バランシングマシン

バランシングマシンとは

バランシングマシン

バランシングマシンとは、回転して使用される部品の回転振動を測定する測定機です。

回転部品は加工・組立された時点では、加工の誤差や組立時のズレなどが原因で必ずしも回転中心と重心が一致しているとは限りません。そのため、そのまま使用すると使用中に回転振動を生じます。回転振動は使用時の不快感だけに留まらず、機械の故障や破損の原因になります。

バランシングマシンはその振動を測定し、不釣り合いの量(修正量)を指示するため、回転振動を基準値内に収めることができます。

バランシングマシンの使用用途

バランシングマシンは回転する数多くの製品の製造時に使用されています。

身近な製品では自動車のタイヤがあります。タイヤは外周のゴム部分と中心のホイールで構成されていますが、それぞれの製造時の重心のずれがあり、組み合わせた後にもずれは残ります。そのまま車両に装着し走行すると、高速走行時にハンドルや車体全体に振動が生じます。対策として、装着前にバランシングマシンで不釣り合いを測定し、重りを用いて修正します。

タイヤ以外にも車軸やエンジンのクランクシャフトやフライホイールなど重要な部品は必ず不釣り合いの測定が行われます。

バランシングマシンの原理

シャフトなど長さがある回転体では全体の重心のずれによる振動(1次振動)以外に、シャフト両端で重心が異なることで生じる振動(2次振動・偶力振動)が発生します。偶力振動は回転体が静止した状態では測定できないため、回転させて測定する必要があります。

不釣り合いの測定は、シャフトなどの試験体の両端をバランシングマシンの回転軸に取り付けて行います。回転軸には角度センサー変位センサーが搭載されており、回転中にどの角度でどれだけの変位が生じているかを測定します。両端でそれぞれ別の変位センサーで測定することで、偶力振動を発生させる原因となる両端の重心のずれを測定することができます。これを2面アンバランス測定と言います。

回転時の変位を測定する方式でハードタイプとソフトタイプの2種類があります。ハードタイプは高剛性支持の回転軸となっており、高回転でも安定した測定ができます。一方、ソフトタイプは板ばねなどで回転軸を支持する方式で、剛性は劣りますが僅かな振動も検出することができ高精度測定が可能です。

回転時に振動が生じる特性上、測定する回転数とバランシングマシンの共振点が一致しないよう、選定時には注意が必要です。

参考文献
http://www.kokusaikk.co.jp/business/balancing-machines/
https://www.shimadzu.co.jp/industry/products/bm/0202.html
http://nagahama.co.jp/?cat=5

ハロゲンランプ

ハロゲンランプとは

ハロゲンランプ

ハロゲンランプとは、白熱電球の一種で、窒素、アルゴンなどの不活性ガスのほかに微量のハロゲン元素 (ヨウ素、臭素など) を封入したものです。

ハロゲンランプの発光する仕組みは一般の白熱電球と同じで、電球内にあるフィラメントに電気を通すことで発光します。フィラメントは細い糸状の金属線で、ほとんどの場合は金属中でもっとも高い融点 (3,422℃) を持つタングステンを材料としています。

ハロゲンランプの使用用途

1. 照明

ハロゲンランプは小型、高輝度、配光 (光の広がり) を調節しやすい、演色性が良い (色が太陽光で見た場合に近い) という特徴があるため、商品棚のスポット照明、投光照明、車のヘッドライト、スタジオやステージの照明などに使用されています。ただし、LED光源の普及によって、照明用途に使われる機会は減りつつあります。

2. 投影機

学校等で使用されていたOHPやスライドの投影機の光源としてハロゲンランプが使われてきましたが、現在ではLEDやレーザー光源の使用が主流になりつつあります。

3. 分光分析用光源

幅広い波長帯で一定以上の明るさがあり、強度の時間的変動が少ないため、分光分析用の光源として使用されています。

4. ヒーター

放射されるエネルギーの大部分が赤外線であるという事実は、光源としてのハロゲンランプは効率が悪いものの、ヒーターとしては優秀であることを物語っています。従って、ハロゲンランプには屋内外での局所暖房のほか、食品や資材の保温・熱処理・乾燥・高温成形など、局所的な加熱を必要とするさまざまな場面での用途があります。

ハロゲンランプの原理

一般の白熱電球ではフィラメント温度が 1,500~3,000℃、ハロゲンランプでは通常2,500~3,000℃と高温で、特殊なものは3,300℃にも達します。そのため、フィラメントの表面では常に微量のタングステンが蒸発しています。

ハロゲンサイクル

図1. ハロゲンサイクル

黒化現象を抑えるために、ハロゲンランプでは電球の中に不活性ガスと共に微量のハロゲン元素が封入されます。こうすることで、温度や材料などの条件が適性であれば、ランプ内で発生するハロゲンサイクルにより黒化現象が起きなくなります。

