ブラシモータ

ブラシモーターとはブラシモーター

ブラシモーターとは、回転軸に電流を流すためにブラシと呼ばれる摺動接点をしたモータです。

巻線型の交流モータなどもブラシを用いますが、ブラシモーターと言えば一般的には直流ブラシモータを指します。

構造が簡単で安価、さらにトルク制御が容易なのが特徴です。ただし、ブラシは回転によって摩耗するため定期的なメンテナンスが必要です。駆動時の騒音が発生するという欠点があります。

ブラシモーターの使用用途

ブラシモーターは民生品から産業用途まで幅広く使用されています。代表例としては下記の通りです。

  • オフィス用小型扇風機やPC冷却ファン
  • ボイラー排気ファンなどの産業用機器
  • 通勤電車の走行モータ
  • エレベータの昇降モータ

直流モータの中では安価なことから、直流オフィス機器の冷却ファンなどに用いられます。また、トルク・回転速度制御が容易なため、電車やエレベータなどの移動機器に古くから利用されてきました。

近年、移動機器のトルク制御はブラシが不要で保守が容易なインバータ制御が主流となってきました。また、ブラシレスモータなども普及しつつあります。

ブラシモーターの原理

ブラシモーターの構成は、回転子、固定子、整流子です。固定子にはコイルを用いる場合と永久磁石を用いる場合があります。

固定子からは常時磁界を発生させ、回転子に巻かれたコイルによって流れる電流と固定子磁界で電磁力が発生してモーターを回転させます。
ブラシは整流子に接し、コイル電流の向きを一方向となるようにすることが大切です。

電流の大きさを変えることでトルクと速度を制御可能なのが特徴です。

ブラシモーターのその他情報

1. ブラシモーターの寿命

ブラシモーターのブラシ寿命は一般的に数百時間~数千時間とされます。一方、ブラシモーター本体の寿命は軸受の寿命で決定され、一般的に数万時間~数十万時間です。

ブラシモーターは固定子と回転子との間で、反発する力と引き合う力が切り替わることによって回転します。回転子が回転するには磁力の極性を回転角度によって切り替える必要があり、整流子がその役割を果たします。

駆動は単に直流電圧を印加すればよく、駆動が簡単で使いやすい反面、ブラシは機械接点のため回転により摩耗するためブラシを取替できない場合はブラシ寿命がモータの寿命になります。

2. ブラシレスモータとの違い

ブラシモーターは直流電源で簡単に駆動できるため、DCモータとも呼ばれます。一方のブラシレスモータは永久磁石同期モーターとも呼ばれます。ブラシモーターはブラシレスモータよりも駆動が簡単でコストも安価なため、幅広い用途に使用可能です。

ブラシモーターは多くの場で活用されていますが、ブラシの摩耗により寿命が短いところが欠点です。長期間使うためにはブラシ交換が必要となります。ブラシモーターの制御には、直流電圧の制御だけでなくPWMパルスで駆動する方法もあります。

一方のブラシレスモータは、整流子とブラシを排除して回転子に永久磁石を使用しています。ブラシが無いため寿命が長く、軸受寿命がブラシレスモータの寿命です。

ブラシレスモータの駆動は「矩形波駆動(正方波電圧で駆動する方法)」と「正弦波駆動(サイン波電圧で駆動すること」に分類されます。矩形波駆動は駆動回路が比較的簡単な半面、回転時に騒音や振動などが発生します。一方の正弦波駆動では駆動回路は複雑になりますが、回転時の騒音や振動が低いのが特徴です。

参考文献
https://jp.aspina-group.com/ja/learning-zone/columns/what-is/002/
https://interface.cqpub.co.jp/wp-content/uploads/interface/2010/01/if01_045.pdf
https://www.renesas.com/jp/ja/application/home-building/motor-control-solutions/motor-types

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