.com/edn/articles/1404/07/news001.html
http://mh.rgr.jp/memo/mp0102.htm
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/2006/26/news067.html

サーモマーカ

サーモマーカとは

サーモマーカーは高温になると色が変わる

サーモマーカとは一定の温度を上回ると色が変化するマーカーです。一度色が変化すると元の色に戻らないため、サーモマーカの色が変化したところは高温になっている、もしくは一時的に高温になったことが視覚的にわかります。

ネジの締まり具合の確認にも利用可能

サーモマーカでネジの頭に線を引くことで示温シールの代わりとして使えるほか、ネジの締まり具合を視覚的に確認することができます。なお、紫外線によってサーモマーカの印は退色するため、屋外の使用には適していません。

サーモマーカの使用用途

ボイラー等の高温になる装置のネジに用いられる

サーモマーカは配管や電気設備、ボイラーなど局所的に高温になる危険性がある装置のネジや銅バーに用いられます。一般的に装置表面の温度を確認するには示温シールを用いますが、シールは剥がれたり接着力が弱いことがあるため、代わりにサーモマーカが用いられます。

ネジの緩みを確認するためにも用いられる

サーモマーカを使用するときはネジを締めた状態でネジを横断するように線を引きます。これによって表面の温度がわかるほか、装置の駆動中にネジが緩んだ場合に線がずれるため、ネジが緩んでいることも確認できます。

サーモマーカの特徴

サーモマーカーは温度が上がると色が変わり、元に戻らない

サーモマーカは油性ペンの一種です。室温では赤色ですが40℃から変色が始まり、80℃を超えると黄色になります。そして一度変色したら室温に戻った後も色が戻ることはありません。したがって、サーモマーカが変色した箇所を確認したら温度上昇している場所を特定できたり、蒸気等の漏れが発生している場所がわかります。また色が変化しているので高温であることを作業者に注意喚起することができます。ただし-25℃以下になると一度変色したマーカが元の色に戻る可能性があるため、使用場所の温度には注意が必要です。

サーモマーカーは耐候性に劣る、また剥がれやすいので注意

サーモマーカはインクの性質上、耐候性はあまり高くありません。そのため屋外で使用すると退色して色が判別しにくくなる可能性があります。また、一部のゴムやガムテープ、テフロンにはマーキングすることができません。使用前に試し書きを行い、対象にしっかりと色が付くことを確認してから現場で使用することを推奨します。なお、サーモマーカは通常のインクよりも剥がれやすいため、爪でこすったり摩擦を加えると色が落ちる可能性があります。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/221004906565/
https://www.inaba.co.jp/jappy/610/016/690-360-65010.html

自動スプレーガン

自動スプレーガンとは

自動スプレーガンとは、自動で液体を噴霧する機械です。

噴霧する液体は様々で、水や油、塗装剤などで使用されます。指定した方向や角度に均一に吹きかけることが可能で、質の高い表面処理ができます。自動スプレーガンは、様々な製品の製造ラインで利用されている機械の1つです。

使用する液体や用途に応じて様々なタイプの物があり、手に持って使うタイプや設置するタイプの自動スプレーガンもあるなど、種類の豊富さも特徴です。設置型の自動スプレーガンは、製造過程の中でロボットに取り付けられて使われることもあります。

自動スプレーガンの使用用途

自動スプレーガンは、様々な製品の製造過程で使用されます。

1. 工業用塗装

自動スプレーガンは、自動車製造、航空機製造、家具製造など、工業用の塗装プロセスで広く使用されています。自動車においては、ボディの塗装は素早い完成と均一な制度が求められ、人の手では難しい作業です。

自動スプレーガンを使用することでロボットに取り付けられて自動車の塗装が行われるため、均一な塗膜を形成し、効率的に大量の部品や表面を塗装することが可能です。

2. 木工および家具製造

木材や家具の塗装、コーティング、仕上げに自動スプレーガンが使用されます。木材表面に均一な仕上げを施すことが可能です。

3. 金属コーティング

金属製品や部品にコーティングを施すために使用されます。防食コーティング、防錆コーティング、表面処理などが含まれます。

4. プラスチック成形

プラスチック製品は、表面処理や塗装を行うことがありますが、そのプロセスで活躍するのが自動スプレーガンです。これにより、プラスチック部品の外観や機能性を向上させることができます。

