パワートランジスタのメーカー3社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
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パワートランジスタは、動作時の許容電力が1W以上のトランジスタのことをいい、大きな電流を用いて駆動する電気機器に使用されています。パワートランジスタの主な役割は、電流の増幅、スイッチング、交流の整流になります。扱う電流が大きいため、動作時の発熱が大きく、ケースに耐熱の金属が使用されていることや、放熱用のフィンが付随している製品もあります。パワートランジスタの中でもいくつかの種類があり、バイポーラパワートランジスタ、MOSFET、IGBTなどが代表的です。
パワートランジスタは、動作に大きな電流が必要な電気機器のスイッチングや電流の増幅に使用されます。使用先としては、エアコンや冷蔵庫、洗濯機などの家電製品、太陽光発電、電気自動車などが代表的なものになります。パワートランジスタの選定の際には、許容電流や電圧、動作時の生成熱、サイズなどを考慮する必要があります。また、高精度に動作する必要がある製品であれば、スイッチングの速度なども考慮が必要です。
パワートランジスタの動作原理を、バイポーラトランジスタ、MOSFET、IGBTに分けて説明します。
パワートランジスタはバイポーラトランジスタと電解効果トランジスタに大別されます。バイポーラトランジスタは電流制御素子であり、NPNまたはPNPの構造です。一般的に端子は3本で、出力される電流の経路が2本(入力と出力)、それに、出力電流を制御する入力が1本です。
パワートランジスタで一般に使われる回路はエミッタ接地回路で、ベース(B)に入力信号、コレクター(C)に+電源、エミッター(E)を接地します。
バイポーラトランジスタの直流電流増幅率はβまたはhFEで表され、数十~200程度です。また、βを稼ぐためにダーリントン構造のパワートランジスタも用意されています(こちらはβが数百~数千程度)。
一方の電界効果トランジスタは電圧制御素子であり、NチャンネルまたはPチャンネルの構造です。一般的に端子は3本で、出力される電圧の経路が2本(入力と出力)、それに、出力電圧を制御する入力が1本です。
パワー電解効果トランジスタで一般に使われる回路はソース接地回路で、ゲート(G)に入力信号、ドレイン(D)に+電源、ソース(S)は接地します。
電解効果トランジスタの直流電圧増幅率は相互コンダクタンスgmで表されます。電解効果トランジスタはスイッチング特性でパワートランジスタより優れていて、スイッチング素子としてスイッチング電源などに多用されています。
なお、単にトランジスタと言えば一般にバイポーラトランジスタを指します。
万が一パワートランジスタが故障してしまうと、大体においてその回路の出力が無くなるか不安定となることが多くあります。パワートランジスタは出力部、または電源部に使われることが多いからです。
故障の原因はいろいろと考えられますが、パワートランジスタが故障しているかどうかはテスターで簡単に調べることができます。まず、トランジスタは2本のダイオードの組み合わせで表されます。
NPNトランジスタの場合(2SCまたは2SD)、
これら三つすべてが成立すれば、トランジスタは大丈夫です。
PNPトランジスタの場合(2SAまたは2SB)は逆向きになり、
テスターを導通レンジで使用する場合、赤色側がマイナス、黒色側がプラスとなります。テスターリードの試験電圧の極性に注意してください。また、非試験体の電源、入力線、出力線などは必ず外してから検査してください。
参考文献
https://www.rohm.co.jp/electronics-basics/transistors/tr_what2
https://www.rohm.co.jp/products/power-transistors
https://article.murata.com/ja-jp/article/what-is-transistor
www.mech.tohoku-gakuin.ac.jp/rde/contents/course/mechatronicsB/archive/MechatroCS_No08.pdf
https://detail-infomation.com/transistor-type/
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