パレットチェンジャ

パレットチェンジャとは

パレットチェンジャ

パレットチェンジャ(パレットチェンジャー)は、パレットから荷物を分離し、新しいパレットに載せ替えるための装置です。

パレットに乗って輸送されてきた荷物を荷受けする時、パレットに付着した汚れや粉塵、害虫まで一緒に取り込んでしまう恐れがあります。荷物の汚染や異物混入を防ぐためにもパレットは入れ替えることが望ましいです。自動、半自動、手動を含め、パレットの入れ替えを目的とした機械を総じてパレットチェンジャと呼びます。

パレットチェンジャの使用用途

荷物と一緒にパレットを荷受けする場合、パレットに付着した汚れが商品の異物混入の元になったり、害虫を構内に持ち込んでしまったりすることがあります。これは特に医療や食品関係の物流では深刻な問題です。また荷物を出荷する際、パレットが返却されない場合があるので、綺麗で高価なパレットを自社で使用していてそのまま出荷してしまうと損害を被る恐れがあります。

そのためパレットを入れ替える需要が発生しますが、1トンの積載物を載せているパレットを人の手で入れ替えるのは非常に困難です。そこで登場するのがパレットチェンジャです。

パレットチェンジャには反転型、傾斜型、クランプタイプなどメーカーによって様々な型があります。荷物の形状や性質によってふさわしい型を選定して使用します。

パレットチェンジャの原理

パレットチェンジャの構造・入れ替えの仕組みには以下のようなものがあります。

  • 反転型(180度回転させ、パレットを入れ替える)
  • 傾斜タイプ(90度~100度傾けてパレットを入れ替える)
  • クランプタイプ(パレットに載った荷物を2方または4方からクランプし、浮かせてパレットを入れ替える)
  • デパレタイザ&パレタイザを使用するタイプ
  • フォークリフトの回転クランプフォークを使用して反転させ、パレットを入れ替える
  • 重量軽減装置を導入して人が荷物を持ち上げ、パレットを入れ替える

このようにパレットチェンジャにはバリエーションが多岐にわたり、確立した万能装置というものが存在しません。それは入れ替える荷物によって反転可能かどうか、クランプ可能かどうかなど条件が全く違うことにあります。

また同じパレットサイズであっても最大積載重量や設置スペースなどによって装置の規模は異なり、タイプが細分化されています。荷物の形状や性質、割くことが出来る人手や予算などによってベストなものを選ぶ必要があります。

参考文献
https://www.raku-logi.com/2016/01/547

マスフローコントローラー

マスフローコントローラーとは

マスフローコントローラーとは、流体の流量計測を行い、流量を制御する機器です。

高度な流量制御が求められるプロセスの現場等で活用されています。マスフロー(mass flow)とは質量流量を意味します。流量には、体積流量と質量流量の2種類があります。マスフローセンサーは体積流量ではなく質量流量を測定の対象としています。

質量流量は流体の種類や特性・温度等の環境周囲の条件による影響を受けないため、体積圧力よりも精度良く流量の測定・制御ができます。

マスフローコントローラーの使用用途

マスフローコントローラーは、流量の測定に加えて、流体制御ができます。また、高精度で安定した制御ができるので、あらゆるプロセスの現場や実験室において使用されています。半導体の製造工程では、成膜やエッチングなどのプロセスにおいて活用されています。半導体以外にも光ファイバー、液晶、バイオなど使われている製品は多岐に渡ります。また、実験室では、分析機器でのキャリアガスなどの制御に用いられています。

マスフローコントローラーの原理

マスフローコントローラーの原理

図1. マスフローコントローラーの原理

マスフローコントローラーは、センサー、バイパス、流体制御バルブ、電気回路から構成されます。流量センサーには熱式流量センサーが用いられていることが多いです。流体は、マスフローコントローラー内でセンサーとバイパスへ通されます。センサーでは、流体が通るチューブにヒーターが巻きつけられており、チューブの上流側と下流側に流れるガスの温度差を電気信号へと変換して、流量計測を行います。熱式質量センサーでは、センサー部に送ることができる流体の量に限界があります。

そのため、一部をセンサーへ流し、残りをバイパスに送ることで分流の比率を一定に保つことができるため流量が大きい場合でも、高い精度で流量を制御することができます。センサーで測定した流量を受けて、流体制御バルブで流量の調整を行います。流体制御バルブにはアクチュエータ(電気信号を物理的運動に変換する装置)として、ソレノイドアクチュエータ、サーマルアクチュエーター、ピエゾアクチュエータが使用されています。

マスフローコントローラーの選び方

マスフローコントローラーの選定のためにはガス種、最大流量、使用圧力の条件が必要です。マスフローコントローラーは使用するガス種に応じた設定をしているため、異なるガス種では正しく測定できません。

