モーションコントローラーについての概要、用途、原理などをご説明します。また、モーションコントローラーのメーカー40社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。モーションコントローラー関連企業の2022年6月注目ランキングは1位:株式会社安川電機、2位:オムロン株式会社、3位:株式会社コスモテックスとなっています。
モーションコントローラとは、サーボモーターやリニアモーターで駆動する機器の動きをコントロールするための装置です。ユーザーは実現したいモーションをあらかじめプログラミングしておき、これをモーションコントローラに実行させることで機器の動きを制御します。
モーションコントローラは、ユーザーがカスタムしたプログラムで機器の自動制御を行うという点ではPLCと似ています。モーションコントローラの特徴は、モーターの制御を行うのに特化しているということです。
これに対してPLCは、モーターに限らずさまざまな制御を行うことができます。すなわち、モーションコントローラとPLCの特性は、一般性という点で違いがあります。
モーションコントローラーは、サーボモーターやリニアモーターで駆動する装置の制御用として使用されています。さまざまな機器の制御に利用されていますが、産業用ロボットや研磨や切削を行う産業機械などが一般的です。
モーション制御には、PLCではなくモーションコントローラが利用されていることが多いです。モーションコントローラのメリットとして、多軸の制御や同期など、トータルの軸数が多い場合の制御に向いているという特徴があります。
PLCでは一台で制御できる軸数には限りがありますが、モーションコントローラはそれを遥かに上回る軸数の制御が可能です。このため、モーションコントローラは、精密で多軸制御が必要な産業用工作機械やロボットに利用されています。
モーションコントローラの選定には、補間制御やによる違いを理解する必要があります。補間制御とは、複数軸間の同時開始や停止といった同期制御を行うための制御方法のことです。モーションコントローラには、「直接補間」と「円弧補間」の2つがあります。
直線補間とは、2台のモーターで位置決めを行うとき、モーターを同時に制御して目的の位置へ直線的に移動させる制御です。横方向に移動させた後に縦方向へ移動させるよも、斜め方向へ直線移動するようにCPUが演算して制御を行います。
直線補間を利用することで斜め方向への直線移動が可能となるため、位置決めするために必要な時間を短縮できます。このため、工作機械においては、切削を行わない区間での工具移動に使われるのが直線補間の特徴です。
円弧補間とは、直線補間と同様に2台のモーターを同時制御して位置決めをするとき、CPUが円弧を描くように演算して移動する制御です。移動経路が直線的ではないため、直線補間よりも目標位置までの時間が多くかかってしまうというデメリットがあります。
円弧補間を利用することで、位置決めまでのルートに障害物がある場合、障害物を避けて移動することが可能になります。
モーションコントローラとよく比較されるのがPLCです。PLCとモーションコントローラの原理は、CPUにおける処理の方式に違いがあります。
PLCは、実行のたびにプログラムのすべての行が読み込まれるのが特徴です。そして、すべての行が一度に実行されるマルチタスク制御を行っています。
このためPLCは、プログラムのすべての行を読み込む必要があります。この読み込み時間が律速となることにより、PLCは複雑な制御を行うための演算時間が十分に確保できないのがデメリットです。
特に複雑な制御を行う場合はプログラムの容量も増加してしまうため、読み込みにはさらに時間がかかってしまいます。しかし、このプログラムの読み込み方式が、PLCとモーションコントローラおよび通常のPCと大きく異なります。
モーションコントローラは、PLCと異なり、通常のPCのようにプログラムの読み取りと実行が一行ずつ行われるのが特徴です。そのため、モーションコントローラはPLCと比較して、1つのタスクにかかる演算のコストが低く、高速に処理することができます。
さらに、モーションコントローラのメリットは、プログラムの容量が増えても一行の処理にかかる時間には影響しないということです。したがって、サーボモーターなどの複雑なシステムでは、PLCを使った制御よりモーションコントローラを使用した制御の方が、複雑なシステムを高速に処理することが可能になります。
複雑で高速な制御を可能とするモーションコントローラの出力方式として、「パルス方式/共通パルス方式」「パルス方式」「位相差入力方式/90度位相差方式」の3つがあります。
パルス方式/共通パルス方式とは、CLK信号にパルスが入力されたとき、DIR信号のH/Lレベルに応じて回転方向が決まる方式です。実際に制御を行うときには、DIR信号で回転方向(H:正方向・時計回り・右回転、L:逆方向・反時計回り・左回転)を決めて、回転させるタイミングでCLK信号にパルスを入力します。
パルス方式とは、CW信号およびCCW信号のいずれかにパルスが入力されると回転方向が決まる方式です。CWはClock Wiseの略で、正方向・時計回り・右回転を示します。またCCWはCounter Clock Wiseの略で、逆方向・反時計回り・左回転を示します。
