フットスイッチとは
フットスイッチとは、足で操作するスイッチです。
足の動作により電源や電気信号のオンオフを切り替えたり、電気回路の切り替えを行ったりすることができます。足でスイッチを操作することにより、手で行っている作業を中断せず継続できるため、作業の効率化につながります。
また、手と足で動作を分担する意図でも使われることがあります。衛生上の理由でスイッチを手で扱えない場所 (病院の手術室や食品加工場) にも有用です。
フットスイッチの使用用途
フットスイッチが使用されている分野は、測定機器や医療機器、音楽演奏用を含むアミューズメント機器や介護福祉機器関連、工作機械やプレス機器等の産業用機械、デジタル機器入力など様々です。
代表的な機能は、足の動作によりオンオフするスイッチですが、使用される業界や求められる仕様により形状が異なるほか、機能についても多くの種類があります。例えば、デジタル機器の外部入力装置として信号を入力する用途においては、キーボードの特定のキーを専用のソフトウエアでフットスイッチに割り当てることがあります。
これは、高頻度に押す特定のキー操作を足踏みで行うことで、手を用いた入力操作を分担し、入力作業の効率性を向上させるのが目的です。
フットスイッチの原理
フットスイッチの代表的な構造は、足踏みペダルを支える筐体にマイクロスイッチが組み込まれているものです。ペダル部分を踏むことでマイクロスイッチが押されるようになっています。
ペダルおよび筐体の材質には、アルミ合金やABS樹脂などが用いられます。足で踏むため、強度が必要です。
ペダルを用いず、足で間違いなく踏める程度に大型の押ボタンスイッチを足で踏む構造としているタイプのフットスイッチもあります。
フットスイッチの種類
1. モーメンタリー型・オルタネイト型
踏む動作による電気的な接続状態の変化の違いにより、モーメンタリー型とオルタネイト型に分かれます。
モーメンタリー型
その名の通り、「瞬間的な」という意味があります。スイッチを踏んでいる間だけ、オンするという動作をします。
オルタネイト型
「交互」という意味があります。スイッチを踏むとオンに切り替わり、足を離してもオンのままです。
そして、もう一度踏むと、オフに切り替わり足を離してもオフのままになります。スイッチを踏むたびにオン・オフを交互に繰り返します。
2. ラッチタイプ・アンラッチタイプ
機械的な動作の違いで、ラッチタイプとアンラッチタイプのフットスイッチがあります。
ラッチタイプ
踏んでオンしたら、スイッチが踏んだ状態で保持されます。そしてまた踏むとスイッチが元の位置に戻りオフされます。
アンラッチタイプ
オンしてもオフしても一度踏むとスイッチの位置が元の位置に戻るタイプです。
フットスイッチの選び方
1. 使用条件・使用環境
まず、電気部品として、作動させる電圧 (交流・直流) や電流などの定格について、使用条件に適合するかの確認が必要です。
また、防塵カバーのあるタイプや防雨タイプなど、使用環境に合わせてタイプを選択します。
2. 形状
ペダル型が一般的ですが、360°どちらからでも踏むことができる丸形のものもあり、用途に応じて選択します。
3. 動作の仕方
動作の仕方 (モーメンタリー・オルタネート、ラッチ・アンラッチ) について使用目的に適合したものを選びます。ただし、動作の仕方が事実上1種類しか存在しない用途のものもあります。
例えば、音楽演奏用のもので、電子ピアノの演奏中の音の伸びを調節するペダルスイッチなどです。動作に要する踏力が大きすぎないか・小さすぎないか、ラッチの感触が適切かも確認することが望ましいです。
4. 極性
信号電流の切り替えを行う電気式のスイッチの場合、極性 (信号線プラグのどちらが+でどちらが-か) があり、極性が意図した向きになっているか確認が必要です。
例えば、音楽演奏用のフットスイッチでは、楽器メーカーによって極性が異なることがあります。逆の極性のフットスイッチを使用した場合、スイッチの動作が逆になってしまいます。
参考文献
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/288/
https://www.kdengyo.co.jp/product.php/1/
https://umbrella-company.jp/contents/guitar-pedal-footswitch/