5. 電子機器製造

電子機器の基板やケースにコーティングを施すために使用されます。これにより、電子機器の外観や電磁シールド効果を向上させることが可能です。

6. 農業および園芸

自動スプレーガンは、農薬、肥料、除草剤などの農業用化学物質の散布に使用されます。農作物の保護や育成に貢献します。

7. 食品加工

食品産業で使用される場面としては、食品のコーティング、グレージング、風味付けなどです。食品に合わせて均一に噴射できるため、品質と外観を向上させることが可能です。

これらの用途以外にも、自動スプレーガンはさまざまな産業およびプロセスで使用され、塗料、コーティング、化学薬品、農薬、食品など、さまざまな材料の噴霧に貢献しています。

自動スプレーガンの原理

自動スプレーガンの主な機能は、以下の3つです。

1. 供給

供給の方法は主に2種類です。液体や粉末はフルード供給システムを通じてスプレーガンに供給され、圧縮空気はエア供給システムを通じてスプレーガンに供給されます。

フルード供給システムを通じて供給される材料は、特定の粘度や流動性を持っていることが重要です。エア供給の場合は、噴霧のパラメータを制御するために圧力や流量を細やかに調整しなければなりません。

2. 噴霧

液体や粉末は、スプレーガンヘッドから噴霧ノズルと呼ばれる小さな開口部に到達した後にエアブラストによって細かい粒子に変化することで噴射されます。エアブラストは液体または粉末を吹き飛ばし、所望の表面に均一に塗布またはコーティングすることが可能です。

ノズルの形状とサイズは、噴霧される液体の粒子サイズを制御するために適切な規格のものを選ぶ必要があります。

3. 制御

自動スプレーガンは通常、制御ユニットによって操作され、噴霧パターン、流量、圧力などのパラメータが調整されます。これにより、噴霧の一貫性と品質を確保することができます。

自動スプレーガンの選び方

自動スプレーガンを選ぶ際は、噴霧パターンの形状やサイズを考慮することが重要です。

1. 噴霧材料

噴霧材料の粘度に応じて適切な圧力と流量を提供できるスプレーガンを選ぶことも重要です。また、広範囲に均等に塗布する必要がある場合や、細かい噴霧が必要な場合など、要求される噴霧特性に合わせてスプレーガンを選択します。

2. メンテナンス性

メンテナンスやクリーニングの容易さを考慮することも必要です。作業の効率を高めるために、簡単に分解・洗浄できるモデルを選ぶことが重要です。

圧縮減容機

圧縮減容機とは

圧縮減容機

圧縮減容機とは、高い圧力を加えることによってごみを圧縮し容積を小さくする装置のことです。高い油圧をかけることで多くの場所をとってしまうごみをコンパクトにまとめることができます。ごみの保管スペースを削減することができる上に、ごみの収集や運搬にかかるコストを下げることができます。特に大量の廃棄物が出る食品加工現場や建設現場、プラスチック製品の工場で利用されます。また、大型のものは生産ラインと直結して使用されています。

圧縮減容機の使用用途

圧縮減容機は大量のごみが発生する場所で使われます。例えば建材加工工場です。大量の木材や木屑のごみが発生する現場なので、廃棄物の処理が非常に大変です。しかし、圧縮減容機を利用することでごみの容積を小さくし、コストを削減しているのです。また、プラスチック製品の製造工場でも広く使われています。プラスチックや発泡スチロールなどは圧縮することで大幅に容積を小さくすることができます。また、熱処理を行わずコンパクトにできるため、リサイクルに回すこともできます。

圧縮減容機の原理

圧縮減容機はごみを圧縮し、容積を小さくするために利用されます。ここでは、様々なごみが圧縮される原理や特徴についてご紹介します。

密閉空間に入れられたごみは数十トンもの高い油圧で圧縮されます。原理はシンプルで、圧縮板によって押しつぶされて容積が減っていきます。大規模な装置だと500kg以上のごみを一度に圧縮できるものあり、工場の製造ラインに直結されています。

