ネットワークアナライザについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ネットワークアナライザのメーカー17社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ネットワークアナライザ関連企業の2023年3月注目ランキングは1位:アンリツ株式会社、2位:株式会社コンテック、3位:キーサイト・テクノロジー株式会社となっています。
ネットワークアナライザ (英語:Network analyzer) とは、被試験対象 (DUT; device under test) の回路網の特性を評価する装置のことです。
具体的にはDUTへの入力信号の減衰やインピーダンスを測定することが可能です。特に電子部品などの高周波特性を評価できるため、伝送デバイスをはじめ広い応用範囲があります。
ネットワークアナライザのアウトプットはSパラメータ (scattering parameter) によってあらわされます。Sパラメータで定義された物理量は順方向の反射 (S11) 、順方向の伝送 (S21) 、逆方向の伝送 (S12) 、および逆方向の反射 (S22) です。
ネットワークアナライザはスカラネットワークアナライザとベクトルネットワークアナライザ (VNA) に大別され、そのうち振幅情報だけでなく位相情報まで得られるベクトルネットワークアナライザ (VNA) は使用用途範囲が広いです。
ネットワークアナライザの利点である高周波への応用を用いて、高周波増幅器の整合回路の開発などに利用されています。ここでは、増幅器、アンテナ、フィルタそれぞれの正確なSパラメータをもとに設計が行われます。
高周波を扱う回路網において、各デバイスやケーブルなどの伝送路におけるインピーダンスの不整合は電力のロスや信号歪の原因になることから、インピーダンスマッチングの評価にも利用されるケースが多いです。
ネットワークアナライザには信号源と信号分離器、方向性結合器及び、最低3つの受信部が備えられています。
DUTのアウトプットは3つ目の受信機で測定されます (伝送信号B) 。信号の比較により評価が行われ、例えばS11はA/Rで、S21はB/Rで定義されます。
また、ネットワークアナライザの高精度測定は、正確な校正によって担保されます。校正にはあらかじめ特性が分かっている標準機を用います。一般的に利用されている校正法はSOLT法と呼ばれる短絡 (short) 、開放 (open) 、整合負荷 (load) が可能な標準器と、基準面を結合した直結 (thru) における測定により校正する方法です。
非常に精密な測定を行うため、コネクタ締め付けのトルクや環境温度、入力信号やケーブルの安定化など様々な観点から測定誤差を生まないよう留意します。
ネットワークアナライザは日本語で回路網解析器と言います。そして、ネットワークアナライザには、ベクトルネットワークアナライザ (VNA) とスカラネットワークアナライザがあり、昨今ではベクトルネットワークアナライザが多く利用されています。
ネットワークアナライザにはSパラメータという伝送や反射測定における振幅の変化を測定する方法がありますが、SパラメータはS行列とも呼ばれ、定義として番号の付け方が存在しています。番号の付け方は「Sij i=出力ポート、j=入力ポート」となっており、S11ならポート1に入射した信号がポート1に伝送される信号の測定を表しています。S12ならばポート2から入射した信号がポート1に伝送される測定を意味します。
Sパラメータの測定にはVNA測定器を利用することで測定が可能です。しかし、VNAは測定前にいくつかの校正方法を利用して校正を行う必要があります。
VNAの校正は標準機を3個使用しておこなう方法が基本的な方法です。校正方法として広く知られている方法は、先に述べたSOLT校正法やUnKnown Thru校正法、TRL校正法などがあります。
インピーダンスとは電子回路や電子部品、電子材料の特性評価に使用する重要なパラメータであり、一部の周波数で回路などに流れる交流電流を妨げる量です。インピーダンス測定方法には種類が様々あり、それぞれがメリットやデメリットを持ち合わせています。
測定に必要な周波数の範囲やインピーダンスの測定範囲の測定条件を考慮して測定方法を選択しなければなりません。測定方法にはブリッジ法や共振法、I-V法、ネットワーク解析法、時間領域ネットワーク解析法、自動平衡ブリッジ法などがあります。
例としてブリッジ法を解説します。ブリッジ法のメリットは高確度であること (0.1%程度) や複数の測定器で広い周波数範囲をカバーできる上、安価に測定できる点が挙げられます。一方でデメリットとしては、バランスの操作が必要で一台では狭い周波数の範囲しかカバーできない点です。ブリッジ法の測定周波数範囲はDCでおおよそ300MHzまでです。