なお、ハロゲンサイクルとは以下の流れで起こる現象です。

  1. 点灯中の高温のフィラメントからタングステン原子が蒸発して拡散する。
  2. ハロゲンガスが蒸発したタングステンと反応して、ハロゲン化タングステンをつくる。
  3. ガラス壁が十分高温 (ハロゲンがヨウ素の場合170℃以上) であれば、ハロゲン化タングステンはガラス壁に付着しない。
  4. ハロゲン化タングステンは高温のフィラメント近くへ移動したときに分解し、タングステン原子がフィラメントに戻る。

ハロゲンサイクルは、フィラメントの消耗とタングステンによるガラス内壁の黒化を防止します。

ハロゲンランプの構造

白熱電球とハロゲンランプ

図2. 白熱電球とハロゲンランプ

ハロゲンサイクルを実現するためには、封入ガラスを高温に保つ必要があります。ハロゲンガスとしてヨウ素を使う場合には170°C以上、臭素を使う場合には250°C以上のガラス温度が必要です。

そのため、通常は高温に耐えられる石英ガラスを用い、高温になっても内部の気密性を保持できるように、モリブデン箔を用いてハロゲン電球の内と外を電気的に接続しています。

ハロゲンランプのその他情報

1. 白熱電球の欠点

通常の白熱電球では、蒸発したタングステンが電球のガラス内壁に付着する黒化現象が発生します。フィラメントが消耗すると同時に、発光効率が低下していくことを避けられません。

この黒化現象が障害となるので、消費電力の大きな白熱電球を小型化することも、フィラメント温度をより高くして輝度と色温度をあげることも困難です。

2. ハロゲンランプから出る光の特性

スペクトル強度分布

図3. フィラメントの温度と発光スペクトルの強度分布

ハロゲンランプから放射される光スペクトルは、フィラメントの温度に相当する黒体放射スペクトルとほぼ同じです。太陽に比べるとフィラメントの温度が低いため、放射光は紫外線をほとんど含まず、その可視光部分は赤色成分がやや多いので、見た目は暖白色光となります。

放射のピークは波長900~1,000nmの近赤外域にあり、放射の大部分は500~3,000nmの可視から近赤外域にあります。

3. ハロゲンランプの利点

一般の白熱電球と比べて、ハロゲンランプではフィラメントと封入ガラスの間隔を小さくすることができます。また、フィラメントの温度も高くできるため、さまざまな利点があります。

  • サイズが小さいので、輸送コストを大幅に減らせる。
  • 黒化現象が起きないので、寿命となるまで明るさの減退がほとんどない。
  • 同じフィラメント温度で使用する場合、寿命が2倍以上になる。
  • 同じ寿命に設定するなら明るさを30%ほどアップできる。
  • 石英ガラスの採用により、表面温度を約900℃ (2倍) まで上げられる。
  • 石英ガラスは熱衝撃耐性が高く、900℃に加熱して冷水に投入しても割れない。

4. ハロゲンランプの長所

  • 基本的に放射熱である
    消費電力の9割が加熱対象に直接エネルギーを伝える放射光なので、急速加熱に適している。
  • 熱損失が低い
    放射光は気流や気温の影響を受けずに加熱対象に到達し、放射源 (フィラメント) はガラス管内部にあるので、周囲の影響をほとんど受けない。
  • 立ち上がりが早い
    通電後1秒で熱放射出力が定格の90%に達する。
  • エネルギー密度が高い
    サイズの小さなハロゲンランプは、発熱密度を100w/cm2以上に保てるので、対象を1500℃以上に加熱できる。
  • 耐熱衝撃性が高い
    使用中に水がかかっても破損しない。
  • 金属加熱
    可視光~近赤外線の波長は金属に吸収されやすいため、金属を加熱するのに適している。
  • 非接触加熱
    加熱対象や周囲の環境を汚染しない。ガラス窓などを通して、別室の試料を加熱することもできる。
  • 光学的制御
    反射鏡などを利用して狙った場所を正確にスポット加熱することができる。

参考文献
https://www.ushio.co.jp/jp/technology/lightedge/200109/100260.html

ファンモーター

ファンモーターとは

ファンモーター

ファンモーターとは、モーターを用いて羽根や翼の形状のファン等を回転させることで空気を流れをつくり、換気や機器内部の冷却などを行う際に用いられる部品です。

ファンモーターの構造は、形状や送風の原理の違いで、軸流ファンやブロワ、遠心ファン等に分けられます。また駆動電源の違いによって、ACファンモーターやDCファンモーターなどがあります。

回転数を制御できたり、回転数を検知できる機能もあります。ファンの回転による騒音を抑えた静音タイプなど様々な種類があります。

ファンモーターの使用用途

ファンモーターは、電子機器の筐体内を冷却するためによく用いられます。電子機器の内部は、機器の性能が向上するにつれ集積化が進み、発熱量も大きくなります。発熱が大きい状態が続くと内部の電子部品が故障したり寿命が短くなるため、排熱が必要になり熱を逃がすためにファンモーターが使用されます。