また、発泡スチロールなどの脆いごみは一度粉砕されてから圧縮されます。大型の刃がついた粉砕部を通ることで細かく砕かれ、その後に圧縮されます。圧縮後は均等な形になり運搬や処理がしやすくなるのです。また、熱を加えず処理しているためリサイクルに支障が出ずに環境にも優しい方法です。しかし、圧縮時の摩擦で多少の熱が発生してしまうため、冷却水を用いる必要があります。

さらに、手軽に使える小型の装置もあります。紙類やペットボトル、缶などを圧縮できる装置でオフィスや商業施設に設置されています。

参考文献
https://www.moriyas.co.jp/product/kankyo_setubi/ippan_gomi/powerpress40.html
https://www.elcom-jp.com/products/compactor/styros

CPU

CPUとは

CPU

CPU (英: Central Processing Unit) とは、コンピュータの演算や制御を担当する装置です。

中央処理装置と訳され、コンピュータの中核となる重要な部品要素です。算術演算や論理演算を実行し、データ処理を行います。これにより、コンピュータは計算やデータ処理のタスクが実行することが可能です。

CPUは制御ユニット (英: Control Unit) と演算ユニット (英: Arithmetic Logic Unit) から構成されます。制御ユニットはプログラムの実行を制御し、演算ユニットは演算と論理処理を担当します。近年のCPUは複数の演算ユニット (コア) を持っており、複数タスクを同時に処理することが可能です。

CPUの使用用途

CPUはコンピュータの中核的な部品要素であり、さまざまな用途に使用されます。以下はCPUの主な使用用途です。

1. OA機器

OA機器のオフィス用アプリケーションは、ビジネス環境で広く使用されるソフトウェアです。主に文書作成やデータ処理、プレゼンテーション用資料作成などのタスクをサポートします。CPUはアプリケーションフォーマット設定やグラフィックス操作などを実行する役割を果たす装置です。

2. ゲーム

ゲームはCPUの性能を要求する高負荷な用途の1つです。リアルタイムの3Dグラフィックスや物理シミュレーションなどをCPUによって処理する必要があります。

高性能なCPUを使用することで、ゲームの応答性やフレームレートを向上させることが可能です。

3. 科学演算

科学・工学の分野では大量の数値データを処理して複雑な計算を実行する必要があります。CPUは数値シミュレーションや気象モデリング、統計解析などの科学計算タスクに使用されます。特に高性能なマルチコアCPUやGPUが、科学計算において重要です。

4. サーバー

サーバーコンピュータは、ネットワーク上で複数のクライアントからのリクエストを処理するために使用されます。データベース操作やウェブページの提供、ファイルの保存などを行うことが可能です。サーバー用CPUは同時に多数のリクエストを処理できる高性能なプロセッサであり、可用性と応答性を確保する役割を果たします。

CPUの原理

CPUはプログラムの実行やデータ処理・制御を担当するために設計されており、特定の命令セットアーキテクチャ (ISA) に従って動作します。ISAはCPUが理解し実行できる命令のセットです。この命令は、データを読み書きしたり、演算を行ったり、条件分岐したりするために発行されます。

CPU動作の基本的なサイクルは「フェッチ・デコード・実行」です。フェッチによってプログラムカウンタから次の命令をメモリから取得し、デコードによって取得した命令を解釈して実行する動作を決定します。最後に、命令が指示する操作を実際に実行する仕組みです。

また、CPUの動作原理は、コンピュータアーキテクチャやISAに依存します。メーカーが異なるとCPUの内部構造も異なる場合がありますが、上記の基本原則は一般的なCPUに適用されます。 CPUはコンピュータの「脳」として機能し、プログラムの実行やデータ処理の中心的な役割を果たす装置です。

CPUの選び方

CPUを選ぶ際には考慮すべき要素が存在します。以下はCPUを選ぶ際の選定要素一例です。

1. コア数

コア数はCPU内に存在する独立した演算ユニットの数です。現代のCPUは複数のコアを持っており、複数のタスクを同時に処理できます。コア数が多いほどマルチタスク処理のパフォーマンスが向上します。