また、腐食性ガスの場合、シール材等は腐食耐性の高いものを選ぶ必要があります。マスフローコントローラーの流量制御範囲は一般的には2-100% F.S.(最大流量)であるため、使用する流量に合わせた最大流量を選ぶ必要があります。マスフローコントローラーで使用される流量調整バルブはバルブ開度で流量を調整するため、一次側と二次側で圧力差が必要となります。一般的には50-300kPaが適正とされていますが、圧力差が大きすぎたりまたは小さすぎると正しく流量調整ができません。そのほかにも、制御する温度や継ぎ手なども場合によっては選定時に注意を払う必要があります。

マスフローメーター

マスフローメーターとは

マスフローメーター

マスフローメーターとは、センサーなどによって機器内部の気体・液体の質量流量を直接測定する機器を指します。質量流量計ともいいます。用途として、ガス分析機器や、ガス検知管、電子・光学部品の製造などが挙げられます。マスフローメータ−に用いられる主な方式には、熱式とコリオリ式があります。なお、マスフローメーターから得た信号によって、流量を制御する機能を持った機器のことをマスフローコントローラと呼びます。

マスフローメーターの使用用途

マスフローメーターは分析や製造といったあらゆる現場で用いられています。質量流量は温度圧力による影響をある程度は受けないため、反復の性能が良く、システムを制御することができます。例えば、分析機器の場合、ガス分析計にマスフローメーターが用いられています。機器の平衡器系統へのガス導入を制御するためなどに用いられます。ものづくりの現場では、半導体や、ディスプレイ、燃料電池など幅広い分野においてマウスフローメーターが活躍しています。また工場での省エネルギーを目的とした消費量の管理や、病院内で使用するガスの使用量管理などにも用いられています。

マスフローメーターの原理

マスフローメータ−に用いられる主な方式(熱式・コリオリ式)について説明します。

熱式

流体が流れるチューブの一部に、一定量の熱を当てるヒーターが巻かれています。流体によってヒーターの熱が奪われます。このチューブ上の流入口・流出口におけるそれぞれ温度の差が、流体の質量流量と比例することから、流量を求めています。熱式は主に、微小流量計測用に用いられます。短所は汚れに弱いことと、流体そのものの温度変化による誤差が生じることです。

コリオリ式

コリオリ式は、コリオリの力を原理として用いています。コリオリ式流量計には、流路であるチューブとチューブを振動させる機器から構成されます。チューブに流体が流れると、振動に加えてねじれが生じます。このねじれを、センサーにおいて位相差として検知することで流量を測定します。チューブの形は商品によって異なります。高精度で、機器によっては、高粘度の液体も測定できるといった長所があるものの、価格が高価・振動による影響を受けやすいといった短所もあります。

参考文献
https://www.oval.co.jp/techinfo/keisoku/coriolis.html
https://www.jemima.or.jp/tech/1-01-02-10.html
https://www.jemima.or.jp/tech/1-01-02-11.html
https://www.keyence.co.jp/ss/products/process/flowmeter/type/thermal.jsp
https://www.keyence.co.jp/ss/products/process/flowmeter/type/coriolis.jsp

リニアアクチュエータ

リニアアクチュエータとは

リニアアクチュエータ

リニアアクチュエータとは、直線方向に動力を発生させる装置です。一般的に、回転するモータから機構部品を使い直線運動に変換します。そのほかに、空圧式、油圧式でシリンダを使って直線動力を発生させるものもあります。産業機械、コンピュータなどの直線運動が必要部品に幅広く、駆動源として使われています。最近では産業機器、測定器などの高性能化により、高速で高い位置精度が求められており、リニアアクチュエータが使用されています。

リニアアクチュエータの使用用途

リニアアクチュエータは、産業機器、自動車、PCの周辺機器などの直線的に動力が必要な部品に使用されています。以下にリニアアクチュエータを使用されている例を示します。

  • 建設機械などのドアの開閉
    ー建設機械などの重機械でのドアの開閉、搭載物の角度調整などに使用されています。最近では、電動式が採用されており、建設機械などに搭載されている制御システムとの統合も容易となっています。
  • 建設機械などのエンジンのスロットルコントロール
    ー建設機械などのエンジンのスロットルコントロールに使われています。従来の油圧に比べて小型軽量化が可能となっています。

リニアアクチュエータの原理

リニアアクチュエータの原理は、機械式、空圧式、油圧式、電磁式などの方式があります。以下にそれぞれの方式について説明します。

  • 機械式
    ステッピングモーターの回転運動をラックアンドピニオン、ボールネジ、滑りネジ等と組み合わせて直線運動にして、直線動力を得ています。
  • 空圧式
    中空のシリンダー内の圧力をポンプやコンプレッサで増加させピストンを上下させ、シリンダーをピストン軸上で移動させて直線的な動力を発生させます。
  • 油圧式
    空圧式と似た構造となっており油圧でシリンダ内のピストンを上下させ、シリンダーをピストン軸上で移動させて直線的な動力を発生させます。空圧と比べて大きい圧力で使用されます。
  • 磁気式(リニアモーター)
    電磁力により、直線方向に動力を発生させます。構造は、磁石とコイルからなります。コイルに電流が流れると電磁石となり、磁石からの反発力と引っ張り合う力で直線運動となり動力を発生させます。