パソコンやサーバー、プロジェクターやゲーム機器など電子機器の空冷、工作機械や様々な産業機器の空冷など様々な空気の流れを作る場面で使用されています。

ファンモーターの原理

ファンモーターは、形状により軸流ファン、ブロワ、遠心ファンなどに分かれます。一般的に多く使われるのは、軸流ファンです。

軸流ファンは、中央部にモーターと羽根が取り付けられ正面から風を吸い込んで後面に吐き出すファンです。風量が高いものや静圧が高いもの、ファンの騒音が低いものなど様々な特徴を持ったタイプがあります。風を送ったり換気したり空気を流すことで冷却を行うなど様々な用途で用いられます。

ブロワは、軸流ファンとは羽根の形状が異なり、円筒状に配置した羽根の遠心力によって、回転軸に対して垂直な方向に風を吐き出します。ブロワはシロッコファンとも呼ばれます。埋め込み式のファンなどによく用いられ、家庭のトイレや浴槽の換気扇などに使用されています。

遠心ファンは、軸流ファンと同じように中央部にモーターと羽根が取り付けられていますが、一般的に軸流ファンにあるフレームがないことが特徴です。軸流ファンが吸い込んだ風を背面に流すのに対して、遠心ファンは吸い込んだ風を側面に放射状に流すことが特徴です。

参考文献
https://www.minebeamitsumi.com/product/rotary/1181993_6167.html
https://www.orientalmotor.co.jp/tech/reference/cooling_fan01/
https://techcompass.sanyodenki.com/jp/training/cooling/fan_basic/002/index.html

プーリー

プーリーとは

プーリー

プーリーとはベルトを介して軸から軸へと回転力を伝える機械部品です。プーリーにはいろいろな形状・種類が有り、ベルトとプーリーは同じ種類どうしの組み合わせで使用します。種類は、平ベルト用プーリー、Vベルト用プーリー、歯付きプーリー、丸ベルト用プーリー、金属ベルト用プーリーなど有り、それぞれのプーリーに合致するベルトが有ります。JISで形状・寸法が規定されているものや、メーカーが独自に規定して製作しているものも多く流通しています。

プーリーの使用用途

平ベルト用のプーリーは伝達効率が良く、農業用器機の動力伝達用途やOA機器での用紙搬送用途で使われます。

Vベルト用プーリーは高負荷に強くベルトを複数本並べてかけることができます。ボール盤の動力伝達、自動車エンジン部、集塵機などに使われます。

歯付きプーリーは滑りを嫌う場所で採用されています。サーボモーターステッピングモーターによる高精度で精密な位置決めや搬送を行う装置、プリンター機器などで使われます。

丸ベルト用プーリーは高負荷に対して不向きですが自由度が高く、玩具やOA機器などで使われます。

プーリーの原理

前述しましたようにプーリーはベルトとセットで回転力を伝えますが、この伝達には「摩擦伝動」と「かみ合い伝動」の2つの方式が有ります。

平ベルト用プーリー、Vベルト用プーリー、丸ベルト用プーリーなどは摩擦電動で、プーリーとベルトの接触面の摩擦力で回転力を伝えます。Vベルト用のプーリーはVベルトとの接触面積が大きく、ベルトの食い込みによるくさびの効果もあり、平ベルト用プーリーと比べると伝動力は大きいです。摩擦による伝動では滑りの発生は避けられず、許容される場面で使用されます。しかしながら摩擦伝動では過大な負荷がかかった場合にはプーリーとベルトが滑って空転する特徴を生かして、安全装置としての働きを持たせるよう考慮している場合もあります。例えば駆動系に何かが巻き込まれたときにスリップさせることで一定以上の力が加わらないようにして過負荷を防止します。

歯付きプーリーはかみ合い伝動です。プーリーとベルトには歯が付いており、かみ合って動力を伝えるため滑りは発生しません。よって、高精度な位置決めが必要とされる場面で使用されています。似た機械部品でスプロケットとチェーンが有りますが、歯付きプーリーの方は軽くて騒音が低く、潤滑油が不要であることが特徴です。

参考文献
https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure-sys/machine-elements/gear/belt-chain-basic.jsp
https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure-sys/machine-elements/gear/belt-chain-basic.jsp

フォークリフト

フォークリフトとは

フォークリフト

フォークリフトとは、荷物の運搬作業の効率化を目的として開発された機器です。

パレットに差し込むためのフォークと昇降させるためのマストを持ち、油圧や電力で作動します。

フォークリフトの運転には転倒や衝突防止の安全配慮が必要で、所定の技能講習を修了する必要があります。荷物を運搬する際には側面に穴が開いたパレットに積載し、穴の部分にフォークを指して持ち上げて運搬可能です。

