タブ端子

タブ端子とは

タブ端子とは、電線及びハーネス同士を接続するために使用される端子の一種です。

ファストン端子とも呼ばれている端子です。コネクタのオス側がタブ端子であるのに対し、雌側はレセプタクルと呼ばれています。タブ端子にレセプタクルを嵌めることで、接続を行います。

電線やハーネスの接続端子には多くの規格があると混乱の元となってしまうため、メーカーの間で端子規格を統一することで設計しやすくしています。タブ端子は端子規格のうちの1つです。

タブ端子の使用用途

タブ端子の使用用途は、タブをレセプタクルに挿し込むことによるケーブルの接続です。レセプタクルはタブと同じようにケーブル端に圧着されている場合もありますが、基板などにに実装されている場合もあります。

タブ端子はケーブル同士を完全に固定して接続せず抜き差しが可能になっているため、ケーブルを差し替える、交換するなどのメンテナンスが必要な箇所などに重宝されます。また、組立時にケーブルの引き回しが不便な場合は、中継のための安価なコネクタとして使用されることもあります。

タブ端子の原理

タブ端子は、金属の平板を折り曲げたタブを同じく平板を折り曲げて作ったレセクタプルの溝に挿し込むことでケーブル同士を接続可能です。レセクタプルの溝幅をタブの厚さよりやや小さくすることで、金属の弾性力で固定します。標準的なものでも接続は強固ですが、より強固に接続するために抜け防止のツメがあるタイプもあります。

タブ端子はカシメによりケーブルを圧着しています。レセプタクルとの接続は強固なため、抜き差しの際は慎重に作業しないと端子からケーブルが抜けるおそれがあるため注意が必要です。

タブ端子の種類

タブ端子はIEC国際規格に準拠した日本産業規格のJISで規格化されており、平型接続端子のオス側のことを言います。そのタブ端子の種類は、メス側の接続子と組み合わせで、端子勘合部の幅によってシリーズがあり、通称110、187、250ファストンなどと呼ばれています。

この110ファストンが、タブ端子110のことです。更に205シリーズ等と言った独自のシリーズを加えて標準品として準備しているメーカもあります。なお、基板実装用ファストン端子としては、袋詰めの梱包品やラジアルリードテーピング品やSMT用エンボステーピング品、または連鎖リール状が一般的に標準品として準備されています。

いずれも、JISの平型端子の規格に準拠していますが、実際のファストン端子メーカーの数は、国内外含めると数十社です。簡単に製造できるので、タブ端子の選定と信頼性が電気配線の安全性を確保するために、重要な要素です。

タブ端子のその他情報

1. タブ端子の使用上の注意

タブ端子はそのままでは金属が剥き出しになってしまうため、絶縁体で端子を覆って感電や漏電からの保護が必要です。レセクタプル側にのみカバーをかけ、ケーブルを接続したらタブ側はカバー内に隠れるような形状にします。

タブ端子の形成は、平板の折り曲げと圧着を行うため専用工具が必要であり、電線の太さやコネクタの形状、大きさにより使う端子を選定することが大切です。多くはJISなどで規格化されているので、規格表を見ながら選定することになります。

2. タブ端子の圧着工具

平型端子の正しい付け方 (かしめ方) は、端子のツメを曲げて配線コードに付けるだけならラジオペンチなどでもできそうですが、電工ペンチで圧着します。その際に、ワイヤバレルが重要なキーワードとなります。

ワイヤバレルとは、圧着端子形状において、電線の絶縁被覆を除去した芯線を圧着する部分の名称です。結局は、端子台のこのワイヤバレルの部分が、いかに電線の芯の部分をしっかり確実に圧着しているかで、端子台の接続に関する信頼性が決まります。

ここをしっかり圧着していないと、引張強度が弱く抜けてしまいます。逆に、圧着強度が不適格で、強すぎたりすると、芯線が切れて断線が生じます。メーカー推奨の専用圧着工具を使用して、しっかり確実に圧着することが重要です。

参考文献
https://www.kyoshin-k.co.jp/products/daien.html
https://www.diylabo.jp/basic/basic-93.html

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