位相差入力方式/90度位相差方式とは、A相パルス信号とB相パルス信号に入力されたパルスの位相ずれから回転方向が決まる方式です。A相パルス信号がB相パルス信号より+90度の方向に位相がずれた場合には、正方向・時計回り・右回転となります。
A相パルス信号がB相パルス信号より-90度の方向に位相がずれた場合には、逆方向・反時計回り・左回転となります。
参考文献
https://www.optoscience.com/maker/zi/principle-lock_in_amplifier/
http://www.g-munu.t.u-tokyo.ac.jp/mio/note/sig_mes/sig_mes.pdf
https://www.topic.ad.jp/sice/htdocs/papers/260/260-10.pdf
https://www.orientalmotor.co.jp/tech/qa/detail/0225/
https://www.contec.com/jp/support/basic-knowledge/daq-control/motion-control/
http://fa-faq.mitsubishielectric.co.jp/faq/show/11959
https://www.tohan-denshi.co.jp/column/1619/
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年6月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社安川電機 | 11% |
2 | オムロン株式会社 | 6.7% |
3 | 株式会社コスモテックス | 6.1% |
4 | 三菱電機株式会社 | 5.5% |
5 | 山洋電気株式会社 | 5.5% |
6 | 株式会社メレック | 5.5% |
7 | オリエンタルモーター株式会社 | 4.9% |
8 | 日本ムーグ株式会社 | 4.9% |
9 | 住友重機械工業株式会社 | 4.3% |
10 | 株式会社テクノ | 4.3% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年6月のモーションコントローラーページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
モーションコントローラ MP3100 シリーズは、パソコンと接続してデータ通信を行い、高速処理によって、装置の稼働状況などに関する大量のデータをパソコンのメモリやHDDに保存することが出来、モーション制御に関するすべてを管理すること可能です。
特徴として、データ収集機能が強化し、CPUの性能が向上しているため、大容量データでも容易に蓄積することが出来ます。
大規模データを高速に処理して管理することができるため、原因究明において高い精度が求めらる用途などに適しています。
MD5130Dは、5相ステッピングモーター用のドライバー一体型モーションコントローラーです。
付属の操作ツールにより、27種類のコマンドと各種動作パラメータによるユーザープログラムを登録することができ、CSV形式で編集することができます。
USB接続により、1台のPCのに最大16台まで同時に接続でき、制御プログラムのマニュアル操作が可能です。
また、通信コマンドを参照して独自の制御ソフトウェアを構築することができます。
SLM8000は、一枚のボードに機能を集約したワンボードモーションコントローラです。
これまで、不完全なパス動作により、指定通りの正確な制御が困難であった動作も、完全なパス動作を実現することで、正確な制御が可能になります。
WindowsのDLLによってExcelやLabviewなどと連携可能で、使い慣れたソフトウェアで独自の制御を行うことができます。
また、VBやVC、C#などで、独自のソフトウェアを設計することもできます。
EX-IO32はCPUモジュールに増設可能な最大32点の入出力が可能なモーションコントローラです。
1つのCPUモジュールに最大5枚まで増設できるので、160点までの入出力IOを拡張できます。
MDR型コネクタを採用しているので、配線やケーブルの作成において、端子台へ対応しやすいという利点があります。
CPUファームウェアで制御できるので、上位制御システム無しに、モーター制御ボードからの信号に対して素早い応答を実現しています。
東阪電子機器株式会社のePI-09は業界最小クラスの4軸モーションコントロールボードです。
特徴としては、安価で手軽なシングルボードコンピュータとして知られるRaspberry Piに対応しており、APIも用意されている点です。これにより、安価なシステムで、4軸同期制御や連続補間などの複雑な制御が可能になります。
このePI-09の特徴を活かすことで、安価かつスピーディに試作機を開発することができ、効率的な製品開発が可能になります。
また東阪電子機器株式会社は、ソフトウェア、ハードウェア、メカニカルを扱っており、トータルでサポートが受けられる点も大きなメリットです。
モーションコントローラー PPCle-8443シリーズは、 パルスコントロールを搭載したPCl-Expressインターフェース4軸コントロールボードで、専用のLSIによって高速パルスを発生させることが可能です。