リニアアクチュエータの種類と使い方

リニアアクチュエータの使用方法は種類(構造)により大きく異なります。

機械式

ステッピングモータの回転運動を機械的に直動運動に変換していることから、制御方法、位置決めの方法などはステッピングモータのそれらと同様となり、電源装置やステッピングモータ用のコントローラーなどを使用します。
モーターに入力するパルスの数によってまずモーターの回転角度が決まります。機械的な原点を基準として、ラックピニオン機構の場合はピニオンの径と双方の歯数、ボールねじ機構の場合は送りねじのピッチなどによって回転角度当たりの移動量が決まります。
移動範囲の途中の位置でもモーターを停止させることで高精度に停止でき、ステッピングモータに電流を流しておくことでブレーキとすることもできます。

空圧式

作動流体として圧縮空気を使用するのでエアコンプレッサか既設の圧縮空気配管が必要となり、制御用に電磁弁やスピードコントローラなどを使用します。
基本的に停止位置は、一番伸び切った位置か一番縮み切った位置のどちらかとなり、途中で止めるといった制御は難しいとされています。機械的にストッパーにぶつけることで、任意の位置を「終点」とすることもできます。
前後それぞれに配管接続ポートがあり、加圧する側によって位置を制御する複動式と、接続ポートが片端にしかなく、バネで定位置を決めている単動式があります。

圧縮空気の圧力が高すぎる場合、勢いよくシリンダーが動作して危険を伴う場合があります。
そのような場合には、シリンダーに流入する空気の量を絞ることで動作速度を制御するスピードコントローラを取り付けて適切な動作速度にします。
空気は圧力をかけると圧縮されてしまうため、シリンダーに大きな負荷がかかった時などに想定通りの力が出せない場合がある一方、流体漏れが発生しても空気であるため、周囲を汚損しにくくなり、使用後の流体を空気中に放出することもできます。

油圧式

空圧式の作動流体を油としたもので、より高圧、つまりより大きな差動力で動作させたい場合に使用されます。油に専用の電動ポンプで圧力をかけて使用します。
空圧式と動作原理が似ていることから、同様な特徴を持ちますが、油は圧力がかかっても圧縮されないことから、より大きな差動力を得ることができます。
作動流体が油のため、万一漏れが発生した場合に周囲を汚損してしまうことがあります。

リニアアクチュエータのその他情報

リニアアクチュエータの制御

モーターを使用した機械式リニアアクチュエータでは、位置を指示する接点入力やモーターの回転制御によって位置を制御します。
空圧式・油圧式ではバルブや電磁弁を用いて圧縮空気や油圧回路を切り替えることで位置制御を行います。
位置検出用のセンサ―として近接スイッチやポテンショメータが内蔵されたものもあり、必要であれば後付けで取り付けて使用します。

参考文献
https://www.pulsemotor.com/feature/shaftmotor2.html
https://www.fortive-icg.jp/actuators/applications/THOMSON/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspe/75/2/75_2_242/_pdf

基板分割機

基板分割機とは

基板分割機とは、シート基板に基板を複数並べて、同時に多くの基板を割る機器のことです。

基板分割機の利用によって生産効率を上がります。ルーター加工 (英: router processing) やダイジング加工 (英: dicing processing) のほか、プレス加工 (英: stamping) や押切加工 (英: pressing and cutting) などの種類があります。目的によって少生産向けや多量生産向けなどがあり、初期費用が少額や高額などの設備もあります。

プリント基板には、ガラス基材、コンポジット基材、紙基材などがあり、基板分割機によってはすべての基材を加工可能です。ただし、特定の基材を加工できない基板分割機もあり、用途に合った基板分割機を選ぶ必要があります。

基板分割機の使用用途

基板分割機は、シート基板を数多くの基板に分割します。基板分割機の具体例として、ルーター分割機やダイジング分割機だけでなく、プレス分割機や押切型分割機などが挙げられます。

  1. ルーター分割機
     基板分割用のルーターツールを使用して、ツールを回転させて分割したい位置を割ります。
  2. ダイジング分割機
     砥石を回転させながら、指定位置を割ります。
  3. プレス分割機
     基板の分割位置に合わせて、分割用の刃を挿入し、プレスにより分割します。
  4. 押切型分割機
     少生産用として、基板を上下の回転する円形刃の間に通して、刃間隔のスキマによって分割します。

基板分割機の原理

基板分割機の原理は種類によって異なるため、ここでは下記の3つに分けて説明します。

1. ルーター分割機

ルーター分割機はプリント基板の厚みが0.4mm~1.6mmであれば、分割可能で縦、横、斜めなどの方向を割れます。分割したい座標を装置に入力すると、基板の機種変更が簡単ですが、ルーター加工による粉が多いです。基板を割るときに、基板の繊維のヒゲが分割面に出ますが、2回切削すると減らせます。基板に実装する備品の高さに限界があり分割速度が遅いです。

