バイポーラトランジスタについての概要、用途、原理などをご説明します。また、バイポーラトランジスタのメーカー6社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。バイポーラトランジスタ関連企業の2023年5月注目ランキングは1位:ルネサスエレクトロニクス株式会社、2位:東芝デバイス&ストレージ株式会社、3位:イサハヤ電子株式会社となっています。
バイポーラトランジスタ (英: Bipolar Transistor) とは、3端子の半導体素子のことです。
接合型トランジスタとも言われ、N型とP型の半導体がP-N-PまたはN-P-Nの接合構造を持ちます。電界効果トランジスタ (英: Field Effect Transistor) が正孔もしくは自由電子のどちらかがキャリアとして動作するユニポーラトランジスタとは異なり、正孔と自由電子両方が動作に関与することからバイポーラトランジスタと呼ばれています。
バイポーラトランジスタの主な機能は、増幅とスイッチングの2つです。
微小な信号を充分大きなレベルにする増幅回路において、特に高い増幅率を求める場合には、ユニポーラトランジスタよりバイポーラトランジスタを使った方がより有利です。高い周波数での動作もバイポーラトランジスタの方が優れています。
例えば、高い周波数成分を含むスイッチングノイズを抑制する必要がある電源レギュレータ回路において、バイポーラトランジスタを採用した回路とFETによる回路とではノイズ除去比等の特性に顕著な差異が見られます。
IC化することが難しい少量生産品や高周波領域の増幅回路では未だバイポーラトランジスタも使われていますが、電流駆動であることから、電圧駆動のユニポーラトランジスタと比べると消費電力が大きくなります。電池駆動等低消費電流が求められる製品、ポータブル機器等には使いにくい面があります。
一方、スイッチング回路は電流のON/OFF制御を目的としますが、スイッチング速度および小型化の面でユニポーラトランジスタの方が優れているため、この用途での応用は少ないです。
半導体はP型とN型に分類することができます。P型半導体は電子が足りない状態である正孔で満たされており、N型半導体は電子が余剰で自由電子で満たされています。
トランジスタはP型とN型半導体を組み合わせたものですが、バイポーラトランジスタの場合、P型N型P型の3つの領域から成るものとN型P型N型の3つの領域から成るものがあります。
前者をPNPトランジスタ、後者をNPNトランジスタと言います。3つの領域は各々、エミッタ、ベース、コレクタであり、各々電極が接続されていてその電極を通して電圧を印加するとともに信号電流が流れます。また、ベースは極めて薄く作られていることが特徴です。
バイポーラトランジスタの動作原理を、N型半導体でP型半導体を挟んだ構造であるNPN型トランジスタを例にして説明します。
エミッタを基準電圧 (0V) に接続しコレクタをVCC (例えば+5V) に接続した状態で、ベースにプラスの電圧を加えてベース電流Ibをエミッタに流すと、β×Ibの電流Icがコレクタからエミッタに流れます。これがトランジスタによる増幅の原理であり、バイポーラトランジスタでは電流増幅が基本です。βは電流増幅率と呼ばれ、通常100~200程度の値になります。PNP型トランジスタでは、印加する電圧の向きや電流の方向が逆ですが、増幅の原理は同じです。
スイッチング動作では、ベース電流Ibに大きな電流を流すことで、コレクタに接続された負荷に十分な電流を流すことができます。また、ベース電流を0Aにすると負荷には電流が流れません。ベース電流Ibを流す/流さないことにより負荷に流れる電流をON/OFFする、スイッチング動作を実現します。
1993年以前は、JIS規格によって半導体部品の型名のつけ方が規定されていました。従って型名からトランジスタの用途がある程度判断することができます。バイポーラトランジスタでは頭から3文字は次の様に規定されていました。
実際の型名は、例えば2SA372Y などと上記3文字以降も数字とアルファベットが続きます。数字は11から始まる番号で、2~4桁から成りますが、登録順に振られたもので意味はありません。最後のアルファベットは増幅率のランク分けなどを意味します。
このJIS規格は1993年に廃止されましたが、その後を継いだ社団法人 電子情報技術産業協会の規格「個別半導体デバイスの型名」でも継続して採用されています。
参考文献
https://detail-infomation.com/bipolar-transistor/x
https://jeea.or.jp/course/contents/02106/
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年5月の注目ランキングベスト6