ネットワークアナライザの最大周波数の拡張は、現在サブテラヘルツ帯 (220GHz) にまで及んでいます。これは次世代の通信規格である6GがD-bandと呼ばれる140GHz帯が用いられる可能性が高いと予測されているからです。
ただし、サブテラヘルツ帯ともなると、その高い周波数故、電気長誤差や寄生素子の影響を受けやすくなり、RFプローブやケーブル含めたトータルのキャリブレーションの精度が極めて重要です。
現実には1回でキャリブレーション可能な周波数範囲も限られていることが多く、キャリブレーション間の繋ぎのデータの扱いや、ミリ波帯専用の周波数エクステンダーの追加等含め、使いやすい測定器を目指して各メーカーが開発競争にしのぎを削っています。
ネットワークアナライザは、DUTのインピーダンス評価やSパラメータという小信号を扱う評価が一般的な測定器ですが、昨今変調解析や大信号評価と小信号評価解析がセットで行われることも多いため、ネットワークアナライザにて従来のスぺクトラムアナライザで主に取り扱う変調解析を実施可能にした機種も徐々にリリースされている状況です。
今後は、ネットワークアナライザは単にインピーダンスやSパラメータ評価だけにとどまらず、スイッチやフィルタ、高周波 (RF) の増幅器やLNA (ローノイズアンプ) 他の各種RFフロントエンドの評価のために、大信号解析や変調解析含め様々な用途に活用されるでしょう。
参考文献
https://www.jemima.or.jp/tech/3-09-01.html
https://go.orixrentec.jp/rentecinsight/measure/article-31
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bplus/2010/14/2010_14_14_60/_pdf
https://go.orixrentec.jp/rentecinsight/measure/article-31
https://ejje.weblio.jp/content/NETWORK+ANALYZER
https://jp.mathworks.com/discovery/s-parameter.html
https://www.jstage.jst.go.jp/result/global/-char/ja?globalSearchKey=%E5%91%A8%E6%B3%A2%E6%95%B0%E9%A0%98%E5%9F%9F%E3%81%AE%E4%BF%A1%E5%8F%B7%E8%A8%88%E6%B8%AC%E6%8A%80%E8%A1%93
https://www.jemima.or.jp/tech/3-09-01.html
https://home.hiroshima-u.ac.jp/amakawa/S-parameter-j.html
https://kobaweb.ei.st.gunma-u.ac.jp/lecture/lecture.html
https://kobaweb.ei.st.gunma-u.ac.jp/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/oubutsu1932/70/11/70_11_1340/_article/-char/ja
各種ネットワークアナライザの値をグラフにプロットし、表にしました。ベータ版機能のため一部製品のみの表示となっております。
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製品名 | FieldFoxハンドヘルドRF/マイクロ波アナライザ | MS46131A | MS46522B | TTR500ベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA) | T3VNA ベクトルネットワークアナライザ | ボード・ネットワーク・アナライザ R3755A | ボード・ネットワーク・アナライザ R3760 | ベクトル・ネットワーク・アナライザ DZV-1 | 高速伝送ハーネステスター「MMVNA」 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最大周波数[GHz] | 4 | 43.5 | 92 | 6 | 3.2 | 0.3 | 6 | 0.5 | 3 |
ポート数[個] | 2 | 1 | 2 | 2 | 2 | 1 | 1 | 2 | 4 |
会社名 | キーサイト・テクノロジー株式会社 | アンリツ株式会社 | アンリツ株式会社 | Tektronix, Inc. | テレダイン・ジャパン株式会社(テレダイン・レクロイ) | 株式会社アドバンテスト | 株式会社アドバンテスト | 株式会社ディエステクノロジー | 株式会社東陽テクニカ |