2. クロック速度

クロック速度は、CPUが一秒間にクロックサイクルを何回行うかを示す指標です。一般的にはギガヘルツ (GHz) で表されます。高いクロック速度のCPUは、単一タスクを高速に処理するのに適しています。

3. TDP(Thermal Design Power)

TDPはCPUが発生する熱の最大許容値です。低いTDPのCPUは省エネで、高いTDPのCPUは高性能である傾向があります。TDPは冷却機器の選定やシステムの冷却設計に影響を与えます。

4. キャッシュ容量

CPU内には高速なキャッシュメモリが存在することが多いです。キャッシュ容量が多いほど、データのアクセスが高速化され、パフォーマンスが向上します。データ処理が多いアプリケーションや大規模なデータベース操作において重要です。

CPUのその他情報

1. CPUのアーキテクチャ

CPUには、アーキテクチャと呼ばれる基本設計があります。アーキテクチャはCPUの最も根幹となる部分であり、命令処理をどのように行うかなどが設計されたものです。CPUはメインメモリや内部キャッシュを利用して演算処理を行いますが、アーキテクチャによりその処理方法や演算ルールが異なります。

より表層レイアであるアプリケーションレベルでもこれらの違いが影響するため、OSやアプリケーションはCPUのアーキテクチャに合わせて設計を行うことが必要です。CPUのアーキテクチャには世代が存在し、おおむね数年ごとに更新されます。

アーキテクチャはCPUの性能に大きく影響するため、CPUを選択するときはどのアーキテクチャによるものなのかをチェックします。 

2. CPUの排熱

CPUの性能を最大限に引き出すためには、排熱処理が重要です。動作熱で高温となったCPUはさまざまな不具合を発生させるため、ファンを取り付けて排熱を行う場合が一般的です。CPUとファンの接触部には熱伝導性を高めるためにグリスを塗り、ファンによる排熱性能を高めます。

水循環で冷却する水冷式CPUも存在します。水冷式は冷却効果が高い反面、コストが高く、故障時に冷却液が漏れるリスクがあることに注意が必要です。

参考文献
https://www.tel.co.jp/museum/exhibition/principle/microprocessor.html
https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/innovation/mpuworks.html
https://www.gsic.titech.ac.jp/matsuda/l/CS/arch/index.htm
http://www.pasonisan.com/pc-cpu/base-architecture.html

ピンホール検出器

ピンホール検出器とは

ピンホール検出器

ピンホール検出器とは、ピンホールと呼ばれる装置欠陥を検出するための装置のことです。

*ピンホールとは

ピンホールとは、製品に生じる微小な穴のことを指します。

ほとんどが目に見えないほど小さいものですが、内容物の漏れや腐食、装置の不具合など、重大なトラブルを引き起こす恐れがあります。

ピンホールの主な発生原因としては、以下のようなものがあります。

  • 衝撃や輸送時の振動による損傷
  • 金属のメッキ処理や溶接作業中に発生するガスによる気泡

 