2. プレス分割

プレス分割は1枚の分割箇所すべてを、同時に1ショットで分割できるため、素早く分割可能です。プリント基板に実装する部品が高くても分割できます。分割時に発生する粉が少なく、多量生産に向いています。しかし、分割用型を用意するため製作費が高額で、分割時に発生する基板へのストレスが大きいです。

3. 押切分割

押切分割はルーター分割・プレス分割では、初期投資が大きいため、生産数が多くない場合に向いています。紙基材の分割には適していません。

基板分割機の種類

基板分割機は、方式や対象ワークによって分類可能です。V溝用は上下ディスクカット式とリニアスプリット式に分類されます。ミシン目用には、局部パンチング式、精密プレス刃型分割式、ルーター式があります。

基板分割機は、基板レイアウトによっても分類可能です。端面近くのV溝や中央のV溝を分断したり、基板を縦横にマトリックス状に細かく分割できます。V溝の途中にカットアウト部のある基板やV溝周辺に背の高い部品を有する電源基板も分割でき、接続部が少ないミシン目基板の少量分割や接合部の多い集合基板の大量分割なども可能です。

基板分割機の選び方

方式、対象ワーク、基板レイアウトに合わせて、適合装置を選ぶ必要があります。

上下ディスクカット式は、上下の回転丸刃によりV溝を切断する方式です。手動式と電動式の2種類があります。手動式では刃が基板を押す力で自然に回り、電動式では強制的に刃を回します。リニアスプリット式は、線形刃と回転丸刃を組み合わせた方式です。下刃に基板のV溝部をセットして分割でき、切断ラインが動きません。

局部パンチング式では、T型ブレードで接続部を抜き落とします。小型で手軽ですが、効率的ではなく、量産加工には向いていません。精密プレス刃型分割式は、上下のプレス刃型によって、1回で接続部を打ち抜く方式です。接続部を一度に分断できるため、集合基板の量産加工に適しています。ルーター式では、高速回転するルータービットを用いて接続部を削り落とします。基板へのストレスは少ないですが、切粉の回収が必要です。

参考文献
http://technitron.co.jp/new-info/substrate.html

静電塗装機

静電塗装機とは

静電塗装機

静電塗装機とは、高圧の直流電流を利用した塗装方法を行う量産型塗料設備装置のことです。

1930年代から始まった静電塗装は、霧化塗装やディッピング、押し付け型塗装といった従来の塗装方法に比べ、必要な塗料が少なく、気泡が発生せず塗膜欠損のピンホールも起きません。ただし、静電気によりゴミやホコリが引き寄せられるため、「ゴミ・ブツ」という塗膜欠損に注意が必要です。

また、電気を使用することから、火災への配慮も求められます。静電塗装機を利用することで、省資源・省エネルギーの観点からも効果が期待できますが、安全面にも注意を払いながら適切な管理が必要です。

静電塗装機の使用用途

静電塗装機は、効率的に塗膜を構成できるため、量産型の一般物だけでなく自動車塗装のような工業品の塗装にも使用されます。霧化塗装にはない塗料の回り込みが起きることから、プロセスの簡易化が図れる点がメリットです。また、圧縮空気を逃がす場所のない隅のような箇所でも塗装が可能となり、均一な塗膜を形成できます。

ただし、静電塗装機には電場が集中する凸部に塗料が集中するという欠点もあり、また、電流を使用するため、水性塗料よりも有機溶剤系塗料に適しています。静電塗装機の使用用途は多岐にわたりますが、その特性を理解し、適切な塗料を選択することが重要です。

特に工業品の塗装では、品質向上やコスト削減が求められるため、静電塗装機を活用することで、効果的に生産性を向上させることができます。

静電塗装機の原理

静電塗装機は、静電感応力を利用しています。静電感応力とは、電極や被塗膜物の片方をアースし、塗膜機の放電電極に近づけると反対の電極が現れる現象です。被塗膜物をアースし、負極に印加すると正に荷電し、放電電極の電圧を上げるとコロナ放電が起こり周辺の空気がイオン化し、放電電極から被塗膜物までのイオン電流が発生します。

塗膜機内の塗膜液滴も荷電し、イオン電流に乗って被塗膜物に引き寄せられ密着します。電荷を失い定着し、次にエアスプレーを放電電極に組み込むことで、塗料を微細化します。塗料液滴を短時間で荷電されることで、作業時間の短縮が実現可能です。

据え置き型の場合、気温上昇による塗膜温度の上昇での粘度変化や、汚れによる静電効果の減少に注意が必要です。手持ちの場合は、静電塗装機と被塗膜物との距離が近くなりすぎてスパーク現象が起こらないように、熟練した技術が求められます。

