産業用コンピューターについての概要、用途、原理などをご説明します。また、産業用コンピューターのメーカー22社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。産業用コンピューター関連企業の2022年4月注目ランキングは1位:ポートウェルジャパン株式会社、2位:イノテック株式会社、3位:株式会社コンテックとなっています。
産業用コンピュータは工場におけるFA(Factory Automation)用途に加え、医療機関や物流倉庫、ビル等の設備管理、その他、鉄道システムや道路交通管システム、航空管制システム等、非常に広範囲に利用されています。
通常の事務処理用途で使用するPCと比較するといくつかと特徴的な点があります。
まず、24時間365日フル稼働することが求められます。使用される目的から、ハングアップしたりして突然停止することは許されません。
極めて高い安定稼働が必要ですので構成するハードウェアおよびソフトウェアは高性能でなければなりません。したがって、必然的に通常のPCと比較して高価なものとなります。
更に、通常のPCの場合、せいぜい5~6年程度が一般的な使用期間ですが、産業用コンピューターの場合、ひとたび導入されると10年以上は継続して使用出来ようなスペックが要求されます。
代表的な使用例として工場におけるFAが挙げられます。ロボットなどの制御機器や各種測定機器の制御用コンピュータとして使用されます。したがって、これらの機器と通信を行うための通信プロトコルとインターフェースに対応している必要があります。
また、工場内での使用に耐えるためには、温度や湿度変化に対する稼働範囲が広くなければなりません。工場内は場所によっては振動が発生するケースも少なくないため耐震性も優れている必要があり、更に浮遊するゴミやチリに対する耐塵性も求められます。
産業用コンピューターのOSとして最もよく使用されているのは、民生用PCと同様にWindowsです。
これは、様々なアプリケーション、ライブラリ等が豊富に揃っていることや今後も継続してOSのバージョンアップがなされていくことなどが挙げられます。
続いてLinuxで、更にOS非搭載機という順です。
OS非搭載機は販売時点でのことで、ユーザー側で自らOSをインストールして使用することになりますが、この場合はLinuxが多いようです。
Linuxはフリーライセンスであるということに加え、自ら手を加えることができることやWindows同様に今後も継続的にバージョンアップされていくであろうことが挙げられます。
産業用コンピューターの構造は、民生用のPCとは異なり、マイクロプロセッサが搭載されたボードに加え、専用のハードウェアがアドオンされているケースとマイクロプロセッサと専用ハードウェアを含め専用ボードとして作られているケースがあります。
いずれの場合も、その特性から民生用PCと比較して高性能かつ高信頼性部品が使用されています。
産業用コンピュータは、今後のIoTやM2Mが進んだ社会においてはなくてはならない存在となります。また、ものづくり現場において生産ラインのリアルタイム制御から、予防保全、品質向上などさまざまな工程で導入が進められています。
活躍の場を広げる一方で、導入コストが高いのではないかという心配もあります。ここでは事例別に産業用コンピュータの参考価格をご紹介します。
あくまで参考価格ですので、実際には販売代理店に用途と価格を相談のうえ、必ず見積もりをとってください。
医療用画像閲覧向けマシン ~100万円
ImageJやMatlabを駆使しつつ、将来的にDeepLearningに使う可能性がある場合にはやはり高価・高性能なPCが必要となります。
シミュレーション用PC ~80万円
光学シミュレーション用PCとして導入。24時間以上総当り計算をさせる目的で潤沢なメモリと高価なCPU構成となっています。
サーバー/データ登録用マシン ~40万円
windows server2019をインストールした24時間稼働向けの構成。工場内のネットワークでの利用を想定しており、接続機器から取得したデータを別サーバーへのデータベースへ登録することを目的としています。
ミック経済研究所の調査報告では、2018年度の産業用コンピュータの市場規模は1092億円となっています。その後、2022年まで成長は継続し、1361億円の市場まで成長すると予測しています。 また、2022年の産業用PCの市場のうち、21%がエッジコンピューティングの市場だと予測しています。これは社会のIoT化に起因しています。
工場やインフラ設備など24時間連続稼働や停止が許されない高信頼性な制御が求められる用途で使われてきましたが、近年ではIoTへの対応によって、あらゆるものが接続されるようになりました。
この膨大な情報を処理するための高信頼性コンピュータが求められており、産業用コンピュータの成長に拍車がかかっています。
参考文献
https://jss1.jp/column/column_153/
https://www.cybertrust.co.jp/blog/linux-oss/linux/industrial-pc.html
https://www.tegsys.net/case/caselist2/industrial/price-i/price-20-i/
https://www.automation-news.jp/2020/04/48632/
Metoreeでは各社カタログを無料で一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
産業用コンピューターのカタログ一覧はこちら企業
ポートウェルジャパン株式会社 イノテック株式会社 株式会社カナデン*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年4月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | ポートウェルジャパン株式会社 | 17.8% |
2 | イノテック株式会社 | 11.1% |
3 | 株式会社コンテック | 9.3% |
4 | 東芝産業機器システム株式会社 | 7.6% |
5 | エレコム株式会社 | 5.8% |
6 | 株式会社ファナティック | 5.3% |
7 | 株式会社インタフェース | 5.3% |
8 | デル・テクノロジーズ株式会社 | 5.3% |
9 | 株式会社アドテック | 3.7% |
10 | 株式会社日立インダストリアルプロダクツ | 3.2% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年4月の産業用コンピューターページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されている産業用コンピューターが含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
PT-116は、タブレット型で可搬性の高いことが特徴の産業用コンピューターです。
ディスプレイ部は11.6インチでフルHDの解像度があり、視認性に優れている上、マルチタッチに対応したタッチパネルになっているため
操作性にも優れています。
-10℃から50℃までの温度環境でも動作可能であり、IP65の防塵・防水性能を備えるなど、堅牢な設計になっています。
様々な天候条件に晒される屋外での使用や、可搬性が必要な現場に適した製品です。
HF-W100E/LXは、LinuxOSを搭載していることが特徴の小型産業用コンピューターです。
LinuxOSには、主要証券取引所や投資銀行でも長期稼働実績のある「Red Hat Enterprise Linux」を採用しており、システムの安定稼働に寄与します。
ハードウェア面に関しては、幅192mm×奥行119mm×高さ50mm、重量約1.4kgと非常にコンパクトサイズのため省スペースに設置可能です。
24時間連続稼働を前提として使用期間7~10年を想定した設計になっており、交通分野、物流分野などの分野に適した製品です
FAM-8120-Gは、GPUボードを搭載可能な高性能な産業用コンピューターです。
NVIDIA社の代表的なGPUボードの搭載可能であるため機械学習や画像処理に力を発揮します。
9~48Vのワイドレンジ電源入力、-40~70℃の温度環境下にも耐えられる堅牢な設計になっていることも大きな特徴です。
振動および衝撃にも強い設計になっており、交通車両や搬送車上で高度な処理を実施したい用途に適した製品です。
GPC-700は、スモールタワー型の産業用コンピューターです。
スリムな筐体でありながら、第6世代インテルCoreプロセッサを搭載し、3つのギガビットLANポートやCPU統合型のグラフィックスコントローラーを備え、
高いパフォーマンスを備えています。
タワー型なので必要なパーツの増設がやりやすく拡張性にも優れています。
世界18の地域における安全規格に対応していることも大きな特徴で、グローバルに事業を展開している企業に適した製品です。