フォトトランジスタについての概要、用途、原理などをご説明します。また、フォトトランジスタのメーカー26社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。フォトトランジスタ関連企業の2022年7月注目ランキングは1位:ローム株式会社、2位:浜松ホトニクス株式会社、3位:新光電子株式会社となっています。
フォトトランジスタは、光を検出するための半導体素子です。フォトダイオードとトランジスタを組み合わせた構造をしています。
また、パッケージによって様々な形状のものがあるため、用途に合わせて適切なものを選択することが必要です。
フォトトランジスタは、フォトダイオードとトランジスタと組み合わせることにより、フォトダイオードで受光したときに発生した光電流を約1000倍まで増幅することが可能です。そのため、フォトトランジスタの方がフォトダイオードよりも感度が高いという特徴があります。
このためフォトトランジスタは、フォトダイオード、PINダイオードの低感度を補うために使用される場合があります。フォトトランジスタはフォトダイオードより感度がよく、フォトダイオードのhFE倍(hFE:直流電流増幅率)となるという特徴があるためです。
実際にはフォトトランジスタの感度は、フォトダイオードの数百倍となり、更に高感度が必要な場合にはダーリントン接続されたフォトトランジスタの使用で数百倍x数百倍の感度を得ることができます。これにより、数Luxの明るさを検出することが可能です。
CDSとは、「フォトレジスタ」のことです。「CDSセル」、「光導電セル」とも呼ばれます。
CDSは、受ける照度に反比例して抵抗値が減少します。すなわち、照度が暗いときには抵抗値が高くなり、照度が明るいときには抵抗値が低くなるという特性です。
一般的なCDSの場合、照度が暗いときは約1MΩであり、明るいときには約10kΩと抵抗値が変化します。CDSのメリットは、「分好感度特性が人間の視覚に近い」、「構造が簡単」、「高感度」、「低価格」ということです。
CDSは、様々な機器の検出器として用いられています。例えば、「照度計」、「カメラ用露出計」、「自動点滅用の明るさ検知用」などに使用されています。
しかし、CDSの素子として使われている主な材料である硫化カドミウムは、環境に悪影響を与える物質です。そのため、CDSは近年、次第に使用が減っているというのが実情です
この一方でフォトトランジスタは、照度に比例した出力電流が得られます。フォトダイオードとトランジスタが合わさった構造をしているため、高感度というのもメリットです。
フォトトランジスタは、受光センサーとして幅広く使用されています。特に800 nm付近に感度のピークを持つため、赤外線の受光を目的として使用されるのが一般的です。
具体的なフォトトランジスタの用途例としては、「光の強度測定」、「赤外線リモコンの受信部」、「光電センサー受信部」、「光通信」などで利用されています。例えば、テレビやエアコンのリモコンなどで赤外線LEDと組み合わせて使用されることが多いです。
フォトトランジスタは、自動ドアのセンサーとして使用されることもあります。さらに、光を検知して電流が発生することから、光で駆動するスイッチとして用いられることもあります。
フォトトランジスタは、NPN構造をもつ半導体素子です。このNPN構造によって、フォトトランジスタはフォトダイオードに比べて出力信号が大きく取れるという特徴があります。
フォトトランジスタのNPN構造は、具体的にはフォトダイオードの出力をトランジスタで増幅する構造です。半導体のエネルギーギャップに相当する光が入射すると、価電帯の電子が伝導帯に励起します。
これによってN層への移動が起こり、ホールはP層へ移動します。このN層からP層への移動により、接合部で順バイアスがかかり電流が流れます。
フォトトランジスタに利用されるトランジスタは、ベース電極を持っていないのが特徴です。しかし、受光によって発生する光電流がベース電流となり、このベース電流をコレクタで増幅します。
ベース電流の増幅は、他のトランジスタと同様にhFE(トランジスタの増幅率)倍です。ですがフォトトランジスタの特性として、同様のhFE倍であっても比較的大きなものが使われるという傾向があります。
フォトトランジスタの受光部は、コレクタ・ベース接合です。コレクタ・ベース接続であるため、フォトトランジスタに光が入るとベース・エミッタ接合は順バイアスされます。
そして、通常のトランジスタと同じようにエミッタ電流を増やし、電流はコレクタに収束されます。つまり、光の強弱によりベース電流が制御されるということです。
これによってベース電流の変化が増幅され、コレクタ電流を制御できることになります。しかし、コレクタ・ベース接合部では電流が常にリークしており、このリーク電流も増幅されているということも注意が必要です。
