エネルギーモニタ

エネルギーモニタとは

エネルギーモニターとは、エネルギーの状態をモニター画面に反映させて可視化した製品です。

主に家庭やビルなどの電力使用量を測定する装置を指すことが多いです。産業用から家庭用製品まで広く使用されます。代表的な使用例はハイブリッドカーのモータ・エンジン使用状況確認、太陽光などの発電システムを有する施設の電力使用状況表示などがあります。

エネルギーモニタの使用用途

エネルギーモニタを使用することで、電気やガスなどのインフラエネルギー使用量を把握することが可能です。これにより、時間帯別使用量や機器別使用量を把握可能であり、省エネルギーに役立ちます。

消費電力が多い機器の使用制限や省エネルギー設備の導入などによるランニングコストの低下に寄与します。また、企業はイメージ向上を目的にCO2排出量削減につなげる場合もあります。異常な使用量があった場合に早期発見可能であるなどの利点もあります。

エネルギーモニタの原理

エネルギーモニターは電力メーターと同様に、精度クラス1の電力計測技術に基づいて設計されることが多いです。精度クラスとは国際電気標準会議 (英: International Electrotechnical Commission, IEC) が定める規格で、クラス0.1からクラス3までの5段階に分かれています。クラス0.1が最も高精度であり、クラス3が最も低精度です。

電力に関するモニタであれば、電流と電圧の測定値を基に消費電力を計算します。したがって、AC電源電圧測定用の電圧センサーと、AC電源電流測定用の電流センサーから構成されます。これらのセンサーは設備の元電源ケーブルに取り付けて測定します。電圧センサーはワニ口クリップなどで充電部から供給電圧を測定し、電流センサーはクランプなどでケーブル被覆越しに電流を測定することが多いです。

測定した電流・電圧は、内部マイコンボードなどの制御部で演算されます。通信機能を持つモデルでは通信モジュールも搭載されます。

上記によって演算された値を使用して消費電力を計算し、リアルタイムにモニターに表示させたり、データログに保存させたりします。大規模工場などにおいては接続されている各種機械のON・OFF状態を表示させたり、リアルタイムの電力詳細を数値で表示させることがあります。

エネルギーモニタの種類

エネルギーモニタには用途に合わせてさまざまな種類が販売されています。以下はエネルギーモニタの種類の一例です。

1. スタンドアロン型

単体で使用することができるエネルギーモニタです。これらのモニターには電圧センサーと電流センサーが組み込まれており、電力消費量を測定することが可能です。ただし、エネルギーモニタ駆動用の電源は別途必要となる場合が多いです。

2. スマートメーター型

通常の電力メーターのように電力会社が提供するメーターとして設置されるエネルギーモニタです。スマートグリッドやリアルタイムの通信に対応しており、電力使用量をリアルタイムで通知することが可能です。太陽光システムや内燃自家発電機器を有する場合、この型が使用されることがあります。

太陽光システムに導入した場合、発電量や電力消費量を測定するために使用されます。照明設備やエアコンなどの電灯電力使用量を監視する場合にも用いられます。

3. インライン型

配電盤や制御盤に直接取り付けることができるエネルギーモニタです。これらのモニターは、通常は産業用や商業用のエネルギー管理に使用されます。制御機器に連なる製品のため、計装機器メーカーなどから販売されている場合が多いです。

4. ポータブル型

携帯用の小型デバイスとして設計されたエネルギーモニタです。局所的または短時間のみエネルギー使用量を測定する場合に使用します。バッテリーなどを内蔵している製品も販売されており、その場合は電源不要で測定可能です。家庭用電化製品やオフィス用機器などの消費電力を測定することもできます。

参考文献
https://www2.panasonic.biz/ls/densetsu/denro/enemoni/
http://www.nissan.co.jp/

アルミシール

アルミシールとはアルミシール

アルミシールとは、アルミ箔の裏面に粘着剤を塗布したシールです。

別名称でアルミテープとも呼ばれており、ホームセンタなどで市販されています。アルミテープは一般的なガムテープやビニルテープと比べて劣化が少なく耐熱性に優れています。

さらに強度もあることから、空調用配管や水道や屋外補修工事の際の補修材として広く使用されます。その分価格は、他の一般的なテープに比べると高価です。

アルミシールの使用用途

アルミシールの使用用途は、空調や水道などの屋外補修工事です。配管や各種接合部の隙間を塞ぐなど、あらゆる場面で補修材として使用されます。

同じテープでもガムテープや養生テープなど多種類が存在しますが、屋外工事などで用いられる耐候性のあるテープの中では、アルミテープが一番防水性能に優れ安価で使いやすいです。

アルミシールの原理

アルミシールは、アルミ箔の裏面に粘着剤を塗布しただけの単純な構造です。バッテリーなどの熱くなる部品に、アルミシールを張り付けると約5度程度下がると言われています。そのため、放熱用にも利用されており、ヒートシンクとしても機能します。