静電塗装機のその他情報

1. 静電塗装機のデメリット

静電塗装は、大量少品種であれば効率的に塗膜を形成できる点が大きなメリットです。一方で、静電気と粉末を利用すことが逆にデメリットになることもあります。

塗装ムラや特有の欠陥発生
静電塗装は静電感応力を利用した塗装であるため、被塗装物の形状が均一でない場合は電場も不均一になりムラが生じます。凸部では電場が集中しやすいため、そこに塗料が集中するので他よりも厚くなったり、また電場が届く範囲であれば塗装できてしまったりすることで、不要な部分も塗装されることがあるため注意が必要です。

静電気により雰囲気中のゴミや埃も同時に引き寄せられ巻き込み塗装されるので、「ゴミ・ブツ」と呼ばれる塗装の欠陥も生じることがあります。また、「ゆず肌」と呼ばれる塗装表面が広い範囲で波打ったような状態なる欠陥で、電圧が高すぎて発生する逆電離現象が原因となります。

薄い膜厚が困難
静電塗装機では粉体を塗料として直接塗装するため、薄い厚みの塗膜を形成することができません。最小値の厚みで、30μm程度とされています。

それより塗膜を薄くしようとするとムラなどの欠陥が発生し易くなるため、有機溶剤塗装のような液状塗料による塗装に切り替える必要があります。

少量多品種が困難
静電塗装は塗装前の洗浄に始まり、塗料の密着、高温での焼付乾燥と工程が長く複雑であるため、細かい色調が求められ複数回の塗装が必要とされる少量多品種では、生産性が著しく低下するため対応が困難になります。

専用塗装設備と安全対策が必要
高圧の電気と粉末を使用するため、感電事故や火災に対する安全対策を施した専用の塗装設備が必要なり、初期投資費用が大きくなります。また、塗装装置だけでなく、塗膜を定着させるための乾燥炉などや油分や錆を落とす前工程の設備も必要となります。工程全体で見ると設備と作業員のコストも掛かることもデメリットの1つです。

塗料の粉末管理
使用する塗料は粉末であるため、使用だけでなく保管においても粉塵爆発などに対する安全対策が重要になります。また、粉末は表面積が大きく酸化などの汚染が進みやすくこれが欠陥の原因にもなります。長期間保管する場合は、清潔な環境を整える必要があります。 

2. 静電塗装と電着塗装の違い

静電塗装と電着塗装の最も大きな違いは、静電塗装が塗料をスプレーで噴射し電解の力を利用して塗料を付着させるのに対して、電着塗装は塗料が入った浴槽に被塗装物を浸し、そこに電流を流すことで被膜を析出させる点です。電着塗装の特徴は、液状の塗料に浸し塗装することによる、高い均一性にあります。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikizai1937/73/10/73_512/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sfj1950/28/8/28_8_400/_pdf/-char/ja
http://www.jspmi.or.jp/system/file/3/874/N03-03.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sfj1954/11/5/11_5_2/_pdf
https://www.ncc-nice.com/co_mame/vFl20140815154843-327.html

摩擦試験機

摩擦試験機とは

摩擦試験機とは、被試験物に一定の荷重を掛けて所定の相手材を摺動させ、被試験物の摩擦係数を測定する試験機です。

ゴムや塗膜、プラスチックおよび金属、布などが被試験物であり、これらの摩擦係数を測定します。摺動は、回転や往復によりおこなわれ、水平な状態で摺動させる必要があるため、摩擦試験機の設置場所は水平でなければいけません。

素材や目的に応じてJIS規格があり、それに対応した試験機を選ぶことが大切です。ただし、JIS規格に準じた摩擦試験機は、摩擦係数を測定できません。

摩擦試験機の使用用途

摩擦試験機は、様々なものの摩擦係数を測定するのに使用されています。例えば、建材の評価にも使用されており、具体的には体育館や住宅にある木製の床の滑りやすさや、ペンキなどの塗膜の引っ掻き強度の測定などです。

また、医療分野で人工関節の摩擦測定や注射針の摩擦測定にも使用されています。

摩擦試験機の原理

摩擦試験機は、大きく分けて回転型と往復型の2タイプです。どちらも点接触型と線接触型、面接触型があります。

1. 点接触型

点接触型には、ボールオンプレート方式、ボールオンディスク方式があります。これら試験方式での「ボール」は球状の相手材、「ディスク」は被試験物よりなる円盤、「プレート」は被試験材よりなる板です。

したがって、被試験体がディスクであるときは、回転させながら摩擦係数を測定し、プレートであるときは、往復摺動で摩擦係数を測定しています。

2. 線接触型

線接触型は、ブロックオンリング方式とピンブロック方式です。ブロックオンリング方式は、円筒状の相手材の側面にブロック状の被試験物を押しあてて摩擦係数を測定しています。

ピンブロック方式は、ピン状の被試験物を一対のブロック状の相手材で挟み込み、その中でピンを回転させて摩擦係数を測定する方式です。

3. 面接触型

面接触型には、ブロックオンプレート方式とピンオンディスク方式、スラストシリンダー方式があります。なお、この方式での「ピン」は円柱状の相手材を示します。スラストシリンダー方式は、平板上の被試験物に円筒状の相手材の端面を押し当てて摩擦係数を測定する方式です。

