スイッチングレギュレータについての概要、用途、原理などをご説明します。また、スイッチングレギュレータのメーカー17社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。スイッチングレギュレータ関連企業の2022年4月注目ランキングは1位:ローム株式会社、2位:リコー電子デバイス株式会社、3位:日本テキサス・インスツルメンツ合同会社となっています。
スイッチングレギュレータは、電子回路などの電源ICとして用いられるDC/DCコンバータの変換方式のことをいいます。主に電子回路内において、直流電圧の昇圧・降圧、さらには負電圧へ反転させる際に採用される変換方式です。
DC/DCコンバータにはスイッチングレギュレータとリニアレギュレータの2種類の変換方式が使われています。スイッチングレギュレータは、リニアレギュレータに比べ変換効率が高く、消費電力が小さいため発熱による問題が少ないというメリットがあります。その反面、外付け素子が多くなったり設計が難しくなるというデメリットがあります。
スイッチングレギュレータは電子回路内に供給される直流電圧を昇圧、降圧、または負電圧へ反転させ、電圧を安定的に素子へ供給するために用いられます。電子回路に用いられる半導体部品の多くは直流電圧で動作します。そのため家庭用電源などAC100V電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換し、さらに半導体部品などの動作範囲内の電圧(24Vや3.3V)に降圧して供給する必要があるため、レギュレータが必要となります。
DC/DCコンバータの変換効率を高くし、消費電力をなるべく抑えたい時にスイッチングレギュレータの方式が多く採用されます。
スイッチングレギュレータは名前の通りスイッチ素子を用いた変換方式であり、出力をON/OFFで制御することにより電圧を変換しています。ここでは、一例として24Vの入力電圧を5Vに降圧し出力させる動作の原理を説明します。まず、電源供給時にスイッチをONし、出力電圧が0Vから5Vまで上昇するのを待ちます。その後、出力電圧が5Vまで上がったら、スイッチをOFFさせ、5Vより大きい電圧が出力されることを抑制します。スイッチをOFFすると、今度は5Vから電圧値が下がるので、規定の電圧値を下回ったら再度スイッチをONし5Vまで上昇させます。このON/OFF動作を高速で繰り返すことにより24Vの入力電圧を5Vに変換し出力されています。
上記のようにスイッチをON/OFFし電圧を変換したものをそのまま出力させると、5V付近を上下し、少し歪んだ電圧が出力されてしまいます。この歪みを無くすため、ON/OFF動作で得られた電圧を整流回路に通します。それにより、歪みの少ない安定した直流電圧が出力されるという原理です。
スイッチングレギュレータは、入力電圧と出力電圧の関係から3つのタイプに分かれます。出力電圧が入力電圧より低い降圧タイプ、出力電圧が入力電圧より高い昇圧タイプ、入力電圧と出力電圧の関係が高低どちらも対応で可能な昇降圧タイプです。
降圧タイプのメリットは、損失が非常に低いことで、出力電圧の設定も入力電圧と出力電圧の差を大きくすることもできます。昇圧タイプのメリットは、その名の通り定電圧の電源出力を必要な高い電圧に上げることができることです。ただし入力電圧に対して出力電圧を高く設定しすぎると帰還の安定性を保つのが難しくなります。そして昇降圧タイプのメリットは、入力電圧がある程度範囲を持ってしまう場合でも、安定した出力電圧を上回ったり下回ったりしても問題ない点です。例えば電池駆動などの場合、放電状態と満充電状態で入力電圧の範囲に差ができてしまう場合などです。
スイッチングレギュレータとリニアレギュレータは、その動作原理上、特徴を持った差があります。
リニアレギュレータは原理上降圧しかできないのに対し、スイッチングレギュレータは降圧・昇圧・昇降圧をすることができます。また電力の変換効率は、スイッチングレギュレータのほうがリニアレギュレータより一般的に高いです。出力電力は放熱設計にもよりますが、スイッチングレギュレータのほうが大電力出力が可能です。ノイズに関してはリニアレギュレータのほうが小さく、スイッチングレギュレータはスイッチングによるノイズが発生します。また、リニアレギュレータのほうが設計が簡単で部品数が少なく、スイッチングレギュレータのほうが設計が複雑で部品数が多くなることが多いです。
スイッチングレギュレータのメリットの中で一番の特徴は、効率が高いことです。選定の際には、必要な仕様と各メリット・デメリットを把握したうえでレギュレータの選定を行うことが重要になります。
参考文献
https://www.hiraishinkouji.net/product/index[2].html
https://www.tij.co.jp/ja-jp/power-management/non-isolated-dc-dc-switching-regulators/overview.html
https://techweb.rohm.co.jp/knowledge/dcdc/s-dcdc/02-s-dcdc/88
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株式会社ベルニクス パワーサイエンス東海有限会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年4月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | ローム株式会社 | 14% |
2 | リコー電子デバイス株式会社 | 12% |
3 | 日本テキサス・インスツルメンツ合同会社 | 10% |
4 | ルネサスエレクトロニクス株式会社 | 10% |
5 | 株式会社アルファーシステム | 8% |
6 | 株式会社ユタカ電機製作所 | 6% |
7 | アナログ・デバイセズ株式会社 | 6% |
8 | 株式会社村田製作所 | 6% |
9 | 株式会社オリナス | 6% |
10 | コアスタッフ株式会社 | 4% |
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