また、シート素材がアルミ金属であるため、ノイズの遮断にも効果的で、光沢やツヤがあることから見た目を良くする飾りとしても使用されます。その他、耐熱性や防水性を生かした加工や真空パックの材料など、素材の単純性を十分に生かせるような用途も多いです。

アルミシールのその他情報

1. アルミシールの使用上の注意

アルミシールを取り扱う際の注意事項は、表面に電気が通ることです。アルミの金属で電気に対する絶縁性がないため、活電部近傍にアルミシールを使用すると結露やトラッキングなどで絶縁が破壊されてしまい配管や板金などに漏電して感電する恐れがあります。

したがって、アルミシールは電気配線周りに使用する際は不向きです。

2. 防水アルミシールを用いた雨漏り応急処置の方法

突然の大雨や台風で雨漏りが起きてもすぐに業者に修理してもらうことが難しい場合があります。そのような時は、防水タイプのアルミシールを用いることで応急処置をすることが可能です。

方法としてはまず雨漏り箇所を特定し、油分や汚れを落として乾燥させます。その後、アルミシールを隙間なく貼り付けます。アルミシールの種類によっては直射日光に対応していなかったり、素材的に貼れないこともあるため選定には注意が必要です。

また、広範囲の雨漏りには防水シートを用いた方が便利なこともあるため、アルミシールとの使い分けも重要です。

3. アルミシールの剥がし方

アルミシールは古いタイプの台所の繋ぎ目によく貼られています。台所を長期間使用するとアルミシールが中途半端に剥がれ、汚れの原因となります。一般的に熱や水分を加えるはがし方が効果的ですが、アルミシールはこのような方法ではほとんど落とすことができません。

綺麗なはがし方としては、まず素材に適したシールはがし剤を使って本体を取り除きます。AZ超強力ラベルはがし雷神は金属やガラスに適している強力なシールはがし剤で、頑固なシールも簡単に落とすことができます。そして粘着剤が残っていれば消しゴムやヘラで擦って落とします。

参考文献
https://www.monotaro.com/k/store/
https://sq.jbr.co.jp/library/701
https://taskle.jp/media/articles/908#outline35

セメント抵抗器

セメント抵抗器とは

セメント抵抗器

セメント抵抗器とは、電子回路部品の一つであり、回路中を流れる電流に対して抵抗となる部品です。

抵抗器には様々な種類がありますが、中でもセメント抵抗器は巻線系の抵抗器に分類されます。これは電気の流れを妨げる抵抗エレメントに、巻線を使用しているものが多いためです。一部、巻線以外の抵抗エレメントを使ったセメント抵抗器もあります。

なお、巻線系の抵抗器は、外側を覆うケースの材質によって分類されています。セメント抵抗以外には、巻線抵抗、メタルクラッド抵抗、ホーロー抵抗があります。

セメント抵抗器の使用用途

セメント抵抗器は電子回路中の抵抗であり、電流の流れを妨げるものです。目的に応じて電流を制限したり、電圧を分圧したり、電流を検出するために使われます。

セメント抵抗器が使用される場合、抵抗の温度が高い、又は湿度が高く抵抗器の劣化が激しいケースが多いです。抵抗器は使用できる電力に応じても分類されますが、セメント抵抗器は中容量クラス (10W以下) の電力回路用に該当します。

セメント抵抗器は、抵抗の周りをセメントで固められているため、耐熱性や耐湿性や耐振動性にも優れています。そのため、多くは屋外の大電力設備などで使用される電子基板に実装されています。

セメント抵抗器の原理

セメント抵抗器は電子回路中における抵抗であり、オームの法則では抵抗として表されるものです。オームの法則は以下の関係式で表されます。

V (電圧) = R (抵抗) x I (電流)

抵抗の単位はΩ (オーム) であり、セメント抵抗器のカタログにも記載されています。セメント抵抗器は、電気抵抗となる抵抗エレメントをセメントで封入しています。抵抗エレメントに電流が流れると発熱するので、この熱が周囲に伝えにくくなるよう、少しずつ放熱させるのが役割です。

なお、抵抗エレメントの多くは巻線抵抗ですが、抵抗値が大きいもの (100Ω以上) には、酸化金属皮膜抵抗が用いられていることもあります。耐環境性能に優れているので、屋外で高温高湿度で振動が激しいなどの劣悪環境において使用されます。

セメント抵抗器の多くは、巻き線タイプの抵抗器であり、構造としてはコイルと同じになります。なので、インダクタンス成分を有しています。この影響が高周波帯で影響されるため、高速スイッチングなどの高速動作をしている回路では、想定外のノイズを発生する可能性があるため、避けた方が無難です。

セメント抵抗器のその他情報

1. セメント抵抗器の長所

セメント抵抗器のケーシングに使われるセメントは不燃性です。高温になっても発火することがないので、基板に直接実装できる点が長所と言えます。セメント抵抗器は耐環境が厳しい条件で、安定した電力用回路として採用するのに適した抵抗器です。