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | ルネサスエレクトロニクス株式会社 |
23.9%
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2 | 東芝デバイス&ストレージ株式会社 |
22.4%
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3 | イサハヤ電子株式会社 |
17.9%
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4 | ローム株式会社 |
13.4%
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5 | インフィニオンテクノロジーズジャパン株式会社 |
11.9%
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6 | サンケン電気株式会社 |
10.4%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年5月のバイポーラトランジスタページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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バイポーラトランジスタとして、多彩な超小型面実装タイプである、小信号トランジスターから、リードタイプパッケージを搭載している、パワートランジスターまで、低飽和タイプと大電流タイプ及び超高速対応などの、様々なラインアップを揃えております。
バイポーラトランジスタの中の、2SA1162は、低周波増幅用で、低周波低雑音増幅用となっています。
その特徴は、まず高耐圧であり VCEO = −50 Vで、次にコレクタ電流が大きく: IC = −150 mA (最大)であり、そして電流増幅率が高く: hFE = 70~400となっていて、更に hFE リニアリティが優れていて、 hFE (IC = −0.1 mA)/hFE (IC = −2 mA) = 0.95 (標準)、尚且つ低雑音であり: NF = 1dB (標準), 10dB (最大)、その上で、2SC2712 とコンプリメンタリになっています。
汎用バイポーラトランジスタである、2SAR563F3は、低VCE(sat)の低周波増幅の用途に適している、ミドルパワートランジスタであり、熱伝導率及び、電気伝導率に非常に優れた、リードレス小型面実装パッケージHUML2020L3(DFN2020-3S)を取り入れています。
主な特徴としては、ミドルパワードライバに最適であり、VCE(sat)が低く、VCE(sat)=-400mV(Max.).、(IC/IB=-3A/-150mA)、そして大電流でありIC=-6A(max),ICP=-12A(max)、加えてリードレス小型面実装、パッケージ(HUML2020L03)で、熱伝導率及び、電気伝導率が優れています。
そしてその特性は、まずグレードはStandardで、パッケージコードはDFN2020-3Sであり、パッケージサイズ[mm]は2.0x2.0 (t=0.6)となっていて、端子数が3かつ、極性はPNPで、コレクタ損失[W]は1かつ、コレクタ電圧VCEO[V]が-50.0であり、コレクタ電流 Ic[A]は-6.0で、直流電流増幅率 hFEが180 to 450で、実装方式はSurface mountで、保存温度範囲(Min.)[℃]が-55で、保存温度範囲(Max.)[℃]は150です。
2SA1186は、−150 V及び−10 AのPNPトランジスタであり、広い電流範囲でhFEが一定であるため、高音質なオーディオ機器を実現可能です。
主な特徴としては、コンプリメンタリが2SC2837で、LAPT (Linear Amplifier Power Transistor)であり、高いトランジション周波数を誇り、端子部はPbフリーかつRoHS対応で、主な用途としてはオーディオ用のパワーアンプが挙げられます。
そして、主要な特性は、VCBOは-150 VかつVCEO-150 Vであり、IC (-)が-10 Aで、PCは100.0 Wとなり、hFE (min.)が50かつ、hFE (max.)は180で、hFE条件 VCEが-4 Vであり、hFE条件 ICは-3.0 Aとなっていて、VCE(SAT) (max.)は-2.00 Vで、コンプリメンタリは2SC2837で、極性がPNPであり、クランプダイオードはありませんが、チップ区分がLAPTです。