すなわち、フォトトランジスタは、完全な暗環境であっても微弱な電流が流れている状態になっているということです。この暗環境下でも流れている微弱な電流のことを、暗電流といいます。
フォトトランジスタで発生してしまう暗電流は、光センサーとしての内部ノイズになります。しかし、この内部ノイズを抑える方法があります。
暗電流は温度が高い場合には増加し、逆に温度が低い場合には減少していくという特性があります。そのためこの特性を利用して、素子を冷却することにより内部ノイズを抑えることが可能です。
また、コレクタ・ベース間の光電流はキャリア拡散によるため速度が遅くなります。さらに、コレクタ容量も存在するため、応答速度はフォトダイオード、PINダイオードより遅くなるという特徴にも注意が必要です。
参考文献
http://www.kodenshi.co.jp/top/seminar/vol_02/
https://www.digikey.jp/ja/articles/how-to-use-photodiodes-and-phototransistors-most-effectively
https://techweb.rohm.co.jp/iot/tech-info/keypoint/3870
www.kodenshi.co.jo/top/seminar/vol_02/
https://www.sensor-sk.com/hikari/hika01_hikari.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年7月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | ローム株式会社 | 16.1% |
2 | 浜松ホトニクス株式会社 | 11.6% |
3 | 新光電子株式会社 | 9.8% |
4 | シャープ株式会社 | 8.9% |
5 | オン・セミコンダクター | 8% |
6 | 株式会社京都セミコンダクター | 6.3% |
7 | コーデンシ株式会社 | 6.3% |
8 | 株式会社ユニテク | 5.4% |
9 | 株式会社オプトランス | 5.4% |
10 | Everlight ELectronics Co., Ltd. | 4.5% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年7月のフォトトランジスタページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
フォトトランジスタS2829シリーズは、レンズ付きの超小型プラスチックパッケージの受光素子です。
1.8マイクロアンペアの感度の高さを特徴とするフォトトランジスタであり、可視光をカットする樹脂で成形しています。
主な仕様として、光電流1.8mA、暗電流が最大100nAで、最大感度波長が800nm、下降時間は3μsとなっています。
主な用途として、ロータリーエンコーダやタッチパネルなどに使用することが出来ます。
SiフォトトランジスタKPT801HB2シリーズは、気密パッケージでNPN型のフォトトランジスタです。
可視光をカットすることができるタイプであり、暗電流が低いことなども特徴です。
主な仕様として、波長は最小700nmから最大で1100nmを検出することができ、立ち上がり時間は5μsと早くなっています。
主な用途として、光スイッチやアイソレータ、カメラストロボ、光学式エンコーダ、赤外センサ、自動制御機器などに使用することが出来ます。
フォトトランジスタUS7500 シリーズは、シリコンフォトトランジスタで、セラミックステムに対してフォトトランジスタチップとNPN型シリコンを組み込んでいます。
主な仕様として、レンズ部分にはエポキシ樹脂を使用しており、ピーク感度波長は標準値で910nmです。
感度の高いフォトトランジスタであり、高い放熱性を持つΦ3セラミックステムにより、高信頼度を獲得しています。
また、RoHS規格に準拠した適合品であることも特徴です。
主な用途として、センサ用の受光素子に使用することができます。
フォトトランジスタサイドビュータイプRPM-20PBシリーズは、サイドビュー樹脂パッケージと、可視光のカットを特徴とした受光素子の光半導体製品です。
主な仕様特性として、動作可能温度範囲がマイナス25度から85度でサーフェスマウントタイプであり、感度波長が800nmとなっています。
はんだ付けの推奨条件として、ディップでは260度以下で5秒以内、こてでは380度以下で3秒以内を作業条件としており、リフローによる使用はできません。
検出物体が光を遮ることによる検出機能を用途として、基板などに搭載することによって使用することができます。
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