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Pico Technology Ltd. Copper Mountain Technologies*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年3月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | アンリツ株式会社 |
18.7%
|
2 | 株式会社コンテック |
14.2%
|
3 | キーサイト・テクノロジー株式会社 |
12.7%
|
4 | Tektronix, Inc. |
11.9%
|
5 | ローデ・シュワルツ・ジャパン株式会社 |
11.2%
|
6 | テレダイン・ジャパン株式会社(テレダイン・レクロイ) |
6.0%
|
7 | 株式会社アドバンテスト |
6.0%
|
8 | National Instruments Corporation |
3.7%
|
9 | RIGOL Technologies Co., Ltd. |
3.0%
|
10 | Siglent Technologies Co., Ltd. |
3.0%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年3月のネットワークアナライザページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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企業
Pico Technology Ltd. Copper Mountain TechnologiesネットワークアナライザDZV-1は、アンテナのインピーダンス、RFコンポーネントおよびデバイスのSパラメータ測定に使用することが可能な製品です。
小型(112mm×120mm×H35mm)・低価格であることから、製造ラインや教育用途に使用することが想定されています。
PCとはUSB接続で、電源もUSB経由での給電となっています。また、PCソフト上で、LOG-MAG特性、位相特性、群遅延特性などをグラフ形式で確認することが可能です。
なお、測定周波数範囲は100kHz~500MHzです。
ネットワークアナライザR3760は、本体サイズがコンパクトで、パソコンのPCIスロットに組み込むことができ、パソコンをネットワークアナライザとして使用することができるようになります。
また、Windows用ドライバにより、アプリケーションやソフトウェア開発が容易で独自システムの構築に向いており、用途に応じた測定環境の構築が可能です。
対応できる周波数範囲は、300MHz~6GHzで、各種無線通信やETCなどに使われる送受信アンテナなどの周波数特性について、検査することが可能です。
PNAネットワークアナライザは、900Hz~120GHz周波数において、卓越したシステムレベル確度を実現しています。
汎用版であるPNA-L、予算に収まりつつも高性能版であるPNA、最も多くの機能を有するPNA-Xの3種類のPNAシリーズから、速度、性能や価格面で最適な機種を選択することが可能です。
さらに、PNAおよびPNA-Xの周波数については、周波数エクステンダにより1.5THzまで対応することが可能です。
また、業界最先端の安定度により、校正間隔を延長することが可能です。
MS46131Aシリーズは、PC制御の1ポートベクトルネットワークアナライザです。周波数レンジについて、最小周波数は1MHzであり、最大周波数については8、20、43.5GHzから選択することが可能です。
また、非常に小型な設計で取り回しが容易であり、被試験デバイスと直接接続することが可能です。
1台のPCで、本製品を2台まで接続可能で、外部コンピューターにより制御を行います。さらに、製品内にはデータを記憶しない、セキュア構造となっています。
ネットワークアナライザTTR500は、無線周波数やマイクロ波コンポーネントなどの振幅や位相応答を測定し、無線機器を使用できるようにするためのテスト機器です。
対応できる周波数範囲は、100kHz~6GHzです。また、制御ソフトウェアは、標準的なインターフェイスを採用したことで、短時間で操作を習得でき、簡単に機器制御や調整ができることが特徴です。
アンテナのマッチングとチューニング、フィルタ測定、増幅器測定などの用途として使用されることが想定されています。
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インターテック株式会社でチェック
スターテクノロジー株式会社でチェック
リプロライズ株式会社でチェック
株式会社アイジーでチェック
株式会社ディルウィングスでチェック