フォークリフトの使用用途

フォークリフトは工場や物流倉庫で荷役作業の効率化のために用いられています。フォークリフトを運搬に用いると人力での持ち上げが困難な荷物を迅速に移動可能です。

近年動力源は排気ガスや操作性向上の観点からバッテリーが主に利用されています。フォークリフトは小回りに配慮して設計されていますが、狭い場所での移動や運搬にはより小型で移動のための動力を持たないハンドリフトが利用されます。

フォークリフトの原理

フォークリフトの荷物を持ち上げて運ぶための部分は荷役装置と呼ばれており、主に油圧で動きます。シリンダに高圧の作動油を送り込むと荷役装置のシリンダを動かして荷物を持ち上げ、降ろすときには逆に作動油をタンクに戻してフォーク部分のリフトやティルト動作を行います。

運搬可能な重量にはフォークを一定の高さに持ち上げた状態での基準荷重が定められていますが、より高く持ち上げて使用する場合には重心を考慮して積載量を抑えることが重要です。高さに応じた最大の積載量は許容荷重量としてリフトに表示されています。

運転する際は常に重心の位置に気を配ることが重要です。許容荷重量を超えた状態での運搬やフォークを高く上げた状態でのティルト操作は重心が前方上方に移動し、転倒の原因となるため禁止されています。坂道の移動も登り坂は前進、下りは後進するように定められています。

フォークリフトの種類

主にフォークリフトは5種類に分類されています。

1. カウンターリフト

最も一般的なフォークリフトで、重量に耐えられる構造です。車体後部に重りを設置し、重いものを持ち上げて運ぶときに平衡を保ちます。車体が安定しており、座った状態でも操作でき、フォークの動作が速いです。しかし車体が大きく、狭い場所での利用には適していません。

2. リーチフォークリフト

移動せずにフォークを前後に動かせます。立った状態で運転し、荷物の重量に関係なくフォークを内側に引き込めます。タイヤが90°回転し、屋内などで小回りがしやすく、狭い場所での作業に適しています。

3. サイドフォークリフト

車体の横にフォークがあり、運転席が高いです。荷台が広くパイプや木材のような長尺物の運搬に向いています。

4. ウォーキーフォークリフト

車両に乗り込まずにオペレーターが歩きながら手で操作して移動可能です。電動のため、手で動かすときに大きな力は必要ありません。コンパクトなため狭い通路でも移動でき、エレベーターに乗って積み下ろし可能です。

5. マルチディレクショナルフォークリフト

前後だけでなく横方向にも移動できます。横に動けるため、狭い通路でも切り返す必要がありません。

フォークリフトの構造

フォークリフトの動力は蓄電池式と内燃機関式に分けられます。

1. 蓄電池式

バッテリーに蓄積された電気によりモーターを動かします。早くからフォークリフトではバッテリータイプの蓄電池式が普及していました。現在3トン以下の小型のフォークリフトで使用される場合が多いです。

蓄電池式は騒音が少なく、深夜や早朝に住宅街で作業する際に向いています。排気ガスが出ず環境に優しく、冷凍倉庫のような閉鎖された場所でも安全です。

2. 内燃機関式

ガソリン、圧縮天然ガス、液化石油ガス、ディーゼルなどを燃料に用いています。スピードよりパワーを重視する際にディーゼルを使用する場合が多いです。しかし排気ガスで健康被害のリスクがあり、閉鎖された場所では使用できません。

参考文献
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000628483.pdf
http://www.battery-service.jp/blog/?p=100
https://www.maruei-u.co.jp/word/word_1659/

フォトIC

フォトICとは

フォトICとは、光を受ける受光素子とその信号を処理するICを1つのパッケージに組み込んだデバイスで、用途に応じた機能を備えた部品です。

フォトICは構造により、モノシリックタイプとハイブリッドタイプに分けられます。モノシリックタイプは、受光部と信号処理回路が同一チップ上に形成されているタイプで、受光部と信号処理間のワイヤー配線が不要でノイズに強いという特徴を有しています。

ハイブリッドタイプは、受光素子と信号処理回路が独立したチップで構成されたもので、それらを1つのパッケージ内に収めたものです。それぞれのチップ間はワイヤーで接続されているため、受光素子の形状や分光感度特性を用途に応じて最適化できることが利点です。

フォトICの使用用途

フォトICは光を検知するために使用されますが、様々な目的に向けた多種のデバイスが存在します。フォトICの主な使用用途は、以下のとおりです。

  • 照明の明るさを測定する照度計やカメラの露出計
  • 光ファイバを用いた通信の受信機
  • 移動量や回転角を検知するためのエンコーダモジュール
  • 色を検知するため、RGBに分解するカラーセンサー
  • 光によって物体検出を行うためのフォトインタラプタの受光器
  • 対象物までの距離を三角測距方式により測定する測距装置