2. セメント抵抗器の短所

セメント抵抗器の多くは抵抗エレメントに巻線を使用しており、巻線はインダクタンスが生じます。高周波の交流回路で使用すると、インピーダンスが上昇することになります。これらの現象により、高速スイッチングなどの高速動作をしている回路では、想定外のノイズを発生する可能性がある点が短所です。

インダクタンスとは、コイルに流す電流を増やそうとすると、コイル自体に電流を流しにくくしようとする働きが生まれ、逆に電流を減らそうとすると、流れる電流を増やそうとする現象です。

インピーダンスとは、交流回路における電圧と電流の比であり、電流の流れを妨げる働きをします。電流の流れにくさを表すもので、直流回路の抵抗に相当するものです。

参考文献
https://www.marutsu.co.jp/pc/i/2465/

オイルコン

オイルコンとは

オイルコンとは、機械等で使用する油の温度を適切に保つ装置のことをいいます。

空気の温度を調節する装置を「エアコン」というのに対し、オイルコンはその名の通り、油の温度管理をするものとなります。一般的な構造は、冷媒ガスを通じて熱処理を行うエアコンと大きな違いはありません。

高速回転する機械のモーター部やベアリング部は発熱を起こすため、予期せぬ故障や不具合を引き起こす場合があります。オイルコンは効率的に機械の熱を取り払うことができるため、機械の安定した動作を支援する機能を持ちます。

オイルコンの使用用途

オイルコンは、マシニングセンタCNC旋盤といった、高い精度が求められる工作機械などで多く使用されています。

主軸が高速回転すると熱変位が生じ、加工精度にも悪影響を及ぼします。そこで、オイルコンにより使用する油の温度を冷やすことで、熱変位を最小限に抑えることができ、安定した連続加工が実現します。

工作機械を用いて生産を行っている現場で、加工精度がばらついていたり、歩留まりが上がらないなどの問題を抱えている場合にも利用されることがあります。

オイルコンの原理

一般的なオイルコンは、空気を圧縮する圧縮機と凝縮器、減圧機構、蒸発器などから構成されています。

  • 圧縮機
    圧縮機では冷媒ガスは高い圧力をかけられ、高温・高圧の状態になります。
  • 凝縮器
    圧縮機で高い圧力がかけられた冷媒ガスを大気中の空気によって冷却・凝縮することで、液体に変化させます。
  • 減圧機構
    高温・高圧の液体を減圧し、蒸発しやすい液体にします。
  • 蒸発器
    減圧機構を介して生成された液体を機械油と接触させます。すると、液体が油から熱を取り去って蒸発し、低温・低圧の気体になります。この現象は気化熱といい、あらゆる物質を冷却させるのに役立ちます。

また、中にはインバータが搭載されているものと、そうでないものがあります。インバータが搭載されていないと、温度管理を運転のON/OFFでしか制御することができないため、設定温度との誤差が大きくなります。より高精度に油の温度管理したい場合はインバータ付きのものを選ぶのが一般的です。

参考文献
https://www.daikinpmc.com/special/oilcon/index.html

自動分注装置

自動分注装置とは

自動分注装置とは、分注を自動で行う装置です。

分注とは、液体 (試料や薬品など) を一定量ずつはかり取り吐出することを指します。この操作をロボットなどにより自動で行うことで、効率的かつ正確な操作が可能です。

自動分注装置は、液体自動分注システム、オートメーションピペッティングシステム、分注ワークステーションとも呼ばれます。

自動分注装置の使用用途

液体や粉末などの試料を必要な量だけ取り出し、目的の容器に分注するなどの単純作業が取る時間と手間を省き、人為的ミスを避けるといった目的で使用されます。使用分野は研究分野、食品分野、臨床 (医療・検査) 分野、創薬分野等、多岐に渡ります。

1. 医療・薬学

自動分注装置は、医療や薬学の分野において重要な役割を果たしています。薬品や試薬の分注作業において、正確な量を迅速に供給することが求められます。自動分注装置は、その高い精度と安定性により、医薬品の製造や研究において欠かせない存在です。

2. 化学・生化学

化学や生化学の研究においても、自動分注装置は幅広く利用されています。微量の試薬を正確に分注することで、反応や分析の結果を信頼性の高いものにすることができます。また、高い作業効率により、研究者はより多くのサンプルを処理し、効果的な実験を行うことが可能です。

3. 食品・飲料

食品や飲料の製造工程においても、多くの活躍が見られます。特定の成分の正確な分注や配合作業に活用され、一貫した品質の製品を生み出すことが可能です。さらに、生産ラインのスピードアップや作業の自動化により、生産性の向上も実現されています。

4. 環境分析

環境分析においては、水質や大気中の汚染物質の検査など、微量の試料を正確に分注することが求められます。自動分注装置の持つ高い精度と再現性により、正確な分析結果を得ることができます。

