パワーモジュールについての概要、用途、原理などをご説明します。また、パワーモジュールのメーカー20社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。パワーモジュール関連企業の2024年2月注目ランキングは1位:京セラ株式会社、2位:STマイクロエレクトロニクス株式会社、3位:コーセル株式会社となっています。
パワーモジュールとは、複数個のパワー半導体を組合せることにより電源関係の回路を1パッケージのモジュールに集積化した製品のことです。
電源関係のモジュール化により、電子機器の小型化や製造時の生産性改善に寄与させることが可能です。IC (半導体集積回路) の中に必要機能をまとめて低電力設計を行い、最適化を施すことにより、工場などで使われる産業機器や大型白物家電、自動車、鉄道、新エネルギーなど広範な分野で使われるようになっています。
現在もパワーモジュール関連の市場規模は、急成長している状況です。
パワーモジュールの最も身近な使用例はエアコンや冷蔵庫、洗濯機などに搭載されている「インバーター」です。このインバーターは、周波数を変換することでモーターの回転数を制御できます。
モーターの回転数を自由に変えることによって無駄な動きを減らし、省エネ化に貢献可能です。これに対して、インバーター非搭載のエアコンではモーターのオンオフしかできないためエアコンを動かしたり止めたりという極端な動作の繰り返しで、無駄な電力を消費することに繋がります。
インバーターは、モーターの回転数を制御する用地、HEVやEVといった電動自動車などにも利用されています。自動車の駆動はオンオフのみではなく、タイヤが空転するのを検知し、制御することが重要です。
この制御が行われないと、自動車はスリップを起こしてしまいます。雪が降る地域では安全に効率よくタイヤに力を加える必要があり、モーターの電力を非常にきめ細かく制御することは、特にEVやHEVにおいて重要かつ欠かせないものです。
パワーモジュールは、その必要とされる電源用途に最適な複数のパワートランジスタをバイアス駆動回路と共にIC化したものを、周辺の部品と一緒にモジュール化して、パワー動作時の耐圧とスイッチング速度や効率の向上を図っています。また、パッケージや基板の放熱性などにも配慮し、使いやすくしている点が特徴です。
パワーモジュールに広く用いられているパワー半導体の中でも、パワートランジスタは最も応用範囲が広く、半導体や材料メーカーを中心に技術開発が盛んに行われている状況です。パワートランジスタの中にも、以下にあげる複数の半導体デバイスがあります。
バイポーラトランジスタは構造がシンプルで大きな電力を扱える代わりに、スイッチング速度が遅く、消費電力が大きいという欠点があり、近年はパワーモジュール用途の主力ではなくなってきています。
パワーMOSFET (FET: Field Effect Transistor) は最も高速なスイッチングが行え、消費電力が少ない優れた利点を有しますが、大きな電力を扱いにくいという欠点を併せ持つデバイスです。
1980 年代に開発された IGBT (Insulated Gate Bipolar Transistor: 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ) は、大きな電力が扱うことができます。 MOSFET と比べて、あまり大きくは見劣りしないスイッチングが可能です。回路構成はMOSFET と BJT (Bipolar Junction Transistor) を合わせたような構成になっています。
次世代パワーモジュール用デバイスとして、昨今SiC-MOSFETが注目されています。SiC基板はSi基板と比較して、バンドギャップエネルギーが大きく耐圧が稼げる物性を有しており、MOSFETでもSiC基板で作成することにより、大電力化が可能です。
IGBTはSi基板でも大きな電力を扱えますが、バイポーラ構造に起因するスイッチング速度を上げにくいという課題もあり、大電力でスイッチング速度の速いデバイスであるSiC-MOSFETが次世代パワーモジュール用に現在本命視されています。
これまではSiC基板の弱点であった量産性も、その技術革新に伴い6インチ基板を扱える基板メーカーが出現したこともあり、克服されつつあります。
自動車のEV化が加速する昨今において、パワーモジュールはますますその必要性を高めています。EVにおけるリチウムイオン電池の電圧は、充電の時間にも関係するために、高速な充電による充電時間の短縮を目指し、またパワートレインといわれるEVのエンジンに相当する箇所の効率化のため、現在の400V程度の電圧から、例えば800Vといった更なる高電圧化が必要とされている状況です。
高電圧で車載用のモーターを制御性良く扱うためには、インバーター回路で発生された交流電流を高速でスイッチングすることが重要であり、ここにパワーデバイスやパワーモジュールが用いられています。
参考文献
https://www.electrical4u.com/insulated-gate-bipolar-transistor-igbt/
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
2024年2月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 京セラ株式会社 |
11.9%
|
2 | STマイクロエレクトロニクス株式会社 |
11.9%
|
3 | コーセル株式会社 |
11.0%
|
4 | ローム株式会社 |
11.0%
|
5 | 三菱電機株式会社 |
10.1%
|
6 | TDKラムダ株式会社 |
9.2%
|
7 | 株式会社シーユーアイ・ジャパン |
9.2%
|
8 | 富士電機株式会社 |
6.4%
|
9 | Gamma High Voltage Research, Inc. |
5.5%
|
10 | Vicor株式会社 |
3.7%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2024年2月のパワーモジュールページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
1 点の製品がみつかりました
新東工業株式会社
60人以上が見ています
最新の閲覧: 10時間前
返信の早い企業
100.0% 返答率
12.7時間 平均返答時間
■インバータモジュールの電気特性を検査 自社開発した電源・標準計測ユニットを中心とした、市販計測器の制限にこだわらない独自の検査環...
Metoreeに登録されているパワーモジュールが含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
カタログを企業ごとに探す
カタログを種類ごとに探す
ロームは、創業60年以上の半導体・電子部品メーカーとして、創業時より掲げる「品質第一」の企業目的に基づき、民生機器やIT機器、自動車、そして産業機器に...
2023年5月15日
2023年12月18日
2023年12月18日
EVAL-2ED1324S12PM1は、M1コネクター、1200 V/25 A EasyPIM™ TRENCHSTOP™ IGBT7 三相入力整流器パワー統合モジュール (PIM)、モーター ドライブ アプリケーシ...
2023年12月20日
EVAL_TOLL_72VDC_2kW 評価用パワーボードは、高出力電動工具に適したバッテリー駆動 60 V ~ 84 V BLDC モータドライブアプリケーション向けに、新しいOptiMO...
2023年12月20日
2023年12月28日
2023年12月28日
2024年2月13日
2024年2月13日
当社の下記パワーモジュール(SiC、IGBT)について紹介。■HPD series SiC Module■ED3 SiC Module■E0 SiC Module■E2 SiC Module■ED3S SiC Module■F0 Hybrid Mo...
2024年1月5日
パワーモジュールのカタログ10件分をまとめてダウンロードできます!お迷いの方は便利な無料の一括ダウンロード機能をご利用ください。
企業
ローム株式会社 インフィニオンテクノロジーズジャパン株式会社 エルピーエステック株式会社