定量ポンプについての概要、用途、原理などをご説明します。また、定量ポンプのメーカー34社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。定量ポンプ関連企業の2022年4月注目ランキングは1位:株式会社ケー・エヌ・エフ・ジャパン、2位:株式会社サンコー、3位:株式会社トーケミとなっています。
定量ポンプとは、定められた一定量の液体を繰り返し送液する機器であるため、吐出量の再現性に優れた正確な薬液などの液体注入に適しています。
定量ポンプは、さまざまな分野での送液用途に対応するため、駆動源には電気駆動やエア駆動などの方式が用いられ、一定量を送液する定量ポンプの機構には、ダイヤフラムポンプなどの往復機構やベーンポンプなどの回転機構などが用いられます。
薬液などの耐食性に優れる定量ポンプの場合、低粘度から高粘度までの薬液などの液体にも耐えうる材料で構成されていることも特徴です。
定量ポンプは、吐出量の再現性に優れた正確な薬液などの液体注入に適していると同時に、化学薬品にも耐えうる材料で構成されているポンプもあることから、医薬品の製造ラインや化学工場、農業や畜産業などでの薬液注入や滅菌処理から、水道ラインや貯水槽からの送液に至るまでさまざまな分野で使用されています。
特に医療分野における定量ポンプの使用には、微量の薬液増減が生じると人命の危機に繋がる恐れがあるため、より精度の高い液量制御と再現性が求められています。
定量ポンプは、往復機構のポンプと回転機構のポンプに大別されます。
往復機構のプランジャーポンプは、ロッド状ピストンであるプランジャーが往復運動することで容積が変化して液体の吸い込みと吐出を繰返す構造上、連続で高圧の定量送液をします。
往復機構のピストンポンプは、プランジャーポンプと同じピストンの往復運動による送液方法ですが、送液に伴うシールや弁がピストン側に用いられるのがピストンポンプで、本体側に用いられるのがプランジャーポンプです。
往復機構のダイヤフラムポンプは、樹脂などの弾性膜による往復運動により、容積を変化させて定量送液をします。
回転機構のネジポンプは、筒状のポンプ内部でネジ状のローターを回転させることや回転と偏心を繰返すことで、ネジの溝に沿った送液が可能となり、脈動が極めて小さく定量送液をします。
回転機構のギヤポンプは、2枚のギヤがかみ合い、このギヤの回転とケーシング内の空間が移動することで液体を定量送液をします。
回転機構のベーンポンプは、ポンプの中心から少しずれた位置に羽根車状のベーンを設け、ベーンの回転による遠心力とケーシング内の空間が移動することで液体を定量送液をします。
定量ポンプは一定容積の吸引と排出を繰り返すことにより、時間平均としての定量性を確保しています。一回の吸引排出動作内においては流量の増減があるため、短時間でみると多くの定量ポンプで吐出量は脈動します。
ダイヤフラムポンプは特に脈動が顕著であり、ダイヤフラムが動作する瞬間に流体が流れ、止まっている間は流量を生じません。またギヤポンプなどの回転容積型ポンプはある程度流量が大きいときは脈動がないようにみえますが、流量を絞り回転数が少なくなると脈動が現れます。
絶えず一定の吐出量をキープしたい用途の場合、脈動は大きな問題となります。またダイヤフラムポンプのように瞬間的に大流量が出る場合、脈動のないポンプに比べてピーク流量に合わせて配管径を大きめにする必要があります。
脈動を抑えるにはエアチャンバーやアキュムレータという機構をポンプの下流に導入して、圧力の変化を吸収させることが有効です。複数のダイヤフラムポンプを位相をずらして並行設置することで脈動を打消し、実質的に無脈動にすることも可能です。またプランジャポンプやシリンジポンプといった、ピストンを一方向に押し込むことで定量吐出を行うポンプは脈動を生じません。
ギヤポンプやチューブポンプ等の回転容積式ポンプでは、回転数をインバーター制御で調節して流量を調整します。
ダイヤフラムポンプの場合はストローク幅の調整と、ストローク回数変更によって流量調整します。ダイヤフラムポンプは色々な駆動方式がありますが、定量用途としては主にモーター駆動と電磁式(ソレノイド式)があり、前者はインバーター、後者は電子制御によってストローク数を変更します。
数 μL/minといった微小な流量を扱う定量ポンプとしては以下のタイプが代表的です。
マイクロポンプ:極小流量のポンプ全般を指してマイクロポンプということもありますが、一般的にみられるのは圧電素子(ピエゾ素子)を用いた超小型のダイヤフラムポンプです。
