整流器のメーカー8社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
整流器とは半導体等の素子を用いて電流を整流する機器の総称です。整流とは、交流を直流に変換することであり、ダイオードなどの半導体が一方向のみ電流を流す性質を利用しています。
半導体には様々な種類があり、常に一方向のみ電流を流すダイオードや、通常時は電流を全く流さないが、ゲートと呼ばれる部分に信号が来た時のみ一方向のみ電流を流すサイリスタといったものなどがあります。これらの半導体はいずれもp型半導体とn型半導体を組み合わせたpn接合により作られており、それぞれの半導体のエネルギー準位の違いを利用しています。
整流器は直流電源が必要なさまざまな機器へ、直流電源を供給するために使用されています。
また、サイリスタなどの整流器はモーターの制御にも使用されており、直流モーターの速度制御のために交流電源を直流に変換する際に直流電圧の大きさをコントロールするワードレオナード方式と呼ばれる制御などで使用されてきました。
近年では交流モーターの速度制御が一般的になってきており、交流を直流に変換しその直流成分と三角波などを掛け合わせることで制御するPWM制御ではIGBTと呼ばれる半導体が直流成分を作るために使用されています。
交流は時間とともにプラス/マイナスが入れ変わるが、半導体は一方向のみしか電流を流さないため交流のプラス成分(マイナス成分)のみを抽出し、交流から直流成分を取り出しています。
基本的な半導体のダイオードはp型半導体とn型半導体からなり、n型半導体に比べp型半導体はエネルギー準位が高いためp型半導体の正孔は準位の低いn型半導体へ流れやすいが、n型半導体の電子は準位の高いp型半導体へは流れづらくなっています。つまり電位がp側の方が高い場合は正孔がn側へ流れ込むため電流が流れ、逆にn側の電位が高い場合は、電子がp側へは流れ込めないため電流が流れません。この時p側をアノード、n側をカソードといいます。
また、サイリスタなどのゲートと呼ばれる部位をもつ半導体はp、n、p、nの順に半導体が積層されてあり、間のp部分へゲートが接続されてあります。このゲート部へ交流から直流に変換させたい交流電源とは別に電源を用いて電流をゲートからカソード側へ流すことで、サイリスタが半導体となりアノードからカソードへのみ電流を流せるようになります。この状態になることをターンオンといいます。また、ターンオンしたサイリスタを反対にターンオフさせたい場合はカソード側の電位をアノード以上にすることで元の状態へ戻すことができます。
整流器は現代社会で広く用いられています。
古くは、家庭用固定電話等に使われる電気は整流器で直流変換された直流電圧です。一般家庭で言うと、パソコンやスマートフォンの充電にも用いられるACアダプタにも整流器が入っています。家庭用エアコンなどは、構造が簡単で一見して整流器が使われていないように見えます。しかし、温度調整をインバータで行っており、インバータ電子回路内部には整流器が必ず用いられています。
工業的にも現代まで広く使用されており、電車への給電も、現在まで直流給電の線路が多数残っています。アルミメッキを行う工場等では、整流器を用いて電解精製することでメッキを施しています。一部のアーク炉などでは直流電流を使用しており、電源に整流器が用いられます。
将来的にも、整流器の需要は肥大化すると予想されます。電気自動車が普及しようとしていますが、電気自動車は長距離走行に耐えるために、電池を多く積載しています。電池の充電は交流電源では行うことができず、整流器を用いて交直変換しなければなりません。
このように、家庭でも工業にも、整流器は重要な役割を果たし、今後も広く使用されていくことが予想されます。
整流器によって整流された電圧は、供給元に合わせて変化させることができます。
ダイオードで整流された電圧は、コンデンサやリアクトル、抵抗を用いて広く変化させることができます。ただし、抵抗を用いて変化させた場合は、抵抗の熱損失として熱ロスを発生させてしまいます。
電圧を変化させる場合、現在はサイリスタを用いた整流器が広く用いられています。点弧角を変化させるだけで、電気信号のみで電圧を連続的に変化させることができるためです。
整流器も電気部品の一部の為、電流の許容値が存在します。許容電流によって、容量も決定されます。
配線や接触器接点などと同様に、大型化することで整流器の容量は大きくなっていきます。整流器の容量は個々の部品が耐えうる電流値や電圧値で決定され、最も弱い部品に引っ張られることとなります。一般には平滑化するコンデンサ等の容量によって整流器全体の容量が決まる場合が多いです。
参考文献
https://electric-facilities.jp/denki7/se/004.html
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