フッ素樹脂

フッ素樹脂とは

フッ素樹脂とは主鎖の化学構造にフッ素を含有する樹脂の総称です。炭素-フッ素結合の強さに起因して、優れた耐熱性、耐燃性、耐薬品性、耐候性を示します。そのほか、低摩擦性、撥水性、非粘着性などの特性にも優れています。ただし、他の樹脂に比べて一般的にフッ素樹脂は高価です。

フッ素樹脂の例としてはPTFE、PFA、ETFE、PVDFなど化学構造が異なる様々な樹脂が挙げられます。これらの樹脂はそれぞれ耐熱性、加工性などが異なっており、求める機能、使用環境、加工条件に応じて最適なフッ素樹脂を選定します。

フッ素樹脂の使用用途

フッ素樹脂は主鎖の化学構造にフッ素を含有した高分子の総称で、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)などが該当します。

ポリエチレンポリプロピレンなどの他の樹脂に比べてフッ素樹脂は耐熱性、耐薬品性、耐候性、低摩擦性などが優れています。これらの特徴を活かし、フッ素樹脂はシール材や電線、耐食ライニング、自動車燃料ラインなど様々な用途に用いられます。またフライパン表面のテフロン加工のように金属表面をフッ素樹脂でコーティングすることでフッ素樹脂の機能を発現させることもあります。

フッ素樹脂の特徴

フッ素樹脂は炭素-フッ素結合を有します。炭素-フッ素結合は非常に強く、容易に切断されることはありません。そのため、フッ素樹脂は他の樹脂に比べて耐熱性、難燃性、耐薬品性、耐紫外線性などの特性に優れています。

その他、フッ素樹脂は低誘電性、絶縁性にも優れていたり、低摩擦性や撥水性にも優れたりするなどの特徴もあります。一方でフッ素樹脂は他の樹脂に比べて高価であり、加工方法も限られるという欠点はあります。

フッ素樹脂の種類

上記の通り、化学構造が異なる複数の樹脂を総称したものがフッ素樹脂です。具体的な樹脂の例としては、炭素とフッ素原子のみ含んでおり非常に高い耐薬品性、難燃性を有するPTFE、PTFE樹脂と同等の特性を有しながらも溶融成形可能なPFA、-200℃~150℃までの幅広い温度領域で安定した機械的特性を維持し、耐候性にも優れたエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)などが挙げられます。

フッ素樹脂の種類

図1. フッ素樹脂の種類

フッ素樹脂に含まれる樹脂はそれぞれ化学構造が異なるため、特性も異なります。例えばPTFEは溶融粘度が非常に高いため、粉末を圧縮成形したのち、焼成することで成型します。一方でPFAなどの他のフッ素樹脂は溶融成形が可能です。また、機械強度や熱安定性も樹脂によって異なるので、必要とされる物性から適切なフッ素樹脂を選定する必要があります。

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