パワーサプライ

パワーサプライとは

パワーサプライ

パワーサプライとは、コンセントなどの交流電源から安定した直流電源に変換する装置です。

コンセントなどの交流電源は産業用・家庭用にかかわらず高電圧のため、そのままでは電子機器を使用することができません。そのため、機器に適した直流の電圧に変換する必要があります。

一般的なパワーサプライには、「スイッチング方式」「トランス方式」の2種類に大別されますが、現在は小型で軽量、高効率などの観点から、スイッチング方式が主流となっています。

パワーサプライの使用用途

パワーサプライは、その名の通り、電源を供給するための装置です。交流の電源から電子機器に適した直流の電圧に変換するためのものなので、どこの家庭にもある電子機器類のほぼ全てに内蔵されています。

壁のコンセントにケーブルを繋ぐと、ケーブルの反対側にはパワーサプライがあると思ってよいと思うほど、どの電子機器にも使用されています。

電圧を調整することのできる装置ですので、パワーサプライの使用によってトランスを使用しなくでも電源電圧を供給することができます。

パワーサプライの原理

トランス方式のパワーサプライは、交流の電源電圧をトランスで適切な電圧に変圧し、整流器で直流に整流します。それをコンデンサで平滑して安定化した直流電圧を供給します。

スイッチング方式のパワーサプライは、交流の電源電圧を直流にし、それを高速スイッチング回路でパルス状の高周波電力に変換します。この高周波電力をトランスを用いて電力を整流、平滑して、直流の適した出力電圧を得ます。

トランス方式はノイズを小さく抑えられますが、大きく重くなり、電力効率も悪くなってしまいます。対してスイッチング方式は、高効率で軽くすることができますが、ノイズが大きくなってしまいます。

パワーサプライを100%の効率で動作することはできませんので、損失が熱となり発熱します。その発熱量は、一般的には以下の式で求められます。

発熱量(W)=入力電力-出力電力=(出力電力/効率)-出力電力

発熱量が大きくなりすぎると、出力の低下や故障の原因となります。

パワーサプライのその他情報

1. パワーサプライの自作

パワーサプライは構造が単純なため、自作することが可能です。必要な材料は、抵抗、平滑用コンデンサ、ダイオードの4つです。

まず、受電電圧を、抵抗によってドロップさせます。その後、ダイオードを使用して直流へと変化させます。このとき、全波整流したい場合はダイオードが2つ必要です。

最後に、平滑用コンデンサを負荷と並列に接続すれば完成です。抵抗は、変圧器でも代用出来ます。パワーサプライの容量はこれら個々のパーツの容量によって決定されます。複数台負荷を接続する場合はより多くの容量が必要です。

2. 小型パワーサプライ

産業用のパワーサプライは、一般に制御盤内に収納されている場合が多く、盤内に貼り付く程度に小型です。現在はDINレール取り付けが主流と言えます。

一般家庭では、パソコンやスマートフォンの充電用に使用されるACアダプタがパワーサプライです。小型化も進み、手のひらサイズとなっています。音響機器関係では、アンプ用としてパワーサプライが用いられます。こちらも、手のひらサイズで8機器ほどに電源を分配することができます。

3. パワーサプライによるノイズ

音響機器の用語として、パワーサプライは、エフェクタ等へ電源を供給する装置です。エフェクタは音楽にリバーブやローパスフィルタなどのエフェクトを追加する装置です。分類としては、アナログ機器とデジタル機器に分けられます。

パワーサプライ自体は容量以下であれば、1つでいくつのエフェクタへも電源を供給できます。ただし、アナログ系エフェクタとデジタル系エフェクタを同じパワーサプライに接続すると、ノイズが発生します。

原因は、デジタルエフェクタの仕組みにあります。デジタル系エフェクタは電子回路を用いているため、音声信号や電気信号をチョッパ等で変換して方形波を作っています。方形波はアナログ波形に歪みを生じさせるため、音声のノイズとなってしまいます。</br />
ノイズ対策として、アナログ系エフェクタとデジタル系エフェクタのパワーサプライを分けます。電気的に絶縁することで、方形波によるノイズを除外できます。

参考文献
https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/22/140/index.html

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