5. 医療検査・診断

医療検査や診断の現場でも、自動分注装置は欠かせません。血液や尿などの生体試料の分注作業において、正確な量を迅速に供給することが求められます。環境分析同様、正確な操作性により、人為的なミスや無駄な手間を省きます。

自動分注装置の原理

自動分注装置は、複数の機構と制御システムが組み合わさって動作しています。大きく分けて分注装置は、試料を保持するための容器と分注するための注射器やチューブなどの供給部品、そしてこれらの動きを制御するコンピュータの3点構成です。

装置内には制御システムが組み込まれており、予め設定されたパラメータに基づいて分注の処理が行われます。制御システムは高精度な計測機構と連携し、試料の量を正確に計測・制御することが可能です。

装置内のモーターやポンプなどの機構が作動し、分注するための供給部品によって試料を必要な量だけ吸引し、目的の容器へと分注します。この過程では、試料の流速や流量などを制御するためのバルブやセンサーも活用されます。これにより、非常に高い精度で分注作業が行われ、効率化の効果も抜群です。

さらに、自動分注装置は複数の試料や複数の容器を同時に処理することも可能です。装置内には複数のチャンネルが設けられており、それぞれのチャンネルが個別に試料を分注する機能を持っています。これにより、複数のサンプルを同時に処理することで、作業効率が大幅に向上します。

自動分注装置の選び方

自動分注装置は、その性能や特徴によって様々な種類が存在します。そのため、用途にあった適切な装置を選ぶことが理想的です。

主なポイントとしては、分注量の範囲、使用する試料の特性、精度と再現性の3点です。どの程度の量を分注する必要があるのかを明確にし、装置が対応できる範囲を確認します。

また、使用する試料の特性によって適した装置が異なるため、試料の粘性、腐食性、温度などの特性を考慮し、装置が適切に処理できるかの判断も欠かせません。その結果、装置の精度が高く、分注の結果が一貫して再現されるよう、メーカーの仕様や評価値などを参考にし、装置の性能を確認します。

トランジスタアレイ

トランジスタアレイとは

トランジスタアレイとは、1つのパッケージにトランジスタを複数個並べた部品です。トランジスタはスイッチングに使われる半導体素子で、アレイ(array)は配列と言う意味を持つ英語です。

この部品のメリットは、複数個の出力リレーなどを省面積で制御できる点です。個別に実装すると基板面積を大きく設計しなければならず、基板のパターンが長くなってしまいます。これは、ノイズなどによる誤動作を引き起こす原因となります。トランジスタアレイを用いると、小型軽量かつノイズに強くなるため、経済的で機能性も向上します。

トランジスタアレイの使用用途

トランジスタアレイはマイコンなどに広く用いられます。マイコンは洗濯機などの家電にも頻繁に使用される制御基板のことであり、我々の生活になくてはならない存在です。

トランジスタアレイが登場するまでは、複数個のトランジスタを単品で実装していました。これで問題はなかったのですが、トランジスタアレイが登場した後は省スペースとコストダウンが実現しました。また、パターンの引き回しも悩まずに済むようになり、設計の手間も減り、ノイズに対する耐性も向上しました。現在、トランジスタアレイは制御基板上では必須電子部品です。

トランジスタアレイの原理

トランジスタアレイは、先述の通りトランジスタを複数個並べて、1個のパッケージに格納した電子部品です。トランジスタは、半導体素子です。P型半導体とN型半導体を3層重ねた製品であり、PNP型トランジスタとNPN型トランジスタがあります。

どちらも普段は回路上で絶縁体としてふるまいますが、真ん中の層に電圧を掛けると両端の層が導電体となります。これがトランジスタの仕組みです。

トランジスタは主にマイコンの出力先として使用されます。マイコンの出力容量が小さく、モーターなどの強電装置を直接制御できないためです。2000年代以前は、トランジスタアレイにはバイポーラトランジスタが広く使用されました。バイポーラトランジスタは大電流を導通可能で、ノイズに強い特徴があるためです。これらを複数個並べたトランジスタアレイが主流でした。

現在では、高速低損失なMOSFETが主流となっています。ほとんどのトランジスタアレイがMOSFETアレイに切り替わっています。

トランジスタアレイのその他情

1. トランジスタアレイの内部回路

トランジスタアレイには内部で構成されているトランジスタ違いにより種類があります。

  • DMOS FET
    大きな電流を制御でき、低電流で使用しても損失が少ない。
  • シングルバイポーラトランジスタ
    低電流で使用しても損失が少ないが、大きな電流を制御できない。
  • ダーリントンバイポーラトランジスタ
    大きな電流を制御できるが、低電流で使用すると損失が発生する。

また、入力ロジックがハイアクティブ(入力端子にHighレベルを入力すると電流を流す)か、ローアクティブ(入力端子にLowレベルを入力すると電流を流す)かの違いもあります。リレーなどを駆動する際に、必要なクランプダイオードの内蔵の有無などによっても種類が分かれています。

