IOTゲートウェイのメーカー12社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
ゲートウェイの意味は、元々、入り口とか出口とかいう意味があります。
このことからコンピュータの世界では、ネットワークの境目において、データ通信の中継を行ったり、中継を行うにあたり、送り手側のデータを受けて、これを受け側のデバイスで解釈できるようにデータ変換を行ったりする役割を担う機器のことを言います。
従ってIoTゲートウェイは、多くのモノをインターネットに繋げようとした時には必要な存在で、末端の各センサーからインターネットへとデータを届ける役割を担い、それぞれのセンサーを管理・制御する役割を果たします。
IOTはInternet Of Thingの名の通り、「モノのインターネット」のことで、具体的には、様々なセンサー、測定機器等で収集したデータをIOTゲートウェイを経由してクラウド上のサーバに送信します。
センサーや測定器では、例えば、温度、湿度などのデータや、川の水位データ、更には、スマートフォンやカメラなどで撮影した画像データなどが挙げられます。このようなデータ収集のために、センサーや測定器を大量に設置する必要があります。よって、1台あたりはできるだけシンプルに低コストで作ることが求められます。
従って、基本的に、これらのセンサーデバイスは、直接ネットワークに接続してサーバと通信する機能を持っておりませんので、中継役としてIOTゲートウェイが必要となります。
逆に、サーバがセンサーデバイスの状態を監視したり制御したい場合にも、サーバからIOTゲートウェイが中継することにより可能となります。
IOTゲートウェイとサーバは3G、LTE、WiMAXなどの無線の通信方式を行います。これは、数キロ以上の長距離間の通信を想定しているためです。
IOTゲートウェイとセンサーデバイス間も同様に無線通信を使います。
具体的にはWi-Fi、Bluetooth、ZigBee(IEEE802.15.4)、920MHz帯無線(IEEE802.15.4g)などが主要な通信方式です。
これらの通信方式は、いずれの方式も近距離からせいぜい数百メートル内の通信を行う際に利用される通信方式です。
これらの方式を利用するのは、大きく2つの理由が挙げられます。
1点目の理由は、IOTゲートウェイに接続するセンサーデバイスの数が数十から数百ととても多くなることがあります。したがって、これを有線でつなぐことは物理的にも大変であるという理由から無線の方式が採られています。
2点目の理由は、これらの通信を行うにあたり特別な免許の申請が必要のない小電力の通信であるという点です。IOTゲートウェイとセンサー間の距離は比較的短距離に設定される性格のものであるため、これらの省電力通信が可能となっています。
少し大きな規模のIoTシステムになると、各フィールドデバイス(IoTデバイス)とIoTサーバーとの間にIoTゲートウェイを挿入し、例えばエリア別とか関連のあるデータのまとまりといったフィールドデバイスの情報をそれぞれに集約させるようにします。フィールドデバイスをIoTゲートウェイで中継してIoTサーバーにつなげるわけです。ここで、IoTエリアネットワーク(IoTゲートウェイを中心として多くの各フィールドデバイスがつながったネットワーク)の通信条件とIoTゲートウェイ~IoTサーバー間の通信条件が異なるため、IoTゲートウェイでプロトコルの変換が行われます。
IoTエリアネットワーク用に提案されている6LowPANやCoAPなどは通信ヘッダを短縮したり通信シーケンスを簡略化したりと、通信処理に要する手続き、時間を削減し、コスト削減、消費電力の低減を実現しています。
このようにIoTエリアネットワークではいろいろな要求条件にマッチしたプロトコルが提案され、標準化されています。
一方、WANではインターネットと同様にTCP/IPが多く使われています。
このように、IoTエリアネットワークとWANとは使われるプロトコルが異なり、IoTゲートウェイがその変換を行います。6LowPAN、CoAPはTCP/IPとの互換性が高く、変換が容易です。
エッジコンピューティングは、分散処理型のコンピューティング環境の概念の一つです。IoTシステムが構築された当初、IoTシステムはサーバー集中型のシステムであり、すべてのフィールドデータは直接、もしくはIoTゲートウェイを介してIoTサーバーに集まります。IoTサーバーは集まったデータを集約し、必要な処理を行います。