摩擦試験機のその他情報

摩擦試験の規格

摩擦試験は、様々な製品の評価に用いられます。摩擦に関するJIS規格の代表的なものは、以下の通りです。

  • JIS L0849
    摩擦に対する炎色堅ろう度試験方法
  • JISK6404-4
    ゴム引布及びプラスチック引布試験方法-第4部:耐久試験
  • JIS K6559-1~3
    革試験方法-染色堅ろう度試験-摩擦に対する染色堅ろう度試験-1,2,3部
  • JISL0849
    摩擦に対する染色堅ろう度試験方法
  • JIS K7218
    プラスチックの滑り摩耗試験方法
    摩擦係数測定器

製品の評価を行う場合は、これら規格に応じた摩擦試験機を使用する必要があります。例えば、JIS L0849に準拠して繊維製品や革などの摩擦に対する染色堅ろう度を評価する際には「クロックメータ」を使用します。

このように、製品が規格に合っているか確認するには、JIS規格に準拠した摩擦試験機を使用することが重要です。ただし、これらのJIS規格に準じた摩擦試験機は摩擦係数の測定などはできません。

参考文献
https://kikakurui.com/k5/K5600-5-10-1999-01.html
https://www.kaken.or.jp/test/search/detail/11
https://www.chiba-c.ed.jp/funako/fttp_kousin/ssh/reserch/2019/2019_02p2.pdf
http://tri-osaka.jp/technicalsheet/4.PDF
https://www.iri-tokyo.jp/uploaded/attachment/2010.pdf
https://www.jisc.go.jp/index.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/gomu1944/68/9/68_9_673/_pdf

超音波カッター

超音波カッターとは

超音波カッターとは、一般的なカッターのように切断用途で使用される機械です。

刃先が超音波振動することで、通常のカッターでの切断よりも軽い力でカットできます。一方で、対象物の素材によっては超音波振動による摩擦熱が発生し、素材が溶ける可能性があります。

超音波カッターは、紙や樹脂製品など一般的なもの以外に、食品を切断する際に使用される場合もあります。

超音波カッターの使用用途

超音波カッターは、ホビー用途で使用されるケースが多いです。プラモデルの加工など、通常のカッターでは切断が難しい形状に対しても力を入れずに切断が可能となるため、重宝されています。

ただし、素材によっては超音波振動による摩擦熱で溶けながら切断され、切断面の後加工が必要になる場合もあります。樹脂製品をはじめ、プリント基板や石膏などのカットに使用されることも多いです。

そのほか、食品のカットも使用用途の1つとして挙げられます。ケーキなど一般的なナイフで切ると崩れやすい食べ物に対して、超音波カッターを使用すると切断時の抵抗が少なくなり、綺麗な断面が得られます。

超音波カッターの原理

超音波カッターは、圧電素子を使用して刃先を毎秒2~4万回振動させることにより、切断を行います。超音波振動のON/OFF切り替えは、フットスイッチで行うのが一般的です。通常のカッターに比べて、非常に軽い力で切断することができるという特長がありますが、切断する物の材質によっては、振動による摩擦熱で、対象物が溶けることがあるため、注意が必要です。

非常に使い勝手が良く、樹脂素材のカットに適した機器ですが、一般的に厚さ3mm以上の樹脂の切断には向いていません。これは、刃の長さが長くなるほど、刃先の超音波振動が不安定になるためです。

また、樹脂製品のカットに適しているのに対し、コシのない薄いゴムのカットには向いていないとともに、金属、ガラス、磁器などをカットすることはできません。木材の場合、切断面が焦げてしまいます。

超音波カッターのその他情報

1. 工業用超音波カッターの種類

一般的な超音波カッターは、切断する素材がプラスチックやアクリルであれば切断できます。細かい素材の加工や柔らかい素材の切断は、工業用の超音波カッターが最適です。通常の超音波カッターでは切れない素材も切断できます。

精密機器向けの超音波カッター
精密機器の加工、切断が可能な超音波カッターは、これまで大型プレス機で切断していたものを、負担なく切断できます。具体的には、リチウムイオンバッテリーへの加工などが可能となります。細かい加工ができるため、そのまま設備の一部として組み込める点が特長です。

柔らかい素材向けの超音波カッター
刃に凸凹をもつ超音波カッターは、シリコンなどの柔らかい素材の切断に適しています。ゴムや粘着テープのように、切断中でも引っ掛かりが発生しないため、形を崩さずスムーズに切断できます。

また、ガラスや金属など硬い素材も切断可能です。ただし、高出力の超音波カッターであれば切断できますが、長時間の作業には向きません。

2. 超音波カッターの替刃

超音波カッターの替刃には、さまざまな種類があります。替刃だけでも数十種類です。目的に合ったものを選ぶことで、切断できなかった素材が切断できたり、より綺麗に切断できたりします。

