シール材

シール材とは

シール材

シール材とは、2つ以上の物体を密着させるために使用される材料です。

配管などに使用され、液体や気体といった流体の漏れを防ぐのが目的です。部品によるシール材はガスケットやパッキン、Oリングと呼ばれ、薬品などの硬化によるシール材はシーリングやコーキングなどと呼ばれます。

水道やガスなど配管接合部のねじに巻くシールテープのようなシール材もあります。なお、駆動箇所に使用するシール材はパッキン、固定箇所に使用するシール材はガスケットです。

シール材の使用用途

シール材はあらゆる産業において使用される部材です。以下はシール材の使用用途一例です。

1. 機械・自動車業界

機械や自動車の内部には、潤滑用油や冷却水などが内封されている場合があります。これらの液体が漏れ出さないようにするため、シール材が使用されます。また、振動や衝撃から部品を保護するためのクッション材としても有用です。

冷蔵庫やエアコンなどの家電製品にも気密向上を目的として、シール材が使用されます。樹脂製タッパーの蓋などのパッキンもシール材の1種です。

2. 建設業界

建物の隙間や屋根の隙間を塞がずに使用すると、雨漏れなどの原因となります。したがって、シール材を建物防水や断熱材として使用します。また、窓枠やドアフレームなどの隙間を埋めるためにも使用されます。

3. 航空宇宙産業

宇宙の高温や低温、高圧や低圧など、極端な条件下に耐えるシール材が必要です。具体的には、高真空でも安定したシリコンシール材や高温に強いフッ素ゴム系シール材などが使用されます。

シール材の原理

シール材の接着方法として、圧着、挿入、粘着、膨張、変形などの方法があります。材料や形状によってさまざまな方法で密封します。

ただし、その基本的な原理は隙間を埋めることで物質の漏れを防止することです。物体同士の隙間を埋めることで、密封します。ガスケットやOリングなどは、変形によるシール材です。一方、シリコンやポリウレタンなどのボンドシーリングは挿入・粘着によるシール材です。

1. 圧着

圧着は、シール材を物体の間に挟むことで物体同士を強く密着させる方法です。

2. 挿入

挿入は、シール材を物体の隙間に挿入することで隙間を埋める方法です。

3. 粘着

粘着は、シール材に粘着性を持たせることで密着させる方法です。

4. 膨張

膨張は、シール材を水や液体に浸すことで膨張させて密着させる方法です。

5. 変形

変形は、シール材を加工して物体の形状に合わせることで密着させる方法です。

シール材の種類

シール材は、材質や形状によってさまざまな種類に分類されます。以下はシール材の種類一例です。

1. ゴムシール

ゴム材料使用したシール材です。耐久性や柔軟性に優れ、高い密着性を持つ点がメリットです。一般的には、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴムなどが使用されます。

2. シリコーンシール

シリコンを材料としたシール材です。耐熱性に優れたおり、高温環境での使用に適しています。また、耐薬品性にも優れているため、医療機器や食品関連製品などでも使用されます。

3. フッ素シール

フッ素樹脂を材料としたシール材です。耐薬品性や耐熱性に優れ、高真空環境でも使用可能です。半導体製造装置や液晶パネル製造装置などで使用されます。

4. メタルシール

金属製のシール材です。高温・高圧環境で使用することが可能で、重工業において広く使用されています。自動車のエンジンやガスタービンエンジン、航空機の部品などに有用です。

シール材の選び方

シール材は使用目的、環境、要求性能などを基に選定します。

1. 使用目的

使用目的が高温や高圧環境の場合は、メタルなどの耐熱性や耐圧性に優れたシール材を選定します。また、薬品や溶剤に耐性が必要な場合には、フッ素樹脂などの耐薬品性の高いシール材を選定します。

2. 使用環境

シール材を使用する環境も考慮します。屋外や水中などの条件下で使用する場合、耐候性や防水性に優れたシール材が必要です。

3. 要求性能

要求されるシール性能も検討要素の1つです。家庭用窓の気密などにはシリコンボンドなどで問題ありませんが、半導体製造などの高真空環境では金属ガスケットなどを使用する必要があります。

参考文献
https://www.nitto-kinzoku.jp/archives/technic/seal/
https://rivi-manufacturing.com/

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