このようなピンホールを迅速に発見するために、さまざまな方式のピンホール検出器が使われています。

ピンホール検出器の使用用途

ピンホール検出器は、製品の欠陥や装置の不具合を防ぐために、ピンホール(ごく小さな穴)を見つける装置です。

ピンホールは内容物の漏れや腐食を引き起こすため、すぐに見つける必要があります。ピンホール検出器は以下のような場面で使われます。

包装容器

製品を包む容器にピンホールがあると、内容物が漏れたり腐敗したりするリスクがあります。

メッキや塗装工程

塗装時に発生するガスによりピンホールが生じることがあります。検出器を使って早期に発見し、品質維持につなげます。

ピンホール検出器の原理

ピンホール検出器には様々な方式があります。ここでは代表的な検査方法の原理や特徴などをいくつかご紹介します。

1. 放電式検査

放電現象を利用してピンホールを見つける方法です。

検査対象物の表と裏に電極を取り付け、高電圧をかけます。ピンホールがあると、その部分で放電現象が起こり、穴を検出できます。

注意点
*絶縁体にできたピンホールにしか使えません。
*塗装や薄膜では高電圧によって傷がつく恐れがあります。

2. 超音波検査

超音波を利用してピンホールを検出する方法です。

容器などの対象物にピンホールがある場合、圧力差などで穴から空気が漏れ、微小な超音波が発生します。

この超音波を検出することで、ピンホールの位置や大きさが分かります。

3. 気泡(発泡)検査

ピンホールから漏れ出す空気やガスを、泡で見つける方法です。

検査対象物に石けん水などの液体を塗布し、ピンホールから漏れ出る空気により泡が生じるのを確認します。

シンプルですが、小さなピンホールの検出には時間がかかるという欠点があります。

参考文献
http://www.sanko-denshi.co.jp/pinhole/syo-sai2.html

医療用被膜剤

被膜剤とは

被膜剤とは、皮膚に被膜を形成する薬剤です。皮膚や皮膚の傷口を保護するために用いられています。

被膜剤を皮膚に塗布すると、撥水性を持つ被膜が皮膚上に形成されます。この被膜は撥水性を長時間発揮し、水や刺激性を有する物質を通さないため、皮膚を刺激から守ることができるのです。

撥水性のあるこの被膜は、水洗いをしても通常は剥がれません。被膜は取り除かなくても問題ありませんが、市販されている皮膚用の剥離剤で剥がすことも可能です。

被膜剤の使用用途

被膜剤は、皮膚上に撥水性の被膜を形成する製品です。そのため、健常な皮膚や傷のある皮膚を保護する目的で使用されるのが一般的です。

主な使用例としては、便や消化液、尿などの水分や刺激性のものから皮膚を保護するケースなどが挙げられるでしょう。この用途で使用する場合は、傷口の周囲や失禁部位、人工肛門の周囲などに塗布されます。

摩擦やずれに対する保護を目的として、赤みまたは肌荒れが見られる皮膚に使用することもあります。医療用粘着テープなど、皮膚に貼った粘着製品の剥離時における痛み防止などが代表的な事例です。 

被膜剤の原理

被膜剤には被膜を形成する成分と、それを溶かすための溶剤が含まれています。

被膜を形成する成分としては、アクリル系の共重合体やポリフェニルメチルシロキサン、2-オクチルシアノアクリレートなどが挙げられます。皮膚に塗布した被膜剤が乾燥すると、これらの成分の働きにより、皮膚の形状に合った被膜が形成されるのです。

この被膜は保護機能を発揮するために必要な撥水性に加えて、無色透明、伸縮性があるなど、皮膚に塗布するのに適した特性を兼ね備えています。水分を通さない一方、酸素および水蒸気は通すので、皮膚自体への悪影響はありません。

被膜成分を溶かすための溶剤としては、ヘキサメチルジシロキサン、イソオクタンなどが代表的です。これらの溶剤は速乾性を有するため、皮膚に塗ってから乾くまでの時間が短いという特徴があります。

一般的な溶剤であるアルコールは皮膚や傷口にしみやすく、傷んだ皮膚への痛みが生じてしまうため、被膜剤の溶剤には適していません。例に挙げたような非アルコール系の溶剤は皮膚にしみにくく、これらを採用することで、塗布の際の皮膚への刺激を抑えることができます。

皮膚被膜剤の効果

皮膚被膜剤は、体内から出る汗や尿などの排泄物より、皮膚が受ける化学的刺激を低減し保護する役目があります。

この刺激低減は皮膚バリアとも呼ばれます。

刺激低減以外にも求められる効果があり、具体的な作用に関しては以下の項目が挙げられます。

  • 刺激を和らげる緩衝作用
  • 吸水
  • 保水作用
  • 皮膚への粘着作用
  • 菌を繁殖させないようにする静菌作用

上記の効果は、皮膚に薄い透明な膜を形成しても発揮することが皮膚被膜剤の条件といってもよいでしょう。

そのため医療時には、医用テープやストーマ装具装着のとき、下塗り用として使用されることが多いです。

皮膚被膜剤の種類

皮膚被膜剤の種類は大別すると、以下の2つに分けられます。

1、ワイプタイプ

ウェットティッシュのように1枚ずつ取り出して使用するものや、個包装となっているものがあります。 シート状になるため、保護したい患部を的確に狙って塗付することで肌に透明な膜を形成することが可能です。 速乾性ですが、製品によっては保湿成分を含有しているものがあります。