安さを求める場合は、超音波カッターの種類を検討するよりも、替刃を検討することが重要です。プラモデルなどの細かい作業には、長刃が適しています。刃が長く、先端が尖っているため、扱いやすい替刃です。ただし、刃が長いので折れやすいことが欠点と言えます。

超音波カッターでできることは、切断だけではありません。溶着刃とよばれる替刃は、溶着ができます。刃が硬く作られているため、プラ樹脂ほどの素材であれば再接着できます。その他、基盤加工やカーボン加工の素材が切断できるノコギリ刃や、少し時間がかかりますが金属を切断できるヤスリ刃などもあります。

切断、研磨、溶着など、超音波カッターでできることは多岐に渡ります。超音波マシーンが1台ある場合は、用途に合わせて替刃を揃えると便利です。

参考文献
https://www.sonotec.com/column/principle.html
https://www.honda-el.co.jp/industry/QC002.html
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/447_2/
https://kurashi-no.jp/I0016985
https://agripick.com/1181

硫化水素計

硫化水素計とは

硫化水素計

硫化水素計とは、空気や水中の硫化水素濃度を測定する装置です。

硫化水素は有毒なガスで、さまざまな産業分野や環境調査などで重要なパラメータとして監視されることがあります。特に、高濃度の硫化水素には健康被害の可能性が高いです。

低濃度の硫化水素でも、眼や呼吸器系への刺激などの症状が発生する恐れがあります。硫化水素計を使用することで、作業環境中の硫化水素濃度を監視し、労働者の健康と安全を確保することが可能です。

また、大気中や水中に放出されることがあり、周囲の環境への悪影響を及ぼすことも考えられます。酸性雨の原因物質となったり、水中の生物に対して有害な影響を与えたりすることがあります。硫化水素計によって早期に異常値を検知し、環境汚染を予防することが可能です。

硫化水素計の使用用途

硫化水素計は、さまざまな産業分野や環境調査などで使用されます。主に、プロセス管理または作業環境測定に使用される用途が一般的です。

1. 石油・ガス産業

石油・ガス産業では、作業環境測定に広く使用されます。石油掘削や天然ガス生産プラントなどの作業現場では、硫化水素が発生する可能性が高いです。硫化水素計は、作業環境の安全を確保するために使用され、労働者の健康リスクを監視します。

2. 排水処理プラント・下水道施設

廃水処理プラントや下水道施設では、硫化水素が発生することがあります。硫化水素計は廃水中の硫化水素濃度を監視し、適切な処理を行うための指標に使用することが多いです。

3. 公共の場所

公共の場所や自然環境などで硫化水素の濃度を調査する場合にも、硫化水素計が使用されることがあります。湖沼や大気などのサンプルを取得し、硫化水素のレベルを測定することで環境汚染のモニタリングや環境保護活動に役立ちます。

硫化水素計の原理

硫化水素を特定の検出方法を使用して検出します。検出方法には、化学的な反応や物理的な変化を利用する製品などさまざまです。

定められた硫化水素の濃度範囲をカバーすることが可能です。一般的な範囲は数ppbから数ppmですが、特定の応用用途によって異なる場合があります。

測定方式は、連続的な監視または間欠的なサンプリングという2つの方式が一般的です。連続監視では装置が常に空気や水中の硫化水素濃度を測定し、リアルタイムでデータを提供します。間欠的なサンプリングでは特定の時間間隔でサンプルを取得し、後に分析します。

測定値はデジタル表示またはアナログ指針表示する場合が多いです。特定の濃度レベルを超えた場合に警告やアラームを発する機能も備えていることがあります。

硫化水素計の種類

硫化水素計にはいくつかの種類が存在します。以下は硫化水素計の種類一例です。

1. ポータブル硫化水素計

携帯可能な硫化水素計です。小型な製品が多く、電池やバッテリーで動作する製品がほとんどです。作業員が移動しながら濃度を監視できるため、現場の安全管理や点検に適しています。

バッテリ―型の製品であれば、充電使用が可能な場合も多いです。濃度のリアルタイム表示や警報・アラーム機能を有する製品が多いです。ガス検知器やガスモニターとも呼ばれます。

2. 固定式硫化水素計

固定式硫化水素計は固定された場所に取り付けられ、連続的に硫化水素濃度を監視する装置です。一般的には、工場やプラントの設備やパイプラインなどの特定の場所で使用されます。安全管理やプロセス制御のために使用されることが多いです。

センサと本体がケーブルで接続され、データは監視室や制御システムに送信されます。高精度の測定や多機能な監視が可能で、設定値の範囲外になると警報を発することが可能な製品が多いです。

3. 投げ込み式硫化水素計

センサー部分を投げ込んで使用する硫化水素計です。専用のハンドルまたはケーブルを持ち、センサまたは試薬を投げ込むことで使用します。硫化水素雰囲気に近づかずに使用可能な点が特徴です。