フォトICの原理

フォトICは、光を受けて電流を発生するフォトダイオードやフォトトランジスタ、PSD (Position Sensitive Detector) などを受光素子として、その出力電流を増幅する回路、及び増幅された出力を使って信号を処理する信号処理回路から構成されるものです。使用目的に応じて、様々な受光素子や処理回路を組み合わせた製品が多品種供給されています。

また、特殊なデバイスになりますが、出力が周波数で得られるフォトICもあります。フォトICと電流-周波数変換回路から構成され、広いダイナミックレンジを特徴とするものです。

受光素子はデバイスにより分光感度特性が異なりますが、どれも人間の視感度特性とは一致していません。一般的に用いられるシリコンフォトダイオードでは900nmから1,000nm付近に感度のピークがありますが、人間の視感度特性は400nmから700nmの範囲であり、かつ感度のピークは550nm付近なので、フォトダイオードが検出する明るさの信号と人間が感じる明るさは異なります。

そこで、照度計など人間の感度に合わせる必要がある用途向けには、視感度補正フィルターを介してフォトダイオードの分光感度特性の補正が必要です。

フォトICの種類

フォトICは様々な機能や特徴を備えたものが販売されています。主な種類は、以下のとおりです。

1. 測距用フォトIC

物体までの距離を計測する用途で使われるフォトICで、受光素子としてはPSDやフォトセンサーアレイが用いられます。近赤外LED等の発光素子と組み合わせ、発光素子から投射したスポット光が物体に反射して受光素子に到達した光の位置を基に、三角測距の原理で物体までの距離を算出するものです。

2. RGBカラーセンサー

3つのフォトダイオードの表面に各々赤色 (R) だけを通過する光学フィルタ、青色 (B) だけを通過する光学フィルタ、緑色 (G) だけを通過する光学フィルタを張り付け、各フォトセンサーの出力を比較して、入射光の色を分析する為のフォトICです。各センサーの出力は入射光をRGB各色の成分に分解したもので、主な用途として色彩照度計などの測定器が挙げられます。

3. 照度センサー

照明光等の明るさを測定するためのセンサーで、視感度補正フィルターなどを用いて人間の分光感度特性に近付けた受光素子を備えたフォトICです。主に照度計や撮影機器の露出計に採用されています。

4. 光通信用フォトセンサー

光ファイバーを用いた光通信の受信用デバイスです。光ファイバーの端面に設置して送信されてくる光信号を受信して電気信号に変換します。受光センサー前面に凸レンズを設けて、集光特性を改善したデバイスがあります。

5. 光電スイッチ

LED等の発光素子と組み合わせて、光電スイッチを構成するためのフォトICです。フォトインタラプタやフォトリフレクタの受光器もこの分類に含まれます。

6. エンコーダー用フォトIC

一般的には、4チャンネルのフォトダイオードアレイを有したフォトICです。回転方向と回転量を検出できる構成で、フォトダイオードアレイへの光の入力状態に応じた2相のデジタル出力が得られます。発光素子と組み合わせて、エンコーダ機能付のフォトインタラプタを容易に構成できます。

7. リモコン受光IC

赤外線を使ったリモコン用の受信ICで、テレビや録画機、エアコンなどに広く採用されているリモコンシステムに使われています。可視光カット特性を持った樹脂で覆われていることと送信機の点滅周波数 (30kHzから40kHz) に応じた急峻なバンドパスフィルターを備えていることが特徴です。送信機のコマンド信号を受信して機器本体の処理回路に出力します。

参考文献
https://www.kodenshi.co.jp/top/seminar/vol_02/
https://techweb.rohm.co.jp/iot/tech-info/keypoint/3854

プッシュスイッチ

プッシュスイッチとは

プッシュスイッチ

プッシュスイッチとは、人の指による押し動作でオンオフを行うスイッチです。

押ボタンスイッチとも呼ばれます。プッシュスイッチは、人による入力装置として様々な制御に用いられています。多くの場合、機器を動作させる電流を直接オン・オフするのが役割です。

操作部や取り付け部の形状は多岐にわたり、様々なものがあります。また、オンオフを表示するための発光の有無、発行する場合の色のバリエーションなども豊富です。

プッシュスイッチの使用用途

プッシュスイッチは、様々な場面で使用されています。具体的には、人の指による動作を行う入力装置であることから、制御機器の運転操作や設定条件の入力用スイッチとして用いられています。

また、産業用機械の操作盤の入力部として、運転や停止の指示および各種動作条件の設定の入力などに使用されています。そのほか、家庭用電化製品の電源オンオフ操作など、一般的に人の操作を入力として動作の設定や動作のオンオフなどを行う機器にも有用です。