2、スプレータイプ

被膜剤を霧状で噴射するタイプになり、持ち運びがとても便利です。 肌に直接吹き付けるため、1人でも膜を形成できますが、ワイプタイプのように狙った箇所のみに膜を形成することは難しいです。 ワイプタイプ同様、速乾性と商品によっては保湿成分が含まれているものがあります。

市販されている被膜剤

以下に市販されている代表的な被膜剤を挙げます。

  • アダプト保護膜パック:アルコールフリーの滅菌処理がされています。
  • ウロレップ:低アルコール性、特殊ポリマー膜で敏感肌を護ります。
  • ブラバ皮膚被膜剤ワイプ:お肌の厚み感、ツッパリ感のない膜を形成します。
  • シレッセ皮膚被膜剤スプレー:アルコール・オイルフリーのスプレータイプで、排泄物からのダメージを保護します。
  • リモイスコート:微粒子構造の被膜が特徴で、つっぱり感、むれ感を抑えます。
  • キャビロン被膜スプレータイプ:膜耐久性、バリア、低刺激性に優れています。

上記以外にも市販されている様々な被膜剤があります。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsscr/30/3/30_66/_pdf/-char/ja 根本秀美
https://www.zaitac.co.jp/topics/detail.php?id=76

粉塵測定器

粉塵測定器とは

粉塵測定器

粉じん測定器とは、気体中の粒子を計測するために用いられる装置です。粉じん計やダストモニタとも呼ばれており、作業環境測定や、ビル管理のための粒子測定に使用されています。

気体中の粒子を測定できる装置としては、粉じん測定器の他にパーティクルカウンターがあります。こちらは医薬品や医療器具の製造工場内に設けられたクリーンルームや、品質試験用のアイソレータなど、粉じん測定器よりも清浄度の高い空間での使用を想定して設計されている製品です。 

粉塵測定器の使用用途

粉じん測定器は、清浄な空間での使用を前提としているパーティクルカウンターと異なり、ある程度浮遊粒子が多い場所で用いられる装置です。清浄度が管理されていない一般の部屋や屋外、もしくは工場など、さらに粒子濃度が高い空間での測定に適しています。

大気中で測定を実施できるので、PM2.5の測定を行う場合は粉じん測定器が使用されています。オイルミストを含めたミストについては、オイルによる装置内部の汚染やオイルミストの種類ごとに感受性が変わるといった課題があり、測定が難しい場合も珍しくありません。 

粉塵測定器の原理

粉じん測定器の測定方式にはいくつか種類があり、代表的なものとしては光散乱方式、ピエゾバランス(圧電天秤)方式などが挙げられます。このうち粉じん測定器で最も広く利用されているのは光散乱方式です。

気体中の粒子に光を入射すると、光の散乱が起こります。この散乱光の量は粉じん濃度に比例することが知られているため、散乱光量を測定することで粉じん濃度を推定できます。これが光散乱方式の測定原理です。

光散乱方式の注意点としては、粒子の性状が均一という前提条件を元にしていることです。この条件を満たしている場合は測定結果の再現性が良くなりますが、さまざまな性状の粒子が混在しているような場合は、測定結果の妥当性をその都度確認する必要があります。

一方ピエゾバランス方式では、天秤上に捕集した粒子の質量を測定することで、吸引した空気中の粉じん濃度を求めています。こちらの方式では粒子の質量を測定しているため、光散乱方式と異なり、粒子の性状による影響を受けないという利点があります。デメリットとしては、捕集できる粒子の量に限界があるため、定期的なクリーニングを必須とする点が挙げられます。 

参考文献
http://www.kanomax.co.jp/technical/detail_0030.html
https://www.transtech.co.jp/product/particle-qa
https://www.sibata.co.jp/faq/faq_digitalfunjin/