セラミックコンデンサ

セラミックコンデンサとは

セラミックコンデンサ

セラミックコンデンサとは、誘導体にセラミックを用いたコンデンサです。

コンデンサは、2枚の金属板と金属板に挟まった誘導体によって構成されています。コンデンサの誘導体にはいくつかの材料が用いられており、それぞれ特徴があります。

セラミックコンデンサは誘電率が高く、小型で熱に強いのが特徴です。さらに、周波数特性の良いコンデンサとして、高周波回路などに多く用いられています。

セラミックコンデンサの使用用途

セラミックコンデンサは、デジタル回路のバイパスコンデンサとして利用されます。コンデンサは、交流電流を通しますが、直流電流を通さないのが特徴です。

セラミックコンデンサはセラミックの性質を利用して、カップリングコンデンサやラインフィルタとして利用されます。例えば、AC/DC、DC/DCコンバータ回路やサーキットブレーカー用回路等です。

また、高周波や低周波のノイズをキャンセルするためにも、広く利用されています。

セラミックコンデンサの原理

一般的なコンデンサと原理は同じです。2枚の電極の間にセラミックの誘電体を入れて、電極間に電圧を発生させると電極に電荷が貯まり、一定程度貯まると電荷を放出するというコンデンサとしての性質が現れます。

コンデンサが蓄えられる電荷の容量を静電容量と呼びます。誘電体の材質や電極間の距離、誘電体の層の数によって容量や性質が変わります。

セラミックの誘導体には、誘導率が高いセラミックが使われており、主な材料は酸化チタンアルミナ です。また、チタン酸バリウムを使うとやや価格が高くなりますが、より容量の大きいコンデンサになります。

セラミックコンデンサの種類

セラミックコンデンサの種類には大きく低誘電率型、高誘電率型、半導体型があります。

1. 低誘電率型

酸化チタンを主な誘電体に用いており、温度変化に強く温度補償用に利用されています。カップリング用にも使われます。

2. 高誘電率型

チタン酸バリウム等が誘電体で、酸化チタンより誘電率が高くなっています。静電容量が大きい特徴があり、平滑回路に使われますが、やや高価です。

3. 半導体型

誘電体にチタン酸ストロンチウムなどの半導体セラミックを用いています。小型で容量が大きく絶縁性も良好なコンデンサとされています。価格は3つのうち最も高価です。

セラミックコンデンサのその他情報

セラミックコンデンサの容量の読み取り方

セラミックコンデンサは本体サイズが小さいため「0.1uF」「10uF」などのような容量を直接記載するようなことはせず、1~3桁の数字のみで表示しています。

1~2桁の場合
1~2桁の場合は、単に数字をそのまま読み取り「pF (ピコファラド) 」の単位を付けたものが静電容量です。例えば、「5」なら5pF、「33」なら33pFとなります。

数字が小さい分そのまま印字できること、容量の小さなコンデンサはその分本体サイズもより小さくなることから、このように表現されています。

3桁の場合
3桁の場合は、炭素被膜抵抗などと同様に、上位2桁をそのまま数値として読み取り、3桁目を乗数として掛け算します。こちらも単位は「pF」です。例えば、「104」なら10×10の4乗=100000pF=100nF=0.1uF、「223」なら22×10の3乗=22000pF=22nF=0.022uFとなります。

一方で、チップタイプのセラミックコンデンサには容量を本体に記載しないものが多くなっています。実装や部品交換の際には使用する直前にテープから取り出したり、小分けのできるケースに保管したりするなど、静電容量の測定できるテスターで確認してから実装するのがおすすめです。

2. セラミックコンデンサの極性

一般にセラミックコンデンサには極性がないため、回路上でどちら向きに取り付けてもかまいません。リード部品の場合、片面にしか静電容量が印刷されていないため、基本的に静電容量が印刷されている面が同じ向きを向くようにします。

また、背の高い部品が近くにある場合は、後から数値が読み取れる向きで実装しておくと、確認する際に見やすい基板となります。

3. セラミックコンデンサの耐圧

セラミックコンデンサには、印加できる電圧の上限が定められています。しかし、コンデンサ本体のサイズや定格値によっては本体に記載されていない場合や略号として記載されている場合があります。

特に高い電圧を扱う回路で使用する際は、データシートやメーカー型番などをよく確認してください。長い英数字の羅列となっているメーカー型番の中には、耐圧に関する情報が含まれていることもあるためです。

参考文献
https://www.matsusada.co.jp/column/post-15.html
https://article.murata.com/ja-jp/article/basics-of-capacitors-5
https://search.murata.co.jp/Ceramy/image/img/A01X/G101/JPN/RDE_X7R_X7S_25V-100V_J.pdf

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です