ギアポンプについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ギアポンプのメーカー32社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ギアポンプ関連企業の2023年3月注目ランキングは1位:株式会社島津製作所、2位:株式会社大阪ギャーポンプ製作所、3位:株式会社工進となっています。
ギアポンプとは、ギア (歯車) のかみ合わせ部分を利用して油などの流体を流すポンプです。
ギアポンプは定容量形と呼ばれ、1回転につき一定量の流体が吐出されるタイプです。実際に使用するときは、エンジンや電動モータなどの原動機にギアポンプの軸端 (シャフト) を結合させます。これらの原動機の動力でギアを駆動させて流体を押し出します。
ギアポンプの種類は、歯車が外接するタイプ (外接歯車型) と歯車が内接したタイプ (内接歯車型) の2種類があります。
ギアポンプの使用用途は、油圧ショベルをはじめ、自動車、フォークリフト、農業機械など非常に幅広いです。圧力上昇に伴う吐出量の変化が少なく、定量性が良いことが特徴です。送液する液の種類としては、油、樹脂、塗料、接着剤、溶剤などが挙げられます。
歯車とケーシング以外で触れるところが少なく分解が比較的容易であることから、化学業界はじめ食品業界や薬品業界のサニタリー分野でも用いられています。さらに、ある程度の固形物含有液にも使用可能です。
ギアポンプは歯車によって作動油を吸込口から吐出口に押し出す構造を有しており、前述した外接歯車型と内接型で押し出す構造が異なります。
ポンプ内部で2つの外歯歯車が隣り合って取り付けられています。エンジンや電動モータなどの原動機が動作することでポンプの軸が回転してポンプ吸込口より流体を取り込みます。このタイプのポンプでは、外接する歯車が回転しているときにわずかな隙間が生じます。その隙間に流体が充満してポンプの内周に沿って流れ、最終的に吐出口から流れます。
ポンプの内部で1つの内歯歯車と1つの外歯歯車がケーシングの内部に取り付けられています。内接型は内歯歯車と歯数が1枚少ない外歯歯車から構成しており、外歯歯車を駆動軸により回転させることで、内歯歯車に沿うようにして外歯歯車が回転します。この回転により流体を吐出口から押し出します。
ギアポンプは回転する歯車の間にできる空間に入った液体を送り出す機構であり、こうした一定容積を順次送り出すポンプは容積型ポンプと呼ばれます。ギアポンプは回転容積式ポンプの一種であり、同じような回転容積式にはベーンポンプやネジポンプなどが挙げられます。広義には回転容積式を総称してロータリーポンプと呼ぶため、ギアポンプはロータリーポンプの一種とも言えます。
しかし、実際には用途によって呼称が異なります。特に、真空引き用の油回転ポンプのことをロータリーポンプと呼ぶ場合が多いです。業種によっては、「ロータリーポンプ=真空ポンプ」を指すこともあります。油回転真空ポンプの機構はベーン式、カム式、揺動ピストン式などの種類があり、ベーンなどで区切られた空間を密閉するためにオイルを使用しています。
他の回転容積式ポンプにないギアポンプの特徴として、構造上は正転・逆転を切り替えて吸引・吐出方向を切り替えられるという利点があります。製品によっては正転・逆転切り替えが可能な物もあり、液体の移し替えなどで方向を切り替える必要がある場合に便利です。
ギヤポンプ軸部の密閉には、オイルシールもしくはメカニカルシールが使用されます。オイルシールとは、シール自身の弾性で密閉性を確保するもので、メカニカルシールとはコイルバネの力を利用して密閉性を確保するものです。
どちらの場合も、ポンプの軸が回転するためのクリアランスが存在するので、完全な密閉性を担保できません。完全密閉してしまうと軸受摩耗及び抵抗の増加に繋がり、その結果シール面の焼き付きなどトラブルに繋がるためです。
一般的には、メカニカルシールの方が漏れが少ない、寿命が長い、メンテナンスがしやすいという特徴があります。しかし、流体の種類、ポンプの仕様、使用条件を考慮して設計することでメンテナンス頻度や設備の寿命が改善されます。また、適切なクリアランスが維持されているか、漏れに変化がないか定期的な確認が必要です。
ギヤポンプの吐出圧力不足のトラブルが生じた場合、その原因の一つとしてキャビテーションが考えられます。キャビテーションとは、ポンプのケーシング内で部分的な圧力差が生じ、その圧力低下が液体の飽和蒸気圧まで低下することで発生する現象です。この現象が起こると、流体内で気泡の消滅と発生が繰り返され、生じた気泡が消滅する際に大きな衝撃圧力が発生します。
この衝撃圧力の影響により、キャビテーションの発生初期はパチパチやバチバチという音が発生します。さらに、キャビテーションが成長すると、ポンプ自体を揺らすような振動が発生する場合があります。このような状態となると、ポンプの性能が出ないだけでなく、設備が破損するなどの故障に繋がるおそれがあります。
キャビテーションを発生させないためには、配管内径を太くする、吸込側配管を短くする、ポンプ吸込み条件を可能な限り押し込み条件にする等の対策があります。これらは、設備設計の段階で考慮しておく必要があります。
エア噛みとは、ポンプの吸込側配管に空気などの気体が混入し、気泡やエア溜まりが生じている状態のことです。この現象が発生すると、設計上の十分な吐出圧力や流量が得られずに、ポンプの能力低下に繋がるおそれがあります。
