光学フィルタについての概要、用途、原理などをご説明します。また、光学フィルタのメーカー13社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。光学フィルタ関連企業の2023年5月注目ランキングは1位:朝日分光株式会社、2位:株式会社オプトサイエンス、3位:中央精機株式会社となっています。
光学フィルタとは、入射光のうち、特定の光のみを選択的に透過させることができる光学素子です。
光学フィルタは、光を吸収または反射させることで特定の波長を遮断し、性能によって様々な種類があります。光学フィルタリングの原理を理解し、用途に合った光学フィルタを選択することで、高い使用効果を得ることができます。
光学フィルタは、コントラストの調節や光の特定波長のみを透過させる用途で使用され、以下のように様々な種類があります。
身近な例では、プロジェクターなどの投影機、カメラなどの映像機器などに用いられていて、光量やコントラストの調節や色の調整、過剰露光の抑制など役割も多いです。
この他にも、測量機、光学機器などで幅広く用いられており、具体的には顕微鏡や半導体などの精密機器の製造に使用される測定装置などがあります。
特定波長の光を選択するフィルタとして、バンドパスフィルタとノッチフィルタが挙げられます。バンドパスフィルタは、特定の波長領域の光のみを選択して透過することができる光学フィルタです。
一方で、ノッチフィルタは、特定の波長領域の光を選択して遮断することができます。両者ともにレーザーを使用した実験で使用される場合が多いです。ノッチフィルタは、強度が高く単一波長を持つレーザー光をカットしたいときに役立ちます。
特定波長領域を選択するフィルタとして、ロングパスフィルタとショートパスフィルタが挙げられます。ロングパスフィルタは、特定の波長より短波長領域を遮断して長波長側の光を透過することができる光学フィルタです。
一方、ショートパスフィルタは、特定の波長より高波長側の光を遮断して短波長側の光を透過することができます。ロングパスフィルタは、励起波長より長い波長領域に現れる発光スペクトル測定などに使用されます。
励起光源などの光をカットして、測定したい発光スペクトルのみを検出することが可能です。また、ロングパスフィルタとショートパスフィルタの両方を組み合わせることで、バンドパスフィルタと同じような用途でも使用することができます。
明暗を選択するフィルタとして、NDフィルタが挙げられます。ND (Neutral Density:中性濃度) フィルタは、入射する光の量を一定率で減衰させて光量を調節できます。
光量を減らすことを目的とした光学フィルタで、製品と用途にもよりますが写真撮影時に使用される場合が多いです。可視光域の間で、どの波長でもほぼ同じ減光比を示します。例えば、風景写真、特に流動性のある液体を撮影したい場合 (滝や川など) に、流動感をもたせるためにはシャッター時間を長くしなければなりません。
しかし、シャッター時間を長くすることで必要以上の光量を得てしまい、画像の一部に白飛びが生じる場合があります。その際にNDフィルタを用いて、あえて光量を落として撮影することもあります。
光学フィルタの原理は、フィルタリングの方式によって吸収型とダイクロック型の2種類に大きく分けることが出来ます。
吸収型は、ガラス基板の光吸収の特性を利用して、一部の波長の光を吸収して遮断し、特定の波長の光のみを透過させるフィルタリング方式です。
色ガラスフィルタとも呼ばれ、素材によって吸収波長を変えることが可能で、主にロングパスフィルタとして用いられます。ダイクロイック型に比べ、安価で大面積ですが、透過率などの性能で劣ります。また、入射光強度が大きい場合、透過光を検出する際にガラスからの発光がバックグラウンドとして現れる場合があります。
ダイクロック型は、一部の波長の光を反射して遮断し、特定の波長の光のみを透過させるフィルタリング方式です。複数の屈折率の異なる薄膜を積層することで、干渉効果を利用してフィルタリングしています。
光学フィルタの性能を規定するための以下の用語は、光学フィルタを理解し選択する上で必要となります。
1. 中心波長
中心波長とは、バンドパスフィルタの特性を定義する場合に用いられ、フィルタが透過するスペクトルバンドの中心を指します。
2. バンド幅
バンド幅は、バンドパスフィルタが透過するスペクトルの幅であり、半値全幅 (FWHM) により規定されます。最大透過率を起点として、そこから短波長方向にグラフを見たときに透過率が50%となる位置の波長と、長波長方向にグラフをみたときに透過率が50%となる波長との幅を表します。
3. ブロッキング領域
フィルタによって減衰される (光が遮断される) 波長域を規定します。遮断能力は光学濃度によって規定されます。ここで光学濃度とは光がどれだけ透過・反射しないかの度合いを対数で表現したもので、最小が0 (すべて透過・反射) で、数字が大きいほど遮断能力が高くなります。
参考文献
https://www.edmundoptics.jp/knowledge-center/application-notes/optics/optical-filters/
https://www.asahi-spectra.co.jp/filter/search/lineup.htm
https://www.ccs-inc.co.jp/guide/column/light_color_part2/vol02.html
https://www.chuo.co.jp/core_sys/images/main/pdf/38GC0981-0982.pdf
https://www.edmundoptics.jp/knowledge-center/application-notes/optics/optical-filters/
https://www.kenko-tokina.co.jp/special/product_type/nd/nd-filter-guide.html
https://www.array.co.jp/tutorial/od
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エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社 株式会社イー・スクエア*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年5月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 朝日分光株式会社 |
21.3%
|
2 | 株式会社オプトサイエンス |
17.0%
|
3 | 中央精機株式会社 |
12.8%
|
4 | 株式会社ルミネックス |
8.5%
|
5 | HOYA株式会社 |
8.5%
|
6 | 京セラ株式会社 |
6.4%
|
7 | 山一電機株式会社 |
6.4%
|
8 | 東海光学株式会社 |
6.4%
|
9 | エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社 |
4.3%
|
10 | フジトク株式会社 |
4.3%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年5月の光学フィルタページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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