2. ソース型とシンク型のトランジスタアレイ

トランジスタアレイには出力電流の形式の違いにより、ソース型とシンク型の2種類があります。ソース型は負荷に対してプラス極側で接点のON/OFFを行います。トランジスタアレイから「負荷に向かって電流を吐き出す」動作モードになります。

対してシンク型は負荷に対してグランド側で接点のON/OFFを行います。トランジスタアレイが「負荷から電流を吸い込む」動作モードとなります。

3. トランジスタアレイの未使用端子の結線

1つのトランジスタアレイの中に使用しないチャンネルがある場合の処理は、使用するトランジスタアレイのデータシートなどに記載されています。製品により、特に入力ピンについて「どこにもつながずに放置で構わない」としているものや、「入力ピンを接地せよ」となっているものなど違いがみられます。

参考文献
https://tomoc.hatenadiary.jp/entry/2018/03/02/232509
https://toshiba.semicon-storage.com/jp/semiconductor/product/linear-ics/transistor-arrays.html
https://toshiba.semicon-storage.com/info/docget.jsp?did=30611

IGBTモジュール

IGBTモジュールとはIGBTモジュール

IGBTモジュールとは、複数のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を1個のモジュールに集積させた高集積モジュールのことです。

IGBTは、従来から用いられているベース電流制御タイプのバイポーラトランジスタと、その弱点を改善したゲート電圧制御タイプの電界効果トランジスタ(FET)の良い所をデバイス構造およびプロセス上の工夫で組み合わせて、昭和後期に日本で発明されました。

当初は絶縁ゲートタイプのバイポーラトランジスタと呼ばれており、その後、「Insulated Gate Bipolar Transistor」の頭文字を並べて、IGBTと呼ばれるようになりました。

IGBTモジュールの使用用途

現在ではパワーエレクトロニクス技術と呼ばれていますが、当時IGBTはあまり日の目を見ていなかった専門家だけの特別な世界の技術でした。それがインバータエアコンを始めとした電化製品のインバータ(電力変換技術による省エネ)化や部品の小型高効率モジュール化によって、その内部に格納されているIGBTモジュールの用途は、大電力製品を中心に飛躍的に世の中に広がりました。

現在、大きな電力を必要とする製品に当たり前にIGBTやそのモジュールが使われているのは周知の事実となっています。

IGBTモジュールの原理

IGBTについては、大電流が流れる部分は従来のバイポーラトランジスタ構造を採用し、バイポーラの制御部であるベース部分を(それまでは弱電系の信号回路にしか採用されておらず、高速制御が出来て損失が少ない)FETのゲート回路構造に切り替えた日本が生み出した画期的なパワー半導体です。それらを複数個格納して、保護回路用ダイオードや駆動回路用ICなども含め小型高機能にモジュール化したのが、IGBTモジュールになります。

IGBTは単品(ディスクリート)でも部品として存在しており、モジュールと同じような回路を単品で組むことは可能です。しかし、単品で回路を組んだ場合、一般に基板の大きさがモジュールの倍以上になったり、基板パターン配線の影響で、信号遅延や不安定性などの誤動作を起こしたりする可能性も懸念され、ユーザーにとっては多くの課題が発生します。

それに対して、モジュール化により、高密度配線実装が可能になり、放熱改善による信頼性も考慮されているために、ユーザーは比較的簡便にIGBTを自身の製品に適用することができます。ここがIGBT単体ではなく、IGBTモジュールを用いる最大のメリットと言えるでしょう。

IGBTモジュールの実例として、主流のブラシレスモータを駆動する6個のIGBTを格納したモジュールを説明します。モジュールのパッケージ内に絶縁材料が充填されているのが特徴で、モジュール内の配線も可能な限り最短極太にし、電気的損失を低減図っています。

また放熱板も付加されて、単品で基板実装するよりも明らかに低損失かつ高放熱なIGBTの動作が可能です。よって、モジュール化に伴い、単品(ディスクリート)での対応に比較して、高効率動作と装置の小型化の両立を図ることができます。

IGBTモジュールのその他情報

IGBTモジュールの進化(IPM)

現在では、IGBTモジュールは、更に進化したIPM(IGBTに外付けだった高耐圧ドライバーも格納したモジュール:Intelligent Power Module)などとも呼ばれ、その技術革新は今も継続中です。従来の複数のIGBTを一つのパッケージへ集積したモジュールをさらに高性能、高機能化を図るために、IGBT専用の駆動ICや、過電流過熱保護目的の各種保護回路用ICをIGBT一緒に集積し、かつ小型放熱性対策を施したモジュールをIPMと呼ぶことが多いです。

IPMはIGBTの生みの親である日本が得意技術として世界をリードしている分野になります。また、昨今ワイドバンドギャップ半導体である、SiCやGaNといった新規半導体材料を用いたパワーエレクトロニクスの分野もにわかに活況を呈しており、Si基板でのIGBTをEVなどの電気自動車分野を代表例に特性でさらに優れたSiC-MOSFETやGaN-FETへ置き換える動きも出てきています。

