ロータリースイッチとは
ロータリースイッチ (Rotary Switch) とは、回転させることで接点を切り替えるスイッチです。
オーディオコンポの音量ボリューム調節や、電子レンジのつまみなどで使用されます。ロータリースイッチの多くは複数接点の切り替えに利用されますが、1接点のみを切り替えるスイッチも販売されています。最近では超小型のロータリースイッチも開発されており、音声機器などの小型化に寄与しています。
ロータリースイッチの使用用途
ロータリースイッチは、身近な家電製品から産業用機器まで幅広い用途で使用されます。具体的な使用用途は、以下の通りです。
- オーディオコンポの音量ボリューム調節
- 電子レンジの出力設定
- 扇風機の電源や強弱の切替
- 測定機械や通信機器のボリューム切替
- インバータや空調機などの制御基板設定切替
最近ではレトロな雰囲気を出すために、1接点のロータリースイッチで電源操作をするペンダントライトも販売されています。また、近年ではDIYの一環としてポータブルLED照明の電源切替スイッチなどに使用されることもあります。
ロータリースイッチの原理
ロータリースイッチは摺動子、ケース・固定接点、端子などで構成されます。
摺動子は可動接点と同時に動き、操作に従って接点を切り替える部分です。切り替えた接点はケースに付属する固定接点の2か所以上を導通させます。固定接点の接点出力は端子部を通して外部へ出力されます。
ロータリースイッチの種類
ロータリースイッチにはノンショーティングタイプとショーティングタイプがあります。使用目的にそぐわないタイプを選んでしまうと回路が故障してしまう場合もあるため、適切な選択が必要です。
1. ショーティングタイプ
ショーティングタイプ (Shorting Type) とは、接点を切り替える際に同時に2接点以上が導通する種類です。回路が断線する瞬間がないのが特徴です。そのため、接点間が電気的に接続される状態が一時的に発生します。
変圧器のタップ切替回路などの一時的な断線が許容できない場合に用います。ショーティングタイプはメーク・ビフォア・ブレイクとも呼ばれます。英語で「接点が離れる前に接続される」という意味です。
2. ノンショーティングタイプ
ノンショーティングタイプ (Non-Shorting Type) とは、隣り合った端子同士は完全に独立しており、接点を切り替える瞬間は回路が一度断線する種類です。こちらは接点切り替え時に、一瞬どちらの接点も電気的に未接続の状態が発生します。
したがって、切替による一時的な断線が問題とならない場合に用います。一般用途では多くがノンショーティングタイプです。ノンショーティングタイプはブレイク・ビフォア・メークともよばれます。英語で、「接点が接続される前に離れる」という意味です。
ロータリースイッチのその他情報
1. ロータリースイッチの使い方
ロータリースイッチは操作部を回転することで回路を切り替えます。ディジタル回路の設定を行う際に、利用されることが多いです。設定用などに用いるため、スイッチの切替頻度が高くないときに用います。
操作部がフラットな製品やシャフト状の製品など、ロータリースイッチの種類はさまざまです。形状の違いにより、切り替えの操作に指で操作できる製品やドライバーなどが必要な製品があります。
2. サムロータリースイッチ
ロータリースイッチの中にはサムロータリスイッチがあります。これは、スイッチの表示部に数字が書かれた円盤状の部品が使用されたロータリースイッチです。視覚的に確認が容易なことが特徴で、古い無線機のチャンネル設定用などに用います。
代表的なサムロータリスイッチはケース、押しボタン、摺動子、ロータ、プリント基板、取り付け版などの部品で構成されます。
参考文献
https://www.nkkswitches.co.jp/support/klg/knowledge.html
https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/15/330/index.html