流速センサー

流速センサーとは

流速センサーとは、工場の生産ラインにおける液体量の流速や、河川などの流速を測定するためのセンサーです。

流速の測定方法としては、様々な方法が採用されています。流体が羽根車を回転させる運動量を測定する方法や、流速による超音波の位相のずれを測定する方法、流体が熱を奪う量を測定する方法など幅広く開発されています。センサーを測定することによって、制御装置などに接続することによって、その他の装置を動作させるためのスイッチやフィードバック制御に利用されます。

流速センサーの使用用途

流速センサーは、工場や環境設備、住宅設備など幅広い分野で利用されている計器です。流量センサーの選定の際には、使用する動作原理がその流体の流れに影響を与えないかどうかや、測定できる流速の範囲、温度や流れる流体の種類に応じた耐久性、メンテナンス性などを考慮する必要があります。

流速センサーの使用例を以下に示します。

  • 河川の生態系調査のための流速の測定
  • 工場のダクトを流れる排気ガスの流速測定
  • 化学溶液の流速の調整や制御
  • 風洞実験での乱流計測
  • 空力騒音解析 (列車パンタグラフ近傍やドアミラー近傍での流体騒音計測など)
  • 機器内冷却ファン風の乱流計測
  • 流れと音の相関計測
  • 金型成型・ダイカストマシン・射出成型機などの冷却水監視
  • 次亜塩素酸ソーダ・苛性ソーダなどの薬流の計測
  • 浄水場、配水池での凝集剤や滅菌剤の注入監視
  • 滅菌処理システムの監視
  • 工場の排水処理の監視
  • 苛性ソーダの使用量管理

流速センサーの原理

流速センサーの主な測定原理には、羽根車式、超音波式、熱式などがあります。

1. 羽根車式流速センサー

羽根車式流速センサーは、磁石が取り付けられた羽根車とその磁石の磁界の変化を読み込むためのコイル、羽根車を流体が流れる方向に向けるための重しなどで構成されています。羽根車が流体の流れによって回転し、その回転量を羽根車に取り付けられた磁石の磁界の変化をコイルなどで測定することによって、電気信号を送信する仕組みです。

2. 超音波式流速センサー

超音波式流速センサーは、超音波発生装置、受信装置で構成されています。超音波を流れる流体に向けて照射し、その流体によって跳ね返ってくる超音波の位相の変化量を測定する、ドップラー効果を利用して流速を測定します。非接触で測定することができることが特徴です。

3. 熱式流速センサー

熱式流速センサーは、サーモパイルなどの熱を検知する検出素子と増幅器などで構成されます。流体の流れによって測定部の温度が減少し、その減少量を測定することによって流速を算出する仕組みです。流体の種類に影響されにくいことが特徴です。

4. 電磁式流速センサー

電磁式の流速センサーは、ファラデーの電磁誘導の法則を利用しているセンサーです。導電性流体が流れている空間に流れと90度の角度で磁界を発生させると、流速に応じた起電力が生まれます。導電性流体のみに適用できる測定法ですが、液体の温度や圧力、密度や粘度の影響を受けない測定が可能です。

流速センサーの種類

流速センサーは、まず、気体用と液体用の2種類に大きく分けられます。様々な製品があり、気体液体兼用で使える製品も中にはあります。

1. クランプオン式

超音波式センサーの一種であるクランプオン式のセンサーは、配管の外から測定する仕組みのセンサーです。接液しないため、グリス・接着剤の塗布量の確認や、接液を極力避けたい食品・薬品の充填量確認などに使用されています。高粘度液体の測定も可能です。また、瞬時流量の測定だけでなく、吐出用途の測定も可能であり、配管素材は樹脂や金属をはじめとして様々な材質に対応します。

2. 電磁式流速センサー

電磁式流速センサーは、流路部は貫通構造で可動部がない構造になっており、圧力損失が小さく耐久性が良いです。流路部に誘導体を混ぜたプラスチック素材を採用することで、流体が電極に接液しない構造としているものもあります。また、装置組込みに適した小型の製品もあります。

参考文献
http://www.kanomax.co.jp/technical/detail_0042.html
https://www.oval.co.jp/techinfo/keisoku/ultrasonic.html
https://www.jfe-advantech.co.jp/products/ocean-sensor.html

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