とはいえ、これらの新規半導体材料基板はまだウエハー大口径化やコスト、製造能力面でSi基板に及ばないため、当面製品用途でのデバイスやモジュールのすみ分けが続くでしょう。

参考文献
https://www.fujielectric.co.jp/products/semiconductor/model/igbt/
https://www.mitsubishielectric.co.jp/semiconductors/products/powermod/igbtmod/index.html

インピーダンスアナライザ

インピーダンスアナライザとは

インピーダンスアナライザとは、その名の通りインピーダンス(抵抗)の分析器です。インピーダンスとは交流回路における電圧と電流の比であり、電流の流れにくさを表す指標です。インピーダンスは複素平面のベクトル量で表示され、虚数軸のリアクタンスと実数軸の抵抗(レジスタンス)成分で表されます。

電流が直流の場合、抵抗成分のみとなり、オームの法則で表されるV=IRで表されます。リアクタンスには、主に2種類の抵抗があります。1つはコイルなどの巻線を代表するL(インダクタ)成分を対象とした誘導性リアクタンスです。2つ目はコンデンサを代表とするC(キャパシタ)成分を対象とした容量性リアクタンスです。この交流成分を含んだ電気抵抗であるインピーダンスを分析する機械が、インピーダンスアナライザです。

インピーダンスアナライザの使用用途

インピーダンスアナライザの使用用途については、交流成分を含んだ電気抵抗であるインピーダンスに関して、その成分の詳細を解析する際に使用することになります。

例えば、その解析結果は、大抵のインピーダンスアナライザの場合、横軸が周波数に対して、縦軸を電圧や電流と言ったユーザーが欲しいパラメータ(変数)で表したグラフをインピーダンスアナライザの画面に表示させています。同様の装置には、LCRメータと言うものもあります。

しかし、LCRメータはピンポイントの結果を数値で表示するのみですが、インピーダンスアナライザは、幅広い周波数帯域を対象とした範囲における各種パラメータをグラフで表示できます。

インピーダンスアナライザの原理

インピーダンスアナライザは様々な周波数の交流信号を印加し、電流、電圧、位相差を測定することでインピーダンスのレジスタンス成分とリアクタンス成分を計測することが可能であり、共振法、I-V法、自動平衡ブリッジ法など様々な測定手法があります。

ここでは代表的な例として自動平衡ブリッジ回路による測定方法を説明します。自動平衡ブリッジ回路では信号源と二個の電圧計、電流―電圧変換機が使用されています。試料に流れる電圧と基準抵抗を流れる電圧の比を計算することで試料のインピーダンスを測定することが可能です。

自動平衡ブリッジ法では110MHz以下の周波数を広く測定可能です。より高周波のインピーダンスを測定する場合は、RF I-V法などが用いられます。

自動平衡ブリッジ法の回路図

図1. 自動平衡ブリッジ法の回路図

得られたデータは横軸周波数、縦軸をインピーダンスでプロットしたボード線図や横軸をレジスタンス、縦軸をリアクタンスでプロットしたコール・コール・プロットなどでグラフ化することで解析を行います。これらを等価回路解析することで、回路の設計や電極等の抵抗成分の分離を行うことが可能になります。

インピーダンスアナライザのその他情報

1. インピーダンスアナライザとネットワークアナライザの違い

インピーダンスアナライザとネットワークアナライザは、どちらもDUT(被試験片)に信号を入力し、出力側に現れた信号強度と位相を入力と比較することにより、DUTのインピーダンス成分を計測する装置です。

インピーダンスアナライザは10kΩ以上の高インピーダンスを精度よく計測する目的で使用されます。ただし、計測できる周波数範囲は100MHz程度までです。

ネットワークアナライザは10GHz程度まで計測することができ、10kΩ以下のインピーダンスを計測する場合に適しています。通信機用のデバイスは高周波域までの特性計測が必要なため、ネットワークアナライザが使用されます。

2. インピーダンスアナライザの使い方

インピーダンスの計測には4端子が使われます。入力電流を印加するための端子、入力側の電圧を計測する端子、出力側の電流を計測する端子、および出力側の電圧を計測する端子です。

計測する対象(DUT)は入力側と出力側の間に挟んで使用しますが、より精度よく計測するためには、フィクスチャと呼ばれる計測用の治具を使用します。フィクスチャはDUTを安定して保持するのと、外来ノイズを減らし、信号の伝搬を減衰させないために使用される重要な計測治具です。