チューブポンプ:回転するローターに取り付けられた複数のローラーによってチューブ内の液を連続的に押し出すポンプです。定量性が高く機構が単純であり、分析機器の送液や薬液の添加に用いられます。
シリンジポンプ:注射器のシリンジを一定の速度で押し込む方式のポンプで、全くの無脈動で微小流量の供給が可能です。ただしバッチ処理となり連続供給はできません。医療用等に用いられます。
参考文献
https://www.tacmina.co.jp/products/pump/motor/about/
https://www.tacmina.co.jp/library/coretech/45/
https://www.iwakipumps.jp/blog/naruhodo/06/
http://magazine.eichitwo.com/?p=574
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定量ポンプのカタログ一覧はこちら企業
株式会社ケー・エヌ・エフ・ジャパン 株式会社サンコー*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年4月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | 株式会社ケー・エヌ・エフ・ジャパン | 15.6% |
2 | 株式会社サンコー | 13.8% |
3 | 株式会社トーケミ | 6.2% |
4 | 日機装株式会社 | 5.3% |
5 | 株式会社イワキ | 4.9% |
6 | 株式会社帝国電機製作所 | 4.4% |
7 | ユニコントロールズ株式会社 | 3.6% |
8 | 日本ピラー工業株式会社 | 3.6% |
9 | 株式会社コガネイ | 3.1% |
10 | 株式会社タクミナ | 3.1% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年4月の定量ポンプページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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ハイドラセルポンプPシリーズはこれまでの定量ポンプとは異なり、ストローク調整ではなくインバータによる回転数制御で流量を調整することで高いコストパフォーマンスを実現します。回転数制御でありながら、API675の性能基準に準拠する低脈動と定量特性を維持しております。
シンプルな構造のため、微妙なクリアランス調整等も不要であり消耗部品の交換も簡単です。
ダイヤフラムによるシールレス設計と接液部品の豊富な材質選定により、通常のポンプでは困難な異物を含む液体、強酸、強アルカリの液体も安定して送液可能です。
Pシリーズは7機種の展開で4cc~46.8L/分、最大圧力24.1MPa(ポンプ型式による)です。
ソレノイド駆動定量ポンプPW型は、安全性。省エネ・使いやすさを追求したポンプです。
異常圧力を発生させない(送液の力を制御する)、逃がす(簡易リリーフ弁)、知らせる(警報機能)ことで安全性を追求しています。
吐出圧力に応じ、通電時間を調整することで、省エネ性も向上しています。
また、シンプルなキー操作や、メンテナンスが容易な設計となっていることから、使いやすさの面でも工夫がなされています。
なお機種にもよりますが、最大吐出量は30~220mL/分です。
ダイヤフラム定量ポンプは、軽量小型設計で、優れた耐久性も有するポンプです。
また、消費電力の少ない小型モーターを採用している点、耐食性を追求した接液部なども特徴として挙げられます。
用途としては、水処理過程における薬品の注入、水耕栽培における液肥の施用、プール等における塩素注入などの場面で使用されることが想定されています。
また、ポンプの最大吐出量(50Hz)は、30mL/分~1000mL/分のモデルまでラインナップがあります。
直動ダイヤフラム式定量ポンプLKシリーズは、経済的でメンテナンスが容易なポンプです。
ポンプ駆動部の耐久性に優れており、コンパクトながら堅牢なウォームギヤ型の減速機を使用しています。長期間の連続運転にも適します。
全19機種のラインナップがあることから、0.02~45L/分(50Hz)の微量域から大流量域まで幅広く使用可能です。また、ポンプヘッド材質については、塩ビ、フッ素樹脂およびステンレスと豊富なバリエーションがるため、さまざまな薬注にも使用可能です。