プッシュスイッチの原理

プッシュスイッチの代表的な構造は、スイッチの接続端子が押しボタンに接続されており、ボタンを押すことで接点が接触するものです。反対に、接続端子がばねで押し付けられており、ボタンを押すと接点が離れるタイプもあります。

スイッチ内部に機械的なロック機構が設けられており、一度押すと動作状態が維持されるものもあります。戻すときにはもう一度押すタイプ、引き戻すタイプ、ひねるタイプなどさまざまです。

プッシュスイッチの特徴として、スイッチのオンオフを光で表示する照光スイッチが多く存在する点が挙げられます。照光スイッチは、内部にLEDなどの光源を内蔵しています。

プッシュスイッチの種類

1. モーメンタリー型・オルタネイト型

プッシュスイッチは、接点の状態の切り替え方式としてモーメンタリー型とオルタネイト型に分かれます。

モーメンタリー型は、「モーメンタリー」というその名が示す意味の通り「瞬間的 (一時的) 」な動作モードのタイプです。スイッチを押している間だけ、オンになります。

オルタネイト型は、「交互」という意味であり、スイッチを押すとオンに切り替わり、指を離してもオンのままです。そして、もう一度スイッチを押すとオフに切り替わり指を離してもオフのままになります。スイッチを押すたびにオンオフを交互に繰り返す動作をします。

2. ラッチタイプ・アンラッチタイプ

機械的な動作の違いで、ラッチタイプとアンラッチタイプのプッシュスイッチがあります。

ラッチタイプは、指で押してオンしたらスイッチが押された状態で保持されます。そして、またスイッチを押すと元の位置に戻りオフされます。

それに対して、アンラッチタイプはオンしてもオフしても一度スイッチを押すと位置が元の位置に戻るタイプです。

プッシュスイッチの選び方

1. 照光式・非照光式

プッシュスイッチは人間が指で押すものであるため、人間工学的な要求度も高い機器です。照光式は実際にオンオフできたかの情報が操作者にフィードバックされるため、重要な操作部で有益です。

2. 表面形状

スイッチの表面形状は凹形が操作性が良いとされています。一方、平面型は文字や記号を表記するのが容易です。

3. 動作の仕方

動作の仕方 (モーメンタリー・オルタネート、ラッチ・アンラッチ) の中から、使用目的に適合したものを選びます。動作に要する力が大きすぎないか・小さすぎないか、ラッチの感触が適切かも確認することが好ましいです。

4. 耐環境性

使用環境に応じて防塵性や防水性に配慮します。スイッチの防塵性・防水性の基準にIEC (International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議) が定めたIPコードというものがあります。

「IP」に続いて数字が2つ表示され、最初の数字が防塵性、次の数字が防水性を示します。数字が大きいほど性能が高いです。また、簡易的に防塵性・防水性を得る為に、ゴム製の「防水キャップ」で重要部を覆っているものもあります。

5. 定格電流・電圧

プッシュスイッチの多くは電流の開閉を行うものであるため、どれくらいの電流・電圧まで使えるかは重要です。その目安が「定格」であり、直流・交流の別、定格電圧、定格電流で示されます。実際の使用条件に対し、十分余裕を持ったスイッチを選びます。

参考文献
https://www.nkkswitches.co.jp/support/klg/knowledge.html
https://e-sysnet.com/bs/

フットスイッチ

フットスイッチとは

フットスイッチ

フットスイッチとは、足で操作するスイッチです。

足の動作により電源や電気信号のオンオフを切り替えたり、電気回路の切り替えを行ったりすることができます。足でスイッチを操作することにより、手で行っている作業を中断せず継続できるため、作業の効率化につながります。

また、手と足で動作を分担する意図でも使われることがあります。衛生上の理由でスイッチを手で扱えない場所 (病院の手術室や食品加工場) にも有用です。

フットスイッチの使用用途

フットスイッチが使用されている分野は、測定機器や医療機器、音楽演奏用を含むアミューズメント機器や介護福祉機器関連、工作機械やプレス機器等の産業用機械、デジタル機器入力など様々です。

代表的な機能は、足の動作によりオンオフするスイッチですが、使用される業界や求められる仕様により形状が異なるほか、機能についても多くの種類があります。例えば、デジタル機器の外部入力装置として信号を入力する用途においては、キーボードの特定のキーを専用のソフトウエアでフットスイッチに割り当てることがあります。

これは、高頻度に押す特定のキー操作を足踏みで行うことで、手を用いた入力操作を分担し、入力作業の効率性を向上させるのが目的です。

フットスイッチの原理

フットスイッチの代表的な構造は、足踏みペダルを支える筐体にマイクロスイッチが組み込まれているものです。ペダル部分を踏むことでマイクロスイッチが押されるようになっています。