3. インピーダンスアナライザーの価格

計測できる周波数レンジやインピーダンスによって価格の幅があります。おおよそのインピーダンスを計測するための簡易的な計測器は、10万円程度で入手できます。

実験や開発で使用されるような高精度な機種であれば、200万円~500万円が相場です。これに、計測のためのDUT保持治具やケーブルとして100万円程度必要です。

参考文献
https://www.hioki.co.jp/jp/products/list/?category=32
https://www.keysight.com/ja/pc-1000000382%3Aepsg%3Apgr/impedance-analyzers?cc=JP&lc=jpn

PCB設計

PCB設計とはPCB設計

PCB設計とは、PCB(Printed Circuit Board)の基板設計のことであり、PCBは直訳すると印刷回路基板に相当します。印刷回路基板とは、一般にガラス(ガラエポ)や繊維(コンポジット)や紙フェノールと言った材料を使用したPCB基板の上にを張り付け、それをエッチングと言われる溶剤を使って、回路部分の銅箔のみを残すいわゆるパターン回路基板を言います。

すなわち、PCB設計とはPCB基板上のパターンや層構成を、配置するICやLCRなどのチップ部品とともに専用の回路図やシミュレータ、配線レイアウト、電磁界や発熱、応力解析用のCADツールを使用して詳細に設計することを、PCB設計と呼んでいます。

PCB設計の使用用途

PCB設計の使用用途は、最終的にはPCB(プリント回路基板)と言う形で実用上は使用されることを最終目的としています。PCB自体は、エアコンや冷蔵庫やテレビなど、電化製品の内部には、必ずと言って良いほど使用されています。そのPCBを、製品に内蔵される電子基板として具現化しているために使用されているツールが、回路図専用CADや基板パターン設計CADです。

その設計手順は、一般的に電子回路を設計した後、その回路を実際に使われる部品構成表に変換し、さらにその回路と実装部品をパターンと言う形で、基板上に銅箔パターン回路を具現化していくのがPCB設計になります。

PCB設計の原理

PCB設計の原理を説明するには、PCBの原理から理解する必要があります。PCBの原理については、前述の通り、プリントサーキットボード(印刷回路基板)を指し、ガラスや繊維や紙と言った電気を通さない絶縁物を材料とした基板の上に、電気を通す銅箔を張り付けて、電気を通したい部分以外の銅箔をエッチングで溶かして出来上がった基板がPCBになります。

そのプリント基板上のパターン回路を形成するために必要なパターン設計情報があり、基板上にどう実現させるかを具体化させることがPCB設計そのものです。パターン設計情報は、大元になる情報は使用用途でも記載しましたが、第一段階は製品の必要な機能を実現するための電子回路です。

この回路図がなければ、何も始まりません。回路図とICやチップ部品などの実装部品をCADで作成登録後、その回路図情報を専用の基板パターン設計CADに落とし込みます。この作業は、大抵、パターン設計専任のスタッフか外注先が担当するのが通例です。

回路設計者はその担当に必要な情報をインプットするわけですが、その時に必要な最低限必要な情報は、基板寸法や穴径や基板や銅箔の厚さ、また実装部品の配置に関しては、予め指定する必要があります。以上の様な内容が、PCB設計を行う上での主な原理原則になります。

PCB設計のその他情報

1. プリント基板設計ルール

プリント基板設計ルールとは、プリント基板の配線パターンを設計する上で必要なルールです。その実際のルールとして、最初に基板の種類を決める必要があります。基板の種類とはレイヤーと呼ばれる基板の層の数です。https://ednjapan.com/edn/articles/1310/03/news107.html
https://resources.altium.com/jp/p/top-5-pcb-design-guidelines-every-pcb-designer-needs-know
https://unicraft-jp.com/pcb/spec/pcb_spec.shtml
https://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=ideas-and-advice/parasitic-elements-guide

ゲートドライバ

ゲートドライバとは

ゲートドライバとは、電圧によって駆動するタイプのMOSFETやIGBTのゲート端子に電圧をかけて駆動制御するための回路です。

現在、最も汎用的なゲートドライバはMOSFETのゲートを駆動制御する回路ですが、抵抗やダイオード、バイポーラなどのトランジスタを使用したアナログ回路技術があります。最近ではゲートドライバ周辺回路部品自体も進化しています。

その種類や組み合わせは豊富にありますが、MOSFETを使ったゲート電圧駆動制御回路を習得することが最も実用的です。

ゲートドライバの使用用途

ゲートドライバは、MOSFETとゲート抵抗だけのシンプルな駆動回路でパワートランジスタを駆動する際に使用されます。

ゲートドライバのメリットは部品点数の少なさです。デメリットは抵抗値によってスイッチング速度や損失が大きく変わり、適度な抵抗値に設定するのが難しいことです。また、この抵抗値調整の課題を改善した回路としてMOSFETのゲートをON/OFFをダイオードで別々に駆動する回路にも使用されます。

ダイオード分の電圧が残ってしまうため完全にゼロにはなりませんが、この問題をクリアしたものがMOSFETのPchとNchを上下に接続したプッシュプルと呼ばれる回路です。ゲートドライバの使用用途として現在では最もよく使われています。