薬液補充用定量ポンプPWシリーズは、繰り返し精度±1%を実現したポンプです。さらに、4~40spmにストロークスピードを調整できるため、幅広い濃度管理に使用可能です。
エア駆動部のピストン摺動部には、耐摩擦性がある特殊充填剤入PTFE製のスリッパリングを使用し、耐久性が向上しました。また、接液部はすべてふっ素樹脂製であるため、さまざまな薬剤に対応可能です。
吐出容量により、2機種があり、それぞれ5および10mL/ショットとなっています。
定量ポンプ(標準仕様)は、1~120回転/分の広範囲において、±0.1%以下の流量再現性です。また、ステンレス316が標準の接液部材質として使用されていますが、その他の材質についても対応可能です。
ポンプヘッド数を倍としたタイプ(W型)では吐出量が標準の2倍まで対応できます。
最も吐出量が少ないタイプでは15.3mL/分から、最も多いタイプでは117.8L/分までは広いラインナップが用意されています。
また、粘度範囲は最大100000mPa・sまで、対応可能なモデルが用意されています。
定量ポンプ(メタルフリー使用)は、スーパーメータリングポンプの接液部をすべて非金属で製造した商品です。
このポンプは、メタルフリーであることから、金属イオンを嫌う場合や強酸などの腐食性液体でも使用可能となりました。
ポンプヘッド部分がPTFE製の場合、最大吐出圧力は2.0MPa、PEEK製の場合、8.0MPaとなっています。また、最大吐出量は15.3ml/分、61.1ml/分および108.6ml/分の3種類のラインナップがあります。さらに、使用可能温度範囲は、-20~70℃となっています。
定量ポンプ(ポータブル仕様)は、スーパーメータリングポンプHYM型に、モータ、回転制御機、回転計を組み込んだ商品で、コンセントを入れるだけですぐ利用できます。
従来のクロマトグラム用ポンプをはるかに上回る定量性(再現性は±0.1%以下)、脈動率を示します。
接液部の材質は、標準はSUS316ですが、ハステロイ、チタン、樹脂製を選択することも可能です。
用途としては、液体クロマトグラフやマイクロリアクターを使用した連続反応をはじめとする、各種分析において使用されることが想定されています。
ハンディポンプHP-800は、接液部がすべてPTFE製であることから、さまざまな薬液に使用することが可能です。そのため、医療現場・研究室・半導体工場などで幅広い用途で使用できます。
揚水量は、16L/分で、最大揚程は3.5m、使用限界温度は50度となっています。
さらに、メカニカルシール等を使用していない構造であることから、メンテナンスが容易です。
また、電動モータータイプとエアー駆動モータータイプの2種類から商品を選ぶことができます。
ダイヤフラム型定量ポンプTDシリーズは、低い脈動と高効率を実現しました。
2つのポンプを1つのカムで動かすことで、低脈動を可能としました。
また、配管の接続は、吐出部・吸入口を、さまざまな向きで設置可能です。さらにエアチャンバが不要なことから、配管設計がシンプルにできます。
流量制御範囲は型式にもよりますが、型式VCでは0.15L/分のモデルから、8.5L/分まで多様なラインナップから選ぶことが可能です。また、定量精度は±2%です。
アトー株式会社の「WSP-3300 ペリスタクォンタムポンプ」は、デジタル仕様ペリスタルティックポンプです。
各種溶液の送液利用に、バイオ生産~研究プロセスにフル対応可能です。培養液や緩衝液の調整用送液ポンプ、薬品送液、薬液灌流実験の送液ポンプとして、また、研究室から研究所・生産工場まで幅広い用途に利用が可能です。また、システム化・組み込みも対応可能です。
特徴は以下の通りです。
・安定性・再現性・耐薬性・流量・操作性・外部制御機能アップ
・金属非接触BioSafeな無菌・コンタミフリー・衛生清浄送液
・流量定量的安定性と流量高再現性による高い流量精度を実現
・12本金属架回転ローラーシステムでの低脈流化
・耐久性に優れたペリスタ純正標準チュービング採用
・明快自在なタッチパネル操作・設定
・外部制御で生産性向上
用途はバイオ関連実験向けがメインですが、仕様が合えば拘りません。生化学・分子生物学・農芸化学・基礎緒医学・医薬品・食品・化学品・環境分野等への利用が可能です。
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