動作機能には、直線やS字曲線での加速や減速、速度や位置のオーバーライド、13種類の減点復帰を行うことが出来、基板内のFIFOを用いた位置コンパレートによる指定位置におけるトリガー出力などもできます。
主な用途として、パルス入力タイプのステッピングモータやサーボモータの制御があります。
FMCA32はあらかじめ登録した最大32種類の動作を外部信号に対して実行できるモーションコントローラです。
Windows対応のプログラミングソフトによって動作パターンを簡単に作成でき、USB-4線式シリアル変換ユニットを介して基板内部のEEPROMに書き込みと保存ができます。
DC-DCコンバーターを内蔵しているのでDC電源の供給だけで駆動させることができます。
上流のプログラマブルコントローラからの外部信号を受けて、保存された動作パターンを呼び出して実行することができます。
Airsonicシリーズは、独自開発の制御アルゴリズムとエアベアリング構造を採用することで、高速、高精度な位置決めを行うことができるモーションコントローラです。
1つの軸で位置決め、荷重制御の2つ制御を実現しており、従来のように複雑な制御機構を必要としません。
シンプルな構造なので、装置の軽量化、コンパクト化を行い性能向上を実現します。
エア駆動なので、発塵や発熱がなく、グリースの塗布なども必要がないので、メンテナンス性も向上しています。
モーションコントローラ M800/M80シリーズは、高い柔軟性と拡張性を持ったCNC数値制御装置です。
M800Wは、制御ユニット部と表示器が独立しており、Windowsを搭載した表示器を選択することができることや、標準装備として拡張スロットを4個有しており、さらに、オプションカードスロットによる拡張性も実現しているため、拡張性に優れているのが特徴です。
M800Sは、制御ユニットと表示器が一体化したパネルインタイプで、マルチCPUによる高い性能と高機能描画の両方を実現しており、Windowsを搭載していない表示器によって、操作性が快適であるという特徴があります。
主な用途として、多軸多系統の制御やマシニングセンタ系機能や旋盤系機能の強化などに適しており、高速で精度の高い加工に用いることができます。
E80Seriesは、シンプルな使い勝手で高いコストパフォーマンスを実現したモーションコントローラです。
制御ユニットとキーボードがディスプレイと一体化しており、厚みもわずか9.5mmでフラットな形状なので、自由度の高い組み込みを可能にします。
加工プログラムと実際の加工軌跡との誤差を検出しフィードバックすることで、コーナー部や円弧の加工精度が大幅に向上しています。
加工プログラムの作製は、対話式のインターフェースを採用しており、直感的にプログラム作成を行うことができます。
MMC-200/MMC-400は2軸及び4軸制御のハイエンドスタンドアロンモーションコントローラです。
円弧補間位置決め機能や、速度オーバーライド機能を搭載しているので、より高精度の制御が可能な製品です。
直線駆動だけでなく、8種類の任意形状でS字加減速駆動が可能で、曲線駆動に対応しており、64パターンのカム形状を記憶することができます。
多彩な速度レンジモードを搭載しており、超高分解能モーターの駆動にも対応しています。
FANUCSeries0i-LFPlusは最大制御軸7軸と同期して高速制御が可能な2次元レーザー加工機に最適なモーションコントローラです。
プログラマブルなレーザー加工条件設定機能など、豊富な制御機能を搭載しており、コストパフォーマンスの高い製品です。
iHMI2次元レーザー加工機用シミュレーションにより、加工経路とピアシング位置をわかりやすく表示でき、進捗状況や機器の状態をグラフィカルに表示することができます。
モーションコントローラ モータドライバ かぐや姫シリーズは、ACサーボドライバで、用いることによって、モータの動作を確実に制御することが出来ます。
モータの制御方法には、アナログ電圧やコマンド制御などのトルク制御、コマンド制御やパルス列などの位置制御、コマンド制御やパルス周波数やアナログ電圧などの速度制御の3種類あります。
主な用途として、エンコーダを搭載しているブラシレスモータにおいて、モータの様々な動作を制御することに使用できます。
αSTEPAZシリーズはEtherCAT通信に対応したバッテリーレスのモーションコントローラです。
プログラマブルコントローラなどの上位制御機器とEtherCAT通信ケーブル1本で接続できるので、省配線でネットワーク上からモーターの直接制御を可能にします。
条件設定や、機器の状況は付属のサポートソフトによってPC上から簡単に確認、操作が行えます。
豊富なモーターや電動アクチュエータと組み合わせることができます。
モーションコントローラー CJ1W-NC シリーズは、パルス列位置制御ユニットと共通している制御インタフェースを搭載したプログラマブルコントローラです。
100MbpsnoEtherCAT通信を採用することにより、PLCからの起動指令を出してからサーボが起動するまで、最速で0.15msの起動時間で動作し、精度が高く、高速な位置決め制御を行うことが出来ます。
主な用途として、絶対値エンコーダ付きのサーボモータに対応し、様々な位置決め動作を行うために使用することが出来ます。
モノタロウでチェック
アズワンでチェック
ミスミでチェック