サーバー集中型のシステムの場合、総てのフィールドデータの情報を処理する必要があり、さらにサーバー機能も行うため、大規模になればネットワーク負荷やデータ蓄積・処理にリソースを占有されるという問題がありました。一方、IoTデバイスやIoTゲートウェイで使用されるハードウェアの性能の向上で、エリアネットワークの管理、プロトコル変換機能だけでなく、様々な機能を持たせることができるようになってきました。そこで、フィールドデバイスに近いところで可能な前処理を行い、IoTサーバーとのやり取りを必要最低限にすることで、ネットワークへの負荷、通信するデータの最適化などが行えるようになってきました。
このようにフィールドデバイス、またはその近くに配置するIoTゲートウェイに、従来のネットワーク中継機能に加えてより高度なデータ処理機能、分析機能などを与え、ネットワークを含めたIoTシステム全体を効率的に動作させるためにエッジコンピュータは使われています。
参考文献
https://www.techfirm.co.jp/blog/iot-gateway
IoT技術テキスト/発行:株式会社リックテレコム
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
KES IoT Logicは高機能で既存PLCとの親和性が高いIoTゲートウェイ製品です。
既設の設備に接続した制御装置(PLC)と接続すれば、複雑な設定を要さず、ただちにデータ収集を行うことができます。また既存装置の改造も不要です。
様々なクラウドサービスやエッジコンピューティングにも対応しています。
対応するPLCの種類は45社・200シリーズで業界最多です。
PLCとの接続には有線LAN、RS-232C、RS-485、RS-422に対応しており、最大7台まで同時接続が可能です。
また単体で動作する3GやLTEモデルも用意されています。
IoTゲートウェイ機QRIoTは、多種多様のIoTデバイスセンサーとインターネットを中継するセンサーノードタイプの装置です。
無線通信のデバイスであることから、低コストで狭い場所であっても任意に設置することができます。
IoTデバイスからのデータをサーバに送信するだけでなく、IoTデバイスの管理・制御、その状態をモニタリングしてユーザーに通知する機能を兼ね備えています。
RS-232CやLAN、WLAN、LTE、LP、LoRaなどの通信規格を搭載したモデルが用意されています。
通信規格にもよりますが、最大でも890 mA程度しか消費せず、低消費電力で動作させることができます。
RT-IoTゲートウェイは様々なIoTデバイスの管理や制御をする通信機器で、主に産業用途として使用されます。
IoTゲートウェイ1台であらゆるデバイスをネットワークに接続でき、サーバーとの連携が可能です。
基本機能として、国内外のPLC(自動制御装置)とのデータ交換機能、クラウドやサーバーとのデータ交換機能、そしてゲートウェイに蓄積されたデータの遠隔からのモニタリング機能があります。
顧客のニーズに合わせてハードウェアやソフトウェアを自由に選択できます。
Armadillo-IoTは、センサの接続やクラウドの連携といったIoTに必要な回線接続を一つのデバイスで制御できるIoTデバイスプラットフォームです。
センサとの接続インターフェースも豊富で、RS232C/RS422/RS485、Wi-SUN、EnOceanなどに対応しています。
ユーザーがアプリケーションを自由に開発し、IoTゲートウェイに実装することもできます。
そのため空港や駅、スポーツ施設などでチケット販売や搭乗案内、空席情報の提供などに利用されています。IoTデバイスの開発・製造から運用まで幅広く利用可能です。
エッジゲートウェイは様々な電子機器で取得した数値データや映像データを1か所で収集するデバイスです。
通信規格としてRS-485が1ポート、RS-232Cが2ポート、USB2.0が4ポート備え付けられています。また有線LANが2チャンネルに取り付けられている上、無線LANも使用可能です。
ネットワークを通じて本デバイスにアクセスすることで、リアルタイムなデータ取得が可能です。
高度なセキュリティ機能を備えているため、データを取得したり、参照したりする機器を制限することができ、情報漏洩への対策も対応しています。