ゲートドライバの原理

ゲートドライバは、トランジスタのプッシュプル回路で構成されています。

プッシュプル回路とは2つのトランジスタを使って交互に動作させることで、スイッチングまたは増幅を行う回路のことを指します。プッシュプル回路には、「エミッタフォロワ型」と「エミッタ接地型」の2種類がありますが、基本的には後者である場合が多いです。

ゲートドライバはトランジスタの現場で大きな仕事をする力持ちのパワー素子と、制御方針を命令する頭脳で社長的な役割のマイコンとの間を取り持つ中間管理職のような役割を持つ回路から構成されています。

大電流を流すことができるパワー素子として、パワーMOSFETIGBTが挙げられます。これらを直接駆動する電圧や電流は、通常のマイコンが出力できる電流や電圧では不十分である場合がほとんどです。

そのため、パワー素子とマイコンで駆動させるためにはその間ゲートドライバが必要です。

ゲートドライバのその他情報

1. 超高速ゲートドライバとは

超高速ゲートドライバとは、ゲートドライバの中でも特に高速スイッチングに特化したゲートドライバのことです。

その中でも超高速と呼ばれる部類は、概ね目安としてスイッチング速度が数十p (ピコ) 秒以下の素子になります。ピコは10のマイナス12乗になるので、1秒のマイナス12乗 (1兆) 分の1以下の速さでスイッチングします。

これは、昨今の半導体素子の技術革新によって起こった進化とも言えます。

2. 超高速ゲートドライバの実用化

実用化されている超高速素子ゲートドライバとしては、以下のものがあります。

1つ目は、半導体として最もよく利用されているシリコンを用いたトランジスタで、バイポーラ型とMOS型があります。バイポーラ型は高速で数十ピコ秒のスイッチングが可能です。MOS型は動作は遅延しますが、高密度な回路集積に適しています。

2つ目は化合物半導体タイプのトランジスタです。ショットキーゲートタイプの電界効果トランジスタのMESFET、ヘテロバイポーラトランジスタのHBT、高移動度電界効果トランジスタのHEMTがあります。使われる半導体はガリウムヒ素系化合物です。この素子は数ピコ秒のスイッチング動作が可能な現在の超高速に対応した素子で、最も高速な半導体になります。

3つ目は研究段階ではありますが、ジョセフソン素子と呼ばれる2種類の超伝導体間のトンネル効果を利用したものがあります。2つ目に紹介した素子の半分のスイッチングスピードで、ニオブなどの金属材料が使われます。しかし、動作には極低温を要する等の条件があり実用化にはまだまだ課題があるのが現状です。

3. SiCゲートドライバ

SiCゲートドライバは、耐圧性能とスイッチング速度改善において優れており、昨今のパワーエレクトロニクスの世界で注目されている半導体素子です。その活用が業界のトレンドにもなっているシリコンカーバイド (通称SiC) と呼ばれる半導体によって構成されたゲートドライバのことを指します。

特にSiCを使用したMOSFETは、高電力対応のインバータにおいて課題になっているそのスイッチング性能を大きく向上させることに寄与し、高いブレークダウン電界強度とキャリアドリフト速度を実現しつつ放熱性を改善させました。

しかし、SiCには様々なSiC組成構成における電圧の相違を解決しなければならないという課題があります。

4. ゲートドライバの現在の主力デバイス

現在ゲートドライバで動作させたい主力デバイスはMOSFETやIGBTという電圧駆動デバイスです。ゲートドライバは電流を常時流す必要はないですが、スイッチング動作時に短時間のパルス電流が流れるため、パワーデバイスとしての定格電流や電圧値などには十分注意が必要です。

特にIGBTの場合はMOSFETと比較して数10Vの高電圧時にその特性の良さが発揮されるため、ゲートドライバのバイアス特性もその電圧領域や用途に極力合わせたものを選定した方が無難です。

5. モジュール化と今後のトレンド

IGBTはその高電圧動作および最大定格を超えると瞬時に破壊しやすいという特徴があります。そのためIGBT単体 (ディスクリート) ではなく、ゲートドライバICと、保護回路などとIGBT単体を組み合わせたIGBTモジュールの方が使いやすく、現在多く市場に受け入れられています。

今後のゲートドライバの技術開発のトレンドとしては、より小型・高性能を目指した使いやすい製品だけでなく、D級アンプやモータ駆動用などの用途特化型のICが開発されていくと考えられます。これらのゲートドライバは先に述べたSiC半導体やGaNデバイス用のゲートドライバとの住みわけが図られていくでしょう。

参考文献
https://www.analog.com/jp/analog-dialogue/articles/isolated-gate-drivers-what-why-and-how.html
https://detail-infomation.com/gate-driver-type/
https://www.rohm.co.jp/power-device-support
https://kotobank.jp/word/%E8%B6%85%E9%AB%98%E9%80%9F%E7%B4%A0%E5%AD%90-161225