硫化水素計のその他情報

硫化水素の健康被害

10ppmは目の粘膜の刺激下限界濃度で、50ppm〜100ppmになると気道刺激、結膜炎が発症してしまいます。100ppmから200ppmで嗅覚麻痺が起きてしまい300ppmで1時間で亜急性中毒症状、600ppmで1時間で致命的中毒、1,000ppmになると即死濃度と言われています。

そのため、小型携帯用の硫化水素計は50ppmを上限にした製品が多いです。

参考文献
https://www.id.yamagata-u.ac.jp/EPC/03siryou/1hourei/19720942.pdf
http://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-43/hor1-43-5-1-0.htm
http://www.tech.nagoya-u.ac.jp/archive/h24/Vol08/hon_secur/PKAN-1-s.pdf
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb2057&dataType=1&pageNo=1
http://kikakurui.com/t8/T8205-2018-01.html

真空充填機

真空充填機とは

真空充填機

真空充填機とは、充填機の1種で、真空を利用して製品を充填する機械のことです。

特に、食品など酸化しやすいものに対して効果があります。真空充填機は、酸素を取り除いた状態で充填することにより、品質の安定化を図ることが可能です。

例えば、ジャムの瓶の蓋が固くて開けにくいとき、ジャムが真空充填されていることが要因です。瓶の中が真空状態になっているため、開封時に抵抗感が生じます。

真空充填機は食品だけでなく、化粧品や医薬品など、酸素との接触による劣化が懸念される製品にも使用されます。また、真空状態で充填することで、製品の鮮度や風味を長持ちさせる効果も期待できます。

真空充填機の使用用途

真空充填機は、主に酸化を防ぐことが目的で使用されます。真空充填機は、酸素との接触を防ぎ、酸化を抑制できるため、特に食品業界で多く利用されています。酸素が原因となる食品の劣化を防ぐことで、品質を維持し、消費者に安心な製品の提供が可能です。

また、真空充填機と同様に、窒素置換充填という方法も存在します。容器の中に窒素を封入し、酸素を追い出すことで酸化を防ぐものです。ただし、窒素を使用する分、コストが高くなるため、真空充填機が低コストで効果的な方法として好まれています。

真空充填機は、食品業界だけでなく、化粧品や医薬品など、酸素による劣化が懸念される製品にも適用されています。真空充填によって、製品の鮮度や風味、効果が維持されるため、幅広い分野での利用が期待できるでしょう。

真空充填機の原理

真空充填機の原理は、圧力差を利用して容器内に液体を充填する仕組みで成り立ちます。まず、容器内の気体を吸い込み、減圧して追い出すことで容器を真空状態にし、液体側のバルブを開き、配管側と容器側の圧力差が発生します。圧力差により、配管から容器へと液体が引き込まれる仕組みです。

真空充填の利点としては、容器の場所を取らないことが挙げられます。ただし、ピンホールと呼ばれる小さい穴が開いてしまい、中の液が漏れるリスクもあるため注意が必要です。

真空を発生させる方法は、真空ポンプとエジェクターです。真空ポンプはモーターの回転力を利用して真空状態を作り出し、偏心した場所にある回転翼やルーツ型ポンプなどが使用されます。

一方、エジェクターはベンチュリ効果を利用して真空を発生させます。エジェクター内は部分的に絞られた構造となっており、駆動流体であるエアーが高速で通過することで、部分的に真空状態が生じる原理です。

真空充填機の種類

真空充填機は主にシングルヘッド真空充填機、マルチヘッド真空充填機、ロータリー式真空充填機、重量式真空充填機の4種類があります。

1. シングルヘッド真空充填機

シングルヘッド真空充填機は、1つの充填ヘッドを持つ機械で、容器ごとに個別に真空充填が行われます。小規模な生産ラインや多品種少量生産に適しており、コンパクトな設計でスペースを節約できるのが特徴です。

2. マルチヘッド真空充填機

マルチヘッド真空充填機は、複数の充填ヘッドを持ち、同時に複数の容器に充填が行えるため、大量生産に適した機械です。充填速度が速く、生産効率が高い利点がありますが、設備投資が高くなることがデメリットです。

3. ロータリー式真空充填機

ロータリー式真空充填機は、回転するテーブル上に容器を置き、充填ヘッドが順番に充填を行う方式です。連続的な充填作業が可能で、中・大量生産に適しています。また、高速で充填できるため、生産効率が向上します。

4. 重量式真空充填機

重量式真空充填機は、容器の重さを測定しながら充填を行う機械です。充填量の精度が高く、一定量の製品を容器に充填することが可能です。特に、高粘度の液体や固形物を含む製品の充填に適しています。

参考文献
https://engineer-education.com/pump-19_vacuum-pump/
https://www.osaka-ya.com/basic/
https://www.jutenki.com/news/sinkuujyuten/
http://www.hokuto-mfg.com/product/item04.html