ペダルおよび筐体の材質には、アルミ合金やABS樹脂などが用いられます。足で踏むため、強度が必要です。

ペダルを用いず、足で間違いなく踏める程度に大型の押ボタンスイッチを足で踏む構造としているタイプのフットスイッチもあります。

フットスイッチの種類

1. モーメンタリー型・オルタネイト型

踏む動作による電気的な接続状態の変化の違いにより、モーメンタリー型とオルタネイト型に分かれます。

モーメンタリー型
その名の通り、「瞬間的な」という意味があります。スイッチを踏んでいる間だけ、オンするという動作をします。

オルタネイト型
「交互」という意味があります。スイッチを踏むとオンに切り替わり、足を離してもオンのままです。

そして、もう一度踏むと、オフに切り替わり足を離してもオフのままになります。スイッチを踏むたびにオン・オフを交互に繰り返します。

2. ラッチタイプ・アンラッチタイプ

機械的な動作の違いで、ラッチタイプとアンラッチタイプのフットスイッチがあります。

ラッチタイプ
踏んでオンしたら、スイッチが踏んだ状態で保持されます。そしてまた踏むとスイッチが元の位置に戻りオフされます。

アンラッチタイプ
オンしてもオフしても一度踏むとスイッチの位置が元の位置に戻るタイプです。

フットスイッチの選び方

1. 使用条件・使用環境

まず、電気部品として、作動させる電圧 (交流・直流) や電流などの定格について、使用条件に適合するかの確認が必要です。

また、防塵カバーのあるタイプや防雨タイプなど、使用環境に合わせてタイプを選択します。

2. 形状

ペダル型が一般的ですが、360°どちらからでも踏むことができる丸形のものもあり、用途に応じて選択します。

3. 動作の仕方

動作の仕方 (モーメンタリー・オルタネート、ラッチ・アンラッチ) について使用目的に適合したものを選びます。ただし、動作の仕方が事実上1種類しか存在しない用途のものもあります。

例えば、音楽演奏用のもので、電子ピアノの演奏中の音の伸びを調節するペダルスイッチなどです。動作に要する踏力が大きすぎないか・小さすぎないか、ラッチの感触が適切かも確認することが望ましいです。

4. 極性

信号電流の切り替えを行う電気式のスイッチの場合、極性 (信号線プラグのどちらが+でどちらが-か) があり、極性が意図した向きになっているか確認が必要です。

例えば、音楽演奏用のフットスイッチでは、楽器メーカーによって極性が異なることがあります。逆の極性のフットスイッチを使用した場合、スイッチの動作が逆になってしまいます。

参考文献
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/288/
https://www.kdengyo.co.jp/product.php/1/
https://umbrella-company.jp/contents/guitar-pedal-footswitch/

フッ素ゴム

フッ素ゴムとは

フッ素ゴムとは、耐熱性、耐油性、耐炎性、耐候性、耐薬品性に優れたゴムです。

これらの物性は、他の合成ゴムと比較すると群を抜いています。主なフッ素ゴムの略号はFKMで、これはFluoro (フッ素性の)、Kautschuk (ドイツ語でゴムの意)、Mグループ (ゴムの分類に係る略号:Mはポリメチレンタイプの飽和主鎖を持つゴム) の頭文字をとって表されています。

フッ素ゴムは重合が非常に難しいこともあり、高価なゴムですが様々な面において高い耐久性を有するため、過酷な環境で使用される場合が多いです。

フッ素ゴムの使用用途

フッ素ゴムは、特殊な環境下で優れた特性を発揮します。特性を活かした使用用途は、以下の通りです。

1. 自動車分野

自動車関連では、ガソリンの蒸散性にも対応可能であることから燃料ホースとして使われています。また、耐熱性、耐油性などの特性より、自動車内部の機器密封用のオイルシールやガスケットとしても使用されています。

2. 半導体製造装置

各種化学薬品に対する耐性が必要であるため、フッ素ゴムが使われています。

3. 航空・宇宙の分野

腐食性の高い燃料を用いていることや、耐油性、耐熱性、耐候性が必要であることから、フッ素ゴムが使用されています。

4. 食品や医療分野

高い耐酸性を活かして内視鏡の部材などに使用されています。

フッ素ゴムの特徴

フッ素ゴムの特徴は、前述したように、耐熱性、耐油性、耐炎性、耐候性、耐薬品性が抜きんでて優れている点です。フッ素原子はあらゆる元素と結合しやすいですが、特に炭素原子との結合であるC-F結合は結合エネルギーが高く、電気的にも安定であり、これがフッ素ゴムの高い耐久性の源にもなっています。

一方で、ゴムの弾性や加工性は他の合成ゴムに劣っています。

フッ素ゴムの種類

フッ素ゴムにはいくつかの種類があります。主な種類は、フッ化ビニリデン系ゴム (FKM) 、四フッ化エチレン-プロピレン系ゴム (FEPM) 、四フッ化エチレン-パーフルオロメチルビニルエーテル系ゴム (FFKM) の4つです。

