IGBTのメーカー19社・74製品を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
IGBTは絶縁ゲート型バイポーラトランジスタのことを言います。IGBTの構造はMOSFETにP型半導体を追加した、PNP型バイポーラトランジスタです。
小さな電流に対して非常に大きな出力電流を発することができる特徴があります。高性能な半導体で、ベースとしているMOSFETよりも高耐圧で、損失が少ないです。さらに熱が発生しにくい利点があります。
1980年代に日本で開発された半導体で、近年さらに小型化、低コスト化が進んでいます。
電力の大きい場所でも高速なので、可変速駆動装置や電力変換器に用いられます。
IGBTの適用範囲は広く、大型の製品だとハイブリッド車や電気自動車、電車といった乗り物の高出力用三相モータ制御用のインバータに使用されています。
また、IH調理器具や洗濯機、エアコンのインバータ、プリンターなど大型の家電の電力制御にも使用されています。近年の省エネ化に伴って、電力の損失を減らすことができるIGBTはさらに使用用途が拡大しています。
IGBTは、入力部分にMOSFET、出力部分にバイポーラトランジスタの構造を持っていて、それぞれの特徴を合わせたような性質があります。IGBTはMOSFETにP型半導体を追加した構造で、電子と正孔の2種類のキャリアができます。キャリアが2種類なのでスイッチング速度がMOSFETより遅いですが、バイポーラトランジスタより早く、耐圧性はMOSFETより向上しています。
端子の入力部であるゲートから電圧がかかるとMOSFETから電流が流れ、P型半導体まで導電すると、今度はバイポーラトランジスタの性質として少量の電流を増幅してエミッタ‐コレクタ間に大きな電流を流すことができます。
また、バイポーラトランジスタのように伝導率変調が起こるので、オン抵抗を低くすることができ電流密度が高くなります。コレクタ‐エミッタ間に一定の電圧降下が生じるので、電流が大きい場合にはMOSFETよりも損失を少なくすることができます。
インバーター回路とは、ACからDCへのコンバータ回路と対に用いられるDCからACへの変換回路を指します。このインバータ回路で電圧や周波数を変えた交流を出力の際に、IGBTが用いられます。
IGBTをスイッチングし、ONとOFFの間隔調整を行い、パルス幅の調整をします。異なるパルス波を生成整形することで、正弦波に近づけていくのです。これをパルス幅変調と呼び、ここにIGBTはよく利用されるのです。
パルス幅変調での周波数変換により、モーターの回転数を変えて家電商品の機能は制御されています。エアコンや、冷蔵庫、産業用モーター、コンピューターの電源などの家電商品には広く用いられていると言えるでしょう。
IGBTは、MOSFETとBJTのいいとこ取りのデバイスという説明はよくありますが、実はMOSEFETと比較しての欠点もあります。IGBTでは、その構成上オフセットを有する立ち上がり電圧を有するために、特に低電流領域では、一般にMOSFETデバイスの方がVdsが低くなります。
IGBTは中大電流領域を主眼に置くデバイスですので、この領域ではむしろMOSFETよりも低いオン抵抗を示しますが、低電力領域での効率を重視するようなアプリケーションの場合には、むしろMOSFETの方が良い特性になります。Vdsが1V未満の領域は言うまでもなく、Vds=2V程度までは、MOSEFETに効率面では軍配があがり、それより大きい電圧ではIGBTが優れているといえます。
IGBTは複合デバイスであるために、その動作を一から自力で制御するように組み立てるには労力が要ります。
そのため、その制御部分の信号処理や増幅回路、保護回路、寄生ダイオード等を複合モジュールにまとめたIGBTモジュールは広く製品化されています。
IGBTはSOA(Safty Operation Area)や絶対最大定格を超えると破壊しやすいトランジスタであるため、その保護回路を内蔵しているものもあります。
参考文献
https://detail-infomation.com/igbt/#:~:text=IGBT%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%BC%E5%8D%8A%E5%B0%8E%E4%BD%93,%E4%B8%8A%E5%9B%B3%E3%81%AB%E7%A4%BA%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
https://contents.zaikostore.com/semiconductor/2857/
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
IGBTモジュールPIMは、3相インバータ、ダイオードブリッジ、ブレーキの3つの回路を1モジュールに集積化しているIGBTです。
主回路をコンパクトに設計することが出来る他、モジュール端子とプリント基板との接続に半田付けと半田レスの2種類があることや主端子配列が異なる製品も用意しているため、多様なニーズに対応することができるという特徴があります。
コンバータ部やブレーキ部内部での使用が最適です。
車載AV、産業向けDC-DCレギュレータICは、AM帯のEMI対策を装備した車載AV、産業向けのDC-DCレギュレータICです。
高速スイッチング周波数によりAMラジオEMI対策 (2種類) を採用している他、電源とハイサイドスイッチを1-chipに集積しUSB用途に最適であることや、過電流値の任意設定、フラッグ出力での異常監視が可能であることが特徴です。
カーナビ、カーオーディオや産業機器などに最適です。
DGG4015Aは、コレクタ-ゲート間にツェナーダイオードを内蔵しており400VのIGBTです。
外付けのクランプ回路を必要とせずに点火コイルの駆動回路を構成できることに加え、低飽和電圧特性のIGBTであることからセットの高効率化に貢献することが可能なこと、車載に対応していることや端子部Pbフリー(RoHS対応)であること、低飽和電圧であることが特徴です。
点火コイルドライバーでの使用に最適です。
F3L400R10W3S7_B11は、スイッチング周波数16kHzで出力150kW以上を1台のインバータで実現したIGBTパワーモジュールです。
きわめて低いスイッチング損失とソフトターンオフ動作の他、低リカバリ損失と高ソフトネスを実現した950Vの高速ダイオードや、3レベルトポロジーによりフィルタサイズ、重量、コストを削減していることが特徴です。
ソーラーエネルギーシステム向けソリューションに最適です。
IGBT(1200V~1250V)は、動作周波数が最大100kHzまでのアプリケーションに3A~40Aの範囲の最大電流を供給するIGBTです。
トレンチ・フィールド・ストップ(TFS)をベースとしている他、優れた静特性と動特性間のトレードオフを実現しており、175°Cの最大接合部温度や優れた耐短絡時間と幅広い安全動作領域(SOA)によって極めて高い耐久性を実現していることが特徴です。
ソーラー・インバータ、溶接機、UPSなどでの使用に最適です。
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