エア噛みを発生させないためには、ポンプを送液する流体の液面よりも下に設置すること、配管を曲げる個数を減らすこと (目安3個以内) 、配管を下り勾配にしないこと、2台のポンプで1本の配管から吸い上げしないことなどの対策があります。設備のレイアウト変更する際には注意が必要です。
参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tvsj/26/4/26_4_27/_pdf
http://eb-cat.ds-navi.co.jp/jpn/jtekt/tech/ej/img/no1001/1001_17.pdf
http://gearpump.co.jp/gearpump/index.html
http://gearpump.co.jp/trouble/index.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakoronbunshu1953/25/2/25_2_131/_pdf
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ギアポンプのカタログ一覧はこちら企業
ツカサ電工株式会社 株式会社木村洋行 東明エンジニアリング株式会社 GMA政鈺機械股份有限公司 サン・テンコンサルティング*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年3月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | 株式会社島津製作所 |
6.4%
|
2 | 株式会社大阪ギャーポンプ製作所 |
6.3%
|
3 | 株式会社工進 |
6.1%
|
4 | 大同機械製造株式会社 |
5.8%
|
5 | 株式会社ジェイテクトフルードパワーシステム |
5.7%
|
6 | 株式会社イワキ |
4.9%
|
7 | 株式会社タツノ |
4.8%
|
8 | 株式会社丸八ポンプ製作所 |
4.8%
|
9 | 株式会社日本製鋼所 |
4.7%
|
10 | ギヤーエス工業株式会社 |
4.2%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年3月のギアポンプページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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軽量・コンパクトで高圧対応のギアポンプ。同社のギアポンプは日本国内大手メーカーでも量産採用頂いております。
2023年1月30日
~耐久性、信頼性、化学的不活性、静粛性、無漏出...ギアポンプに必要なすべてを備えたサイレンサーシリーズ~<用途例>生命科学分析・診断/バルク&サンプ...
2022年8月17日
~着色インクからイチゴのスムージーまで難しい液体も簡単に汲み上げるエクストリームシリーズ~<用途例>連続インクジェット/透析/水処理/食品・飲料<...
2022年8月17日
~小さなパッケージサイズ向けに特化して設計されたオプティマシリーズ~<用途例>バルク流体移送/冷却/食品・飲料/医療・工業用サンプル液の供給<特長...
2022年8月17日
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企業
ツカサ電工株式会社 株式会社木村洋行 東明エンジニアリング株式会社 GMA政鈺機械股份有限公司 サン・テンコンサルティング島津製作所製のギヤポンプ SPシリーズは高効率で低騒音のポンプです。特殊なギヤ形状と、軸受ブッシュを採用していることが特徴です。
代表的なSP25シリーズの場合、押しのけ容積 19〜63 cm^3、定格出力は最大 20.6 MPa、瞬間最高圧力 22.6 MPaで、主要部分の材質はアルミ合金です。
加えて、材質に特殊鋳鉄を採用したFGP30シリーズもラインナップされており、使用用途に合わせた選択が可能です。
株式会社タツノ製のギヤポンプ は、低粘度流体に対応可能で、市場一般的な外噛式とは大きく異なる内噛式構造であることが特徴です。
このため、地下タンクからのガソリン吸引に最適なギヤポンプであり、この用途で年間数万台の生産実績があります。ガソリン以外には、灯油・軽油・A重油にも適応可能です。
内噛式ギヤポンプ なので、高い容積効率、脈動が発生しにくい、気泡が発生しにくいため、高い定量性が発揮される1台です。
川崎重工業製の精密ギヤポンプ の特徴は、吐出精度が高いこと・堅牢な材質で長寿命であること・適用範囲が広いことであり、主に繊維分野・化学分野で使用されています。
KAP-1/KA1シリーズは標準仕様が、最大粘度 100 Pa・s、流量 0.015 〜 0.6 L/minであり、低粘度・低圧の流体処理に適した、小容量ギヤポンプ です。
標準材質はKAP-1がステンレス鋼、KA1が対腐食及び耐摩耗性に優れた合金で、硬化剤や塗料、各種コーティング液の計量に最適な1台です。
久喜ポンプ工業株式会社製のギヤポンプ KDR-SN型は本体部分がオールステンレス製(SCS13/SUS304/SUS303)であることが特徴です。
また、焼き付き防止のため、テフロン製の軸受、カバーパッキン、サイドプレートを採用しています。
使用可能な範囲は、粘度 最大200 mPa・s、温度 最大60 ℃です。ISO VG 46のマシン油の場合、KDR-SN1では、11 L/minの処理が可能です。