PTFEについての概要、用途、原理などをご説明します。また、PTFEのメーカー12社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。PTFE関連企業の2022年6月注目ランキングは1位:中興化成工業株式会社、2位:ニチアス株式会社、3位:株式会社荒井製作所となっています。
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)は、ポリエチレンの水素原子がフッ素原子に置き換わった構造を有する樹脂です。炭素とフッ素間の結合が非常に強いため、耐熱性、耐薬品性に優れます。その特徴を活かして高温であったり薬品と接触するような過酷な環境下で用いるチューブ、パッキンなどに使われています。
また非粘着性、耐摩耗性にも優れるためフライパンなどの調理器具のコーティングにも使用されています。一方で溶融したときの粘度が非常に高く、熱流動性が低いため他のフッ素樹脂に比べて加工性が低いという欠点があります。
PTFEは耐摩耗性、非粘着性、耐薬品性、耐熱性など様々な特徴を有する樹脂です。身近な用途としてはフライパンなどの調理器具のコーティングが挙げられます。一般的に「フッ素コート」と呼ばれるものは表面にPTFEがコーティングされています。
その他、工業的な用途としては高温環境下、腐食性の高い薬品を使用する環境下などの過酷な環境で用いられるホース、パッキン、チューブ、絶縁材などが挙げられます。一方でPTFEは溶融粘度が非常に高いため、延伸、射出成形が難しく成形方法が限られており、他のフッ素系樹脂に比べて加工性は劣ります。
PTFEの化学構造はポリエチレンの水素がすべてフッ素に置き換わったものです。炭素とフッ素の結合は非常に強く、容易に分解することはありません。この性質がPTFEの耐熱性、耐薬品性の源となっています。
一方でPTFEは他のフッ素樹脂に比べて成形、加工性に劣ります。PFAなどの一般的なフッ素樹脂は加熱することで溶融し、流動性を示します。そのため、射出成形などの方法で整形することができます。一方でPTFEは融点を超えても非常に高粘度なままで、流動性を示しません。そのため、PTFEは粉末を圧縮成形し、融点以上の温度で焼成処理を行うことで成形します。
PTFEと混同されやすいフッ素樹脂として「テフロン」が挙げられます。テフロンとはアメリカの化学メーカーであるデュポン社の登録商標です。デュポン社がPTFEをテフロンという名前で商品化したため、PTFEとテフロンが同一と見なされがちになったという背景があります。
しかし、現在ではテフロンというのは様々なフッ素樹脂を総称する商品名であり、PTFE単独を指しているわけではありません。例えばFEP、PFAなどのフッ素樹脂や変性フッ素樹脂もテフロンとして販売されています。これらのフッ素樹脂は構造によって接着力や絶縁性、耐薬品性などが異なるため、用途に応じたフッ素樹脂を選定する必要があります。
PTFE自体は経口摂取に関する健康影響の報告は無く、調理器具から剥がれたコーティングの薄片を飲み込んだとしても影響が無いと考えられています。しかし、350℃以上の過加熱の状態になるとPTFEが熱分解して有害な化合物を生成する可能性があります。例えば鍋に火を掛けたまま寝てしまい、4時間から7時間後に呼吸器系の障害を発症したという例が報告されています。また、研究者が実験器具のPTFEチューブを誤って過加熱してチューブが燃焼、発生した煙を吸い込んで喉の痛みを発症したという事例もあります。
通常の使用の範囲では人体に影響がないものの、長時間直接火に当たり続けたり、過加熱の状態が続くことで有害な分解物が発生する可能性はあるため、使用環境には十分な注意が必要です。
参考文献
https://www.meikou.jp/ptfe.html
https://nihon-polymer.co.jp/2019/10/20/790/
https://www.mitsufuku.co.jp/products/ptfe-2/
https://www.fsc.go.jp/sonota/factsheets/f02_fluorocarbon_polymers.pdf
https://www.labinox.co.jp/savillex/cat02-03.html
https://www.packing.co.jp/PTFE/ptfe-pfa-fep-pctfe.htm
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsre/38/3/38_190/_pdf/-char/ja
https://www.research.johas.go.jp/sanchu/teflon-2.pdf
https://www.flon.co.jp/pdf/performance04.pdf
Metoreeでは各社カタログを無料で一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
PTFEのカタログ一覧はこちら企業
田端機械工業株式会社 永柳工業株式会社 グラスリンク株式会社 株式会社トクシキ 三ツ星ベルト株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年6月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 中興化成工業株式会社 | 20.3% |
2 | ニチアス株式会社 | 11.6% |
3 | 株式会社荒井製作所 | 11.2% |
4 | ダイキン工業株式会社 | 10.8% |
5 | 三井・ケマーズフロロプロダクツ株式会社 | 10.3% |
6 | 株式会社フロンケミカル | 9.5% |
7 | AGC株式会社 | 7.8% |
8 | 株式会社協立化工業 | 6.9% |
9 | 淀川ヒューテック株式会社 | 5.2% |
10 | アラム株式会社 | 4.7% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年6月のPTFEページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されているPTFEが含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
化学的特性や耐熱性、耐候性にすぐれたヨドフロンPTFEシートです。最高使用温度が260℃と高温条件化でも安定であり、薄手のシートは化学プラントのガスケットやラインの材料として、厚手のシートは各種機械部品の素材として利用されています。
暑さ5mmから100mmまで、サイズも50×50cmから1.5×1.5mまで、様々なラインナップがあります。一方フィルムシートでは暑さ0.05mmのものも用意されています。
株式会社荒井製作所で製造販売されるフッ素樹脂(PTFE)製品がアルフロン(登録商標)です。
フッ化樹脂の優れた化学的性質(安定性、耐熱性、耐薬品製など)を利用し、オイルシールやパッキンなど様々な加工品が作られています。
フッ素樹脂だけの場合、耐摩耗性に劣るため、この性質を改変したのが充填剤入りのアルフロンです。充填剤にはグラスファイバー、カーボンファイバー、グラファイト、ブロンズなどが使用されています。
ガスケットや絶縁体材料、機械部品などに使用されているPTFEシートです。化学安定性や低摩擦製、耐薬品に優れているため不純物の溶出があってはならない食品業界や薬品業界はもとより、様々な業界で使用されています。
耐摩耗性や圧縮強度を必要とする場合は無機質充填剤を配合したタイプのシートが適しています。熱的寸法安定性などが向上しており、耐摩耗性や耐熱性を必要とする機械部品の材料に最適です。
配合剤にはグラファイトやガラスファイバー、およびその両者を混合したもの、ブロンズやカーボン繊維などがあります。