これらの中でフッ化ビニリデン系フッ素ゴム (FKM) は、前述の各種物性と加工性、価格などのバランスがとれており、最も市場に流通しています。よって一般的にフッ素ゴムと呼ぶ場合、フッ化ビニリデン系ゴム (FKM) のことを指しています。

なお、フッ化ビニリデン系ゴム (FKM) はさらに以下の3種類に分類できます。

1. 2元系フッ素ゴム

2元系フッ素ゴムは、フッ化ビニリデン (VDF) と6フッ化プロピレン (HFP) の共重合体です。市場のフッ素ゴムの内、約80%を2元系フッ素ゴムが占めています。

HFPの方が分子中に含まれるフッ素の割合が大きいため、ポリマー中に含むHFPの割合が大きくなればなるほど、ポリマー中に含まれるフッ素の割合も大きくなります。

フッ素の割合が大きくなると、耐熱性や耐油性が向上する一方で、耐寒性が低下します。現在取引されている2元系フッ素ゴムのほとんどは、物性のバランスが良いとされるフッ素濃度66%になるよう設計されています。

2. 3元系フッ素ゴム

上記2種のモノマーに加えて、4フッ化エチレン (TFE) も共重合した共重合体です。機械的強度や化学的特性、耐薬品性などほとんどの特性において2元系フッ素ゴムより優れていますが、より高価です。

3. 低温タイプフッ素ゴム

耐寒フッ素ゴムとも呼ばれます。3元系フッ素ゴムのHFPの代わりにパーフルオロメチルビニルエーテル (PMVE) が原料として用いられています。耐寒性が高く、低温におけるシール性などに優れているため、自動車の各種シール材などに用いられています。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/gomu/89/1/89_16/_pdf/-char/en
https://www.mitsufuku.co.jp/products/how-to-fkm/
https://www.mitsufuku.co.jp/products/how-to-fkm/

フッ素樹脂

フッ素樹脂とは

フッ素樹脂とは主鎖の化学構造にフッ素を含有する樹脂の総称です。炭素-フッ素結合の強さに起因して、優れた耐熱性、耐燃性、耐薬品性、耐候性を示します。そのほか、低摩擦性、撥水性、非粘着性などの特性にも優れています。ただし、他の樹脂に比べて一般的にフッ素樹脂は高価です。

フッ素樹脂の例としてはPTFE、PFA、ETFE、PVDFなど化学構造が異なる様々な樹脂が挙げられます。これらの樹脂はそれぞれ耐熱性、加工性などが異なっており、求める機能、使用環境、加工条件に応じて最適なフッ素樹脂を選定します。

フッ素樹脂の使用用途

フッ素樹脂は主鎖の化学構造にフッ素を含有した高分子の総称で、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)などが該当します。

ポリエチレンポリプロピレンなどの他の樹脂に比べてフッ素樹脂は耐熱性、耐薬品性、耐候性、低摩擦性などが優れています。これらの特徴を活かし、フッ素樹脂はシール材や電線、耐食ライニング、自動車燃料ラインなど様々な用途に用いられます。またフライパン表面のテフロン加工のように金属表面をフッ素樹脂でコーティングすることでフッ素樹脂の機能を発現させることもあります。

フッ素樹脂の特徴

フッ素樹脂は炭素-フッ素結合を有します。炭素-フッ素結合は非常に強く、容易に切断されることはありません。そのため、フッ素樹脂は他の樹脂に比べて耐熱性、難燃性、耐薬品性、耐紫外線性などの特性に優れています。

その他、フッ素樹脂は低誘電性、絶縁性にも優れていたり、低摩擦性や撥水性にも優れたりするなどの特徴もあります。一方でフッ素樹脂は他の樹脂に比べて高価であり、加工方法も限られるという欠点はあります。

フッ素樹脂の種類

上記の通り、化学構造が異なる複数の樹脂を総称したものがフッ素樹脂です。具体的な樹脂の例としては、炭素とフッ素原子のみ含んでおり非常に高い耐薬品性、難燃性を有するPTFE、PTFE樹脂と同等の特性を有しながらも溶融成形可能なPFA、-200℃~150℃までの幅広い温度領域で安定した機械的特性を維持し、耐候性にも優れたエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)などが挙げられます。

フッ素樹脂の種類

図1. フッ素樹脂の種類

フッ素樹脂に含まれる樹脂はそれぞれ化学構造が異なるため、特性も異なります。例えばPTFEは溶融粘度が非常に高いため、粉末を圧縮成形したのち、焼成することで成型します。一方でPFAなどの他のフッ素樹脂は溶融成形が可能です。また、機械強度や熱安定性も樹脂によって異なるので、必要とされる物性から適切なフッ素樹脂を選定する必要があります。